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2010-01-18 17:45:57 バージョン

falcom

概要

1981年に創業。2001年にゲーム部門を分割し、現法人とする。2003年12月2日には東京証券取引所マザーズに上場。創業者は現会長の加藤正幸。社名は『スター・ウォーズ』に登場した「ミレニアム・ファルコン号」からの着想で、「ファルコン」の語尾に当時コンピュータ開発関係の社名として称されることが多かった「com」を合成したもの。元は米アップルコンピュータの代理店。


日本のパソコンゲームの黎明期である8ビットパソコンの時代より続く老舗メーカーであり、日本では数少ないパソコンゲームを業務の中心としながらもアダルトゲームの開発を行なわないメーカーでもある[注 1]。8ビット時代から多くのヒット作品を生み出しており、ロールプレイングゲーム(特にアクションRPG)には高評価を得た物が多い。早くに自社レーベルを発足させる等ゲームミュージックに力を入れており、その質の高さにも定評がある。


ライセンス提供にも積極的で、多くの作品が他社の開発・販売によって家庭用ゲーム機に移植されている。PCエンジン・スーパーファミコン向けには自社開発も行なっていたが、いずれもハード末期に参入してすぐに撤退しており、本数は非常に少ない。近年はプレイステーション・ポータブル (PSP) 向けに自社開発・販売を行なっている。


沿革

1980年代

1981年(昭和56年)3月にコンピューター導入時のアドバイザー企業として創業、同年7月より東京都立川市で米アップルコンピュータの代理店コンピューターランド立川を開設する。翌1982年(昭和57年)より、PC向けソフトの制作・販売をはじめる。当初はシミュレーションゲームを皮切りに、シューティングゲーム・ゴルフゲーム・西洋占星術ソフト・アダルトゲームなどとバラエティに富んでいた。


1984年(昭和59年)に木屋善夫が指揮を務めたコンピュータRPG『ドラゴンスレイヤー』を発売。以降、木屋作品は〈ドラゴンスレイヤー(ドラスレ)シリーズ〉として発売され、同社の看板作品となって行く。1985年(昭和60年)にはドラスレシリーズの第二弾となるアクションRPG『ザナドゥ』を発売。同作は流通出荷調べで40万本の販売本数を記録し、国内のPC用ゲームソフト最多の記録を保持している[1][2][注 2]。


1987年(昭和62年)にはアクションRPGの『イース』を発売。翌1988年(昭和63年)に発売された続編『イースII』と共に大ヒットを記録し、〈イースシリーズ〉は2008年現在まで続く同社の看板シリーズとなる。同作は古代祐三らによるゲームミュージックも高く評価されており、『II』と同年にはファルコムのゲームミュージックを専門に扱うファルコムレーベルがキングレコードに設立される。同レーベルからは音楽CDだけではなく『ファルコムスペシャルBOX』も発売され好評を博す。『イース』のOVA化などメディアミックスも積極的に行ない、翌1989年(平成元年)にはイベント「ファルコム・フェスティバル」・「ミス・リリア・コンテスト」が開催され、J.D.K.BANDが結成されている。また1989年にはライセンス提供でPCエンジン向けに開発された『イースI・II』がヒットし、コンシューマーゲーム機市場進出の契機となる。


古代退社の翌年1989年(平成元年)にはサウンドチームとしてFalcom Sound Team J.D.K.[注 3]を結成。同年東京・代々木に自社製品のグッズ販売の直営店「ファルコムショップ」を開店する。


1990年代

1991年(平成3年)にはセガとの共同出資でセガ・ファルコムを設立するなどゲーム機市場に参入する。1991年にはフルマウスオペレーションを謳った新作『ブランディッシュ』を発売し、以降4作が発売される。


1993年(平成5年)には原案と音楽のみをファルコムが担当し、開発をライセンシー各社に任せる形で『イースIV』を発表。オリジナルが2作あり、かつ自社製がない特殊な作品となる。


1994年(平成6年)には『英雄伝説III「白き魔女」』が発売され、2008年現在まで続く〈英雄伝説シリーズ〉が確立する。またこの年にはオリジナル作品『風の伝説ザナドゥ』でPCエンジンに、『ぽっぷるメイル』の移植でスーパーファミコンに自社参入を果たすが、どちらもハードの末期であったためそれぞれ2作の発売のみで撤退。以降2006年までは、ゲーム機市場にはライセンス提供のみを行ない、自社開発はPC市場のみに絞られる。なお、『風の伝説ザナドゥ』の開発を指揮した木屋は発売に先立ち1993年(平成5年)にファルコムを退社。1995年(平成7年)には『風の伝説ザナドゥII』を「The Last of Dragon Slayer」として発売し、〈ドラスレシリーズ〉が完結する。


同1995年からはパソコン向けの『リバイバルザナドゥ』を皮切りとして、過去の作品のリメイクを開発・販売し始める。そして1996年(平成8年)に発売されたリメイク作品『ロードモナークオリジナル』でMicrosoft Windowsに参入。1998年(平成10年)の『イースエターナル』がヒット収める。『イースエターナル』に先立ち1997年(平成9年)にはシミュレーションRPG『ヴァンテージ・マスター』第1作を発表し、以降シリーズ作品の発売を重ねる。


1999年に韓国のソフトマックス社が制作したRPG『西風の狂詩曲』を日本向けにアレンジして発売。これより東アジアのゲームソフトの日本向けローカライズを開始する。


2000年代

2001年(平成13年)、旧「日本ファルコム株式会社」から、ゲーム部門を分割し現在の「日本ファルコム株式会社」を設立。代表取締役社長には山﨑伸治が就任。旧会社は、「株式会社ファルコム」へ商号変更し、IT基礎研究や投資事業等を行っている。4年振りとなる新シリーズ『ツヴァイ!!』を発売。


2003年(平成15年)には『V』から8年振りとなる〈イースシリーズ〉の新作『イースVI -ナピシュテムの匣-』を発売。また『ファルコムスペシャルBOX'2004』が7年ぶりに発売された。12月2日には東京証券取引所マザーズに上場した。上場をきっかけに積極的に新作発表・発売が盛んになり、他社へのライセンスも積極的に行われるようになった。


2004年(平成16年)6月、約4年半振りとなる〈英雄伝説シリーズ〉の新作『英雄伝説VI「空の軌跡」』[注 4]を発売。2006年3月に発売された続編『空の軌跡SC』と共にヒット作品となる。3年振りとなる新タイトル『ぐるみん』を発売。


2005年11月にはマーベラスエンターテイメントと業務提携を締結、ファルコム作品のアニメーション制作などマルチメディア展開をはじめ、ゲームミュージックCDの販売、ゲームソフトの海外販売などを行っていくこととなった [3]。しかし2009年現在まで具体的な動きは見られない。


2006年(平成18年)6月、『ぐるみん』の移植によって プレイステーション・ポータブル (PSP) へ自社開発で参入する。家庭用ゲーム機向けに自社開発するのは『イースV』以来11年振り。同年9月の『FC』より順次、『英雄伝説「空の軌跡」シリーズ』の移植もおこなわれた。同シリーズはロングランヒットとなり、2008年にはYahoo!ゲームPSPロールプレイング部門で満足度上位を独占する[4]。PSPへの参入と平行してオンラインゲームへのライセンス提供も行なわれ、2006年11月より電遊社による『ソーサリアンオンライン』がサービス開始された。この他に『イースオンライン』・『ぐるみんオンライン』・『ツヴァイ!!オンライン』が韓国企業によって開発される事が発表される。このうち『イースオンライン』は2007年より韓国で・2009年より日本でのサービスが開始されているが、『ぐるみんオンライン』についてはサービス開始前に契約が解消となった[5]。


2007年(平成19年)、代表取締役社長を近藤季洋に交代。前職の山﨑伸治は顧問に就く[6]。


2008年(平成20年)よりPSP向けには現行PC製品の移植に留まらず、『ヴァンテージマスターポータブル』の様な過去の作品のリメイク作品も投入をはじめる。PC向けの発売は7年振りのシリーズ新作『ツヴァイ2』のみとなり、タイトル数でPSP製品がPC製品を大きく上回った。


2009年(平成21年)には、PSPに向けてはリメイク作品『ブランディッシュ 〜ダークレヴナント〜』・移植作品『イースI&IIクロニクルズ』に加え、三年弱振りとなる〈イースシリーズ〉の新作『Ys SEVEN』をPSP専用で発表。同作はマルチプラットフォーム展開予定である『イースVII』の第一弾と位置づけられている[7]。また、過去のPSP向け作品の廉価版をファルコムスーパープライスシリーズとして再リリースを始める。PC向けには前年発表された『ツヴァイII』に新要素を追加した『ツヴァイIIプラス』、PSPからの移植となる『イースI&IIクロニクルズ』、『空の軌跡』シリーズのWindows7対応版のみとなり、新作の発表は行なわれなかった。


コンピュータゲーム作品

主要作品として3作以上が発売されたシリーズを挙げる。この他の作品については日本ファルコムのコンピュータゲーム作品一覧を参照。


ドラゴンスレイヤーシリーズ 1984年 - 1995年

ザナドゥシリーズ 1985年 -

ソーサリアンシリーズ 1987年 -

ロードモナークシリーズ 1991年 -

イースシリーズ 1987年 -

英雄伝説シリーズ 1989年 -

ガガーブトリロジー 1994年 - 1999年

空の軌跡シリーズ 2004年 -

ブランディッシュシリーズ 1991年 -

ヴァンテージ・マスターシリーズ 1997年 -


在籍した主なクリエイター

括弧内の名前は在籍時の名前。


ゲームクリエイター

秋葉紀好 - 『ドラゴンスレイヤー英雄伝説』 シナリオ、プログラム

井上忠信 - 『ザナドゥシナリオII』 シナリオ

木屋善夫 - 『ドラゴンスレイヤーシリーズ』 プログラム・ゲームデザイン

高橋哲哉 - 『ドラゴンスレイヤー英雄伝説』、『ダイナソア』 グラフィックデザイン

富一成 - 『ダイナソア』、『スタートレーダー』 ゲームデザイン

橋本昌哉 - 『イース』 ゲームデザイン

宮崎友好 - 『イース』 ゲームデザイン

宮本恒之 - シナリオ、ゲームデザイン

山根ともお - 『スタートレーダー』ゲームデザイン、『イースシリーズ』 グラフィックデザイン


イラストレーター

ISUTOSHI(蓮井俊也) - 『ブランディッシュ』、『ブランディッシュ2』グラフィックデザイン

岩崎美奈子 - 『英雄伝説 ガガーブトリロジー』、『イースV』 グラフィックデザイン

古代彩乃 - グラフィックデザイン

田中久仁彦 - 『ドラゴンスレイヤー英雄伝説』(1作目のみ)、『ぽっぷるメイル』、『ダイナソア』 キャラクターデザイン

都築和彦 - イラストレーション

村上水軍 - グラフィックデザイン


作曲家

川合将明 - 『ドラゴンスレイヤー英雄伝説』『ダイナソア』作曲

古代祐三 - 『ソーサリアン』、『イース』、『イースII』 作曲

天門(白川篤史) - 『ブランディッシュシリーズ』、『英雄伝説 ガガーブトリロジー』 作曲

中島タケオ(中島勝) - 『ブランディッシュシリーズ』、『英雄伝説 ガガーブトリロジー』 作曲

まつもとひろし(松岡博文) - 『風の伝説ザナドゥシリーズ』、『英雄伝説 ガガーブトリロジー』 作曲


その他

新海誠(新津誠) - アニメーション作家。『イースI・II完全版』 CGアニメーション

早川正 - 脚本家。『ブランディッシュシリーズ』、『ガガーブトリロジー』 シナリオ、構成

参考文献 [編集]

主要参考文献のみを記載。この他の参考文献については個別脚注方式で#出典に記載している。


注釈

^ ただし、1983年に『女子大生プライベート』の一本だけアダルトゲームを開発している。

^ 2005年現在。

^ 後にFalcom Sound Team jdkに表記変更。

^ 後の『英雄伝説「空の軌跡FC」』。

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