ゲーム概要
北米で2006年10月31日、PSP用に発売されたGTAシリーズ作品である。ストーリーは3D時空と呼ばれる世界観を基にしており、後のGTA3まで続く作品群と共通の世界での出来事を描く。
ゲームシステム
基本的にはGTALCSとほぼ共通であるが、ストーリー上主人公が軍人であったせいか、近接格闘がLCSより進化し、ガード、羽交い締めほか掴み技、絞め技が追加されており、柔軟度が増している。また、海を泳げるようになったため、そのことに関連して水中でのスタミナも追加されている。
LCSと異なり、水上飛行機やヘリコプターも操縦することが可能になったほか、水陸両用車、ホバークラフトなど多種多様な乗り物が存在しており、移動の楽しみも増えた…かもしれない。だが相変わらず緊急車両ではラジオが聴けないのが残念。
エンパイア・ビルディング(Empire Building)という物件経営および、ギャング同士の抗争、勢力争いを掛け合わせたようなシステムが実装された。主人公がボスであるため、ある種難易度の高いお使いゲームだったLCSと異なり、プレイヤーの裁量が大きくなった面がある。
ストーリー
1984年、フロリダ州マイアミにある架空の都市バイスシティ。主人公のヴィクター・“ヴィック”・ヴァンス(Victor Vance)は弟の治療費を稼ぐため、陸軍伍長として、フォート・バクスター基地に着任する。しかし、そこで出会った上司、ジェリー・マルチネス軍曹から薬物関係の“お使い”を引き受けてしまい、そのことが原因で除隊されてしまう。マルチネスへの復讐心、そして家族、自分のために、ヴィックはさまざまな人物と出会い、バイスシティの裏社会でのしあがっていく。
登場キャラクター
ヴィクター・ヴァンス
本作主人公。28歳。ドミニカ系アメリカ人。軍人であったからか、銃火器の扱いや格闘術に長けており、戦車やヘリまで操縦してしまう。背は低いという描写があるが、グラフィックから判断するに筋肉は発達している模様。母親が薬物中毒であり、まともに子育てをしなかったが、イーニッドおばさんと呼ばれる女性に預けられたために、短気とはいえ良識ある人物に育った。それは生活のためとはいえ犯罪に手を染めること、薬物の使用等に嫌悪感を示していることから読み取れる。なおGTAVCの冒頭で撃たれたランスの兄弟はこの男である。
え、訛りが違ったり性格が違ったりするって?きっとキューバかドミニカで陽気になったんじゃない?
ランス・ヴァンス
ヴィクターの弟。26歳。VCに登場したランス・ヴァンスであるが、まだ兄もいるせいか、VCよりは少し幼稚な行動も目立つ。ヴィック曰くボーイスカウトはクビになる、問題を起こしてばかりとトラブルメーカー。短気な部分は兄と似ているが、ケンカにも酒にも弱い。見栄っ張りで派手好きなため、ストーリー中には用意した車にすら文句を言っている。ただ、適応力はあるようで、悪人同士のゲームにあって、道徳的な葛藤は見られない。
名前でいじられることが多かったのか、クエンティンなる偽名も用いる。
ジェリー・マルチネス
本作ラスボスの1人。軍人でありながら薬物の売買や取引を行っており、卑劣で執念深い性格である。
自分を悪人と認識しており、ヴィックについて「悪人同士のゲームで善人ぶっている」と指摘した。
表の顔は軽いが、かなり下品であり、基地内でアレなビデオを見ていた。