ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

タイタン(ファイティングファンタジー)の編集履歴

2020-08-16 13:53:51 バージョン

タイタン(ファイティングファンタジー)

たいたん

「タイタン」とは、スティーブ・ジャクソン(英)とイアン・リビングストンにより創始されたゲームブック、またはロールプレイングゲーム、「ファイティングファンタジー」の、舞台となるファンタジー世界である。

概要

「タイタン」とは「ファイティングファンタジー」シリーズの多くで舞台となっているファンタジー世界。

 神々が魔法の土塊より、世界と生物を作り出し、混沌と戦い、「時」が放たれて寿命と死がもたらされた……という創世の神話が伝わっている。


 神話における、神々と混沌の最初の戦いが終わり、高度な魔法文明が繁栄したが、その後に勃発した魔法大戦により文明は崩壊し後退。

 現在は世界中で、混沌と悪徳がのさばる、過酷で危険な世界になっている。

「アランシア」、「旧世界」、「クール」の3大陸から成り立っている。


タイタン各地

アランシア

 比較的平均的な土地。古代エルフ語で「騒乱の平地」を意味する。

 大陸全体の名前になっているが、本来は一部の土地……北は氷結大地、南はどくろ砂漠の北縁の土地を表す名前に過ぎなかった。

 ポート・ブラックサンドをはじめとした、有名な都市や土地、場所が多く存在し、冒険者が名を上げるにはもってこいだが、同時にそれだけ危険が待ち受けている場所でもある。

ポート・ブラックサンド

「盗賊都市」「真夜中の盗賊」などの舞台。冷酷なる海賊、ヴァレック・アズール卿が恐怖で治めている悪徳の町。通行証が無ければ、町中での商売どころか、町への出入りすらも出来ない。

 かつては太古の魔法大戦により破壊された都市だったが、その上に建造された。海賊やこそ泥、追いはぎ、盗賊などが集まりしのぎを削っており、別名「盗賊都市」と呼ばれている。

 アズール卿の恐怖政治と、トロールの衛兵などで統治され、皮肉にも近隣の都市に比べ経済的に最も繁栄している。

火吹山

「火吹山の魔法使い」の舞台。

 名前の由来は、山頂部に赤色の「眠り草」が茂っており、そのために遠目にみれば「火を吹く山」のように見えるため。

 この山中には、ドワーフによって掘られた広大な地下迷宮が存在し、ゴブリンやオークなどを引き連れた悪の魔法使い・ザゴールが、その最深部に住んでいる。

ファング

「死のワナの地下迷宮」などで有名な都市。比較的小規模だが、ここを治めるサカムビット公の発案した「迷宮探検競技」こと「決死行」というイベントが有名。

 参加者は、数々の罠を仕掛けた地下迷宮に入り込み、内部を探検し、手掛かりを得て、出口に辿り着かねばならない。成功すれば、大金と近隣の土地の永久統治権などが与えられる。しかし毎年、落命する者の方が多い。

ストーンブリッジ

「運命の森」などに登場。ダークウッドの森近くに存在する、ドワーフの町。魔法のハンマーを所有するドワーフ王・ジリブランによって治められている。住民はほぼ全てがドワーフだが、人間をはじめとする他種族の旅人は快く迎え入れている。近くに住む善の魔術師・ヤズトロモとは町ぐるみで友好関係を築いており、彼が住む塔の建設は、この町のドワーフが担当した。

ダークウッドの森

「運命の森」の舞台。広大な森林で、内部には数々のモンスターが徘徊する危険な場所。この森の端には、善の魔法使いであるヤズトロモが住む塔が立っている。

 また、この近隣の地下には、邪悪な種族・闇エルフの地下都市が存在する。

マイルウォーター

「運命の森」「甦る妖術使い」に登場。アランシアの赤水川下流の地域に存在するドワーフの町で、川の上流にストーンブリッジとダークウッドの森が存在する。

 ストーンブリッジと敵対しており、戦争状態になっている。この町のドワーフ達は、極めて乱暴で好戦的かつ排他的。前哨地には石弓で武装したドワーフが駐留しており、よそ者が近づいてきただけで警告し、石弓の矢を打ち込んでくる。

 ストーンブリッジのジリブラン王から、彼が有する魔法のハンマーを盗み出そうと試み、鷹匠でもあるこの地のドワーフ、トランブルがそれに成功した。

ティランデュイル・ケルサス

 闇エルフたちの首都たる地下都市。ダークウッドの森の地下天然大洞窟に建造されている。日光は差さないが、地下の蛍光植物や蛍光キノコの他、人工のランタンの光などで視界を保つ。迷路のような通路が縦横に走り、それぞれ区画ごとに巨大な石の扉で区切られ、闇エルフの警備兵が絶えず見張っている。横丁ですらねじ曲がり、広場も誰も入れぬよう壁が取り巻いている。ここに住むすべての闇エルフは、貴族か、貴族と関りを持つ。

 あちこちに地上との秘密の出入口を作っており、そこから地上襲撃部隊が出入りしたり、地上の商人が用いる通行路としていたりする(地上の商人とは、地下で採掘する銀や宝石と引き換えに、人間やドワーフの奴隷、荷役獣とする巨大昆虫や地上の食料といったものを獲得している)。

 主な貴族は、支配者階級のケリスリオン家、襲撃・略奪担当のキャムカーネイヤー家、採掘・金属精錬担当のミリスグロス家、食料関係担当のテサラス家の四つ。これらの下に無数の下級・小規模の一族が存在し、仲間内でも常に水面下で謀略と競争とを繰り広げている。

柳谷

「バルサスの要塞」の舞台。太古の知識を蓄えた古代都市サラモリスのある場所。人々は友好的だが、領主は周辺地域にオークやゴブリンなどをはびこるにまかせた手ぬるさでも有名である。

混沌の要塞(黒の塔)

「バルサスの要塞」の舞台。サラモリス近く、ぎざ岩高地に存在する要塞。内部に立つ黒い塔が印象的で、種々雑多な混沌の種族が内部には巣食っている。悪の魔術師であるダイア一家の居住地で、クラゲン・ダイアの息子、バルサス・ダイアが、父親を刺殺し手に入れた。

火山島

「トカゲ王の島」の舞台。ポート・ブラックサンドの西に広がる海岸線を南下した、どくろ海岸に近い場所にある火山島。

 トカゲ兵団、および寄生生物ゴンチョンを頭部に頂いたトカゲ王が、この島を占拠し、原住民を奴隷化している。島には強力な力を有する祈祷師も住んでおり、試練を受けて合格すれば、助言をもらえる。

ファングセイン

 ドワーフの聖地。ドワーフ王・ナムルキムにより統治されている。山頂が黄金に輝く山の内部に、巨大な地下都市が形成されており、内部に数多くのドワーフの民が生活している。

 また、この地の金属精錬技術はドワーフの手によるものなだけあり、非常に頑丈で良質。この地で採れ、鍛えられた『ファングセイン鋼』の武器や防具は、最高級の品質を誇り、各地の戦士や騎士には垂涎の的になっている。

ヴィモーナ

「最期の戦士」の舞台。湿原帯の近くに立っており、すぐ近くにはトカゲ兵の本拠地であり首都・シルアー・チャが存在している。そのため、恒常的にトカゲ兵団と戦っており、町自体が要塞化している。現在もトカゲ兵団の包囲戦が続いており、北上してアランシア全土へ兵士を進めようとするトカゲ兵団を、ヴィモーナは必死に止めている状況にある。

シルアー・チャ

「最期の戦士」の舞台。トカゲ兵団の帝国首都。

 海沿いから内陸にかけて広がる、密林と湿地の広大な地域に存在する。

 トカゲ兵団は首都および周辺の湿地帯を占領しており、何者をもこの湿地帯を通過させる事を拒み、問答無用で攻撃してくる。そのため、トカゲ兵以外は誰一人としてシルアー・チャを見た者はおらず、生きてその話をする事もない。

 この湿地帯の北の境界、ヴィモーン川の河口部にヴィモーナ市が存在する。

ヴァトス

「恐怖の神殿」の舞台。

 どくろ砂漠の北東部辺境地域に存在する、伝説の都市。現在は廃墟となっており、住民はわずかしかいない。

 莫大な財宝が隠されていると噂されているが、それを確かめるためにわざわざ向かった者もいない。

どくろ砂漠

「恐怖の神殿」の舞台。

 サラモリスが存在する柳谷から、さらに南下した地域に存在する、広大な砂漠地帯。

 あまりに過酷な地であり、この砂漠の横断を試みて、そのまま死した者は、枚挙にいとまがない。住むのは砂漠のノーマッド(遊牧民)や、砂漠に適応した各種族やモンスターなどだが、それらも飢えと渇きの前に倒れる事は珍しくない。

 このどくろ砂漠を南下した、南西の地域がアランティス。真南の荒野が、蛇人カアスの首都がある蛇国である。

カラメール

「謎かけ盗賊(RPGシナリオ)」「奈落の帝王」の舞台。アランシアの南端に位置する港町で、統治者であるブルーストーン男爵は、謎かけ盗賊により殺害された。

 後に、奈落の帝王バイソスにも狙われる事になる。

旧世界

 三つある大陸の一つ。比較的混沌による汚染と影響は少なく、安定した穏やかな土地ではあるが、危険なことには変わりない。

 かつてはこの地に足を踏み入れた開拓者たちは、皮肉にも「新世界」と名付けていた。現在は各地に王国が建立し、アランシアやクールに比べて洗練され文明化されている。

 ただし、アナランドの北側からザメン高地にいたるまでの土地、カーカバードは例外。この地は危険な蛮族やモンスターが徘徊し、悪党や盗賊も多く、土地自体も危険かつ混沌の汚染で異常な状況になっている。

アナランド

「ソーサリー」主人公の故郷。旧世界南東部海岸地域一帯に位置する国。

 国自体は勤勉で誠実な人々が住む、快適な国。国境が巨大な壁により囲われているが、三か所が未完成の状態である。

 かつては国外から来る蛮族の襲撃に悩まされており、国境そのものを巨大な壁で囲う「大塁壁」という計画を立て、これを実行した。

 結果、三か所が未完成な状態で経済破綻し、中止になった。が、大塁壁そのものは現在も国を守るのに役立っている。

 優れた呪文と呪文書が作られているが、呪文書の国外への持ち出しは厳禁とされている。大塁壁には、視力に優れた種族・サイトマスターたちが警備にあたり、敵の接近を見張っている。

 奥アナランドと呼ばれる南の地域、そこにある港町ガムボートからは、交易船がもたらした香料や珍しい植物が育てられている。

 中心部からやや南に「リーブラ湖」という湖が存在。ここはかつて、女神リーブラが病人を癒したという伝説が伝わっている。多くの市民は、このリーブラ湖の北側の平原に住む。

 アナランド北側には「金水湖」があり、砂金をはじめとする、様々な金属が豊富に採取される。ここから下流へ進むと、河口部付近、海と面した場所にアナランド首都「アークレトン」に突き当たる。

 金水湖で採取された金は、アークレトン市内に運ばれ、そこで金の延棒へと精錬される。この金塊は、アナランドの主要財源となっている。

シャムタンティ

「魔法使いの丘」の舞台。カーカバードの南端部で、アナランドの北側大塁壁の向こう側に広がる、広大な丘陵地帯。クリスタンティ、カントパーニ、ダンパスといった地が広がっている。猛獣やモンスター、盗賊など、多くの危険が潜む地ではあるが、カーカバードにしてはまだ危険度はそれほど高くはない地でもある。丘陵地を越えた北端に、大きく東西にジャバジ川が横切っている。

 ジャバジ川を挟んだ向こう側が、バクランドになる。

カーレ

「城砦都市カーレ」の舞台。広大なジャバジ川を渡る事が出来る、唯一の場所でもある。ポート・ブラックサンドと並ぶ危険な街で、はるかに無秩序。都市には盗賊や悪漢がはびこり、住民たちは自分の身を守るために罠を仕掛けたが、それがかえって危険度を増す事に。

バクランド

「七匹の大蛇」の舞台。混沌と邪悪により影響を受けた土地であり、カーカバードの中心部。自然の作用が捻じ曲げられ、超自然的な力が昼夜を支配している。

ザメン高地

「王たちの冠」の舞台。カーカバード北端部。ここの「マンパン」という地に、「大魔王」と呼ばれる強大な悪の指導者が要塞を作り拠点にしている。ここからアナランドを、ひいては世界を脅かす軍勢を作り、侵攻しようと企んでいる。バードマンやライフスティーラー(殺生怪)といった、空を飛ぶ種族も多く住んでいる。また、シーサテュロスといった蛮族や、聖者コレタスなどがいるのもこの地である。

ザンズヌ連峰

「王たちの冠」の舞台、ザメン高地の一角。この地には険しい山々が連なり、徒歩で赴くのは不可能なくらいの高地に、バードマンたちの文明化された居住地が存在する。

 しかし、マンパンの大魔王とその軍勢の攻撃を受け、バードマンたちは二つの派閥に分離。大魔王に味方した派閥と、大魔王に対抗する派閥に別れ、闘争を繰り広げている。後者は更なる奥地に逃げ込み、ゲリラとして戦っている。

ガランタリア

「魔術師タンタロンの12の難題」の舞台。旧世界の北西部に存在する国だが、様々な問題を抱えている。後にそれらの問題を解決した英雄が、次の統治者となった。

 かつては好戦的な隣国・ブライス王国などの戦争に巻き込まれていたが、徐々に安定。首都のロイヤル・レンドルは、多くの賢者の故郷でもある。

 農夫と裕福な市民が住む平和な国だが、国境にはいまだ騒乱の火種がくすぶっている。

 南にはフェンフリィ国との境界線があり、その南東部付近には、魔女の牙連山が存在。そして北には、「北の国」と呼ばれる地域との境界線を、ごつ岩連峰が区切っている。

 これらの地域には、あらゆる種類の無法者と、異教結社の住処となっており、いつかはガランタリアの脅威になるのではないかと恐れられている。

フェンフリィ

 ガランタリアの南、旧世界大陸の西海岸地域に存在する国。旧世界において現在最も重要な地域と言える。数年前までは貧乏で怠惰だった国民は、国王チャランナが借り受けた「王たちの冠」による統治で、健全かつ勤勉な住民に生まれ変わった。今現在、旧世界では最も裕福である。

 主な財源は、肥沃な土壌による農業。

 また、国を横断するチャランナ川の上流には、水晶が豊富に採れる「水晶湖」が存在する。

水晶都市

 フェンフリィの東側、水晶湖の西端部に存在する都市。

 その名の通り、水晶湖から採れた水晶で、全ての建造物が構成されている。

レンドルランド

 フェンフリィの東南部、アナランドの北西部に隣接した、平原地域にある国。あまり豊かな国ではなく、これといった産業もない。そのためにフェンフリィの人々を妬んでおり、大抵は国同士で論争している。

 しかし、この国の平原地は馬の飼育に適しており、この国の馬は世界で一番の乗り物と言える。

 東側の丘陵地には反抗的な蛮族が存在し、隣接するアナランドを含んだ他国への侵入を繰り返しており、レンドルランドにとっての恥として知られている。

神々の金床

 レンドルランドの南、アナランドの南西部、奥アナランドと(大塁壁の一部を挟んで)隣接する地域。

 山岳地帯であり、人間の居住区や文明のある地域は存在していない。

ラドルストーン

 旧世界の北東部、カーカバードのザメン高地の西側に位置する北方の小国。

 隣国ブライスとの戦争が、現在に至るまで続いている。

 軍事的傾向を持つ宗教組織が、現在の支配者層。ブライスに対抗するため、国境近くのダッガ川に巨大な前哨基地「デーモンキープ」を建て、千人近くの神官戦士を駐屯させている。

ハラブナップ

 ラドルストーンの北端近くに位置する港町。ラドルストーンの軍事宗教組織とは敵対しており、同時に全ての秩序側の冒険者や船乗りが行き来する平和な地である。

カニ港町

 ハラブナップから少し東に行った先、ザメン高地の西端部に位置するナンクヌ湾の内部・西側に存在する港町。海賊たちの避難場所であり拠点。海賊たちはここから船を繰り出し、旧世界北方海域の船を略奪している。

ブライス

 ラドルストーンの西側、ガランタリアの東側に位置する地域。この王国の住民たちは非常に好戦的で、隣接する国々とは国境線の事で争いを繰り返している。

 天然資源が乏しく、産業も無いため、独裁者が支配。国の中心地に存在する首都「禁断の要塞」を中心として、国民に常に戦争の準備をさせている。

 北側の海に面した地域には半島があり、その西側には『迷宮都市』が存在。カニ港町の海賊たちは、遠く離れたこの地にも出張って襲撃している。

モーリステシア

 旧世界の中心部より、やや北側に存在する山岳地帯。その東側にある「霊峰山脈」にそびえ立つ山々は、登頂不能と言われているくらいに高い。

 また、この地域には猿や類人猿などが多く生息しているが、極めて珍しい特徴を持つ種も多く確認されている。


クール

 魔法対戦の主戦場となった、最も荒廃した地域。アランシアでは、暗黒大陸と呼ぶ者もいる。

 周辺海域は荒れており、なおかつ巨大な海の怪物などが多く存在する。そのため、船によるアランシアや旧世界への行き来は容易ではない。さらに加えて、内陸では混沌の力により汚染されている場所も多く、アランシア以上に過酷で危険な場所である。

 一部の地域では、独自文明が築かれている。

ニューバーグ

「ナイトメアキャッスル」の舞台。

 クール南西部に存在する、城壁都市。かつてはこの場所で、邪悪な魔術師ザカーズと、三叉槍を武器とした英雄スカルロスとの戦いが行われていた。現在ザカーズは地下深く封印されたと言われている。

ザゴウラ

 ニューバーグよりさらに南下した場所に存在する、ムルブズ湖の南西に存在する廃墟。

 かつてはクールの誇りとも言える都市だったが、混沌との戦争により初期に放棄された。現在は塔や胸壁のいくつかを除き、都市のほとんどが地下に沈んでいる。

 忌み嫌われた恐怖の場所で、地下に沈んだ都市内部は、数え切れないほどの亡者や地下生物、モンスターが徘徊する迷宮と化している。クール北方の伝説では、この廃墟の寺院や宮殿に莫大な富や忘れられた知識が埋まっていると語られているが、それをあえて確かめる者はほどんどいない。

ヤジェル、ヒエニッシュ

 ザゴウラよりさらに南下した、クール西の南の果てにある二つの港町。

 かつてはザゴウラの統治下の町として栄えていたが、ザゴウラが戦争で放棄された後、混沌の軍勢により滅ぼされた。

 現在は廃墟に、小さな村落が残っているのみ。住民たちはかつての混沌の勢力により、土地を焼き払われ、人生の信頼感も奪われ、完全にそれらから回復はしていないものの、なんとかがんばって生活している。

サソリ沼

「サソリ沼の迷路」の舞台。クールの西側に存在する広大な沼地で、小路が迷路のように入り組んでいる。

 南東と北西のそれぞれの端に、フェンマージとウィロウベンドという町が存在する。フェンマージには、善と悪の魔術師、そして中立の魔法を商う商人とがいる。

ゴラク王国

「悪霊の洞窟」の舞台。クール南西、ソードフロウリバー(剣流川)の支流、ダート川とダガー川に挟まれた地に位置する小さな王国。「偉大なるタンクレッド」が弟オルガズを連れ、「暗き洞窟」に赴き、帰還してから設立した。かつてはガッドンの民の地下王国への入り口も兼ねていた。現在は王の座は空位で、ライダーマーク卿が治めている。

 初代の王、偉大なるタンクレッドの弟、オルガズが悪霊となり、悪魔クッダムをしもべとして地上に侵攻しようとしたものの、強力なマジックアイテム「真の盾」により封じ、ゴラク城の地下最下層に安置した。

 その状態で長く平和を保ってきたが、近年になり封印が解かれ、真の盾が盗まれてしまった。

ジモーラン

 クール西部の中心に位置する、周辺地域を納める都市。この周辺の都市と地域は、このジモーランの統治下にあり、統治者が掌握している。

 しかし200年前に後継者が途絶え、現在は「7人評議会」という組織が支配している。これはジモーラン市、北海岸のジレッタ市、アンヘルム市、西海岸のブルナ市、ケイリマ市、南のケルザー市、そして文明圏の果てにあるニューバーグ市の、計七つの都市から送り出された代表者で構成されている。

王の道

 クールの西北に位置する古代都市ジレッタから、クール西南部の都市ケルザーまでを繋ぐ街道。ジモーラン市のジェイキスタ王朝により過去に建設されたもの。

 ジモーランから南下すれば、肥沃な農地を抜け、剣流川の河口にある港町ケルザーに辿り着ける。

 また、ジモーランから北上する事で、サソリ沼を東に大きく迂回し、フェンマージの近くを通り抜け、「人食い鮫海岸」に面するジレッタ市に行く事ができる。

混沌の荒地

 クールの中心部に位置する、広大な地域。灰塵に覆われ、動物はもちろん草木もほとんど見当たらない、死の荒野。あちこちに混沌の力そのものが湧いて出る場所が存在し、自然の法則そのものがねじれて歪んでいる。

 また、この上空には灰色の塵が覆っているため、太陽は決して姿を見せず、普通の草木は育たず動物も生きていけない。

古戦場

 クールの混沌の荒地から北東部に広がる荒地。太古の時代において戦争が起こった時、混沌の軍勢が大量殺戮を行った場所で、都市や城砦の廃墟が点在する。

 現在は、ほぼ誰もいない死の土地となっている。また、再び混沌の支配を目論み、この地に眠る死人の軍隊の蘇生を企む邪悪な魔術師や、それらの手下のオークやトロールの軍隊駐屯地にもなっている。

ケイベッシュ

 混沌の荒地の北、古戦場の南西部に位置する廃墟となった都市。かつては、クール北部の首都であった。

 太古の戦争において混沌の軍勢の攻撃を受け、現在はかつての住民や戦士たちの幽霊が住み着く死の都市になっている。

シセラ砂漠

 クールの南に広がる、広大な砂漠地帯。北に混沌の荒地、東に内海が存在している。

シャクルー

 シセラ砂漠南西端に位置する、クールおよびタイタンで最も不潔な都市。

 乞食の王「不憫のホラガール」と、その疫病に冒された者たちの住処である。かつての建造物の残骸と廃物の山で構成され、ネズミが走り回り、絶えず崩れては住民が建て直している。

 住民たちは砂漠ゴブリンやトカゲ兵の遊牧民などから取引し、キシュの西の蛮族の居留地を襲撃、食物と奴隷を略奪している。また、倒壊しかかった寺院では「疫病」「腐敗」の二神を崇拝し、疫病を撒き散らすネズミやハエを育て、解き放っている。

アリオン

「仮面の破壊者」の舞台。クールの北東部に位置する町で、その領主は六角形の王の印が刻まれた兜を被っている。かつてはブレンダン・ブラッドアックスという英雄が、この地で混沌の種族「ブラックハート(闇エルフとオークの混血種)」と戦い、そのほとんどを滅ぼした。

 北にネクロス湖があり、その先に領主へヴァーが治める「枯葉の谷」が存在する。

八幡国

「サムライの剣」の舞台。戦士支配階級と、精神心情を組み合わせた、中世の日本的な独自の文化が形成されている。

 クールの最南東部、シオズイイ山脈により、クールの他の地域からは完全に遮断。土地自体は肥沃で天然資源に富んでいるため、ほとんどの住民はあえて周辺に向かおうとはしない。

 将軍が頂点に立ち、国全域を統治。各地の荘園にそれぞれ中小の貴族階級がそれを支えている。首都は「今市(こんいち)」

 現在の将軍は、長谷川喜平。国の魂とも呼べる宝刀「鍔鳴りの太刀」を有しており、この威光を以て支配している。

 クールにしては比較的平穏な地域であるが、それでもこの地域独自の危険なモンスターは数多く存在する。

内海

「海賊船バンシー号」の舞台。クールの中央、最南端に存在する。

 内陸に広く広がった海域で、様々な国々が入り込み、交易も盛ん。そしてその分海賊も多い。地中海やアラビア風の文化が形成されている。

 タグ、ラガシュ、カラー、マラッド、キシュ、シュルパックなど、数多くの都市国家がしのぎを削っている。

キシュ

「海賊船バンシー号」の舞台。

 内海の西側、外海近くに位置する都市国家であり、内海で最大規模を誇る。

 西側はシセラ砂漠に面しており、その土地をうろつく好戦的な野蛮人の襲撃を防ぐため、都市全体を巨大な城壁で囲み、強化している。また、海洋戦力も豊富。戦闘用ガレー船を大量に所有している。

 よそ者が入るのを好まないものの、外部からの商人があえて取引しようと接触して来たら、時に高額の見返りを与える事もある。

 現在は内海を挟んだ位置に存在するシュルパック市と戦争状態で、ラガシュとマラッドの両都市と同盟を締結している。

創世の神話

 かつて神々は永遠で、退屈していた。ある日神々は、自分たちの庭園に、命を持つ巨大な土塊を発見。主神タイタンはこれを半分にして、片方を球にして神々の宮殿の中心に置き、もう片方を神々に少しづつ分け与えた。

 土を貰った上位神、そして下位神に至るまでが、山や海、川、木々や草花、動物たち。タイタンの球の上に、世界と自然に存在するあらゆるものを、土を用いて作り出し、置いた。

 こうして作り出されたこの世界を、主神の名を取り「タイタン」と命名した。

 これに参加しなかったのは、暗き神々。しかし彼らも、土を少し盗んでいた。


 ある日、これを見た運と偶然の神ロガーンは、自分の取り分を要求。貰った分から在る生き物を作り、自分の体の一部を入れ、『人間』と命名した。

 ほとんどの神々はこれに抵抗感を示したが、主神タイタンを含むいくつかの神々はこれを真似た。主神タイタンは巨人を、大地の女神スロッフはドワーフを、植物と自然の女神ガラナはエルフを作り、タイタンに置いた。

 昼は太陽の女神グランタンカがタイタンを回って照らし、夜は月の女神ルナールが照る。嵐の神スークや風の神パンガラの息吹が飛び、平和な世界となってタイタンは神々を楽しませていた。


 しかしある日。ルナールが捕らえられ暗黒の夜が。

 そして暗き神々が作った、様々な怪物たち……彼らの邪悪な心に染まった混沌の軍勢が、世に放たれたのだ。


 次の日、タイタンら主神がこれを見て驚愕しているところ、暗き神々がやってきて対峙した。先頭には、袋を持った「死」。続いて、その兄弟「疫病」「腐敗」。そしてその他数々の下位神や半神たち。

「死」は、怪物が跋扈しているタイタン世界を見せた。そして袋の中のロガーンを放り出し、

遠くの異世界に行った彼の神が、『時』を見つけたと告げる。

 再び袋をひっくり返すと、ロガーンに続き、気味の悪い姿が出て来た。それは常に変化していたのだ。

「死」の神は、これの名を告げた。これこそが『時』だと。

「死」の神は更に告げる。この「時」が解き放たれれば、永遠は無くなり、神ですら自分の力……「死」から免れられない。

 そうされたくなくば、このタイタンの所有権をよこせと要求。神々はそれを断り、こうして神々による「最初の戦い」が始まる事に。


 両者は十分に準備を整え、タイタンにて激突した。戦いは激しさを極め、双方とも深く傷ついた。

 そして、最後には神々が放った稲妻の一撃が、混沌の軍勢と、「時」そのものを貫き破壊。神々の勝利となった。

 敗北した暗き神々を殺そうとした主神タイタンだが、それを行ったら相手と同様になると止められ、「虚空」へ追放するに留まった。

 が、勝利の代償は大きく、人間をはじめとした多くの種族は傷つき、数を減らし、タイタンの自然そのものも大きく傷ついてしまった。

 なにより、タイタンに混沌と「時」をもたらしてしまった。ばらばらに飛び散った「時」は、タイタン世界に定命をもたらした。生まれたら年を取り、寿命で死んでいく運命を全ての生物に与えたのだ。


 そして、神話の時代から幾年が過ぎ。人間、およびすべての種族が文明を築いたのち。

 世界各地に眠っていた、暗き神々の残滓、「混沌」の軍勢がよみがえり、古代におけるあらたな伝説……魔法大戦が勃発する事になる。


 現在も神々は、タイタンを見下ろし見守っている。

 しかし彼らは、その手を直接下す事はできない。ゆえに、冒険者や英雄という気に入りの存在を駒として、世界の脅威に向かわせる事しかできない。

 言うなればタイタン世界は、巨大な遊戯盤。そして英雄や善の勢力も、混沌とその死の軍勢、悪の勢力も、その盤上を行く駒にすぎない。

 現在もこの盤上の戦いは続いており、善悪両者の勝負はつかない。均等化を保つため、善悪両方に味方し、戦場を引っ掻き回す中立勢すら存在するので、勝負の行方はいまだ不透明。

 故に、この遊戯は戦いの幻想と呼ばれるのだ。


タイタンの星座

 タイタンの夜空には、当然ながら無数の星が瞬いている。そしてその星空には、「最初の戦い」の際に、それぞれの陣営に属していた英雄、動物、怪物の星座が、タイタンの大地を見下ろしている。

:北天

鷹将(ホークロード)座(善側)

怪像(ガーゴイル)座(混沌側)

ドワーフ王座(善側)

竜王(キラニラックス)座(善側)

狩人座(善側)

鯨座(善側)

巨獣(ベヒモス)座(混沌側)

獅子王(ロガール)座(善側)


:南天

蜘蛛王(アーハロゲン)座(混沌側)

ベールの魔術師座(善側)

海妖座(混沌側)

蜥蜴(バジリスク)座(混沌側)

オークの将座(混沌側)

死の使い座(混沌側)

最後の角笛を吹く者座(善側)

人馬(ケンタウロス)座(善側)

角蛇(ジアルガ)座(混沌側)

魔蠍獅(マンティコア)座(混沌側)

エルフの王子座(善側)


タイタンの神々

『天の王宮』の、善側の神々

 タイタンを創造し、現在は神々の領域、『天の王宮』に戻った善なる神々には、タイタンを創造した古き神々と、「最初の戦い」の前後に現れた新しい神々の、二種類に分けられる。

 現在はタイタンの各種族により、新しい神々が信仰され、台頭している。

新しい神々

  • シンドラ

幸運と運命の女神。8名いる新たな神々のリーダー。

  • リーブラ

正義と真実の女神。シンドラの娘。

  • アスレル

美と愛の女神。リーブラの妹。

  • ウスレル

平和の女神。リーブラとアスレルの妹。

  • コーガ、フォーガ

優雅さと誇りの双子の神。ウスレルの息子。対立する神々で、カーレではフォーガは復讐と天罰の神とされている。

  • テラク

勇気の神。コーガとフォーガの息子。獅子の神ロガールとも関係づけられる。戦士や傭兵などの守護神。

  • ハマスキス

学問の神


古き神々、およびその他の神々

  • タイタン

全ての神の元老にして、世界の父。

  • ガラナ

植物と生産の女神。タイタンの娘。エルフの創造神にして主神。

  • スロッフ

大地の女神。ガラナの妹。ドワーフの創造神にして主神。

  • フィラッシュ

火の神。スロッフの夫。

  • グランタンカ

太陽の女神。フィラッシュの姉。

  • ヴァ―ラング

精錬工や金属細工師の守護神。フィラッシュとスロッフの息子。

  • ロロディル

火山の神。フィラッシュとスロッフの息子。

  • ルナール

月の女神。

  • スーク

嵐の神。猛々しい気性で、善側の神とされながら、人間を食う邪悪な種族『殺生怪(ライフスティーラー)』にも信仰されている。

  • パンガラ

風の神。スークの弟。

  • ハイダナ

水の神。タイタン創世の時から、タイタンの海に住んでいる。人魚だけでなく、魚人のような混沌に近い種族からも信仰されている。

  • アクアリス

川の神。

  • ファリジス

氷と冷気の神。

  • ソリンザール

水夫の神。

  • フールクラ

旅の守護神。ソリンザールの弟。


  • ハシャク

スロッフに仕える半神。オークの創造神。

寸詰まりで茶色い皮膚の巨人として描かれる。スロッフがドワーフを作るのを見て、土を盗み自分流に何か作ってみようとした。その結果がオークである。

 神話によっては、トロールをオークの前に作り出したとあり、ゴブリンを創造したのもハシャクではないかと言う説もある。


中立の神々

  • ロガーン

運と偶然、策略の神。他の神々と異なり、親や親戚などの存在が見られない。

人間を創造した神として有名。ローブを着た顔無き従者「カタ」と「ぺトロス」に、両側から引っ張られている姿で描かれる。ロガーン自身は道化のように背が低く、奇形でがに股、顔に奇妙な表情を浮かべ、ボサボサ髪に似合わぬ衣服姿、しかし真剣な眼差しを浮かべている……という姿で描かれる事が多い。


動物の王宮

 動物そのものの神々も存在する。彼らは善も混沌も関係ない、真なる中立と呼ばれ、他の存在がどうなろうと関係なく、種の存続以外には無頓着である。

 実際、神々と混沌の「最初の戦い」の時も、竜の神キラニラックスや獅子の神ロガール、鷹の神ホークロードは善側に付いたが、狼の神アルマーや蜘蛛の神アーハロゲンは混沌側に付いていた。

 ゆえに動物の神々は、人間や人型種族のみならず、原始人や蛮人など未開の種族の他、ゴブリンやオークなど邪悪かつ混沌側の種族にも信仰されている。


※なお、トカゲ兵を創造したトカゲの神スチス・チャには、以下のような逸話がある。

 神々と混沌勢の『最初の戦い』の際。スチス・チャはタイタンの地上にて、他の神々に気付かれないように、トカゲの皮と沼地の泥とで最初のトカゲ兵をこねくり削り取っていた。かの神は、自分のトカゲ型こそが一番美しいと考えており、いつか自分も己のイメージ像を世界に広めたいと考えていたのだ。

 その後、自分の創造したトカゲ兵たちをタイタンの沼地に隠し、神々の住む異界に戻るが、神々の王宮の隅で小ネズミの神カリープにでくわした。他の神々は戦いに出ており、カリープは王宮の隅で怯えている。

 これは好機と、スチス・チャは今まで夢見て来た欲望を実行に移した。すなわち、カリープを食ってしまったのである。が、カリープも神の一員。必死に戦い、スチス・チャは丸呑みにしたカリープをのどに詰まらせ、息が出来ず転倒し頭を打って死んでしまった(神々も死ぬ。ただし、転生するだけだが)。

 一説によると、トカゲ兵に似た双頭の人型トカゲ種族「カラコルム」が、ネズミを病的なまでに怖がる理由は、この逸話が原因ではないかと言われている。


混沌の暗き神々

  • 「死」

 混沌側の第一神。「創造するが破壊はしない」という善の神々に真っ向から挑戦し、物事はいつか存在を止めねばならないという天命を持ち込んだ。

 タイタンでも、様々な形や名前で信仰されている。どの土地でも「死」の物語や風習、名前やイメージは存在し、その運命に恐怖を抱いている。

 アランシアの北方、フロストホルム地方の粗野な蛮族たちは、「死」は「閉じる者」「終える者」であり、「夜の金属で鍛えた斧を持つ、無敵の巨人」の姿を有するとされている。

 クール東部、シセラ砂漠のノーマッド(遊牧民)たちは、「クルシュ」……臨終の際の息の音として「死」を表現しており、「死」の神は夜になると見えざる手を伸ばし、人を窒息させに来る存在だと考えられている。


  • 「疫病」「腐敗」

 混沌側の神々の次席。

「疫病」は別名「化膿の神」、「腐敗」は虫やカビ、全ての腐ったものの王でもある。魔王子など下位の神々や、蜘蛛の神アーハロゲン、蠅の神である女王フレムシュなどに仕えられ、タイタン中に病気を散布させている。

  • スラング

悪意の神。当初は善側の神々の一員だったらしいが、混沌側についた。

太った大男で、蛇のように別れた舌を持ち、手を口にかざしてささやいているかのような姿で描かれる。

  • タニット

嫉妬と妬みの神。スラングの妹。スラング同様に元は善側だったが、混沌側に付いたため、兄とともに追放されている。不気味な帽子を被ってベールを垂らし、黒いドレスに身を包んだ美女だが、その背中には邪悪に反った短剣を隠し、完璧な唇には残酷な笑みを浮かべている、という姿で描かれる。


タイタンの種族

  タイタンには、善悪両方に与する種族が存在する。

 善側はエルフ、ドワーフ。そして人間。その他、小人(ピクシー)、小鬼(スプライト)などの小さな種族が挙げられる。

 悪側は、オーク、ゴブリン、トロール、オーガー、蛇人ことカアス、トカゲ兵、闇エルフといったものが挙げられる。

 巨人は、その多くが野蛮かつ愚鈍だが、一部は太古の知識を蓄え、天候を操作できるものもいる。

 詳細は、タイタンの種族を参照。

 

タイタンの住民たち

 当然ながら、タイタンには善悪問わず、様々な人物が存在している。

 詳細はタイタンの住民を参照。


タイタンの生活・雑学

貨幣

 文明地域では、金貨(GP=ゴールドピース)が、ごく普通の通貨単位。

 銀貨(SP)や銅貨(CP)も流通しており、大抵は金貨1枚=銀貨10枚。

 ごく少数の国や地域では、金貨1枚以下の品を購入するため、標準の半分から4分の一サイズの金貨を流通させているところもある。

 また、一部のオークの集落では、金貨1枚分の価値の大きな銀貨を使用してたり、それとともに質の低い鉛や青銅の貨幣も使用している。

 なお、アランシアのフラットランドなど未開の地域では、金はもちろん、銅や青銅の延べ棒がそのまま通貨として使用されている。

 トログロダイト(穴小人)は、「人間やドワーフの骨」が通貨代わりになっている。指の骨が金貨1枚程度、肋骨や全身骨格などは、彼らにとってはひと財産なのだ。

 アランシアで良質かつ代表的な金貨は、アランシアのポート・ブラックサンドで流通させている、表と裏にアズール卿の紋章とドラゴンが描かれたもの。

 他には、アランシア東部・ドワーフの聖地ファングセインで鋳造された、若干小さめの金貨も流通している。こちらの両面には、ファングセインのナムルキム王の紋章と、ドワーフのルーンが描かれている。

 貨幣の他にも、物々交換も未だ行われている。特に貨幣があまり浸透していない未開の地や、貨幣を知らない未開人や蛮族に対しては、こちらの方が有効である。


食料・酒

 タイタンにおいても、その住民たちは当然ながら食事を取り、時には酒を飲む。

 旅人や冒険者たちは携帯用の食料を携え、飢え死にしないようにと心がけるのが普通。また、酒場や食堂では料理や酒が提供されている。

 価格的には、普通のエール酒はひと瓶で銀貨3~4枚程度、ワインはひと瓶銀貨4~7枚ほど。

 宿屋などで供される料理は、火を使わない冷めた料理が一食分で銀貨5~8枚、暖かい料理が一食分金貨2枚ほどである。

 パンやチーズ、果物や野菜、焼いた動物の肉や干し肉、シチュー、ワインやエールといったものが良く供されているが、中にはタイタン独特の食料や料理も存在している。

  • ヴィトル

 旧世界、アナランドで旅の糧食として有名。パイ皮の小さな丸パンの中に干し肉を詰めたもので、数日間日持ちする。

  • ボンバの実

 赤いリンゴのような果実。暖かい地方で良く採れる。汁気も多く美味で、この果実と一緒に別の食料を口にすれば、回復する体力が二倍になる。ただし、似た外見の『ビター・スィート』という果実もあり、こちらは口にしたら腹痛を起こす。

 旧世界、南カーカバードのシャムタンテイ内、クリスタンティ村では、このボンバの実を村の畑で栽培している。

  • ワートル・スープ

 灰褐色の、肉や野菜を煮込んだスープ。初めて口にする者には、時として発疹が起こるが、命に別状はない。カーカバードのセスター隊商で提供していた。他にも「シャグラッドの危険な迷宮」内の、ドワーフのプーキー食堂でも一食金貨一枚で供されている。

  • グロイスター

 どろっとしたチーズのような練り物付きのパン。非常にまずく、臭いも最悪だが、食べると運勢を回復させるという不思議な効果がある。非常に腐りやすく、日持ちしないため、持ち運びする事はできない。やはりカーカバードのセスター隊商や、ドワーフのプーキー食堂にて供されている。プーキー食堂では一つ金貨三枚で、二個しか在庫がなかった。

  • 薬草茶

 薬草を煎じたお茶。口当たりは悪くはないようで、カーカバードのセスター隊商ではグロイスターと一緒に供されていた。プーキー食堂では一杯金貨一枚。

  • ブリムベリー

 イチゴなどベリー類の一種。やや独特の臭いがする果実だが、薬効があり、絞り汁を瓶詰にしておけば日持ちがする。黄死病などの流行り病などでも、初期のうちにこの絞り汁を飲めば完治する事が可能。カーカバードのシャムタンティにてよく見られる。

  • アンセリカ

 紫色の果物。深緑の葉をつけ、白い良い匂いの花を咲かせる小さな灌木に実る。

 様々な病気を治す効果があり、治療師や薬師にとっては貴重な植物だった。しかし、悪側・混沌側にとってはなんの意味も持たないため、一時期根絶やしにされかけた。

 しかし、クールのサソリ沼にて一本だけ、その木が生き延びている事が判明した。サソリ沼の近隣の町・フェンマージに住む善の魔法使い・緑のセレイターは、ある冒険者にこのアンセリカの実を回収する仕事を依頼する。

 果実自体も、食べると非常に美味。

  • ボルケットの炙り肉

『ボルケット』という、熊の近接種の動物の肉。汁気が多く柔らかいため、人間のみならず他の動物からも狙われ、食されている。アランシアでも、とある弓の名手の冒険者が仕留めて持ち込み、宿屋でメニューとして提供していた。

  • ジャイアント・サンドウォームの肉

 アランシアのどくろ砂漠など、砂漠地帯に棲む巨大なモンスター『ジャイアント・サンドウォーム(大砂蟲)』から採った肉。そこそこ美味で、砂漠の民の食料として流通している。

 なお、大砂蟲の表皮は天蓋や革細工に、牙は象牙のような細工物や短剣に、それぞれ加工し用いられていたり、商品として売買されたりしている。

  • 棘々獣の肝臓の悪魔漬け

 旧世界、南カーカバード・シャムタンティ周辺や、北アナランドでは、よく食卓に上る珍味。

『棘々獣(ブリッスルビースト)』という、富裕層にペットとして飼われることの多い動物の肝臓を加工したものらしい。(「タイタン」作中に記述はあるものの、具体的な描写や説明がないため、詳細は不明)。

  • スカンクベアのシチュー

 南カーカバード、シャムタンティ内のクリスタンティ村の宿屋で供されている料理。

 スカンクベアは、白黒の美しい毛並みを持つ熊の一種だが、危機を感じたらスカンクのごとき強い悪臭の放屁を放つ。そのため、毛皮にも臭いが染みつき、価値が台無しになる事も。

 このスカンクベアの肉を用い調理したのが、このシチューである。金貨二枚で食べられる。

  • 丘キツネのスープとライス

 南カーカバード、シャムタンティ内のダンパス村の宿屋で出される、心づくしの料理。詳細は不明だが、キツネを調理したシチューのような汁物に、ライスを添えたものと推測される。値段は金貨三枚。

  • 冷たいミートパイおよび堅皮のパン

 クール南西部の町、ニューバーグの商業地区にて。その食料品店の露店の店頭に、食欲をそそらんばかりに陳列され販売されているもの。三食分を金貨一枚で購入できる。

 名物らしく、屈強な露店の店主曰く「このミートパイは、(近隣地域の)ケルサーからこちらでは一番の味ですぜ」。

  • アードウルフ・ジョイント

 ジャイアント・アードウルフ(大アールド狼)の腿肉を串に差して焼いたもの。アードウルフは狼に似ているが、ハイエナに近く、昆虫を主食としている。

「シャグラッドの危険な迷宮」内にて。ドワーフのプーキーが経営している食堂では、この料理が提供されている。

  • マニック・ビーストの肉

 マニック・ビースト(狂獣)の名で知られる、2足歩行の肉食のモンスターの肉。

 このマニック・ビーストはモンスターとしては恐ろしい存在で、ザラダン・マーがトロール牙戦争の時に、地下迷宮に不正規部隊として使っていた事が知られている。

 しかしその恐ろしさとは裏腹に、この怪物の肉自体はいくらか苦みがあるものの、極めて食用に適している。そのため、アランシア南方の都市ワープストーンでは、マニック・ビーストの足肉の焼いたものを提供する、家内工業が存在していたりする。

  • 眠りの木の実

 苦しみ悶えているかのようにねじくれた、小さな灌木に生る実。菱形の葉の陰に生っているその木の実は、白い錠剤を思わせる。この実を口にした者は、たちどころに眠ってしまう。

 バルサス・ダイアの「混沌の要塞」の中庭の隅にも、一本だけこの灌木が生えていた。

  • 沈黙の実

 甘く、汁気たっぷりの果実。

 食べてみるとすこぶる美味であるが、食した人間の声を一時的に奪ってしまう作用がある。そのため、意思疎通のために喋る事はもちろん、魔術師ならば呪文を唱える事もできなくなってしまう。しばらく経てば、この効果は消える。

 アランシアのバルサス・ダイアの要塞内にある食料貯蔵庫に、樽一杯に入れられていた。

  • チャブリーの実

 アランシア、トロール牙峠付近にて、高い樹木に実る果実。極めて美味。

 木は、平地にぽつんと一本だけ生えており、幹の色はほぼ黒に近い濃い茶色で、葉は不自然なほどに鮮やかな緑色をしている。

 大きく丸い実をいくつも実らせているのは、木の上の方なので、木登りが出来なければ採取する事はできない。

  • ホウジョウ木の実

 アランシアの、トロール牙峠付近の村、コーブンの食料品店で販売されている。栄養たっぷりなだけでなく、携帯食に最適なため、旅の糧食に用いられている。三食分三袋で、金貨一枚。

  • ジム草の根

 同じく、コーブン村の食料品店で販売されている。具体的にどのようなものかは不明だが、一袋の単位で売られている。

※コーブン村の食料品店では、このジム草の根一袋に加えて、山猫の干し肉二塊、皮袋に入った香料入りワイン一袋、トウモロコシのパン一塊を、全部合わせて金貨一枚で購入できる。

  • 斥候人(スカウト)のくれる食料(仮)

 正式名称は不明。斥候人(スカウト)、または「付人」という、奇妙だが他者に親切な人型種族が提供してくれる食料。パンに似た固焼きの菓子で、形は立方体。食べると、減っていた技量や体力が完全に回復する。

  • 太った毛虫

 クール南西部、ガッドン地下王国内にて、『真の盾』探索に降り立ったタンクレッドの末裔に対し、猫神の末裔『自慢たらたらのタバシャ』が持ってきたもの。見た目はやや抵抗感があるものの、口に放りこんだら、甘くすばらしい味が口いっぱいに広がる。

  • メナシ魚

 同じく、ガッドン地下王国内にて、地底を流れる川で採れる魚。栄養価があり、生のままでも食べられるが、火を通せばさらに力が付く。

  • 白い牙魚

 ガッドン地下王国内にて、地底を流れる川で採れる魚。白い身体に、身体の半分ほどある大きな口には、巨大な牙がずらりと並んでいる。しかし見た目とは裏腹に、味は非常に美味。

ドワーフ達は川に手を突っ込み、この魚を手づかみで採っている。その採り方は一見簡単そうに見えるが、実は相当難しく、下手に真似をしたら指を食いちぎられる。

  • フレイヤーの作った料理

 旧世界、カーカバードのカーレにて。街中の小屋で生活していた奇妙な種族『フレイヤー』の作った料理。

「王たちの冠」奪取の任務を帯びたアナランドの冒険者が、遭遇したフレイヤーに頼み、金貨五枚を支払い作ってもらったもの。

 動物の腎臓を調理したものらしく、ホウレンソウのような野菜が添えられている。フレイヤーは種族総じて料理の腕は良いが、この料理に限っては前述のアナランド人には、特別美味とは感じられなかったらしい。

  • 狩人・シムが作ったアヒルとキノコの料理

「甦る妖術使い」に登場。

 人間の狩人・シムが、野営している時に焚火で作っていた料理。アヒルは焚火で丸焼きに、キノコは浅い鍋で焼かれている。

  • ドワーフ・スタブの特製シチュー

「雪の魔女の洞窟」に登場。

 雪の魔女シャリーラの元から解放されたドワーフ、スタブが、自分を助けてくれた冒険者と、エルフ「赤速」とともにストーンブリッジへ戻る途中。野営する際に作ったシチュー。

 材料は、捕まえた丸々としたウサギと木の実、草の根と緑の葉を用いている。

  • バーバリアンの乾燥肉

「死のワナの地下迷宮」に登場。

 挑戦者の一人、スロムの兄・クロムが所有していた干し肉で、治癒の効果のある薬草を振りかけてある。見た目は少し不気味に見えるが、体力を普通の食料よりも回復させる効果がある。

  • ホールドガットのスペシャル・ブルー

 西アランシアで見られるエール酒。気味の悪い青色をしている。丘巨人ですら、二杯飲めば寒気がして気絶する。ひと瓶で銀貨四枚。

  • クィルの水

 旧世界、ブライスのクィルで見つかる。水のように見え、口当たりも味も水そのもの。しかし少量でも三杯飲んだら人間は死ぬ。通常は指抜き一杯の量を、金貨一枚で供される。

  • ブルナ・キャットブラッド

 クールに見られる、軽く甘いエール酒。一般には猫血川(キャットブラッド・リバー)の水を使うと見せかけるため、赤く染めてあると思われている。しかし実は、猫20匹の血が用いられており、飲むと……。

 瓶半分ほどで、金貨五枚。

  • スカルバスター

 ドワーフの特産品で、北西アランシアで飲まれる。小麦を、大きな御影石の裂け目を通し、蒸留して作った濃い茶色の酒。ドワーフが飲むなら、そのざらっとした舌触りを楽しめるが、人間が下手に飲んだら三分ちょうど床に伸びてしまうくらいに強い。しかし、注意深く飲めば人間も十分楽しめる。一杯金貨二枚。

  • オーク・エール(ビール)

 悪名高きグアーシュとは違う、強い酒。とはいえ、こちらの酒も下手に飲むと、ろれつが回らなくなり前後不覚になるだけでなく、気が大きくなって周囲にいる者に襲い掛かってしまう。「シャグラッドの危険な迷宮」内にて、ドワーフのプーキーが営業する食堂のメニューに掲載されている。一杯で金貨二枚。

  • アクアビット

 バーバリアンが作る酒。喉を焼くほど強い蒸留酒で、氷のように透き通り、キャラウェイシードで風味を付けている。戦いの前に一定量を飲んだら、体力が回復するのみならず、高揚して攻撃力も上がる。


補足・人間その他の種族が食べるには向かない料理・飲食物

 上記の食料・料理、酒類は、タイタン特有ではあるが、人間はもちろん、ドワーフやエルフ(森エルフの中には、肉類を口にしない者もいるが)なども口にできるものである。

 しかし、何でも食べるオークのひどい料理をはじめとした、人間やその他の種族には口に合わないもの、食べるのを避けるべきものも、当然ながら存在する。

  • グアーシュ

 オークの作ったエール酒。胃壁を大事にしたいなら、人間は飲むべきではない。

 聞く話によると、『苔だらけの洞窟の壁を、鼻にゴキブリを詰めて舐めた』ような味がするという。

  • ノームの血のソースを使用したエルフの内蔵料理

 北カーカバード・ザメンや、ザンズヌ連峰に住むオークの一族「切断腕族」の特別料理。エルフやノームに対する大規模な戦いの後の死を祝って出される、オークにとってのご馳走である。

  • ネズミの臓物スープ
  • コウモリのカレー

 両方とも、オークが食するありふれた料理。これらに限らず、オークは固く鋭いものも消化できる第二の胃を持ち、手で掴め齧れるものならなんでも口にして食べてしまう。

 そのため、敵の肉をそのまま食らう事はいつも行っているが、そのような新鮮な肉が手に入らなければ、野菜、木、金属、岩、泥などを材料にして料理したり、あるいはそのまま口にしてしまう。

  • トビウオ

 カーカバード、イルクララ湖のトビウオは、外洋のものと異なる危険な魚類である。この魚をあえて口にしたら、ひどい味がするのみならず、数時間続く腹痛に苛まれる事となる。

  • 毒イチゴ

 アランシア、フラットランド周辺で見られる、汁気たっぷりの赤く熟れたイチゴ。

 見た目からして非常に美味そうに見えるが、食した者を完全に発狂させてしまう。知らずに食べた仲間から、不意を突かれ殺された……という事例がいくつもあるらしい。

  • 生きている肉塊(仮)

 バルサス・ダイアの『混沌の要塞』の食糧庫にて、壁よりぶら下げられている数種の肉塊。

 見たところは普通の干し肉にしか見えず、空腹の冒険者がそれを手に取って噛り付いても、違和感はない。肉自体は固く塩辛いが、不味くはない。だが、一口二口と噛んで飲み下すたびに、肉塊自体からうめき声が聞こえ、やがては肉塊自体が痙攣し手から飛び出す!

 そればかりか、飲み込まれた肉塊の一部が、消化されまいと体内で暴れるのだ。この攻撃に耐えられたなら、肉は消化され事なきを得るが、内臓にダメージを食らう事は必至である。

 この肉塊が、何の肉かは不明。しかし、食料倉庫でぶら下げられた状態でも生きており、人間が食べるには向いてない食材である事は確かである。

  • ミュータント・ミートボール

 旧世界、カーカバードのマンパン砦にて、ホブゴブリンの女性給仕長スログが管理している台所にあった食物。

 ラベルが一部剥がれていたため、「アリの(アント)ミートボール」と勘違いされてしまう。

 このミートボールは、スローベンの薬剤師が作り出したもので、口当たりは良いものの、食べた者の身体に突然変異を起こさせる。

 その変異は様々。大魔王はこれを用い、ゴブリンなどに食べさせて異形の兵士を作り、己の軍の強化を図った。

 具体的に判明している変異は、以下の通り。

「脳が肥大化(即死」「体中の内臓が入れ替わる(即死」「皮下脂肪が異常膨張し、肥満体に」

「片足が縮み、尻尾のように変化」「鼻がゾウのように伸び、呼吸困難に」

「人間が別の種族そっくりに変化」「体中に爬虫類のような鱗が生え、爬虫類恐怖症に」

「回復不可能な、記憶の欠落。魔術師は呪文を忘れ使えなくなる」

「二本目の利き腕が生え、武器を同時に二つ使える」「頭部に角が生え、武器無しでも戦える」

  • マグソコガネの酢漬け

 同じく、スログが管理している台所にあった食物。どのようなものかは不明だが、その名の通り甲虫を酢漬けにしたものらしい。スログが勧めていた。

  • 奇妙なシチュ―(仮)

 人間以外の混沌側の種族のみならず、人間の側にも注意すべき料理と、それを作る者が存在する。一部の邪悪な宿屋の主人が作る、客を材料としたシチューがそれだ。

 宿屋に入り、休もうと寝台に横たわると、そのまま鍋の中に落ちる、あるいは寝台で眠り目が覚めると、ギロチンにかけられており、生死の選択を迫る……という事も往々にして存在する。

 そしてこの手の宿屋では、美味だが風味の変わったシチューが有名だったりもする。材料は罠にかかった間抜けな旅の客であり、誰も省みる者はいない。

 旧世界の水晶湖の南、ロルトゥーナのエルリク・ヴィナーが経営する「幸せな御主人亭」や、カーカバードのカーレの「旅の宿亭」などが、この手のシチューを人知れず供しているらしい。

  • ザラダン・マー軍で供されるシチュー

 邪悪な魔術師、ザラダン・マーは、自身の軍隊を擁し、そのための訓練所も所有している。

 その訓練所にて、兵士たちの食事として出しているのが、ハーフリング(ホビット)を食材としたシチュー。ザラダンの軍勢の中には人間もいるが、ほとんどは人間以外の種族で構成されているため、この食事に不満を口にする者はいない(司令官のサグラフでさえ、半トロールである)。

 このシチューは、喉を焼くほど熱いものの、兵士たちにとっては最高の味であり、肉もたっぷりと入っていて滋養もある。加えて、上司に対する忠誠心を抱かせる「操り草」も入れられており、裏切ろうとする者も出てこない。

  • 巨大キノコ

 魔界のデーモンたちにとっての人気料理の食材。タイタンの地上でのみ栽培できるため、デーモンの信徒たちは人里離れた場所にある、地下大洞窟にてこれを栽培している。

 ただし、これには世話が必要不可欠。魔界のデーモンやアンデッドはもちろん、魔奴隷(デーモン・サーバント)であっても魔界の社会的地位から世話などできず、最下位の魑魅魍魎(デーモン・スポーン)はあまりに無秩序過ぎてこれも不可能。

 ゆえに、キノコそのものから作業用労働者、およびその護衛兵士として、クローンを作り出し、世話および警備をさせている(この監督は、下位のデーモンが罰として命ぜられる事が多い)。

 ダークウッドの森の地下に、このキノコ農場の一つが確認されている。中には、人間が食べられるキノコもあるようだが、毒キノコも多く、クローンが死んだあとに生えるキノコも毒の胞子を放つため、人間やその他の種族は手を出さない方が無難と思われる。

  • 入れ替えキノコ

 ダークウッドの森に生えている、奇妙なキノコ。

 毒性があるわけではないが、食べた冒険者は、自身の技量と運の強さとが入れ替わる、奇妙な体験をした。

  • ゴミに生えたキノコ(仮)

 ファング「死のワナの地下迷宮」こと「決死行」にて。迷宮内のゴミの上に生えていたキノコ。

 これを食すと、たちまち身体が異常に成長し、巨大化するという作用がある。そのため、迷宮内で頭がつかえ、そのまま出られなくなり一巻の終わり……になった者も多い。

  • 乾燥ウジ虫

 マンパン砦にて、バードマンたちが糧食として所持している。

「王たちの冠」奪取のためにマンパン砦に侵入したアナランド人が、バードマンたちと仲良くなった際に、彼らにパンと一緒に勧められたもの。人間が食べられるかどうかは不明だが、件のアナランド人は遠慮していた(パンは貰ったが)。


賭け事

 タイタン世界の酒場や遊技場では、荒っぽい冒険者たちや、一獲千金を狙う山師・ペテン師などが賭け事を行っている。賭け事に用いられているのは、以下のようなテーブルゲーム。

 他にも、クールの内海付近では、トカゲを用いた賭けレースや、殴り合いの賭け試合。カーレでは、オーガーやバーバリアンなどによる賭けレスリングなども行われている。

  • マンプリーペグ

 別名ピンフィンガー。テーブルの上に手を広げ、指と指の間に短剣を素早く突き刺す。賭け金が髙くなればなるほど、動きも早くなる。傷を負ったらゲーム終了。

  • ナイフィー・ナイフィー

 別名カーレ式ルーレット。ほとんどの国では御法度。

 見分けのつかない短剣六本が用いられる。内一本だけが本物で、残りの五本はばね仕掛けで刃が引っ込むようになっている。

 参加者は順番に、短剣を混ぜてわからないようにしてから、一本を選び自分の胸に突き刺す。それが偽物ならば、また戻して混ぜて、同じ事を繰り返す。本物を選んだら、そのプレイヤーは死に、最後の一人になるまでこれを続ける。参加者の支払った金は全て、生き残ったプレイヤーのものになる。

 ゲームの名人は、とんでもない金持ちになるものの、当然ながらゲームの性質上めったにいない。

  • テン・テン

 64のマスに区切られ、それぞれ1から9までの番号が付けられたボードを用いる。ボードのマスの半分は黒、残りのマスは白に塗られている。

 プレイヤーはそれぞれ、ボードに向かいダーツを投げ、黒に刺さればマスの点を加算、白なら合計点から引く。

 ゲームを続け、プレイヤーのうち誰かの合計点が丁度10点、またはマイナス10点になったら、そのプレイヤーの勝利となり、賭け金をもらえる。

 主に旧世界のラドルストーンおよびアナランドで盛んではあるが、タイタン中の文化的な都市のほとんどで行われている。

  • 六選び

 サイコロを用いた賭け事。最低でも貨幣が一枚以上は必要。

 1から6までの数字を選び(複数を選べる)、賭け金をその数字に賭ける(数字を複数選んでいたら、それぞれに賭け金が必要)。続き、胴元がサイコロを振り、出た目が選んだ数に一つでも一致すれば、その数字に賭けた金額の五倍の賭け金が手に入る。

  • 呪文石

 いささか危険な賭けではあるが、その分賞金は豪華になる。

 参加者は六人程度が普通。数が多くなると、その分賞金も豪華になる。

 まずは参加者が、参加料を徴収される。続き、胴元が石を用意。この石には、一定時間経過したら爆発する呪文がかけてある。

 そして、参加者は輪になって座り、この石を手から手へと石を放る。時間が経過し爆発した時に手にしていた者は、その時点で失格となり抜けなければならない。両手にかなりの火傷を負うというおまけ付きで!

 残った者には、新たな石が与えられ、同じ事を繰り返し、最後の一人になるまでこれが続けられる。残った一人は勝者として、徴収された参加料が賞金として手に入る。

  • 捕虜裏表(仮)

「謎かけ盗賊」のアジトの一つにて、部下の円盤人たちが人間の捕虜を用い行っていた賭け事。正式名称は不明。

 まず、参加者は賭け金を取り出してその場に見せる。胴元も同じ額の賭け金を出す。

 続き胴元が、手足を縛り上げた捕虜を空中に放り投げる。その際、賭ける者が「表」か「裏」のどちらかを宣言する。

 頭か腕、上半身から落ちたら「表」、足か下半身から落ちたら「裏」となる。予想が当たれば、賭け金は倍になり戻ってくる。外れたら、そのまま掛け金を取られる。

 参加者の数が多い場合、チーム対抗で賭けを行い、代表者が「表」「裏」の宣言を行う。

  • バタール競争

 クールの内海にある港町、カラー市にて行われている賭け事。細長い砂地にコースが設置されており、その端には杭が打ち込まれ、哀れな犠牲者(大抵はゴブリン)が縛り付けられている。

 コースの反対側には20匹ほどの大きな競技用バタール・トカゲが結わいつけられ、賭けの参加者はそのトカゲのどれかに賭け、胴元に賭け金を支払う。

 スタートの合図とともに縄を解かれ、トカゲたちは杭に縛り付けられた犠牲者へと走り出す。最初に犠牲者に牙を突き立てたトカゲが優勝で、それに賭けていた者が倍の掛け金を手に入れる事ができる。内海という海賊が横行する地域ゆえ、賭け金の代わりに奴隷を賭け代にする事も可能。

  • なぐりあい試合

 同じく、カラー市にて行われている賭け事。

 参加者は一人。鉄棘付きグローブをはめて、胴元の用意した相手と殴り合い、先に殴り倒した方が勝ちという荒っぽいゲームである。うまくいけば、賭け金が倍になって戻ってくるが、逞しいオーガや、剣闘士として鍛えられたバーバリアンなどが相手になるため、大抵は賭け金を失い青痣を貰う結果になる。


スポーツ

タイタンにも、スポーツは存在する。しかし、荒々しい世界ゆえに、スポーツマンシップが徹底しているとは言いがたい。また、オークのような血なまぐさい混沌の種族のスポーツは、参加者がすぐに死亡する事でも有名。

  • ベイズ・ボール

 小型種族ベイが発祥の球技。アランシア北西部に住む、ベイたちの共同体で良く行われている。

 1チーム5人で、二つのチームでプレイ。チームは投手一人、捕手一人、野手四人(一塁~三塁手、外野)から構成。一度のゲームで交替者二人と部外者一人の参加が許される。

 各ゲームでは、イニングを六回行い、それぞれの回に相手の投手のボールを打つ機会を得る。打者側は一度のみ打てる。打ち損じ、キャッチされるとスリーアウトによりイニング終了し、投手側と打者側が交替になる。アウェイチームが最初に攻撃側になる。

 有名なチームは、ポート・ブラックサンドの「ギャロウズ・ストリート・グールズ」、サラモリスの「バレー・ロード・バガボンズ」など。

  • オーガー・ボール

 ベイズ・ボールを模した競技。人間、またはオーガーやトロールのような、より大型の種族が行う。ただし、この球技は捕手が切り株やフェンスポストで代用され、それに目掛けて投手がボールを投げつけるため、熱心なベイズ・ボールのファンは軽んじている。

  • オーク・ニー

 オークの行う血生臭い球技で、一番よく知られている。

 二つのチームが争い、それぞれ20名のメンバー内から4名選びプレイ。

 フィールドは、地面に描いた大きな円。その真ん中に、長いネットまたはロープを張って2つに区切る。使用するボールは、豚かトロールの膀胱を膨らませたものだが、時にはキャベツやメロン、ドワーフの首で代用される。

 最初にオークの一人が、ボールをネットの向こうに蹴り上げる。相手はこれを空中で戻すのだが、その際には膝(ニー)か頭しか使ってはならない。ボールが落ちるまで、これを繰り返す。

 ボールを円内に落としたら、落とした側の相手が得点。ボールを円の外に出したら、出さなかった方の得点になる。7点先取したら、取った側が相手の選手を一人食う事が出来る。これを繰り返し、最後にどちらかのチームに選手が残れば、勝者となる。

  • 奴隷パス

 オークが行う、オーク・ニー以上に過激かつ残酷なスポーツ。

 人間やドワーフの捕虜を縛り上げて簀巻きにし、フィールドで蹴ったり、投げたり、跳ね返したり、押し上げたり、下げたりするゲーム。

 異なる部族の8人から10人のチームが、この奴隷を出来るだけ長く生かし、どちらかの側のフィールドの端にある小さな穴に、奴隷を押し込めて得点する。

 ゴールの穴に押し込めた時、奴隷は生きていてバラバラにされてはいけないとか、プレイヤーは出来るだけフィールド上に残っていなければならないなどの基本ルールがあるが、その他に制限はない。そのため、たいてい血みどろのゲームとなる。

  • 矢射かけ

 弓矢が得意なトログロダイト(穴小人)が、自分のテリトリーである洞窟内でよそ者を捕まえ、捕虜にした時に行うゲーム。

 最初に矢を放ち、その距離までは捕虜に逃走を許す。そしてその矢の距離まで到達した後に、本格的に矢を射かけ、本気で狩りを行うのだ。

 このゲームは人間やドワーフの捕虜で行うが、闇エルフの捕虜では行わない(食肉として重要だからだ)。

 近年では、新たにルールが追加される事が横行している。

 最初に射かける弓をわざと短めに射る事もそうだが、逆トゲでいっぱいになった行き止まりの洞窟を『あの穴の先は出口だ』と嘘を伝えたりする事もよく行われている。


戦闘技術

 戦いの絶えないタイタンには、様々な戦闘技術が存在している。

 通常は剣や短剣、槍や長柄武器などを初めとして、武器無しで戦う素手戦闘、ドワーフなら必ず習得している斧の技術、エルフならば同じく必須の弓の技術など、冒険者ならば戦う術を必ず心得ているものである。

 それらとはまた別に、通常ではなかなか習得できず、学ぶ機会も少ない特別な戦闘技術も、タイタンには多く存在する。

  • ハエ刺し

 アランシア、カラメール市付近で隠居している元冒険者・バロロが習得している技。

 抜いた剣を、まるで投げ槍のように目標へと投げつけ、突き刺す事ができる。当然ながら使ったら剣を無くしてしまうため、その一撃で確実に相手を仕留められるようにと見極める力が必要。また、身体の力を完全に抜く必要があるため、戦闘の最中に用いる事もできない。

 ただし、習得出来たら剣が届かない敵に対し、投げつけて突き刺すなど、様々な戦法が可能になる。

  • セレグボール

 闇エルフの名門貴族、キャムカーネイヤー家出身の闇エルフが用いる素手戦闘術。言うなれば、キャムカーネイヤー流格闘術。

 邪術師ルドウィカスの部下で、「角蛇(ジアルガ)」の称号を授かったキャムカーネイヤー出身の闇エルフが使用していた。

 基本は素手で、ボクシングのように両手のパンチで攻撃すると思われる。件の闇エルフ「ジアルガ」は、爪が付いた籠手を両手に装着しており、それを用いて相手にダメージを与えていた。

  • 感覚戦闘

 クール、ゴラク王国地下の地下巨大迷宮都市に住む、盲目の地下種族ガッドンが用いる戦闘方法。この戦闘を心得ておけば、暗闇の中など視覚を封じられても、視覚に頼らず他の感覚で敵の位置を感じ取り、戦闘を行う事が可能となる。

「光り輝く剣」を携える、英雄タンクレッドの末裔がこの戦闘方法を習得し、悪漢オルガズと戦った。

  • 八幡国・侍の武術

 クール南東部に位置する八幡国は、支配者階級である戦士「サムライ」が存在する。

 そのサムライは、やや反った片刃の刀剣を用いた、独特の剣術を用いるが、その他にも下記のような特殊な武術が存在する。

弓術

 矢を射る技術。一度の冒険に持っていける矢は12本で、下記四種類の矢を各三本ずつ、矢筒に入れていく。

:柳葉の矢(通常の矢):威力の矢(柳葉よりも威力が髙い):鎧通しの矢(特定の敵に用いる):かぶら矢(威力は低めだが、射ると恐ろしい音を立てる)

居合術

 素早く刀を抜き、敵に必殺の一撃を与える技術。初撃で、通常より高いダメージを与えられる。

猿飛の術

 猿や曲芸師のように、高く跳躍できる。

二刀流

 サムライが常に腰に下げている、長刀と脇差の二本の刀を、同時に操り戦う技。戦いの初撃で、二度のダメージを与える事が出来る。


トロールのユーモア

 タイタンにおけるトロールには、妙なユーモアのセンスがあり、様々な土地で有名。

 しかし、洗練されてはなく、表現はくどく内容は粗野、トロールの思想を探る上では意味があると研究者は語る。

 史上最高のトロールのコメディアンとして有名だったのは、『荒くれ』ザーグ。彼は旅回りの一座とともに、アランシアのフラットランドを良く回っていた。彼はある時に芸を披露した際、安物のオーク・エール(グアーシュとは違う酒)に酔ったドワーフの聴衆に、誤解から後に殺されてしまった。

 以下のネタが、ザーグの広いレパートリーの中から、トロールのユーモアとして最高と言われているものである。


「あのドワーフ、なんで慌てて道を横切ってんだ?」

「そりゃ、そうしないとおいらが足を叩き切って、臭い足をその鼻に押し付けるぞって言ったからさ。へっ、へっ」


「おい、でっかい岩でドワーフぶん殴ったら、何をもらえたと思う?」

「大笑いをもらえたのさ、へっ、へっ」


「なあ、12個も兜をかぶったドワーフに会ったら、どうすりゃいい?」

「別に。頭の代わりに胃袋なぐりゃいいじゃないか。へっ、へっ」


「おい、ドワーフ6匹を牛車に詰め込むにゃどうすりゃいいんだ?」

「簡単さ。まずでっかい斧で6匹をばらばらにすんだよ。そいつを全部食っちまって、お前が牛車に乗りゃ、6匹分のドワーフ乗っけたのと同じじゃないか。へっ、へっ」


ゴブリンのジョーク

 アナランドから「王たちの冠」奪取のために、カーカバードに旅立った冒険者。

 彼は、頭の弱いゴブリンをネタとしたジョークをいくつか知っており、それを黒エルフの隊商に披露して大笑いを取る事で、警戒を解いた。

 判明しているのは、以下の二つのネタ。ただしこれらを下手にゴブリンに披露したら、どうなるかは定かではない。


「とあるゴブリンのウェディングケーキは、スカンク熊の糞で出来ています。何故だかわかりますか?」

「花嫁に悪い虫を付かせないためです!(スカンク熊は、悪臭を出す事で有名。その糞も同様。その悪臭で、あまりに醜いゴブリンの花嫁にたかる虫を追い払おう……というギャグ)」


「自分の知ってるゴブリンは、自分の名前のスペル(綴り)を覚えようとしないんです」

「そのゴブリンが言うには『スペル(呪文)が使えるのは魔術師だけだ』(綴りのスペルと、呪文のスペルを引っかけたダジャレ)」


民話「ロガーンとトロール」

 人間を産み出した、策略の神ロガーンは、よく民話や昔話にも登場する。他の神々が、格調高い神話にしか出てこないのとは対照的。

 その内容は、舞台はタイタンの地上で、ロガーン自身が策略を行い、尊大なものや残酷なもの、愚かなものを、巧妙にとっちめるところで終わっている。

 他にも、ロガーンが文字や火、車輪やたばこなど、様々なものを発見した事も説明している。

 そしてロガーンは、いつもその話の主人公でありつつも、自身も愚かな出現や退場をしている。

『ロガーンとトロール』は、この種の典型的な民話。多くの地で、農夫やきこりがベッドで、子供に語って聞かせる話である。


「……昔々、ロガーンが田舎を旅していたら、ある村に辿り着きました。

 そこでは村人たちは悲しんでいました。なぜなら村には、大きくて悪いトロールが毎晩やってきては、村人たちを食べるために何人もさらって行くと言うのです。

 そのトロールは、丘の洞窟に住んでいました。トロールは太陽の光を浴びると、目が見えなくなってしまうので、昼間はそこで眠っているのです。

 ロガーンはトロールの洞窟を見つけましたが、トロールのひどい臭いで入れません。

 そこでロガーンは、ロープを取り出して投げ縄を作り、空を回っている太陽の女神グランタンカを捕まえました。ロガーンはえんやこらと引っ張り、グランタンカを地上に下ろしました。

 誰もがそうするように、グランタンカもロガーンに文句を言い、自由になったら天罰を下すと脅かしました。ロガーンは気にせず、グランタンカに袋をかぶせ、あっという間に夜になりました。


 洞窟の中で、夜になった事に気付いたトロールはあくびをしつつ、えらく早く日が暮れたものだと起き上がりました。それから棍棒を担ぎ、また村に向かいました。

 でもトロールが洞窟を出た時、ロガーンは袋を解いてグランタンカを自由にしました。

 太陽の女神はびゅーんと空に舞い戻り、トロールは太陽の光を浴びて、悲鳴を上げつつ棍棒を取り落とし、両目を手で押さえました。すかさずロガーンは棍棒を拾い上げ、トロールを殴りつけました。

 ロガーンは死んだトロールを村に引っ張っていったので、村人たちは大喜びしました。

 でもお祭りをした次の日。ロガーンが村を出て歩いていたら、太陽の女神グランタンカが空からロガーンを見つけました。グランタンカがロガーンに火の玉を投げつけると、ロガーンは真っ黒こげになってしまい、村人たちはお腹を抱えて笑い転げました……」

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました

見出し単位で編集できるようになりました