※本紙のネタバレを含みます!
「この世界は 絶望で満たされているんです」
「この世界に絶望しかないからこそ 絵本の世界の夢と希望で人を救うしかなかったんです」
「メルヘンは素晴らしい… 人類に与えられた唯一の救済です」
プロフィール
氏名 | 雪房田夢留 |
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性別 | 女性 |
所属 | お花の蜜大学附属高等学校(1−6) |
一人称 | 私(わたし) |
概要
愛城恋太郎の29人目の運命の人。
お花の蜜大学附属高等学校1年6組。26人目の彼女である才奇姫歌とは同じクラス。
若き絵本作家で、「今一番夢と希望に溢れている」と言われるメルヘンな絵本「ゆめちゃんとおそらのおうち」の作者。
しかしその実態は、人々を本気で救いたいあまり世界に絶望し、メルヘンを『唯一の救済』と捉えるようになったメルヘン教徒。
ハイライトの無いベタ目と横長に開いた口、背中まで伸びたウェーブヘア、常に被っているベレー帽が特徴(幼少期は目にハイライトがあった)。
ちなみに初登場時は「初見で絵本作家だと読者にバレないように」という原作・作画サイドのあんまりにもあんまりな都合でベレー帽を一時紛失していた(恋太郎と邂逅した後、風に吹かれて戻ってきた)。
人物
一見根暗でネガティブな雰囲気を纏っているが、元々は明るい性分であり、「夢と希望のために世界を良くしたい」と一心に願う少女であった。
本気で世界を良くしたいと思っていた彼女は、小学生の頃から横断歩道でお年寄りを助けたりボランティア活動に勤しんだりと善行を重ねていたが、成長と共に人の不幸や悲しみ、苦しみといった悪意を知り、所謂「良い子ちゃん」な振る舞いからいじめを受けるようにもなった。
それでも挫けず、寧ろ「人を救うために必要な『救われたい人の不幸』を知る好機」と捉えた彼女は、世界のありとあらゆる不幸を知ろうと書籍やネット、TVのニュース等を本気で吸収し続けるも、半年打ち込んだ末「この世界は絶望で満ちていて駄目だ」という結論に至ってしまう(この時、目のハイライトも消えている)。
しかし通学路の住宅地で絵本に目を輝かせる子供を見たことを切っ掛けに、「夢や希望が世界には無くても、人の心の中にはあるかもしれない」と「メルヘン」へと救済を見出す。
結果、日々世界に絶望すると同時に「魂を捧げた」と語るまでにメルヘンを渇望する、現在の性格が出来上がった。
上記の通り世界に絶望しているのは紛れもなく事実だが、周りを呪ったり恨んだりせず、他者の幸せを一身に願う優しく聡明な人物。世界の現実や絶望を知っても、夢と希望を広げることを諦めない黄金の精神の持ち主である。
恋太郎ファミリーがいつもの集合場所である屋上を降りて帰っていく中、屋上に向かっていく夢留を見かけた恋太郎が追いかけたことで運命の人ビビーンを果たす。
世界に絶望していると語り、屋上の柵に手をかける彼女を見て「投身自殺を図ろうとしている」と思った恋太郎は、引き留める・説得する形で彼女の絶望と人となりを知る。
「見聞きした不幸の全てを聞かせてほしい、一緒に支える」と歩み寄る恋太郎に「あなたの目から夢や希望が消えるのを見たくない」と語った夢留に惹かれた恋太郎は、「『恋』もこの世界の救い」「勿論自分を磨いたり相手を幸せにする努力も必要だが、その先に人生の全てが救われるような幸福もある」と持論を語る。
それはその努力を成せる人間だけに限った話で、自分にとっての救いではないと返す夢留だったが、「どんな絶望に幸福を壊されても何度だって手に入れればいい」「どんなに大きな絶望の前だったとしても、大好きな人と手を繋げたらこの世界よりも大きな幸福だと思う」と恋太郎はまっすぐな性根をぶつけ、柵に手をかけていた夢留の手をしっかり握っていく。
胸の高鳴りを覚えた夢留も「恋(これ)はまるでこの世界に現存するメルヘン」という結論に至り、恋太郎との交際を承諾。
「自殺を図ろうとした少女を引き留める」という状況もあって、珍しく恋太郎の方から告白をした運命の人である。
なお投身自殺は恋太郎の誤解・思い込みであり、夢留は空からの絵の参考にするため町を一望し、家々ひとつひとつに絶望を感じていただけだった。
「世界から解放されるのは世界をメルヘンで覆い尽くして人類を救済した後か、メルヘンに生涯を認められた時のみ」と語っており、いくら世界に絶望しても自ら死ぬつもりは無いらしい。
相手の年齢に関係なく常に敬語で話し、作家ができるだけあって周囲への理解力・対応力も高い。その場でメルヘンな話を語り聞かせるのもお手の物。
ファミリーとの顔合わせ時も、(もはや恒例行事となった)集団キスに最初は驚くものの、全員が心から幸せそうな様子に「救済の世界(メルヘン)」を見出し恋太郎とのキスを受け入れている。
メルヘンへの渇望ゆえか、絵を描く時はまるで何かに取り憑かれたかのような様相を見せる。その様は若干ホラー。
「メルヘンの源」としてエナジードリンクを携帯しており、「人類が生み出した中で最も素晴らしい物体」とまで評している。ただし寝不足がパフォーマンスの質を低下させることは承知しており、創作を優先して体調を崩すことは良しとしない。
また創作者の誰もが通る道である「生みの苦しみ」も知っており、恋太郎ファミリーに入って暫くした後はスランプに陥ってしまっていた。
しかし静に創作を勧めた事、また彼女が必死に物語を書き上げた事を切っ掛けに「人が生み出す物語はどれもが唯一無二」ということを思いだし、またそれを静に語ったことで彼女と心を通じ合わせる。
その後は静のいる図書室で共に創作に励むようになり、ファミリーの中でも一緒にいる機会が増えている。
余談
名前の由来は「絶望だ」+「メルヘン」と思われる。他には「絶望を溜める」や、「絶望だめ」という思いもかかっているかもしれない。
初登場した177話では、投身自殺と誤解された状況もあり、恋太郎とは互いに名乗らないままに恋人となっている。同話ではサブタイトルで名字のみが明かされ、下の名前と学年は翌178話で判明した。
177話の回想シーンを見る限り、お花の蜜大学付属校には少なくとも中等部の頃から通っており、山女同様内部からの進学生だと思われる(小学生の頃から制服であったため、初等部の頃から通っている可能性も)。
関連タグ
恋太郎の運命の人