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ウンモ星人の編集履歴

2019-08-13 20:09:48 バージョン

ウンモ星人

うんもせいじん

スペインの首都マドリッドを中心に、エリート階級の人々に無差別に大量の手紙を送りつけてくる宇宙人。

概要

20世紀後半、スペインその他でたびたび起こった、怪文書・怪電話事件の主。UMMOという惑星から来た宇宙人を自称していた。「王」の字に似たマークをシンボルにしていたことで有名。

後述のとおり、現在では地球人によるイタズラであったことが判明している。


90年代に、UFO研究家でもあるフランスの物理学者、ジャン=ピエール・プチ博士の本で肯定的に紹介されて注目を浴びたこともあり、スペインの事件だが、フランスのUFO研究家に人気がある。ウンモ星人は「宇宙人ユミット」と呼ばれることもあるが、「ユミット」とは人名ではなく、UMMOという言葉をフランス語の形容詞にしたもの(ummite、「ウンモ星の」の意)で、プチ博士の本の邦題でもある。


独自の言語まで登場する手の込みようから、UFO界では一時期、信奉者団体が生まれるほどの人気を誇った。また、1989年の旧ソ連のUFO事件「ヴォロネジ事件」との関連も示唆された。


経緯

1965年頃からスペインで「UMMO星人」を名乗る奇妙な人物から手紙をもらったと主張する人々が現れた。

撮影された彼らのUFOには漢字の「」かキリル文字の「Ж」(ジェー)に似たマークがでかでかとあしらわれている。

このマークはウンモ星人から送られたという数千にものぼる手紙にも記されていた。

手紙を書くだけでなく電話をかけてくることもあったらしい(いきなりかけてきて、長時間宇宙の真理などを一方的にまくし立て、一方的に切るというかなり迷惑な遣り方ではある)。

しかもご丁寧に、手紙をもらったと主張する人々が会合を開こうとしたら、わざわざそこの電話番号を調べて、会合を中止するようお願いの電話すらかけてきた。


しかし・・・

ウンモ星人からの手紙に記された、彼らの故郷である遠い星のこと、遥かに進んでいるはずの科学技術についての記載を検証すると、内容がデタラメであることが明らかになってしまう。


1967年6月1日にマドリッド郊外のサンホセで撮影されたとされるUFOの写真も、大勢の人が目撃したという割にその人々が写りこんでいる写真が一枚もなく、シチュエーションにも不自然さが指摘されていた。

この写真をアメリカのUFO研究団体“GSW”がコンピューターで解析した結果、UFOを吊るす糸が見つかってしまった。


ちなみにこの時、UMMO星人は予め手紙で伝えた通り、撮影現場から4kmほど離れた場所に一旦着陸していずこかへと飛び立っていった。

しかし、自分たちの正体を知られたくないと言う理由で、手紙をもらったと主張する人々が開く会合をわざわざ電話をかけてまで中止させるほどの用心深さを見せる割には、大勢の人の目に触れそうな場所を飛行し、しかも予め手紙で伝えた通りに着陸してみせるなど行動に整合性が取れていない。


ロシアでの目撃例(?)

1989年9月21日〜10月2日にゴルバチョフ政権下の旧ソビエトにおいて、ヴォロネジ事件と呼ばれるUFO・宇宙人目撃事例が、同国TASS通信により報じられた。

この時目撃されたとされるUFOには、キリル文字の「Ж」に似たマークがあしらわれているという符合がみられた。


ウンモ星人


が、こちらは目撃者が少なくとも37人もいるにもかかわらず、写真がなくイラストがあるだけで、しかも目撃された円盤の形状や宇宙人の容姿も人によってまちまちである。


当時はヴォロネジ事件だけでなく、UFO目撃談が旧ソビエトにおいて頻発していただけでなく、目撃談に統一性がないことなどから、国民の不満を逸らすためのデッチ上げと見る向きもある。


ただし、上記の「ウンモ星人のマーク」の符合は、情報規制の厳しかった当時のソ連の人々が西欧のUFOニュースを見て真似したとは考えにくいことから、懐疑派を含む多くの研究家の興味を惹いた。


犯人

身も蓋もない話だが、UMMO星人の正体は割れている。

手紙を研究しているグループのメンバーであるホセ・ルイス・ヨルダン・ペナ(José Luis Jordán Peña)である。

彼の描くイラストはUMMO星人の描くイラストとそっくりであるだけでなく、UFO写真もアマチュア写真家でもある彼が偽造したものである。


pixivに投稿されたイラストでは、この時に目撃例のあった

「ウンモ星人と同じマークを身につけた宇宙人」のデザインが見受けられる。

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