シュールパナカー
しゅーるぱなかー
インドの叙事詩「ラーマーヤナ」に登場する羅刹の魔王ラーヴァナの妹。
概要
「ラーマーヤナ」に登場する羅刹女で、羅刹の魔王ラーヴァナや、ラークシャサのクンバカルナ、ヴィビーシャナ、カラとは兄妹である。
あらゆるものに変化する力を持つが、正体は醜く邪悪な性格をしているという。
ラークシャサと敵対するダーナヴァの王子と結婚したが、それはダーナヴァ一族側のラーヴァナの油断させて倒すための作戦であったために、彼女の不在の際に王子はラーヴァナに殺され未亡人となった。
その後、兄カラのもとに身を寄せたが、ダンダカの森で英雄ラーマ一行に出会い、一目惚れして求婚したがシーターという妻がいることを理由に断られラクシュマナを勧められた。
するとラクシュマナも、従者の自分と結婚したら下女になってしまうからラーマと結婚するべきだと、両者とも冗談めかして断った。
それを冗談と受け取らなかったシュールパナカーはシーターを食い殺そうと襲い掛かったが、ラーマに押さえつけられた上にラクシュマナに鼻と耳を切り落とされてしまい、カラの元へ逃げて行った。
カラは1万4千の軍勢でラーマ一行を襲撃したが、返り討ちに会ってしまったため、シュールパナカーはランカー島に渡って一番の実力を持つ兄ラーヴァナにカラの戦死を報告した。
さらにラーマの妻シーターの美しさについてを語り、兄の妻としてふさわしいと思い連れ去ろうとしたところ鼻と耳を切り落とされたと嘘をついて、シーターがランカー島に攫われる原因となった。
なお、異説ではとても美しかったとされ、既婚者であることを知らずにラーマに近づき誘ったため、妻への愛から激怒され耳と鼻を切られて醜くされてしまったが、孤独の中でも心の美しさは失わずに過ごしたとされる。