フェイゾン
ふぇいぞん
新しいエネルギー源である。水色に美しく輝く物質で、機械の燃料にもなるし、フレークにかければ夢の様な味をかもし出す万能物質である。疲れたときはこのフェイゾンをドリンクとしてがぶ飲みし、我々は体力を回復するのである。
この素晴らしい物質のおかげで我々は新しい次元へと到達した。ダークサムス様万歳!!
……と、メトロイドプライムシリーズで登場するフェイゾンの洗礼を受けたメトロイドプライム3のスペースパイレーツはこう言い放っている。
正しい概要
メトロイドプライムシリーズに登場する放射性物質であり、同時に強力な突然変異誘発物質。
青く美しい液体や膨張した固体まで様々な形状を取ることが出来、強力なエネルギー源にもなりうる万能性を誇る。基本的には岩石に血管のように浸透し鉱石となることが多い。
また濃度が上がるとぎらついたオレンジや赤へと変色しそこにあるだけで周囲の生物の遺伝子に強い影響を及ぼす。
メトロイドプライム1におけるフェイゾンの源泉であるインパクトクレーターではそれが顕著で、壁や床など至る所に赤色フェイゾンが浸透している。マップ自体の造形も合わさり、さながら人間の口内といった様相。
エネルギー資源として強力ではあるものの、生命体に対して極端な毒性を示し、直に触れたものはその強力な放射能により瞬時に重度の被爆・火傷を負い死亡してしまう。
また自然環境によって被爆したり、意図的に注入された場合でも同様に死亡することがほとんどだが、奇跡的にこの毒性に耐え抜いた場合、その生物は急速かつ極端な突然変異を起こし、フェイゾンへの耐性と強靭な肉体を得る。
しかし筋力や生命力の爆発的な進化が成される一方で思考が安定しない、または極端な短命など副作用も多く、総合的に見て真っ当なパワーアップを果たせたのは作中でも一握り。
その放射能に感染した知能・意思を持つ生命体はフェイゾン熱(メトロイドプライム2のパイレーツログ参照)と言われる精神病を発症するようである。
それによるとメトロイドを射撃訓練の的にしたり、隊員達に対し殺害未遂を起したため解雇されたパイレーツの隊員もいるようだ。
このフェイゾンだが、ある程度以上の意思を持つとされ一定以上の濃度を得た一部のフェイゾンが自ら動き出すことすらある。
こういった意思を持ったものは「フェイゾン生命体」とされ、その代表的な存在にメトロイドプライム=それが変化して生まれたダークサムスが挙げられる。
この生命体としての特性はメトロイドプライム3でひときわ強くなり、スペースパイレーツなど汚染したものを次々と操り、手先と変えてフェイゾン自体を拡大・増殖させようとする動きを見せるようになる。
惑星フェイザ
全てのフェイゾンの故郷であり、この星を原点としてフェイゾンは宇宙に広まった。フェイザは純粋なフェイゾンのみで構成された惑星であり、立ち入った時点で凄まじい毒素によって死亡あるいはフェイゾン生命体としてフェイゾン拡大の尖兵と化す。
そのためダークサムスから意思を込めたフェイゾンを打ち込まれても洗脳されず、かつ液状フェイゾンを吸収して回復、あるいはエネルギータンクをフェイゾンエネルギーに交換して攻撃に転用出来るサムスでさえもフェイザに降り立った際はフェイゾンの暴走を抑えるべく常時ハイパーモードにせざるを得なかった。
フェイザからはリバイアサンと呼ばれるいわばフェイザの種子とも言うべき巨大生物が放たれ、リバイアサンがワームホールを開くことで即座に様々な銀河へ移動・及びターゲットとなる星へ衝突することでそれを起点にシードを形成。侵食を開始する。
更にリバイアサンでなくともフェイゾン生命体が存在すればその個体をフェイゾンコアとして増殖しフェイゾンの拡大を行う。
このフェイゾンコアは侵食エリアの母体的存在であり、コアが死亡した場合は連鎖的に該当エリアのフェイゾンも消滅する特徴を持っている。
いずれにせよ汚染源を素早く除去しなければ、侵食された星はいずれフェイザ同様完全なフェイゾン惑星へ変貌してしまう。
更にフェイゾン生命体は強度に差があるとは言え基本的にフェイゾンの過剰摂取させることでしかダメージを与えることが出来ないため、肝心なフェイゾン除去のためにもまたフェイゾンが必須という悪循環を生んでおり、そのせいで被害の拡大スピードも非常に早い。
フェイゾンによる被害は何もこうした生物的観点からだけでなく、ターゲットの星自体のエネルギーが衰えていればフェイゾン隕石落下の衝撃で時空のバランスを破壊して異次元・平行世界を生成してしまうという説明の付かない事象も存在し、その平行世界からもフェイゾンで侵略を行うというたちの悪さも持つ。
現状はサムスの活躍によりフェイザもろともフェイゾンは消滅し宇宙の脅威は去ったが、この物質を巡る一連の戦いは銀河連邦にスペースパイレーツの脅威を再認識させるには十分過ぎた。