立木さゆり
たちきさゆり
概要
細かな設定は異なるが、両作品のヒロイン・槇村香の実姉。
シティーハンターにて
人物
CV:榊原良子
原作では中盤、アニメでは『2』の後半である52話、53話に登場する。
発行部数85万部を誇る硬派ニュース雑誌「ウィークリィー・ニュース」のジャーナリストで、日本支社では編集長を務めていた。
彼女が2歳、香が生まれてすぐの両親の離婚により、香と生き別れの状態になる(立木は母方の姓である)。実母の臨終の際に、死んだと教えられていた父と妹の存在についての真実を聞かされ、手を尽くして香の行方を探していた。父が東京で死んだこと、槇村という刑事に引き取られたことを知るが、それ以降は情報を得られなくなってしまう。
そこで槇村とコンビを組んでいた冴子の元を訪れる。彼女を介して事情を知った獠の頼みで、姉であることは明かさずに、香と一週間ほど共同生活を送ることになった。
因みに香との初対面は彼女が獠にお仕置きするために鎖鎌付きのこんぺいとうシリーズを構えて持っていたところというある意味、衝撃的なものだった(あまりのことにさゆりは驚愕し、彼女が妹だとは信じられず、まるで「弟」みたいと感じていた)。
性格
ロングヘアにお淑やかな性格と、男勝りの香とはおよそ正反対の美人(アニメでは髪の色は同じ)。容姿もあまり似ていないが、獠が迫ってきた際には、100tハンマーで撃退するなど、血は争えないところがある(獠曰く「本質は同じ気がする」とのこと)。
普段は頼りなく見えるが、若くして編集長になるだけあり、バリバリのキャリアウーマンで、仕事の時は優秀(自分の姿に憧れた香に転職させる目的で仕事を手伝わせるも、機械類と相性の悪い彼女はことごとくOA機器を爆発させていた)。
面識がなかったとはいえ、唯一の肉親である香を非常に大切に思っている。その妹想い振りは、槇村のそれと変わらないものである。
香同様に芯が強く、妹をこき使う獠に毅然とした態度で抗議する一面も見せており(「言葉巧みに香を騙して身の回りの世話をさせてこき使っている」と、香との屈折した関係を表すようなことを言っていた)、普通の女の子らしく暮らしてほしいという願いを抱いている。
香と同じ指輪を大切に持っている。因みにこの指輪は彼女達の実母が離婚した後に姉妹に買ったもので、「大人になってこんな指輪が似合う普通の女の子になってほしい」という願いが込められている。
作中での行動
大企業のスキャンダルを載せた記事を掲載して以来、脅迫されており、ボディガードを依頼した。最初は香をこき使い、彼女に危険な仕事をさせる獠に憤りを抱き、自分の正体を話して彼女を引き取ろうとする。しかし香が大好きな兄の遺した仕事にやりがいを感じていること、何より彼女の仕事をする姿がとても輝いて見えることを知り、迷いが生じる。
その後、脅迫していたヤクザに香と共に誘拐され、監禁される。その際に遂に耐えきれずに、自分の生き別れの妹は香だと話す。その際には香に本気にされなかった。獠と香の活躍で解放され、その際に二人の信頼関係について知る。また獠から香の銃に細工がしてあり、彼女に人殺しをさせないよう配慮していたことを教えられる。
実は今までの功績が認められ、ニューヨーク本社に転勤が決まっており、香をニューヨークに連れて行くつもりだった。しかし「自分の知る真実よりも彼女の知る真実の方が正しい」と、今のままの彼女は幸せとして、香を連れて行くことを断念した(その際には獠に「責任取ってくださいね」と言っていた)。
空港で旅立つ直前に香と対面する。香はさゆりが見立てた女性らしいドレス姿で見送りに行く。最後は彼女に抱きしめられ、「お姉さん」と呼ばれ、涙を流す。香もさゆりが姉だと気づいていたのだ。
「さようなら・・・お姉さん・・・」
「香さんーーありがとう香」
エンジェル・ハートにて
CV:藩恵子
原作では10巻、アニメでは29話と比較的早くに登場する。名前は漢字の「早百合」。前作とは異なり、香とよく似た容姿と雰囲気を持つ女性になっている。髪もショートヘアで、お淑やかさは感じられない。こちらでも100tハンマーを使っており、香瑩を見て獠の愛人だと勘違いし、ハンマー攻撃をした。香瑩と同時に獠を殴ったこともある。
最初からニューヨーク在住で、こちらでもニュース雑誌「ウィークリィ・ニュース」の編集長を務めるジャーナリストである。そのため博学で、著名人とも面識がある。
前作と同じく離婚が原因で香と生き別れている。早百合が4歳、香が2歳の時に両親が離婚し、早百合は母に、香は父に引き取られていた。香のことを微かに覚えており(母からは夢だと言われ、本人もそう思い込んでいた)、半年前の実母の臨終の際に妹の存在を教えられ、八方手を尽くして新宿までやって来た。
香が既に死んでいたこと、香の心臓が香瑩に移植され、その意識が彼女の中に宿っていること、元殺し屋の義母になっていることなどに衝撃を受ける。しかし、その心臓を持つ香瑩をスイーパー業から足を洗わせ、ニューヨークへ連れて行こうとする。また危険な仕事をしていた妹が幸せだったかを知るために、獠のアパートに押しかけた。
最初は獠やシティーハンターの仕事に懐疑的だったが、香瑩と共に寝た際に香が見せた夢と、新宿の人々の言葉により、香は幸せだったのだと知る。帰国直前には香の破天荒な人生に多分に影響されており、それまでの勤勉な生活態度を変え、自分も雲のように自由な生き方をすることを誓う。
そして香瑩を獠に託し、自分を追って日本まで来た懇意のアメリカ人男性・ディビッドと結婚する決意を固め、彼と共にアメリカに帰っていった。香の方も見送りの際には「幸せにね」と、姉に言葉をかけていた。
余談
- 後に原作でも獠と血の繋がりがあるのではないかと思われた老人・神宮寺道彦が登場する(なお、探していた孫の名前は諒一)が、明確に血縁関係があるとは言われていない(実際に獠も否定している)。このため、さゆりは天涯孤独の主役二人の中で、唯一血の繋がりが明言された存在である。
- さゆりが香に見立てたドレスは、アニメ『シティーハンター3』の10話でも、香がパーティーに潜入する際に着ている。