同和鉱業片上鉄道は、1991年まで岡山県備前市の瀬戸内海沿いの片上駅から内陸部の久米群柵原町(現美咲町)の柵原駅までを結んでいた鉄道。
概要
鉄鋼と硫酸の原料になる硫化鉄鉱を輸送する鉄道として1923年に片上~和気間が開業。1931年に柵原駅まで全通した。
主な事業は貨物輸送だったが、機関と変速機こそ替わっているものの戦前製のガソリンカーの流れをくむ車両が長きにわたって活躍を続けた路線として愛好家の間で有名であった。
鉱山の減産とトラック輸送への切り替えで貨物列車の運転が停止されたことが引き金となり、1991年(平成3年)に廃止された。
廃線跡はサイクリングロードへと転換された。
現在は、かつての吉ヶ原駅跡に造られた「柵原ふれあい鉱山公園」で車両12両が保存され、うち10両が動態保存である。
廃止された地方私鉄では破格の状況であるが、アクセスが悪いのが玉に瑕。
車両には丁寧な整備が行われ、現在でも月に一度運転会が行われるなど精力的に活動が続けられている。