クソデカ概要
基本的な流れは元ネタとほとんど変わらないが、この作品の特徴は、「象くらいある蟋蟀」「七千万段ある石段」などスケールがやたらとデカくなったり、「この門の近所へはマジでビックリするくらい足ぶみをしない事になってしまった」など修飾語が過剰に付け足されたりしており、それらが原作の雰囲気や文体をほぼ残しつつ、ぶっ飛んだインパクトのある作品になっている。
クソデカ登場人物
主要人物
- 下人
本作の主人公。四五日前にクソ強い主人から暇を出し倒され、クソデカい羅生門の完全な真下で途方に暮れまくっていた。腰には白いミスリル鋼の芸術品のように美しい色をした、世界最高の名刀と謳われる聖柄の大太刀を提げている。七十二時間呼吸をしなくても平気だったり、大梯子から三千里(約一万二千メートル)上へ飛び上ったりと、エゲツないくらい高い身体能力の持ち主。
- 老婆
檜皮色のきったねえ着物を着た、ノミのように背の低い、ナナフシのように痩せこけた、白銀髪頭の、豆猿のような老婆。クソデカい羅生門で超ビッグ死骸の髪から巨大鬘を作ろうとしている最低最悪醜悪人間。右の手に持った最高級松の巨大木片には、世界すら灼く業火をともしている。神速で下人から逃亡しようとするも、下人の馬鹿力の前には無力だった。
その他
- 羅生門
本作の舞台。クソデカい。完全修理されずにドン引きするくらい荒れ果てた結果、クソヤバい狐狸や世界最強の盗人が6万人も棲みつき、挙げ句の果てにはマジで悲しくなっちゃうくらい全然引取り手のないきったない死人を、この門へ猛ダッシュで持って来て、超スピードで棄てて行くと云う習慣さえ出来てしまう。
- 京都
下人の住む都。「最低最悪のゴミの掃き溜め」「世界最悪の罪の都」とも呼ばれ、大河のように広い朱雀大路がある。この二三千年ほど、超巨大地震、破壊的辻風、最強大火事、極限饑饉などのエグすぎる災が毎日つづいて起こり、マジでもう一通りとかそういうレベルではないくらいにさびれ、クソ治安がいいことで知られる洛中ですら、クソデカい仏像や文化財クラスの仏具をものすごいパワーで打砕いて、その丹がベッチャベチャについたり、金銀の箔がもうイヤになっちゃうくらいついたりした木を、路ばたに親の仇のようにメチャメチャつみ重ねて、薪の料に売りまくっていた始末。
- 蟋蟀
象くらいある。所々丹塗のびっくりするくらい剥げた、信じられないほど大きな円柱にとまっていたが、いつの間にかいなくなっていた。
- 鴉
億単位で頭おかしいくらいデカい門の上にメチャクチャ大量にある死人の肉を、気が狂ったように啄みに来る超凶悪な鴉。鼓膜破壊レベルの音量で啼きながら、亜音速で飛びまわる。
- 傾国の美女
クソデカい羅生門で老婆にバカ長い髪の毛を一〇〇〇〇本ずつ抜かれていた大死骸の一つ。生前は八岐大蛇を四寸ばかりずつに切って干したのを、干巨大怪魚だと言って、太刀帯の陣へ売り込みに行っていたが、大疫病に五回かかってこの世を去る。