カワサキ 500SS マッハⅢは、川崎重工業が1969年から製造していたオートバイ。
概要
空冷2ストローク3気筒、500ccエンジンを搭載したハイパフォーマンス志向のロードスポーツモデルである。
国産の2ストローク 500cc車としてはスズキのT500(1968年)に次ぐもので、戦後に小型車で身を興したカワサキが海外でもその名を知らしめた出世作であった。(Wシリーズは不評だったそうである)
出力は(純正で)60馬力と、現在の基準ではそれ程でもないが当時の市販車としてはかなり優秀なもので、北米市場では比較的安価だったこともありヒットを記録した。
反面、パワーや操縦性に起因する事故が目立ったともされている。元々前輪荷重が不足気味で曲がりにくく、タイヤは現在の基準で見れば無茶をするには危なっかしい水準、初期車のドラム式ブレーキも操縦性が不充分と評されることが多く、当時を知る人の間では総じてじゃじゃ馬なモデルと言われることが多いようである。
後にホンダからDream CB750Fourが発売されると、これに対抗する形でエンジンを750ccにボアアップした750SSマッハⅣをリリースした。
とはいえ、マッハⅣは4ストローク車の900RS"ZⅠ"がリリースされるまでのピンチヒッターで、その後の旗艦モデルは4ストローク車が担うこととなり、2ストローク車はKHシリーズにモデルチェンジ、整理された。
この際、750SS マッハⅣの後継車となる750cc車は作られずに廃止され、500ccモデルなどは扱いやすい出力に改良されている。
