概要
ハーメルンで連載されていた機動戦士ガンダムSEEDDESTINYの二次創作。作者は明日希氏。旧題は『赤の騎士と偽りの歌姫』。
アスラン・ザラが主人公であるが、本作では珍しくミーア・キャンベルがメインヒロインとなっている。
「もしプラントにもアスランの昔馴染みがいたら?」というif話でなるべく死人の少ないDESTINYを目指す作品とのこと。
本編は完結したが、新章のSEEDFREEDOMを題材とした「白の王と秘められた青」が連載中。
登場人物
プラント
本作の主人公。
カガリ・ユラ・アスハと付き合っている認識は無く、放っておけない妹のような少女と本人は思っている。そのためプラント出発前に指輪を渡していない。
肩書きが一人歩きしてしまっているため、個人としてのアスラン・ザラを知ろうとする人間は貴重だと感じている。
趣味は機械いじりで、ヨウラン曰く、ラクスに贈ったピンクちゃんを始めとしたハロは再現不可能品(またはオーパーツ)扱いされており、画期的な論文を多数発表し、特許も複数取得しているとのこと。
ディオキアでの慰問コンサートだけでなく、ボランティア活動にも参加している。
プラントの一市民としてはラクスに戻ってきてほしいと思っているが、反面彼女の重責を知った者としては、普通の少女として過ごしたいとプラントから離れるに至った気持ちも理解している。
終盤で、自身の遺伝子がラクスの遺伝子と類似性が高いことと、アスランと対の遺伝子であることが発覚。
戦争終結後は、髪の色を黒に染め直している。
本作のもう一人の主人公。
オリキャラ達の橋渡しや、その過程でアスランがザフトに入ったきっかけを聞いたため、口調こそ「あんた」と呼ぶようなフランクながら原作と違い反発せず「スーパーロボット大戦L」のような師弟関係に至れた。
趣味は読書であり、本作ではそれがクローズアップされることがある。
戦争終結後に一人称が「僕」に戻っている。
シンのアカデミー時代の同期である少年。
普段は冷静沈着だが、養父のデュランダル議長に対しては歳相応の態度を見せる。
終盤でアスランとシンに自身の出自――ラウ・ル・クルーゼと同じくアル・ダ・フラガのクローンであることがバレてしまうが、拒絶されることなく受け入れられたため、タリア達ミネルバ隊の一部メンバーとネオ達元ファントムペイン・ロアノーク隊のメンバーにも自身の出自を告白。その際、自身の身体の問題が治せるかもしれない希望が見つかったことで心の負担が取れた。
同時に、前大戦でラウを討ったキラ・ヤマトに対する認識も、【憎むべき仇】から【父親が与えた才能に人生を振り回された哀れな子供】に改めている。
シンのアカデミー時代の同期であるホーク姉妹の姉。
本作ではステラがシンのメインヒロインとなったため、サブヒロインに固定。
その代わり、搭乗機の強化に恵まれ、妹のメイリンと共にガイアの強奪犯だったステラと交流したことなどもあり、精神的に成長している。
シンのアカデミー時代の同期であるホーク姉妹の妹。
本作ではミーアがアスランのメインヒロインとなったため、サブヒロインに固定。
その代わり、姉のルナマリアと共にステラと交流するなどのイベントがある。
キラ・ヤマトの次に情報処理能力に長けており、本作でもそれを活かしている。
ザフトの最新鋭艦「ミネルバ」の艦長を務めるベテランの女性軍人。
本作では、メンタルケア担当のオリキャラがいて、ミネルバ隊のクルーの中で問題児だったシンがアスランと早期に和解したため、原作ほどストレスに晒されていない。
かつて、子供を望んだがために恋仲だったデュランダルと別れたが、息子を授かったものの原作と違い夫と離婚したことから、「あの時、ギルバートの手を離すべきではなかったかもしれない…」と、表には出さないが後悔をしている。
ザフトの最新鋭艦「ミネルバ」の副艦長を務める男性士官。
本作では、アスランに反発していた頃のシンも彼には頭が上がらなかったことから、意外にも人望があるようだ。
現プラント最高評議会議長。
本作ではオリキャラを始めとした補佐役に恵まれたお陰か、ネオジェネシスの建造やラクスの暗殺などを行っておらず、デスティニープランもあくまで適正審査の枠を出ず、最終的な決定は当人に委ねる形の緩いものになっている。
かつて愛したタリアとの初恋を、大切な思い出として心に秘めている。
ロアノーク隊
公私を問わず補佐に回るナタルが女房ポジに収まっているためか、エクステンデットの3人を我が子のように可愛がっている。
ロドニアの一件で暴走したステラがアスラン達に保護された際は、オリキャラの入れ知恵で提案された内通に「これ以上彼らが『調整』を受けることがなく、人として過ごすことができるなら」と協力して、強奪したモビルスーツを母艦ごと手土産にして庇護下に入り、以後戦力として活躍する。
後にアスランやキラに「ムウ」と呼ばれたことで過去の自分について気になり、ナタルから聞くが、すでにネオとして充実した生活をしていたためか当事者意識は起きず、「他人の話を聞いているような感覚しかなかった」と特に記憶が戻るような変化はない。
原作と違い、奇跡的に生き残った。
リハビリにより回復したが、銃を撃つなどは出来ない。現在はネオの副官を務めている。
本作のメインヒロインの一人。
本作の後半では、シンの搭乗機だったインパルスに搭乗する。
シンに対する感情は「一緒にいると胸がドキドキする」であり、戦争終結後、ルナマリアとミーアの助言を受けてシンに逆プロポーズした。
三隻同盟
「機動戦士ガンダムSEED」における主人公の一人。
アスランに差し伸べた手を2年前の自分と同じ言葉で拒絶されてしまったこともあって、原作以上に初恋だったフレイ・アルスターを始めとした前大戦で守れなかった人々の死に囚われているため、クレタ沖の戦いで手を取りたかったはずのアスランを自ら撃ち落としてしまったほど精神的に余裕が無い。
それもあって終盤に捕縛された際は、尋問よりも食事や睡眠などの療養を最優先された。
なお、本作のキラは前大戦後半の搭乗機だったフリーダムを「大切な人を守れなかった役立たずの機体」、その後継機のストライクフリーダムを「自分を終わらない戦いに縛り付ける鎖」と表現していた。
「機動戦士ガンダムSEED」におけるヒロインの一人。
自身を暗殺しようとしたことを理由にかつてのシンパと共にデュランダル議長以下現プラント打倒を掲げ立ち上がるが……実際はかつて自身の幸せを求めるあまり、全てを投げ捨て姿を眩ませたことで生じた混乱に対する失望や、見捨てられた憎悪に駆られたクライン派の自作自演だったことが明かされ、最終的にテロリストの先導者として捕縛される。
ただし自身の影武者に仕立て上げられたミーアと面会する中で打ち解け、いつか一緒にステージで歌うことを約束するなど、ある程度肩の荷が下りたことで、狭まった視界を再び広げる余裕を持つこともできるようになった。
「機動戦士ガンダムSEED」におけるヒロインの一人。
義父ウズミの掲げていた『外部に干渉されない絶対中立』にこだわるあまり現実を見ておらず、終盤にオーブへ帰還し統治者の座に再びついてから「これ以上感情任せで勝手に動き回り、オーブ国民をないがしろにするな」と叱責を受ける程状況を無視した自己中心的な振る舞いが悪目立ちしている。
更に、アスランの前でプラントを侮辱する発言を繰り返したことで「仏の顔も三度まで」と見限られてしまう。
戦争終結後、自分とアスランがお互いを大事に出来なかったこと・双子の弟のキラとちゃんと話し合うべきだったことに気づき、自身と養父に対する糾弾しか見ていなかった元オーブ国民のシンと一度話し合いたいと思える程に落ち着きと余裕を取り戻した。
また、アスランからハウメアの護り石を返されている。
前大戦時は、アークエンジェルの艦長を務めた女性。
原作と違い、恋人だったムウ・ラ・フラガを眼前で失ったトラウマが癒えておらず、「キラを始めとした民間人を戦争に巻き込み、ナタルと敵対した自分の判断は正しかったのか…?」と苦悩したため、決断力が弱くなってしまっている。
前大戦時は「砂漠の虎」の異名で連合軍に恐れられていたザフトの知将。
以前からのプロモーションと前大戦終盤の功績により、「ラクス・クライン」へのプラントの依存が酷いと心理学者の視点から気付いていた。
オーブ連合首長国
地球連合
本作における実質的なラスボスで、原作以上に悪行が酷い。
最期はTVアニメ版同様、レイが駆るレジェンドに引導を渡された。
現大西洋連邦大統領。
終盤ではアルザッヘル基地にいたが、往生際が悪いジブリールを見限って投降したため、原作と違い存命している。
その他
前大戦時はアークエンジェルのCICを務めていた少女。
現在は戦場カメラマンとして世界各地を回っている。
原作と違い、公の場では国際問題に発展しかねないカガリの失言やキラの変わってしまった姿を目の当たりにしたことが要因で、キラ達三隻同盟の面々と合流しなかった。
戦争終結後に行われた式典におけるディアッカとのやり取りから、彼とよりを戻したと思われる。
SEEDFREEDOM編
- イングリット・トラドール
- オルフェ・ラム・タオ
- アウラ・マハ・ハイバル
- アグネス・ギーベンラート
- アレクセイ・コノエ
- アビー・ウィンザー
- アルバート・ハインライン
- ヒルダ・ハーケン
- マーズ・シメオン
- ヘルベルト・フォン・ラインハルト
- ワルター・ド・ラメント
- ウィリアム・グラディス