「薬膳ヤクなのじゃ」
「昔は戦場で薬を作ったものじゃ」
プロフィール
※ 133話にて判明。由来は名前(ヤ=8、ク=9)の語呂合わせと思われる。また、8月9日は上記の語呂が由来で「薬草の日」と制定されている(ちなみにこの日と同じではあるが無関係である)。
概要
本編の主人公である、愛城恋太郎の16番目の運命の人。
薬膳楠莉の母方の祖母で、プロフィールの通り89歳と驚異のご高齢(アラナイ)。恋太郎との年齢差は73歳。
ちなみに夫である楠莉の祖父は既に亡くなっており、現在は娘夫婦と共に暮らしている。
羽々里「大丈夫なの……!?倫理的に」
唐音「おめーが言うな」
人物
89歳という実年齢に反して外見は若い……を通り越して幼い。
これは楠莉の作った「不老不死の薬」の失敗作により、孫や家族共々8歳の肉体となっているため。
更にヤクが飲んだものは他の家族が飲んだものと違い完成品に近かったため、打ち消しの薬でも元には戻らなくなっている。すなわち、あともう80年は生きられるということ。ただフリーフォールに乗ったら肉体だけ落ちてうっかり魂を残して逝きそうになるなど、お迎えは準備されている様子(本人はうたた寝してた感覚だというので、これまた恐ろしい)。
また、未成年のために精神年齢も退行する楠莉と違い、成人してから薬を服用したので精神年齢も実年齢のまま(これは楠莉の両親も同じ)。その為に圧倒的な年齢差から初めは恋太郎を恋愛対象として見ていなかったこともあって、珍しく恋太郎の方から告白をしている。
若かりし頃は旧日本軍で看護兵をしていたらしく、戦場で医薬品開発をしていた剛の者。薬膳家の血筋は伊達では無く、千切れた手足を元通りに繋ぎ合わせられる薬といった数々のオーパーツを開発して前線の兵士達の命を救った才媛である。軍属として一通りの軍事教練を受けたためか意外とよく動ける肉体派でもあり、身体が若返ったこともあって忍者のような軽業を披露したことも。一方で戦場という地獄で凄惨な経験をしてきたためか、戦時中のトラウマを思い出すと火事場の馬鹿力が出せるようになってしまった。
一方で、横文字には非常に…を通り越して異常に弱く、英語表記が分からないうえにアルファベットを文字と認識していなかったなど、日本語以外の言葉が全く通じないばかりか、アメリカを「米国」と言わないと通じないなどカタカナまで含めた横文字という横文字が通用しない。
アルファベットは本人いわく「変な形の傷だと思ってた」そうで、そもそもアルファベットの存在自体を知らない模様。
カタカナも読むこと自体はできるが意味までは分からず、ボタンをスイッチのほうではなく植物の牡丹だと思ってしまい、「ナディー」のことを「なでー」と呼んでしまうほどである。
……どうやって薬学を修めたんだ?(一応、「薬学」と一言に言っても「天然薬物学」や「漢方薬学」のようなものもあり、蓬の薬効を恋太郎に実演する描写もある…が、それでもやはり修めるならば横文字を避けることはできない。そのためか、調薬描写は回想シーンのみで、楠莉のように新たな薬を調合するような描写は皆無である)
また、スマホを「板」、テレビを「箱」と呼んだり、電話も糸電話しか使えないなど、機械全般にも疎く、乗り物にいたっては機械嫌いの祖母(楠莉の高祖母(※))の影響からか、車を「人をひき殺す鉄の馬車」、電車を「鉄の蛇」呼ばわりしてひどく恐れているなど、もはや本人の言う「古い」以前にタイムスリップしてきた人のような印象がある。年齢を考えたら電話くらい使えたりテレビやスマホもさすがに理解出来そうなのだが、まぁ気にすんな。
(※)なお、この家系は女系が大変に優秀であるが故か結婚・出産が遅い傾向にあり「自身(89)→娘(55)→孫(18)」とかなり年齢が離れがちなため、自身の祖母といえど、どの程度、昔の人間なのかは不明であるが。
孫の楠莉を含む恋太郎ファミリーの面々からいくら教わってもほとんど覚えないあたり、脳に何らかのフィルターがかかっている疑惑すら感じられる。
年金暮らしなので暇を持て余しており、学校にも遊びに来ることができる。なんなら恋太郎ファミリーと一緒に登校している。授業中は理事長室で羽々里と共に過ごしていることが多い。そして羽々里の仕事中の癒しになっている。
恋太郎ファミリーの中でもぶっちぎりの最年長であり、人生経験の豊かさと大らかな人柄からファミリー全員に甘えられているみんなのお婆さまである。
骨董品が好きだが、真贋の見分けについては残念なレベル。そのことで、落ち込んだ際には孫と同じ顔になってしまったことも。
14歳の若さで死の淵に立たされた想い人との間に人工授精にてなんとか子供を作った羽々里とは違い、それなりにパートナーとの恋愛および命の運びを共にしたこともあり、他のファミリーほど恋太郎にガチ恋をする描写は少なく、本人も言う通り、長らく年甲斐のない婆さん(まぁロリババアだが)の戯れといった感じが続いていた…が、140話にて亡き夫の遺した愛のメッセージを恋太郎がヤクに気づかせたことで恋太郎への愛情は深まった模様。
また健康ランド通いも趣味であり、楠莉が同伴に飽きるレベルで無限に行っている。本気グループの足つぼロードでも終始快感を味わっていた。
関連キャラ
ヤクの孫。本来は18歳だが、不老不死の薬により普段は8歳児の姿を取っており、祖母と一緒に「ペン太郎の冒険」というアニメを見るのを楽しみにしている。元々、不老不死の薬の開発は、ヤクを死なせないためということから孫の鑑と恋太郎からは称されている。
地味にハグ魔であり、元の年齢に戻ると8歳時の姿では平気で取れていた行動を恥ずかしがる傾向がある中、ヤクに抱きついて甘えるのは18歳の姿でも変わらず行う。
羽香里の実母。そして『本編開始の時点でパートナーと死に別れている』『恋太郎の運命の人の血縁者』という点が共通している。ファミリー内では年長者な羽々里もヤクにとっては年下の女の子であり、ヤクに甘えさせて貰った羽々里は今までに経験してこなかった新たな感情、バブみに目覚めてしまった(大人って可哀想だね。)。
恋太郎と楠莉の通う高校の国語教師。日本の伝統を重んじる由緒正しい家系にて英才教育を施されたため、和の心が体に染み付いている同志として共に行動することが多い。
普段はアメリカかぶれな言動をしているが、横文字苦手なヤクには通用しないため、相性が良いのか悪いのか微妙なところがある…が、実はナディー自身、英語は壊滅的に苦手なため、横文字への弱さはどっこいどっこいだったりもする。
お互いの呼び方は、「なでーちゃん」 ⇄ 「ヤクグラウンドロリータ」、と独特なモノとなっている。
作中で語られた薬
先述の通り、楠莉みたいにどんどん新たな薬を開発したりはしないが、ヤクの回想シーンとして語られた薬を記述する。
- 肉体の断面がくっつく薬
文字通り、戦争にて千切れた身体の断片と本体とをくっつける薬。千切れた断片さえあれば、腕だろうが首だろうが元通りにくっつけることができるチート級アイテム(楠莉いわく「黒魔術なのだ?」)。
なお、薬の使用方法としては肉体の断面と断面に塗り接合させる糊…などではなく、驚きの飲み薬。薬を飲んでから身体の断片と本体を近づけることで断面同士がどういうわけかくっつくようだが、問題点として本人のパーツでなくても付けることは可能なようである。そのため、作中描写からすると誤って別人の腕をくっつけてしまったり、首が吹っ飛んだ戦士の身体に「新しい顔よ!それーっ!」という掛け声と共に別人の頭を付けたりと、狂ったことになる戦士たちが続出した模様。
テセウスの船みたいなパラドクスを抱えそうな恐ろしい品であることは間違いないだろう。
余談
名前の由来は「薬」の「ヤク」……と思われるが、劇中では「屋久杉」の「ヤク」からだと説明されている。(ヤク×スギだから、恋太郎はスギちゃんのようなワイルドを連想したのだろうか?)
なお、笑い方は孫と同じ「くすりくすり」。
また、恋太郎ファミリー内ではヤク、凛(8月10日)、山女(8月11日)の3人で3日連続の誕生日となっている。
長命種でも人外でもない純然たる人間ながらロリババアという属性を持つ、創作世界でも割と珍しいタイプ。
先述の通り、完成に近い薬を飲んでいるため、打ち消しの薬でも元の姿に戻ることはないが、たまに幻覚として凛々しい全盛期(戦場で創薬を行っていた頃)の姿を現すこともある。なお、老婆での姿は現在一度も登場していない。
関連タグ
恋太郎の運命の人