※ その他のアルフについてはこちらの記事を参照。
概要
26歳の流浪の奇術師(マジシャン)。この世に隠された神秘を求めて各地を旅をしている。
マスクで顔を隠しており、素性を知るものも誰もいない。
黒の魔術に長けており、魔力が高め。杖を剣にするなど奇術(マジック)を生かした攻撃を行う。
自身の杖を常に空中に浮かせており、ダッシュ時は自身も空中を滑るようにして華麗に移動する。スネフからは「マヂックギルドのホープ」と呼ばれていた。
レベルスター取得で増えるエレメントグリッドは、低位レベルの枠が少ないまま高位レベルの枠ばかりが増えていくという、他のキャラクターと全く逆な配置になっている。
物語序盤に酒場におり、テルミナの占い屋の婆さんと「蛇骨館にあるお宝を一定期日までに盗み出すことは可能かどうか」という「賭け」をしており、自身が蛇骨館に潜入しすることで自分の説と腕を証明してやろうと考えていた。そんな時、同じく蛇骨館に入る方法を探していたセルジュとキッドと知り合ったことで、仲間となる。
「騎士の証し」が回収できた場合は賭けは勝ちとなり、占いババから武器が貰える。しかし、「騎士の証し」を取り逃したまま蛇骨館をクリアした場合や、占いババへの報告をしないまま別のストーリーを進めてしまった場合は期限切れでアルフの負けになり、占いババに仮面の中身(素顔)を見せるイベントになる。(この時に寿命が縮むほど驚かれる)
なお、アルフ・スラッシュ・ピエールは択一で、この中の誰か一人しか仲間にできない。(全員仲間にするには、周回プレイが必要)
※ 以下ネタバレ注意 ※
正体
作中で明かされる事はないが、彼の正体は前作『クロノトリガー』に登場した魔王ことジャキが、全ての記憶を失った姿(もしくは、全てを捨て去った後に別の存在として転生した姿)であると推測されている。
『クロノクロス』物語序盤で素顔を見せた時の占い婆の反応や、凍てついた炎を前にした時の本人の反応など、いくつか抽象的ではあるが魔王を示唆させる点が数多く存在する。外見も『ラジカルドリーマーズ』でセルジュとキッドのパートナーだった仮面の魔導師「ギル」によく似ており、同作のメインシナリオでギルの正体が魔王だった(ただしギルは魔王の記憶を持つ)ことから、アルフも魔王なのではないかと思われていた。ゲーム内のパーティーリストの並び順でも、アルフはセルジュとキッドに次ぐ3番目に位置している。
だがその魔王を思わせる数々の事柄に反して、実際のゲーム内でのアルフの扱いはメインストーリーに深く絡むことはなく、戦闘要員としてPTに加えられる単なる仲間の一人で、選択肢によっては一度も登場すらしないことがある。パーティに入れておくと一部のシーンで特殊会話が発生する場面があるが、魔王であれば反応するであろう事柄(サラ関係のイベント)に対して全く無反応で、シナリオにほとんど絡んでこない。前作の魔王との共通点はいくつかあるものの、その予想に反して魔王らしくない素振りなため、発売当時は「他人の空似」「記憶を失っている」「正体を隠している」「魔王から分かれて生まれた分身」「前作と似たキャラが登場する類のファンサービス」など様々な憶測が飛び出した。
その後発売された攻略本『アルティマニア』の解説によれば、これらの思わせぶりな設定は本編の登場キャラクターの肥大化と開発期間の都合、ゲームの容量の限界などに伴い、アルフについてのイベントがバッサリカットされた名残である模様。(ちなみに個別のイベントがカットされたキャラは他にも大勢おり、顔グラはあるのにイベントが無い村人(ウーナやリサ等)はその名残)。上記の事情から、アルフの正体については開発関係者から未だに明言されずにおり、ボカされることになった。
なお、これらインタビューでの記載がやや曖昧だった事から、「アルフ≠魔王」説が一旦確定するも、後に「アルフのイベントが没になっただけで正体は未確定」という情報が広まり、さらなる議論が巻き起こり混乱を招いてしまった。
それから9年後に発売されたニンテンドーDS版『クロノトリガー』の追加EDでは、魔王が姉のサラを救えなかった絶望から自らの記憶と存在を投げ出し、それによって生まれるかもしれない何かに希望を託しながら闇に消え去る(詳細は不明)。その後、過去の記憶を失って森を彷徨う魔王らしき人物の描写がある。こちらもはっきりとは明言されてはいないものの、後のアルフと同一人物であると思わせるような描写になっており、現在では「アルフ=(記憶を失った)魔王」説がやや有力となっている。
ちなみに、クロノ・クロスのシナリオの元となったノベル作品「ラジカルドリーマーズ」には、アルフと同じ立ち位置に「影のギル」というキャラクターがいる。ネタバレになるがギルは顔に仮面をつけた闇の上位魔術師であり、彼の正体は魔王である。