背景
このような名称ができたのは昭和17年8月から始まったガタルカナルの戦いが原因である。
ガタルカナルに上陸した米軍部隊を過小評価していた日本軍は、早期奪還のため部隊を駆逐艦に乗せてガタルカナルへ送り込んだのである。
あくまでも一時しのぎの作戦であったが、ガタルカナルのヘンダーソン飛行場完成によって制空権を米軍が握ったことで、輸送船団を編成しての輸送作戦ができなくなったことから駆逐艦による補給・部隊輸送作戦が常態化したのである。
作戦の実態と結果
もちろん元来が戦闘艦艇である駆逐艦、のちには潜水艦も使った作戦であるため、輸送できる量は普通の輸送船以下(普通の貨物船が排水量1トンあたり1トンの物資を運べるのに対し、排水量2500トンの陽炎型駆逐艦で15~20トンと効率で言えば100分の1以下)となってしまっている。さらに物資を下ろすためにも本来大発などの舟艇に乗せて運び込むところだが、舟艇を載せられないためドラム缶に防水処置を行って海上投棄しそれを補給先の部隊の大発で回収するといった方法がとられた。
もちろん必要な物量が運び込めるわけもなくガタルカナルを始めとするソロモン諸島、ニューギニアなどの戦いで餓死・戦病死者が多数発生する結果となった。
一方でガタルカナル撤退やキスカ撤退(両方とも正式名称は「ケ号作戦」)では成功を収めており、決して無駄な発想にはならなかった。
影響を受けた艦船
鼠輸送を考慮し、小発2隻を搭載できるよう建造されている。
日本海軍の物資輸送用潜水艦。
・運貨筒
日本海軍の無動力潜水輸送艇。潜水艦に曳航されて目的地へ向かう。
日本陸軍の潜水輸送艇。