「かっこいいよ、"真面目"は!」
CV:松本沙羅
プロフィール
誕生日 | 10月19日(てんびん座) |
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血液型 | A型 |
身長 | 161cm |
学校・クラス | 神奈川県立時瀬高等学校2年生・A組 |
人物
全校発表後に箏曲部に入部を希望してきた少女。倉田武蔵とは元からクラスメイト。
入部届に動機を「楽しそう♪」と記し、部長である武蔵に「箏曲部の演奏に感動したから」ともっともらしく語るが、真の目的は部内の人間関係を木っ端微塵に破壊しながらその様子を観察して愉しもうとする悪趣味な「暇つぶし」。
箏に関して天賦の才を誇り名門の生まれである鳳月さとわが他の部員を足手まとい扱いしているとありもしない事を騙ったり、部員の性格や生い立ちも把握してそこにつけ込み心理的な揺さぶりをかけるなど手段は悪辣で、一時は誤解と疑心暗鬼から彼らの関係に楔を打ち込むことに成功しかけるものの、愛や愛の言葉をきっかけにした三バカがさとわを信じ、真実を打ち明けた彼女に武蔵が「(さとわが)一番欲しかった言葉」を発したこともあって最終的には箏曲部の結束を強める結果に終わっている。
あたしがホントにあんたらの演奏に感動して入部したと思った?
あんたが演奏の前に「大事な仲間と居場所を失いたくない」とか寒いこと言ってたから、からかってやったんだよ!
ホント…あんたらみたいの見てると虫酸が走る!
計画が失敗すると、半ば自暴自棄になって武蔵に散々な悪態を吐いて泣きながらその場を離れるが、こうした虚しい行為に走っていたのは妃呂自身が過去に体験した出来事に起因している。
中学二年生の時に転校してきたばかりの女子・美波の策略によって全く身に覚えのない嘘をバラまかれた挙句、交際していた彼氏・尚哉に「妃呂が愚痴を言っていた」と信じ込んで捨てられ、周りの友人たちも妃呂を白眼視するようになって離れていった。
自分よりも付き合いの浅い美波の根も葉もないデタラメを鵜呑みにし、誰一人として自分の言葉に耳を傾けて貰えず孤立してしまった結果、人間関係というものはその程度だと完全に絶望。
それ以降、仲良さげにしているグループに介入しては適当な嘘を駆使してその和を乱し、崩壊させる事に腐心していった…ある種の嫉妬と八つ当たりに等しい復讐、そして惨めな自分の羨望の裏返しで。
しかし、暴言の翌日に「ちゃんと話してくれるなら、ちゃんと聞くから」と言ってくれた武蔵や、あれだけの事をしたにも関わらず自分を責めず普段と何ら変わらない様子で接してくる愛に、もう一度人を信じようと決心。
自業自得ではあるが相当な人数に恨まれていたらしく、心を入れ替えるケジメとしてこれまで人間関係を引き裂いてきた全員に詫びを入れてきた際は何度も殴られて顔面を腫らしていた。
本人もこれで完全な禊になるとは思っていないが、踏ん切りをつけて改めて正式に箏曲部の一員として加入する。
後輩からの呼び名は「ヒロ先輩」。顧問の滝浪涼香は選択科目の関係で元から顔見知りで「涼香ちゃん」と呼んでいる。
祖母の影響で箏の経験は多少あり、自分でも本心に気づかないフリをしていたが、箏曲部に興味を抱いたキッカケも全てが偽りだった訳ではない。
武蔵が彼にとってトラウマのある明陵高校も参加する合同練習でレベルの差に圧倒されて心が折れた際は、その様子を見かねて自主的に時瀬高箏曲部の副部長に就任。以降はサブリーダーとしてメンバーを、そして部長である武蔵を支えていく。
叔父は民宿を営んでおり「色々と貸しがある」と言って手を回し、格安で夏合宿が行えるよう取り計らうなど、素人が多く経済面で苦心しがちな部のレベルアップにも貢献している。
箏曲部に所属してから取り戻した元来の性格はやさぐれていた頃とは全く異なり極めて善良的で、明るくサバサバしていて面倒見が良く、些細な雰囲気を察して気配りもできる心優しい姉御肌。一方、やはり根は繊細で傷つきやすく純情で涙脆い。
そして、恋愛方面に関してはとても健気で非常にピュア。
歪んでいた自分に正面から向き合い、真意を知っても拒絶せず真っ直ぐに接して箏曲部という居場所に受け入れてくれた武蔵は感謝してもしきれない恩人であるが、そのひたむきで実直な人柄にいつしか心惹かれ、彼に想いを寄せていく。
当初は自分が浮ついた気持ちになるのは真剣に全国制覇を目指す部活に支障をきたすと考え、自分の気持ちを押し殺そうとし、それでも抑えられない想いから武蔵と親しげに接するOB・真白に嫉妬してしまい自己嫌悪に陥るなど苦悩に苛まれてしまう。
涼香の言葉によって自分の恋心を肯定的に受け入れてからは、「武蔵を好きであり続けるものの、箏曲部を引退するまでは気持ちを悟らせず告白もしない」と誓いを立てている(ただし、その分口を開けば飛び出す武蔵への好意を誤魔化すのに悪戦苦闘する羽目に)。
箏曲部で過ごす内に武蔵がたった一人で大切な場所をどれだけ必死に守ろうと思っていたか痛感し、かつて自分が彼に陰口を叩いて馬鹿にする側だった過去を心の底から恥じて悔やんでいる。
その為、部外の第三者に昔の件を持ち出されると激しく動揺してしまい、それに加えて自らの負の過去の象徴である尚哉と、今でもその恋人の座に収まっている美波のカップルに遭遇してしまい…。
未だ聞く耳を持たず悪しざまに揶揄してくる尚哉と、密かにほくそ笑む美波。
そんな二人に心の傷を抉られ俯き黙って耐える事しかできなかったが、尚哉に対する武蔵の一言を聞いた妃呂は、万感の思いで大粒の涙を浮かべるのだった。
余談
皮肉な事だが、過去に言いふらされたデマの中で「恋愛になると豹変する」というものだけは後々に良い意味で的中した。