概要
狭義には、中生代ジュラ紀前期にヨーロッパ近辺の海域に棲息していたPlesiosaurus dolichodeirus属を指す。
広義には、前述の種に近い関係にある、頭が小さく首の長い首長竜全般の通称。
発見当初は水棲の生き物である事から「魚類と爬虫類の中間的生物、その中でも爬虫類により近い」と推測され、其処からplesiosaurus=「爬虫類に近似した」を意味する属名がつけられた。
長い首以外の身体的特徴として鰭状の四肢、樽のような胴体、鋭い牙を持つ。
その身体の構造上泳ぐスピードは然程速くなかったが、その分機動性に富んでいたと思われる。
また、最近の研究では首は主として下方に曲がり、それ以外の方向に曲げるには制限がある事が判明している。
魚類やイカなどの軟体動物を捕食していた。頭蓋骨や歯の形状から、水中の獲物を捕まえる他にも海底の堆積物に口を突っ込み、砂中に潜む小さな生き物を濾過して捕食していた可能性も強く示唆されている。
極海に棲息していた Morturneria seymourensis は、現生のヒゲクジラ、またはマンマロドンのような濾しとり型の食生活を送っていたことが2017年に発表されたが(参照)、古代の巨大ワニ・ストマトスクスや翼竜・プテロダウストロ、現生のフラミンゴなど、プランクトンを食べることに特化した収斂進化の類なのかどうかは不明。
卵胎生(孵化寸前まで卵を胎内に留め、幼生の状態で出産する形質)であった事と思われ、実際に大人の腹部の骨に子供の骨が重なっている化石が発見された例もある。