概要
アメリカ史上でしばしば神格化される、清教徒たちの移民船メイフラワー号が到着し、プリマス植民地を築いた地である。
のちにピルグリム・ファーザーズ、すなわち巡礼するアメリカ精神の始祖と呼ばれた清教徒たちは、互いに平等な善に沿った法に従うというメイフラワー誓約を誓い、苦しい開拓生活で多数の死者を出しながら翌年の収穫を得て、助けてくれたインディアンたちを招いて祝宴を開いた。これがアメリカの感謝祭の始まりであるとされる。
また、マサチューセッツ州総督を長年務めたジョン・ウィンスロップは、新大陸上陸前に丘の上の街という演説を行い、これも繰り返し後年の大統領たちが引用する高名な主張である。すなわち、マサチューセッツは誰からも目につく丘の上にある街のごとく、見られても恥ずかしくない理想的で公正な社会を築かなければならないというのである。
そして英国本国の圧政に対してボストン茶会事件を起こし、アメリカ独立戦争を中心となり戦ったのもマサチューセッツの人々である。要はマサチューセッツ州とは、アメリカ的な理想の聖地である。
一方で、最初の感謝祭から数年にしてインディアンの土地に侵略して戦争となり、多数の犠牲者を出している。また、近世魔女狩りの主舞台の一つともなり、セイラム魔女裁判が起こったのもこの地である。マサチューセッツ州はアメリカ史の光と陰を今日に伝えている。
最大の都市はボストン。