CV:菱川花菜
概要
本作の主人公。おいしーなタウンに住む、のびのびとした真っ直ぐ元気な中学2年生(2年3組)。私立しんせん中学校に通う。エナジー妖精のコメコメに力をわけて貰い、キュアプレシャスに変身する。
定食屋「なごみ亭」の一人娘で母親と暮らしている。
抱き枕は肉型。
口癖は「デリシャスマイル~!」「はらペコった~!」。「ごはんは笑顔」というおばあちゃんの言葉を大切にしている。
品田拓海と言う一学年上の幼馴染がおり、彼とは「ゆい」「拓海」と呼び捨てで呼び合う仲。
毎週のOP前に自己紹介のご挨拶を担当してるが、その際の台詞は「あたし、和実ゆい!食べるの大好き中学2年生!」
その言葉通り、大食漢キャラである。
その際のウィンクが可愛い。そしてその後op開始すぐにウィンク。edでは変身姿でウィンク(特に後期edでは、彼女が乾杯時とサビ入り。サビの間にも数回)。
食べ物はなんでも大好きで偏食はしないタイプだが、中でも好物と言えるのは生野菜。『キュアプレシャスへ100のしつもん♡②』での質問の返答によれば特に人参が好きとの事。3話から始まったアバンの挨拶のシーンでも生の人参を齧って「デリシャスマイル〜!」と言っている。第5話の本人と母であるあきほによれば、ダンボールいっぱいに人参の皮を剥いたことがあり、それ以降人参を生で齧る様になったとの事。
『キュアプレシャスへ100のしつもん♡③』では、「今一番食べたい物は?」、「自分を野菜に例えるなら?」、「今やっぱり食べたい物は?」と言う質問にも人参と即答しており、かなりの人参好きであることが窺える。
前作の主人公と同様、ウサギのように大きな前歯がよく目立つのが特徴。
名前の由来は恐らく「和」食と「お結(むす)び⇒結(ゆ)い(沖縄弁で人と人との結びつきのこと)」
また、直近の主役キュアの先輩後輩がそれぞれ白、青と非ピンクキュアに挟まれているという歴代でも稀有な特徴をもった主人公でもある。
人物像
明朗快活でマイペースな性格。
基本的にはのんびり屋だが、危ない状況に陥ったり、困っている他者を決して見捨てずに助けに行く優しさを持つ。時には生身でも勇敢に危機に立ち向かう事もある。しかし、その人を助ける為の行動が猪突猛進な物になりがち。
とにかく食べる事が大好きな食いしん坊でもあり、拓海や友人達からも呆れられるが、同時に彼女が美味しそうに食べる姿を見て元気を貰ってもいる模様。舌も肥えており、『ぱんだ軒』で出されたラーメンスープの隠し味も言い当てる味覚の持ち主。
その為、食べ物や食事にかける情熱は並大抵では無く、その美味しさからくる安心で人を助けようとする場面も多い。
これは、幼少期に泣いていた(後ろに幼少期の拓海と思われる人物が映っていたので、恐らく原因は拓海との喧嘩と思われる)所を祖母の作ったおにぎりの味に感動し、元気を取り戻したことが切っ掛けである。
それ以降も純粋な気持ちを失わずにいた為、普通の人間なら大人になったら見えなくなるレシピッピ(ゆいは「おむすびの妖精」と呼んでいた)が見える。
美味しい物は何でも好きだが、実家の定食の味が一番のお気に入りであり、「この町で一番のお店」とまで豪語している。
この他にも、よく祖母の言葉を引用する癖がある。
一方で、その分食欲が高まるとやや見境の無くなる節もあり、食べ物型の置物にかぶり付こうとする天然気味な姿も見せている。
悩んだり落ち込んだりすることはほとんどないが、精神的に何不自由なく育った反動もあって、たまにはそういうメンタルになることもある。そういう時は流石に食欲も落ちる……なんてことはなく、むしろメンタルが沈むといくら食べても空腹が満たされない餓鬼のような状態になってしまう。
自身の甘さから大ピンチに追い込まれた直後の第43話では、自責の念から作中で初めて食欲が失せた状態を見せていたが、仲間たちから勇気づけられた後は涙と鼻水を流しながら食らいついていた。
容姿
小豆色の髪のセミロングでツーサイドアップにし、ピンクのリボンを結っている。
瞳の色は彩度がやや低い紫。
服装
私服
- 春服
ピンクの七分袖のワンピース服とその上に左胸におむすびマークが付いた薄ピンクのベストを着ている。
足には白いショートソックスと薄ピンクのリボンが付いたピンクのパンプスを履いている。
- 夏服
ピンクの半袖のワンピース服で、胸元に濃いピンクの紐状のリボンが付いている。
靴はリボンが付いたピンクのサンダルを素足履きにしている。
- 冬服
縦縞の入った白いタートルネックに、ピンク色のシアートップスを着用している。
足には黒のショートソックスと赤いストラップパンプスを履いている。
外では濃いピンクのポンチョコートを着用。
制服
- 冬服
制服のリボンタイをイメージカラーのピンクにしている。
靴下はピンクのラインが入った白いクルーソックス。
- 夏服
ターコイズブルーカラーの落ち着いた雰囲気の制服。
冬服とは違い、他のプリキュアメンバーとの服装の違いは無い。
スペック
前作の先輩に続き、身体能力は抜群。特に力に関しては、人間を辞めていると言っていいレベル。
第1話では、坂道を猛スピードで暴走するベビーカーにダッシュで追い付く、体格の良い成人男性を軽々と肩に担いで自宅まで運ぶ、更には第4話にて到底女子中学生二人位では動かせそうもない、大きな陸上競技用マットをほぼ一人で(一緒にいた人の体力はあって無い様な物)引っ張って移動させる等、驚異的スペックを披露した。
それ故、学校では運動部の助っ人として引っ張りだこだが、活動量が多いせいなのか、燃費が悪いせいなのか、直ぐにお腹が減る。そもそもそう言った助っ人に出向く事自体、支給される差し入れ目当てらしく、友人には呆れられている。
因みにこの力は祖母譲りのようで、鉄板ふじのの藤野夫妻曰く「米三俵(約180kg)を担いで歩いた伝説を持つ」とのこと。
半面ことわざや故事成語に関しては苦手な様で、第5話では「失敗は成功のもと」を「失敗はすいとんのもと」、第6話では「同じ釜の飯」を「同じ浜の飯」、第11話では「石の上にも三年」を「石の上にもサンドイッチ」と間違えていた(しかも「失敗は成功のもと」については敵であるジェントルーから訂正されていた)。しかもすべてのことわざの間違え方に食べ物が含まれている。ただし、第11話でここね・らんとテスト勉強をしていた際に、「花より団子」「棚からぼたもち」といった食べ物が入ることわざにはらん共々即答で正解していた。第4話ではきちんとノートはとってたものの休み時間前の授業中に爆睡もしていたりもする。「同じ釜の飯」に関しては指摘されてからきちんと正しく言えていたことから学習能力はそんなに悪くないという見方もできる。
空気を読みすぎないキャラ
ゆいの特長として、「空気を読みすぎないキャラ」(空気が読めない、ではない)という面がある。ゆいは他者に気配りできる人物だが、他の人が別の話題で盛り上がっていても自分の食事を優先するなど、他者のペースに振り回される事がまず無い。
それゆえに暴走気味なキャラクターに対してはツッコミに回ったり、語録を用いてたしなめる事も多い。
食べ物に関する嗜好
YouTubeで配信されている『キュアプレシャスへ100のしつもん♡』での質問の返答によると
7.お気に入りの調味料は味噌
8.お気に入りの味噌汁の具は人参
17.いまいちばん欲しい物は人参
20.タイムマシンで行きたい時代は弥生時代(米作りの始まりを見たいから)
21.得意な料理は野菜スープ
22.自分を野菜に例えるとしたら人参
23.温かいお料理と冷たいお料理どっちが好き?と言う質問には選ぶことができなかった
24.今やっぱり何食べたい?→『人参!』
どうやら、全体的に塩味がはっきりしたものや野菜を多く含むものも好むようである。甘味系は全体的にイチゴ系を好むようである。
『100のしつもん♡その②』での全30問の質問の内、半分近くが食べ物に関する質問ばかりである(食べ物がテーマの作品なので当然と言っちゃ当然だが…)。あまりに食べ物に関する質問が多い為か、いくつかの質問に関してはかなり悩んで答えているのが窺える。
家族構成
※第39話からCV変更
※第38話にて判明
実家は母親のあきほがなごみ亭と言う定食屋を営んでおり、店舗の敷地内には住居である一戸建て住宅がある。普段あきほは店にいるため人の出入りが少なく、結果として裏庭に面した居間がプリキュアたちの拠点扱いになっている。
ゆいは一人っ子なので兄弟はいない。
『キュアプレシャスへ100のしつもん♡①』での「お父さんについて」の質問の返答で、本人曰く漁師として遠い海に出ている模様。なので、ゆいは中々父親に会えないらしい。
第13話(6月5日放送)からは父・ひかるも登場。第38話において、父の旧姓は潮田、すなわち婿養子であることが明らかとなった。
ゆいが毎回披露する語録の引用元である祖母のよねは、第10話のアバンにおいて既に故人であることが示唆されている。ぱんだ軒の華満つるね(らんの母)は「和実さん」という名字だけ聞いてゆいが「およねさんのお孫さん」だったことに気付いており、生前は顔が広かったことがうかがえる。
トリビア
声優について
演じる菱川花菜は本作がプリキュアシリーズ初出演にして初のメインキャラクター担当かつアニメ主演である。
- 菱川は2020年デビューであり、本作開始時点では芸歴2年目の新人声優であった。さらに言えば彼女は2003年生まれで当時18歳の現役高校生にしてプリキュア役では初となる2000年代かつ21世紀生まれとなった。
- 本作以前には代表作と言えるものが乏しかった状況でのいきなりの主役抜擢となり、本作のプレスリリースを掲載したメディアでもこのことを強調する記事が見受けられた(参考:ORICON NEWS 2022年1月9日記事)。
- 所属事務所はラクーンドッグで、同事務所からの主役キュア起用はファイルーズあい(夏海まなつ/キュアサマー役)に続き2人目、さらにプロ・フィット系列出身者では青二プロダクションに移籍した悠木碧(花寺のどか/キュアグレース役)を含め令和に入って3年連続である。
事務所でサプライズ発表をされたのですが、その時は全然信じられず、今でもたまに夢だったんじゃないかと思う時があります!子どもの頃から大好きでずっとずっとなりたかったプリキュアになれて本当に嬉しいです!!
子どもの時に感じた憧れを思い出させてくれる作品だなと思います。以前プリキュアの映画を見に行った時、子どもはもちろんですが大人の方も一緒に楽しんでいるのを見て胸がいっぱいになりました。プリキュアのまっすぐ素直な気持ち、かっこいい戦闘シーン、全て世代を超えて楽しめるものだと思います!
ゆいちゃんは性格がまっすぐで食べるのが大好きな女の子です!超ヒーローな子なので、子ども達の憧れとなってもらえるように、のびのびとした気持ちをそのまま声に乗せていきたいです!そして、気軽に大勢でご飯を食べる事が難しい今、「デリシャスパーティ♡プリキュア」を通して「みんなで食べるごはんはおいしいんだよ!!」ってことを子ども達に伝えられたら嬉しいです!
アニメージュアニメグランプリにて
2022年8月号で発表されたアニメージュ第44回アニメグランプリ(投票期間2022年4月8日~5月9日、5月号の綴じ込みハガキの投票を集計)、女性キャラクター部門で和実ゆい(キュアプレシャス)が16位(得票数87point)にランクインしている。
2023年8月号で発表された第45回アニメグランプリ(投票期間2023年4月10日~5月9日、5月号の綴じ込みハガキの投票を集計)、キャラクター部門で和実ゆい(キュアプレシャス)が8位(得票数120point)にランクインしている。(今回から男女キャラ別の部門は廃止)
各話ネタ
『トロピカル〜ジュ!プリキュア』第46話(最終話、初回放送版&TVer版&TOKYOMXTV版)
(腹の虫の音)
「はらペコった~…」
- 先行ゲスト出演。前作『ヒーリングっど♥プリキュア』最終回に先行登場した夏海まなつ/キュアサマーと違い、パートナーの妖精であるコメコメもちゃんと登場している。
- 全てが解決した後の本編Cパートにて、空腹でフラフラと彷徨い歩いてた所、あおぞら市で街の催しのPretty Holicの催店を発見。さんごがつやつやの新米・「ささのひかり」とのコラボと言うタイアップでまなつが扮したおむすびの看板を大きいおむすびと勘違いして食べそうになった(尚、本人も偽物だと気付きガッカリしてたそうな)という天然っぷりを披露した。
- その後、おむすびの看板からまなつが出てきたが、それについてはノータッチで、仲良く自己紹介した後、最終回のゲストキャラとして、トロピカる部の皆にコスメのお試しをした後、毎年恒例のバトンタッチアイテムとしてまなつから気合のリップをプレゼントしてくれたりと、空腹の事はすっかり忘れた様子である。
- その時ハートキュアウォッチから誰かさんのSOS信号の呼び出しによりコメコメが飛び出してくる。まなつに見られそうになって直ぐに隠すが、時既に遅し。ただ、まなつは空気を読んで見て見ぬフリをしていた。
- もっと仲良く過ごしたかったのだが、呼び出しがあった以上は長居は出来ない。ゆいはトロピカる部の面々に見送られながら、新たなる敵から世界を守るための戦いへと赴く。それがゆいの今一番大事な事だから。そして、ゆいがキュアプレシャスに変身して戦闘に入るところで『トロピカル〜ジュ!プリキュア』の物語は幕を閉じる。余談だが、序盤の空腹の件はと言うと、恐らく彼女はトロピカる部からの差し入れとして、トロピカルメロンパンを貰ってくれたと思われる。
- あくまで余談であるが、戦いに赴いた場所にはデリシャスフィールドが展開されている事から彼や他の2人(3人かもしれないが)もいると思われる一方で、敵の方は場所が場所なので彼女ではない可能性がある(恐らく別の敵とも思われる)。因みに本編は後述の25話まで遠出する回が無かった為、実はまなつ達がおいしーなタウンに来ていた説あるいは前述のヒーリングガーデンに呼び出されたキュアサマーよろしく29話のコメコメの能力による時間軸を超えて行き来した説もある。(もしくは、トロプリ時空のゆいで、本編とは異なる別人の可能性もある。)
本編
■第1話
- かつての11年前の先輩を彷彿させるようなサッカー部の助っ人で、華麗なシュートを決めるゆい。女子部員は正式入部すればと惜しがるが、玉木わかなは「無理無理」と笑う。
- 練習後、差し入れのおむすびを次から次へと頬張り、「昆布たまんな~い!やっぱシャケだよね~!デリシャスマイル~!今度は何かな~?う~ん、おかか~!」と上機嫌。わかなには「差し入れのおむすび目当て」と呆れられた。
- ふと、子供の頃に見た不思議な妖精の事を思い出し、「ねぇ、おむすびの妖精って見た事ある?」と呟いてわかなに怪訝な顔をされるも、「ううん、何でもない」と誤魔化して食事続行。ともあれ、ゆいの美味しそうに食べる笑顔は、わかなも「見てるこっちも笑顔になっちゃう」と言う程幸せそうなものだった。
- その帰り道、商店街で多くの食べ物屋が閉まっているのを目の当たりにしつつ(理由は第2話にて明らかに)歩いていると、八百屋の前で、母親の手を離れたベビーカーが坂道を暴走していくのを目撃する。「これ持ってて!」と八百屋のおじさんに荷物を投げ渡して、猛ダッシュで追跡し、坂の下にいた出前中の女の子と衝突しそうになった寸前でベビーカーを止めた。その後、自転車は倒れてしまい、「大丈夫?」と心配するゆいに「アハハ、出前5号は無事」と笑う少女、「あなたの方だよ」と突っ込む。
- 公園を通りかかると、奇妙なキツネのような生き物が行き倒れていた。先程ベビーカーの手すりに掴まって、必死に止めようとしていた子だった。宙に浮くその生き物を見ても物怖じせず、寧ろ「あなた何者なの~?どうして?すごっ!うわ~!」と興味津々。空腹でお腹が鳴ったその生き物は、ゆいからおむすびを分けて貰って元気になった後、同じく空腹で動けなくなっていた一人の青年の所に案内した。ゆいは、自分よりも背丈のあるその青年を某主人公の如く軽々と肩に担いで、自分の店に運び込む。
- ゆいの母・あきほの店「なごみ亭」で食事を御馳走になって生き返ったローズマリーと言うその青年は「マリちゃんって呼んでね!」とフランクな態度ながら、持ち合わせが無い為、義理堅く皿洗いで恩を返した。「あんな素敵なごはんを頂いて元気特盛り」と言うローズマリーに、ゆいは「だって“ごはんは笑顔”だから」と祖母の言葉を引き合いに出して微笑んだ。
- 客の幸せそうな笑顔が溢れる店内で、小さな妖精が現われ、ローズマリーがそれと話しているのを見たゆいは「マリちゃんもおむすびの妖精が見えるの?」と尋ねる。ローズマリー曰く、それはレシピッピと言う料理の妖精で、レシピッピが見えるのは、ゆいが料理を大切に思っているかららしい。その一方、「美しさの秘訣」を何度も語ろうとするローズマリーには「それはいいかな」と華麗にスルー。色気より食い気のお年頃か。その後、元気になって出発するローズマリーを見送った。
- 店に幼馴染の品田拓海がやってくる。オムライスを食べに行くと聞き、「オムライス?良いな、良いな~」と羨ましがるゆい、「相変わらず食い意地張ってるな」と呆れられながらも、あきほに勧められて拓海と一緒にオムライスを食べに出掛けることに。この時、拓海の顔がやや赤らんだ事には一切気付いていなかった。
- 美味しいオムライスを食べる事が出来ただけで無く、更にオムライスのレシピッピを見付けて嬉しくなるゆい。ところが、そこに現れた黒マントの少女がレシピッピを捕えて店を去るやいなや、店中のオムライスがとても食えた物で無い味に変化してしまう。ゆいは黒マントの少女を追って店から飛び出す。
- 駆け付けたローズマリーに詰問されたその少女は「我は怪盗ブンドル団のジェントルー」と名乗り、フライパンを素体にした巨大な怪物ウバウゾーを召喚した。通りがパニックになる中、ローズマリーはデリシャスフィールドを展開し、特別なフィールドにジェントルーとウバウゾーを転送した……が、何とゆいも付いて来てしまっていた。
- 「レシピッピを助けたいの!」とジェントルーに駆け寄ろうとするゆいだったが、ウバウゾーに捕われてしまう。ゆいを傷つけたく無ければフィールドを解けと要求するジェントルーに、止む無くローズマリーは従おうとするが、心配して飛んできたキツネ型の妖精・コメコメにゆいは「大切な思い出なんだ…レシピッピはおばあちゃんとの大切な思い出。いつも笑ってて欲しい。だってごはんは笑顔だから」とレシピッピを守りたい強い思いを語る。
- その心に応えるかの如く、ゆいの手首にハートキュアウォッチが出現。ローズマリーに「コメコメと一緒にプリキュアに変身よ!」と促されたゆいはキュアプレシャスに変身した。「あつあつごはんでみなぎるパワー!キュアプレシャス!おいしい笑顔で満たしてあげる!」
- 変身した自分の姿に驚きながらもプレシャスは戦闘を開始。ウバウゾーの圧殺攻撃を受け止めて逆に投げ飛ばし、500キロカロリーパンチを炸裂させ、最後はプリキュア・プレシャス・トライアングルでウバウゾーを浄化した。
- 解放されたオムライスのレシピッピは、礼を言いながらウォッチの中に入っていった。
■第2話
- 前回、最後まで食べられなかったオムライスを持ち帰り、「デリシャスマイル~!」と笑顔。そこへハートキュアウォッチを通してクッキングが呼び掛けて来た。ローズマリーとの会話の中で、レシピッピが奪われると料理の味が変わってしまう事、元に戻す為にはブンドル団に奪われたレシピボンを取り返すしか無い事を教えられる。彼らの説明で、ここ最近おいしーなタウンでお休みしている飲食店が多いのも、ブンドル団がレシピッピを奪ったために料理の味が落ちてしまった影響だったと分かった。
- 近衛隊長フェンネルに「デリシャストーンが壊れている様だが?それではクッキングダムとそちらの世界の行き来は出来ないし、戦う為の技も出せない」と指摘されたローズマリーは沈んだ顔になる。それを見て「あたしに任せて!プリキュアとしてマリちゃんの分も頑張る!皆のお料理守りたいもん!」とゆいは張り切り、クッキングらにレシピボン奪回の務めを託された。
- クッキングがローズマリーの滞在費としてこちらの世界の通貨(何故か500円玉ばかり)を贈ってくれたので、「泊まるとこ必要だね。それだったら……」と言い掛けた所で悲鳴を上げるゆい。そして「あぁ~!忘れてた…」と言うのと同時に、「それは俺の事か!」と息を切らせた拓海が走ってきた。一緒にオムライスを食べている途中で店を飛び出して、プリキュアに初変身・初戦闘後、拓海の事を完全に忘れて家に帰って来てしまったのだった。
- 平謝りしながらもローズマリーを紹介し、「拓海んちのゲストハウス「福あん」に泊めてくれない?」と頼み込む。ローズマリーは拓海の顔を見て「あら、あなた何所かで会ったかしら?」と首を傾げるが、拓海は「知らないけど」とそっぽを向く。
- コメコメをローズマリーから預かってもよいかと相談した所、あきほは「猫?犬…なの?」と一瞬訝しむも、即座に快諾。「コメ~!」と言う声にも「変わった鳴き声だね」で済ます大らかなママキュアの伝統。ゆいは幼い頃、野良猫を拾って育て、祖母に「ゆいは強いね」と褒められた時の事を思い出していた。
- ブンドル団が何時現われるか分からないと顔を曇らせるローズマリーに、「大丈夫、あたしがぱぱっと解決しちゃうから!平気平気、昨日だってちゃんと出来たし、これからだって…任せてよ!ドーンとね。ドーンだよ、ドーン!」と調子に乗って、思い切りふんぞり返るゆいだがローズマリーは突如「戦いはそんな甘い物じゃないわ!」と声を荒げた。そして我に返った後、コメコメをゆいから借りた彼は「ゆいのお母さん、素敵ね。お母さんと仲良くするのよ」と、まるで今生の別れかの様な言葉を残して立ち去った。
- 洗濯物を干していると、ウォッチからアラーム音が鳴り響き、助けを求める様な唐揚げのレシピッピの姿と、場所を指し示すレーダー画面が映し出される。ブンドル団出現と気づき「福あん」へ急いだが、ローズマリーの姿は無く、拓海の母・あんから手渡されたのは、ローズマリーからの別れの手紙だった。
- Bパート冒頭アイキャッチでは雲がレシピッピに見えて、よだれを垂らしていた。ハハハ…。食いしん坊さんだなぁ…。
- 手紙には、ゆいを戦いに巻き込みたくないと言う彼の思いが記されていた。ゆいは、コスメショップから出て来た一人の少女にぶつかりそうになりながらもひた走り、デリシャスフィールドで戦っていたローズマリーの所へ駆け付け、変身してウバウゾーに立ち向かう。
- しかしペッパーミル型ウバウゾーの放つペッパー爆弾を素手で殴ろうとする等、プレシャスの戦い方は猪突猛進一辺倒。「もう止めて!わたしの力が足りないばかりに、あなたが危ない目に遭うなんて!そんなの見てらんないのよ!」と引き留めようとするローズマリーに対し、プレシャスは「心配してくれてありがとう。でもね、やっぱりあたし、見てるだけなんて出来ない。“ごはんは笑顔”。守りたいから!」と答える。その原動力となったのは、前述の猫を拾った時に祖母がかけてくれた「この世で一番強いのは、誰かのために頑張る心」という言葉だった。「その言葉をあたしは信じてる!だから絶対出来るって信じてる!マリちゃん、あたし諦めないよ!」
- その思いに心打たれたローズマリーは、一緒に戦う事を決意。中距離攻撃タイプであるウバウゾーを二手に分かれて攪乱し、ローズマリーが投げつけた囮の岩石に気を取られた隙に、プレシャスは500キロカロリーパンチを叩き込み、プレシャス・トライアングルで勝利した。
- 友情の証としてローズマリーからクッキングダムのグラスを贈られ、あきほも含めた3人で乾杯。ローズマリーが笑顔を取り戻した事で「良かった、やっぱり“ごはんは笑顔』だもん」と喜ぶゆいは、彼と固く握手を交わす。一つの山を越えて、ゆいとローズマリーの絆は深まったのである。
■第3話
- 今回からアバンの挨拶が追加。生のにんじんを丸かじりして、「デリシャスマイル~!」と笑顔を見せると言うインパクトのある絵面。
- 多忙な母のためにカレーを作ろうと冷蔵庫を覗いた所、「あちゃ~、にんじん食べきってた~」。さっき食う前に気付こう。「にんじん」とお買い物メモを書いていると、ローズマリーが子犬のようなエナジー妖精を連れて来た。普通にしゃべる事が出来て、「パートナル・フワフワン・コーバシィヌ・イースト・パムサンド」と長いフルネームを名乗るその子は「パムパムで良いパム」と自己紹介。
- 気取り屋で大人ぶるものの、お腹が空いたコメコメの為にウォッチから食べ物を出現させるなど、パムパムはハートキュアウォッチのいろいろな機能を知っていて、ゆいやローズマリーが感心させる。コメコメは何とか自分も二人の役に立ちたいと考え、こっそりさっきのメモを持ってにんじんを買いに出かける。
- いつの間にか姿を消したコメコメを探すゆい達は、先に行っていたパムパムを抱きかかえる女の子と出会う。彼女はコメコメとも出会っており、教えられた方角へ向かうが、その途中でウォッチのアラームが鳴りだしてカレーのレシピッピが捕まった事を知る。
- 焦りながらも探していると、「もしかしてこいつ、お前んとこのか?」とコメコメを保護した拓海が現われた。コメコメがにんじんを買いに行ってくれたと知ってゆいは頭を撫で、コメコメも大喜び。「コメコメのお陰で美味しいカレーができるよ、ありがとう!」と言ったところで、カレーのレシピッピの事を思い出して、巧海にもお礼を言って慌てて現場に急行。
- ジェントルーの姿を見つけ、ローズマリーはすかさずデリシャスフィールドを展開。その様子をさっきの女の子に見られたが、とりあえず戦闘開始。「真っ向勝負は無理」というローズマリーの言葉を聞いたからか、寸胴鍋型ウバウゾーの体内に飛び込んで500キロカロリーパンチを連打するという前回と比べたら知恵を使っている戦い方をする。しかし、ウバウゾーが高速回転し始めて逆にピンチに。しかしその窮地においても、全力で走りながら「コメコメの思いがこもったにんじんでカレーを作るんだ~!絶対美味しいよ!思いがこもったごはんは何時だって笑顔…いっぱ~い!」と笑って見せるタフなプレシャス。そして「カレーは笑顔!」と渾身のパンチで脱出(攻撃箇所も的確で、最も回転の影響を受けない鍋底の中央に打ち出していた)し、プレシャス・トライアングルでウバウゾーを浄化した。
- デリシャスフィールドから帰還すると、女の子はフィールドの力に当てられたのか意識朦朧でへたり込んでいた。「私、帰らないと…」と呟くのを聞き、プレシャスは彼女をお姫様抱っこして家へ送り届ける。「…で、お家どこだっけ?」「えっ!?」
- カレーのレシピッピに作り方を教わり、無事カレーが完成。休んでいたコメコメを起こすと、何と赤ん坊の姿になっていた。パムパム曰く、コメコメは特別なエナジー妖精なので化ける事ができても不思議ではないらしい。そんなコメコメ、パムパム、そしてゆいとローズマリーはカレーの食卓を笑顔で賑やかに囲む。「デリシャスマイル~!」
■第4話
- 進級してわかなと同じクラスになって喜び合っていると、一際目を引く美少女が入って来て周囲がざわつく。先日パムパムを見つけてくれた女の子だった。わかなによれば彼女の名前は芙羽ここね。「頭脳明晰の超美人、おまけにスタイルも抜群で、お父さんは高級レストラン「デュ・ラク」のオーナー。わたし達とは住む世界の違うお嬢様」との事で、皆からは「芙羽様」と呼ばれていることを知る。
- その話を聞いたパムパムは「パムパムもここねって子に会いたいパム!仲良くなって一杯おしゃべりしたいパム」と言い出した(そしてローズマリーに「しゃべっちゃダメでしょ」と釘を刺されつつ、ほっぺたをむにゅーっとされる)。ゆいはコメコメとパムパムが世話になったお礼を言うべく、ここねに話しかける機会を窺うが、休み時間の度にわかなに先に話し掛けられたり、自分が爆睡していたりと、中々タイミングが合わない。
- お昼休みに、今度こそはと「芙羽さん!一緒にごはん食べよ…」と勢い良く話し掛けるも、ここねは既に教室から消えており、華満らんに「あの子ならもう行っちゃったよ。ねぇ、もしかして食堂にい居るんじゃない?」と教えられる。「はらペコった~」とぐうぐう鳴りまくるお腹を押さえながらここねを探していると、校舎の裏手で大型マットを動かそうとしている彼女を発見。「これ、動かしたいんだよね?」と声を掛けると、ここねは「一人でやるから」と素っ気なく断ろうとするが、ゆいは「おばあちゃん言ってた。“人の力も出汁も、合わせるのがミソ”って。一緒にやればきっと出来るって事!」と言って手伝う。
- 二人掛かりで動かしたマットの後ろには、一羽の子ウサギが隠れていた。ここねはウサギ小屋から子ウサギが脱走した事に気付いて探していたのだった。「芙羽さん、優しいね。この間もコメコメの事で助けてくれて本当にありがとう」と礼を言い、もじもじして顔を赤らめるここねに、「ねぇ、今日の放課後、うちに遊びに来ない?じゃあじゃあ、芙羽さんの好きな場所はどう?またみんなと会ってほしくて!」と、ゆいは畳み掛ける。
- 「こんな風にキュルキュルした目で会いたそうにしてて…」と言いかけたところで、足元に本物のパムパムが、そのキュルキュルした目で鎮座していてびっくり。どうやらここねに興味津々のあまり、ゆいに着いて学校まで来てしまったらしい。「ねっ、こんな感じなの。でも学校じゃなんだし、放課後どう?」と誘ったところ、パムパムのつぶらな瞳に心奪われたここねはOK。
- ここねのお気に入りの店「Heart Bakery」にて待ち合わせ。コメコメとパムパムを前に顔をぴくぴくさせ、何かが爆発しそうなのをこらえるここねを横目に、「ハートパンと新作のロールパンサンドで迷って両方にしちゃった!」とゆいはご機嫌。同じくロールパンサンドと迷って、カレーパンを選択したここねに、ゆいはサンドを2つに割って「良かったら半分どうぞ」と勧めた。二人の笑顔を前に3匹のパンのレシピッピ達が現われたが、自分だけで無く、ここねにも見えていると知って、「すご~い!うれしい」と大喜び。
- ハートパンとロールパンサンドを軽く平らげた後(ここねはまだ殆ど食べていないのに)、「カレーパンも美味しそう!」と追加を買いに立ち上がろうとしたゆいに、ここねは自分のカレーパンを半分あげようとするが、現れたジェントルーが3匹のパンのレシピッピ達を捕えてしまう。駆け付けたローズマリーがデリシャスフィールドを展開し、「芙羽さんは安全な場所に!」と避難を促すも、ここねは逃げるどころか、逆にフィールドの中に入って来てしまった。
- 変身した後に彼女の存在に気付き、ローズマリーに任せて戦闘開始するが、3匹のレシピッピを取り込んだウバウゾーは強力で、プレシャスは苦戦を強いられる。しかし計量皿に押し潰されそうになりながらも、「大丈夫…芙羽さんの大切なパン屋さんは…あたしが守るから!」と叫ぶプレシャスの姿に心を動かされ、「一緒に美味しいパンを食べる場所を守りたい」と強く願ったここねはキュアスパイシーに覚醒。二人は力を合わせて逆転勝利する。
- 心強い仲間の誕生を喜ぶプレシャス。「一緒だからできたの。それにわたし、ずっとあなたに伝えたかった…ありがとう」と礼を言うスパイシーに、「エヘヘ…こちらこそありがとう」と屈託のない笑顔で応えると、お約束の如くお腹の虫が鳴く。早速「Heart Bakery」に戻って、ゆいはここねからカレーパンを半分分けてもらい、「デリシャスマイル~!」。ゆいは知る由もなかったが、彼女の笑顔は、一人が好きだったここねにも大きな変化を与え、今までで最高の笑顔をもたらしたのだった。
◼️第5話
- ある日の夜、「ここねに避けられてる」と感じるローズマリー。そこでゆいは「お出掛けしない?」と提案する。
- 翌朝、朝礼後に拓海に話しかけられる。軽いあいさつの後、彼からローズマリーについて探りを入れられるが、何とか誤魔化していた。その後に振り向くとここねがいたので、「おはよう、ここねちゃん」と挨拶するゆい。この時初めて名前で「ここねちゃん」と呼んだ。「お、おう」と返すここねに、拓海とゆいは固まってしまった。
- 昼休み、1人本を読むここね。「ここねちゃん」と声を掛けるゆい、ローズマリーと「買い物に行かない?」とここねを誘う。ここねは「行く」と即答した。
- 翌日、3人で「Pretty Holic」店内へ入り「ゆい」と呼ぶここね、「ゆいって呼んだよね?」と大はしゃぎするゆい。ローズマリーも店内で大はしゃぎ。その時、ここねは2人にコスメを薦める。ゆい曰く、「おしゃれには興味がなかった」とのこと。
- ベンチで空腹になったゆい、ローズマリーからフルーツパーラーKASAIのグミを差し出され、ゆいは「食べたい」と大はしゃぎ。しかし、またしても空腹に。突如、「野菜スープが食べたい」と言い出す。
- 自宅へ戻り、早速調理に取り掛かる。ゆいはじゃがいもの皮剥き、ここねはニンジンの皮剥きを担当。しかし、ここねは調理の経験がなかったため(料理は専属シェフの担当)、野菜スティック並に細くなってしまい、ゆいはニンジンを食べてしまう。母・あきほ曰く、ゆいもニンジンを剥き過ぎてしまった過去があったとのこと。
- 街でジェントルーを発見、泡立て器を素体にしたウバウゾーを召喚し、ローズマリーはデリシャスフィールドを展開、ゆいとここねはプリキュアに変身する。
- 自身とローズマリーが制止するのも聞かずに1人果敢に立ち向かうスパイシー。だが、強力なウバウゾー相手に大苦戦する。ローズマリーに問い詰められ、「嫌われたく無い。だけど自分は失敗続き。こんな私じゃ嫌われる」と本音を吐露するスパイシー。そんな彼女にプレシャスは「大丈夫だよ」と励ます。その際に「失敗はすいとんのもと」と発言するプレシャスにローズマリーとスパイシーは固まってしまった。
- 「それを言うなら失敗は成功のもと」とジェントルーに訂正され、発見されてしまう。「あ~それそれ」と思い出すプレシャス、スパイシーはウバウゾーに立ち向かう。最後はスパイシーサークルでウバウゾーを浄化した。
- 夕方、ゆいの自宅でここねはローズマリーにコスメ、ローズマリーはここねにグラスをプレゼント。買って来たリップを塗ろうとするゆい、ここねに塗って貰った。
- 夕食に野菜スープを堪能するゆい達4人、ゆいは早速ご飯をお替わりした。
■第6話
- ハートキュアウォッチのテレビ電話機能を通じてここねとロールパンサンドを作るゆい。骨付きの生ハムを取り出し、華麗にスライスするここねに衝撃を受ける。
- 昼休みに大量のロールパンサンドで昼食、ここねから生ハムメロンのサプライズ。ゆいは男子生徒のエビフライに目移りしてしまう。
- 「家庭科室に怪物が現れた」「やかんの中に怪物がいる」と学校中で騒動に。なんと、怪物の正体は中学校へこっそりと来たパムパムだった。全校生徒に教室への避難を命じられるも、「トイレ!」とごまかしここねと共に教室を抜け出してしまう。
- 「同じ''浜''のごはんを食べた人とは友達」と称するゆい、ここねに「同じ''釜''」と修正されてしまう。
- そこに水切り器を素体にしたウバウゾーが現れ、女子生徒3人が偶然目撃、物置に避難するもウバウゾーの攻撃により物置が壊れ、閉じ込められてしまう。そこでここねに女子生徒の救出を任せ、ゆいは生身ながらも果敢にブンドル団の足止めに尽力する。
- サッカーボールを駆使して善戦するゆい。しかしウバウゾー相手では戦力差は歴然で窮地に陥る。そこへ間一髪ローズマリーがコメコメとパムパムを連れて駆け付け、プリキュアに変身して反撃開始。だがウバウゾーの回転水流攻撃に防戦一方となり、状況を打開すべく1人立ち向かうも強力な渦に飲み込まれてしまう。そこにスパイシーが回転する渦の中心に飛び込みプレシャスを救出。渦の回転を利用して威力を増した500キロカロリーパンチを繰り出し、最後はスパイシー・サークルでウバウゾーを浄化した。
- 後日、ここねがキュアスタで気になるアカウントを発見。「ちゅるりん」なる人物がアップしている食レポのほとんどが過去ブンドル団に狙われた料理ばかりで、エビフライに至ってはその特徴からしんせん中学校の学食のものとゆいが見抜き、更に学校にブンドル団が現れた日と投稿日が一致している事にここねが気付く。この事から「ブンドル団とちゅるりんは繋がりがある」と推測した。
■第7話
- ちゅるりんがキュアスタで「ラーメンの妖精さんが見える」と書いているので、それはレシピッピではないかと早速その情報を元にラーメン屋のぱんだ軒へ。ローズマリーにも連絡するが、実は3匹目のエナジー妖精・メンメンが目覚めた途端ラーメンが食べたいと言うことで既に店の前に来ていた。
- 合流早々パムパムがメンメンをハグしながら「メンバーヌ・チュルチュルット・クルクルリン・グルタミンサン・メンドラゴンー!」と長い本名を呼んだのを聞いて混乱の余り石化するゆい。しかし「メンメンでいいメン」とあっさり言ったのでほっと安心。
- 店を覗こうとすると扉が開き、そこにはクラスメイトの華満らんが立っていた。ぱんだ軒はらんの家が営んでいる店だったのである。早速ラーメンを注文するとその美味しさに笑顔。スープを絶賛すると共に隠し味に昆布を使っていることを言い当てると、らんは感激すると共にそれが出来るまでを熱弁。
- と、そこにラーメンのレシピッピが飛んでくる。らんが「ラーメンの妖精さんだ〜」とはしゃぐと、「見えるの?」とびっくり。レシピッピのことを教えた。
- 美味しいラーメンを頂き御満悦。しかしメンメンがいない。しばらくするとらんが届けに来てくれたが、この少し前にらんはメンメンが妖精であることを知っており、一同唖然。メンメンは「らんちゃんは内緒にしてくれる」とは言っていたが。
- 数日後、ぱんだ軒には長蛇の列。らんがキュアスタで「一品半額サービス」のキャンペーンを打ったことで客がどっと訪れたのである。そこでゆいたちも急遽お手伝い。しかし、そんな時にジェントルーが現れたレシピッピを奪い取ってしまう。ゆいたちもジェントルーを追い、デリシャスフィールドで戦闘。しかしプレシャスは湯切りざる型ウバウゾーの両手の湯切りざるに閉じ込められてしまう。
- と、その時にらんがメンメンと共にデリシャスフィールドに入り込む。お客さんが突如変わった味に失望してぞろぞろ店を出てゆき、ショックを受けたらんはジェントルーに「お願い、うちの味を返して!」と訴え立ち向かおうとするが、ジェントルーは彼女を嘲笑うように「客が楽しみにしていたのは半額という値段じゃないのか?」と侮辱、らんが涙目になりながら反論していたその時。プレシャスのお腹が盛大に鳴った。
- 「華満さんの話聴いてたらはらぺこった〜。ぱんだ軒のラーメン美味しかったなー」と言うプレシャス。突如の飯テロ発言にローズマリーもスパイシーも釣られてラーメンが食べたくなってしまっていた。これに感激したらんは気を取り直す。しかし、ジェントルーは「何かと思えば、君が呼び寄せた客は安さに釣られただけ、味など気にするものか」と店の味を侮辱し、ついにらんの怒り爆発!怒りの炎と化した。メンメンも怒りの炎でウバウゾーを足止め、ジェントルーと戦おうとしたその時、ハートキュアウォッチが出現。らんは変身し、3人目のプリキュア・キュアヤムヤムとなった。
- ウバウゾーは湯切りざるをヨーヨーのように回して攻撃したため中にいるプレシャスは目を回す。ヤムヤムはスパイシーのサポートを受けながらバリカッターブレイズでざるを攻撃しプレシャスを救いだし、「やっと出られた~」と呂律が回らなくなり目を回して脱出。最後はヤムヤムラインズでウバウゾーを浄化した。
- 戦いが終わり、ぱんだ軒のラーメンを味わう一同。頼もしい仲間が増えたことでゆいは「これからよろしくね、らんちゃん!」と下の名前で呼び、らんも「ゆいぴょん」と愛称を付けて呼ぶ。
- そしてここねがちゅるりんの話をし始めるとらんがなぜか恥ずかしがる。「ちゅるりんさんって一体誰なんだろうねえ、らんちゃん?」と笑顔でゆいが問いかけらんを見ると、照れながらアカウントの主であることを明かした。しかしゆいたちはレシピッピが見えることや料理への情熱から既に正体がわかっていたのだった。
◼️第8話
- ハートキュアウォッチを通して国王クッキングとクックイーンと対話するゆい達4人。「ブンドル団がらんのキュアスタを悪用した」とローズマリーは説明、国王クッキングに「改めて宜しく頼む」と託された。
- 翌日、学校へ登校。拓海に「ハンバーガー食べに行かないか?」と誘われるもスルーしてしまう。(おいおい、異性のお誘いに対してなんて事を……)らんと目が合ったゆい、明らかにらんの様子がおかしかった。
- 教室でここねと目が合ったゆい、またしてもらんの様子がおかしかった。「今日のスペシャルランチはナポリタン」と話を反らすらん、ゆいも「はらペコった~」と空腹に。突如「3人で美味しいもの食べに行こうよ」「題して“おいしーなタウン街歩きツアー!”」と提案するゆい、3人の意見一致で決定。
- 当日、3人は「PrettyHolic」で待ち合わせ。最初は和食ストリートにて桜餅を堪能。ハイテンションだったらんも、突如元気がなくなり「どうしたの?」と問うゆい、「なんでもない なんでもない」「次はどこ行く?」とらんに話を反らされた。
- 次は洋食ストリートにてベーグルサンドを堪能。そして、最後は中華ストリートにて肉まんと桃まんを購入し、公園で堪能。突如「キュアスタを辞めた」と打ち明けるらん、らん曰く「お店が狙われたり、レシピッピが捕まったりするのが嫌」とのこと。「好きな事を辞めなきゃいけないなんておかしい」と訴えるゆいと「ブンドル団に利用(悪用)されると続けられない」と訴えるらん、そこに「話は聞かせてもらった」とローズマリーが現れる。ローズマリー曰く「羨ましくて来ちゃった」とのこと。ローズマリーも桃まんを堪能、ブンドル団に憤りを露にした。そこでゆいは「ごはんとパンだけで悩むな、迷った時はうどんもある」とらんを励ました。
- 一方、ハンバーガーショップにジェントルーが現れレシピッピを捕獲、ゆい達4人はハンバーガーショップへ急ぐ。
- ハンバーガーショップへ辿り着いたゆい達4人、またしてもらんが絶望しかけるも突如「はにゃーー!!」と叫び一同を唖然、「絶対なんとかしてみせる!」と意気込みを改めた。
- フライ返しを素体にしたウバウゾーを召喚するジェントルーとデリシャスフィールドを展開するローズマリー、その様子を偶然拓海に目撃されてしまう。
- プリキュアに変身したゆい達3人、立ち向かうも、プレシャスの500キロカロリーパンチを含め3人の技が跳ね返されてしまう。ヤムヤムは1人パニックに陥り逃げ出すも亀裂に躓きそうに。その時、ヤムヤムは秘策を提案する。
- バリカッターブレイズの連続攻撃で地面に亀裂を作り出しウバウゾーを足止め、最後はヤムヤムラインズでウバウゾーを浄化、今回はスパイシー同様ほぼ出番が皆無だった。
- 戦闘後、ハンバーガーをテイクアウト。ゆいの自宅で堪能した。
◼️第9話
- 「ちゅるりん」のアカウントがテイクアウトメインでリニューアル。しかしアイコン変更を巡ってここねとらんの意見が合わない。後にここねもらんもお互い相手とどう接して良いのか悩んでいることをパムパムとメンメンから聞かされたゆいは、だったらとパーティを開くことを決める。
- パーティ当日、ここねからの差し入れの大きなタコを持ってご満悦。
- そして早速らんが手際よくたこ焼きを作り、それを賞味するとデリシャスマイルを連呼して舌鼓をうちまくる。直後ここねとらんの意見対立があった時も見守りながらマイペースで黙々と口にたこ焼きを運んでいた。
- パムパムとメンメンに廊下に連れ出され、たこ焼きは離さずにギクシャクする2人にどのように対応すべきか考えるが、昔これに関して祖母から言われたことがあったのを思い出そうとしても思い出せないゆい。
- とここでコメコメが赤ちゃんに化けたので2人にお世話をしてもらう……のだが、最終的に言い合いになってしまった。
- そんな時にハートキュアウォッチに反応。向かった先にいたジェントルーと交戦することになるが、やはりスパイシーとヤムヤムの意見が食い違う。ウバウゾーがその隙に攻撃……しようとしたときにジェントルーに異変が起こりウバウゾーを制止してしまう。
- で、ここで突如先ほどの祖母の言っていたことを思いだしたプレシャス。「違う味が仲良くなれば味噌も人も旨味が増す!美味しい合わせ味噌のコツ!味が違えば違うほどいいっておばあちゃんが言ってた!」この言葉にハッとしたスパイシーとヤムヤムは互いの考えを尊重した連係プレーでウバウゾーを倒すことができた。
- ここねとらんは互いにプレゼントし合って仲直り。より友達になれたことが影響したか、コメコメが化けたと思ったら幼女の姿に成長していた。「うれちいコメ!」と話せるようになったコメコメを見て、ゆいは喜んでいた。
■第10話
- よちよち歩きするコメコメを愛でる一同。「大人になると小さな幸せでも泣けてくるの!」と感涙するローズマリーの言葉を聞いたゆいは「小さな幸せか~…あっ、おばあちゃん言ってた、“小さじ一杯、大事な一杯”って」と、またもおばあちゃんの金言を思い出す。ここねやらんもその含蓄のある言葉の数々に感心するが、中でもやはりゆいが一番好きなのは「ごはんは笑顔」だった。
- みんなでオムライス屋に行きランチを食べていると、ゆいやお客達の笑顔に誘われてレシピッピが出現。まだ見ぬレシピッピの想像図を描くらんや、触れ合える喜びを伝えるここねの感情が伝わったのか、レシピッピもうれしそう。ゆいは「レシピッピってまるで“ごはんは笑顔”みたい」と感じる。
- そこで、食事を終えて帰ろうとしていた菓彩あまねと出くわす。彼女はジェントルーの姿でレシピッピを捜索していたが見つからず、一時休憩して偶然この店で食事していたのだった。そうとも知らないゆいは、らんから「会長もレシピッピが見えるんだよ」と聞き、「すごーい!見える人にまた会えた!会長は今までどんなレシピッピに会ってきたんですか?」と喜んで彼女の手を握った。あまねはゆい達のテーブルの上にいたレシピッピを捕獲すべく封印の弁当箱を構えようとしていたが、慌てて後ろ手に隠した。
- 「確か会長のおうちはフルーツパーラーKASAIですよね?」「と言う事は?」と、テンションの上がったらんとゆいは畳み掛ける。だがあまねは「そんな事知ってどうする?レシピッピの種類など気にした事がない。気にすべき事はもっと他にある」と、にべもない。
- ゆいはなおも「そうかもしれないけど…でもあたしは気になるんです。美味しい、嬉しい、ありがとうって笑顔になると、この子達は現れる。レシピッピって『ごはんは笑顔』そのものだなって」と訴えるが、あまねは首を振って「失礼する」と店を出て行ってしまった。
- そして再び彼女はジェントルーの姿に変身し、自分の中で「ダメ!」と止めようとするあまねの声を「全てはゴーダッツ様のために!」と振り切って、レシピッピを攫ってゆく。さらに、自分の力を注ぎ込む事で強化型ウバウゾーを生み出した。負けじとゆい達も変身し、3人揃って初名乗り。「デリシャスパーティプリキュア!」
- しかし強化型ウバウゾーは今までとは桁違いの強さで、個人技はおろかヤムヤム・ラインズも通じず、叩きのめされるプリキュア達。その時ハートキュアウォッチのアラームが鳴り、苦しみ泣き叫ぶレシピッピの姿が映し出された。それに気付いたジェントルーも封印の弁当箱を開けてみて、泣いているレシピッピを目の当たりにし、良心の呵責に苛まれる。そしてプリキュア達も立ち上がった。
スパイシー「優しい時間をくれたレシピッピを…」
ヤムヤム「マシマシのわくわくをくれたレシピッピを…」
プレシャス「大切な思い出をくれたレシピッピを…」
3人「絶対助ける!」
プレシャス「だって…“ごはんは笑顔”だから!」
- すると今度はウォッチが輝き、大量のレシピッピが現われた。口々に「一緒に仲間を助けたい」と言うレシピッピ達は新アイテムハートジューシーミキサーを生み出す。プレシャスはその思いを受け取り、デリシャスプレシャス・ヒートでウバウゾーを浄化して、囚われのレシピッピを救い出した。そしてジェントルーは、「キュアプレシャス…すまない…レシピッピを傷つけて…」と意外な謝罪の言葉を残して、ふらつきながら姿を消した。
- 巨大プリンを作り、みんなが無事で新たな力が手に入った記念という事で、乾杯して笑顔が溢れる一同。そんな中、ゆいはジェントルーの事が気になっていた。
■第11話
- 登校中、「夕べ、ポテトサラダのプールで泳ぐ夢を見た」と言うらんに、「うらやましいなぁ、ポテトサラダ想像したらはらペコった~!」と感想を述べて、ここねに「まだ朝だから」とツッコまれた。朝食のエネルギーは、登校しただけで使い果たした模様。
- 生徒会長の菓彩あまねの校内放送があり、「本日、実力テストを行います」「40点以下なら居残り補習」だという。勉強に自信がなく落ち込むらんを、「大丈夫だよ!あたしも今日マリちゃんとパフェ食べに行く予定だし!テストまでの休み時間に一緒に勉強しよう!」と励ますも、「石の上にも○○」ということわざを、「サンドイッチ!天気のいい日、石の上にサンドイッチ置いたら、焼けてホットサンドになる!」と珍解答したり、「花より団子」「棚からぼたもち」と食べ物系のことわざには強かったりと、先生役のここねも頭を抱え呆れるばかりだった。
- 「勉強って何のためにするんだろう」と再び落ち込むらんに、「お米が農家の人達に大切に育てられて収穫されて、それをお母さんが炊いてくれるところを想像してごらんって。今までより美味しく感じられそうじゃない?勉強っていろんな事を知って、いろんな想像ができるようになるためにするんだよって、おばあちゃん言ってた」と、祖母の教えを引き合いに出して励ます。知識が増える事で食の楽しみも広がると気付いたらんは、ゆいと共にハッスルして猛勉強するが…。
- あえなくゆいは22点、鉛筆を転がしたらんは38点で補習決定。一緒にパフェを食べに行く約束をしていたローズマリーに平謝り、その様子を偶然拓海が目撃する。
- 補習に臨んだところ(因みに点数が低かったためか、らんより課題の量が多かった)、ウォッチがレシピッピの危機を告げる。ゆいとらんは教室を飛び出そうとするが、まだ補習が終わっていないため先生に引き留められてしまう。これこそが今回のあまね=ジェントルーの作戦だった。彼女が直々に問題用紙を配った際にらん・ゆい・ここねの問題だけを難しいものにすり替え、補習送りにして足止めした隙に、プリキュアに邪魔されずレシピッピを奪おうというのだ。
- 「ダメだ~全然終わらない~」と絶望するゆいとらん、通りかかった拓海に「よっ、居残りさん!食べ物の事ばかり考えて」と冷やかされるゆい、「これ解くの手伝って!」「ヒントでいいから!」と拓海の手を強引に引っ張って引きずり込んで、一刻も早く補習を終わらせようとするゆい。量の関係上一足先に終わったらんが出て行った後、拓海は「ローズマリーが怪物とどこかに消えるのを見た。あいつ、怪物の仲間じゃないのか?」とかねてからの疑問を問い掛ける。「そんなんじゃないよ、マリちゃんは!」とゆいの猛反発に遭って引き下がった拓海だったが、「そう言えばあの怪物って、街を壊したりしないし、吠えているだけだし、何がしたいんだ?」ともう一つの疑問を口にした。それを聞いたゆいも、以前から感じていた違和感に思い当たる。確かにウバウゾーは一般人や街には目もくれず、プリキュア達しか攻撃していなかったのだ。
- 何とか補習を終わらせたゆいは、急いで変身してデリシャスフィールドに向かう。補習を免れて単身マッシャー型ウバウゾーと戦っていたスパイシーを500キロカロリーパンチで助け、デリシャススパイシー・ベイキンで勝利した。ジェントルーと対峙するヤムヤム。集中攻撃で追い詰められるも、デリシャスヤムヤム・ドレインで応戦、逆にジェントルーを追い詰め第7話での因縁を晴らした。
- マスクを砕かれて顔を覆うジェントルーにプレシャスは呼びかけた。「ジェントルー…あたし思ったの。あなたは本当はそんなに悪い人じゃないんじゃないかって」
- 驚く一同。プレシャスはなおも続ける。「あなたはレシピッピを奪おうとしてきたけど、でもできるだけ被害が出ないようにしてた。学校でもみんなを守ろうとしてたんだよね?それにこの前はレシピッピを傷つけて、あなたも悲しんでた。本当はこんな事したくないんじゃないの!?」そんな情けの言葉を振り払うがごとく、「やめろ!私は…!」と言いながらジェントルーは立ち上がったが、その姿は菓彩あまねに戻っていた。驚愕する一同の前であまねの様子は更に変化し、目の色が別人のように変わったかと思うと、「ここは…?君達は……?」と呟く。さっきまでジェントルーとして戦っていた事すら覚えていないかのような様子だった。
- だがその時ナルシストルーが現われ、あまねを抑え込むと、「まだ君で楽しませてもらうよ、操り人形さん」と言って、彼女もろとも姿を消してしまった。プレシャス達はわけもわからぬまま、茫然とその場に立ち尽くすのみだった……。
■第12話
- あまねの事を心配するゆい達。ローズマリーは「彼女は心を操作されていたと思う。本来の自分を取り戻しそうになったからブンドル団に連れ去られた」と推測する。
- だがローズマリーが自宅に問い合わせたところ、彼女は帰宅して休んでいるという。一安心はしたもののゆいは「あたしね、想像してみたんだ。もし心を操られてしまったら、野菜を食べても美味しいって感じなかったり、みんなと話していても楽しいって思えなかったり、自分の大好きな物が好きじゃなくなっちゃうのかなって…」とあまねの身を案じる。それを聞いて、自分がゆいを好きでなくなってしまう状態を想像し、「やだコメ~!」とコメコメは泣きだす。パムパムやメンメンも、ここね・らんをずっと好きでいたいという思いは同じ。翌日、みんなであまねに会いに行こうという事になるが…。
- 早朝からあまねの実家「フルーツパーラーKASAI」を見張るローズマリーの目の前で、彼女はジェントルーの姿で家を抜け出し、店を攻撃してまでレシピッピを奪った。まだ寝ていたゆいは、ローズマリーからの急報で跳ね起きる。
- ジェントルーはどうやら前より強く心を操作されているらしく、レシピッピが苦しんでも意に介さない。プレシャスはデリシャスプレシャス・ヒートでウバウゾーを一蹴し、レシピッピを救い出すが、ジェントルーはすぐに逃げ去った。その冷酷さは以前の彼女にはなかったもので、ローズマリー曰く、心を操る術は強くかけすぎるとだんだん本当の心が消えてしまうらしい。
- だが、ローズマリーから渡された「フルーツパーラーKASAI」のカードの手書きイラストを見て、「これが生徒会長の…ううん!あまねさんの本当の心なんだ!」と確信したゆいは、何としてもあまねの本当の心を取り戻そうと決意する。もはや本当の心は失われているかもと案じるローズマリーに対しても、「大丈夫だよ!おばあちゃん言ってた、“小さじ一杯、大事な一杯”」と応えるゆい。少しでも可能性があるなら、それは大事なきっかけになると、ここね・らんもうなずく。
- らんが「ちゅるりん」のキュアスタで流した、ハンバーグ店「いつでもハンバーグ」が朝から営業しているとの偽情報でジェントルーを誘き出し、ゆいは「あまねさん!あたし、あまねさんと話がしたいの!」と訴える。逃げ去ろうとするジェントルーの手を握って捕まえ、ジ「放せ!」ゆ「じゃああたしから話すね!」ジ「だから放せと…」ゆ「話すよ!」ジ「放せ!」ゆ「あたし和実ゆい!食べるの大好き中学2年生!」と、「話す」と「放す」を聞き違えたままアバンタイトルと同じ台詞で自己紹介して、ローズマリーに「その“話す”じゃないでしょ!」とツッコまれる。
- ところが偽情報だったはずが、別…商売敵のハンバーグ店「あさからハンバーグ」が本当に早朝営業していたために、レシピッピが奪われ、ジェントルーはウバウゾーを出現させる。さらにその店に偶然来ていた拓海と遭遇、デリシャスフィールドを展開するローズマリーと、その中に消えるゆいの姿を目の当たりにしてしまった。「あいつ、やっぱりゆいを巻き込んでたのか!」と拓海は憤る。
- 一方、ゆい達は変身して戦闘開始。プレシャスはジェントルーと一騎打ちの中、「あたし、あまねさんと戦いたくない!話がしたいの!」と懸命に説得を試みるも、ジェントルーは聞く耳を持たない。ジェントルーの猛攻からプレシャスを庇いつつ、ローズマリーは「彼女の心はもう…」と引き留めようとするが、プレシャスは諦めなかった。彼女の拳を受け止めて、「あまねさん、あたし、あなたと友達になりたい!」と微笑みかける。
- 「黙れ!戯言はうんざりだ!わたしはジェントルー!貴様達と慣れ合うつもりはない!」と拒絶するジェントルーに、プレシャスは「戯言なんかじゃない、本気だよ。あたし、レシピッピが大好きなあまねさんと友達になりたいって思ったの!」と、店のカードを突き付ける。そこにはあまねの、レシピッピの手書きイラストが描かれていた。「あなたはレシピッピを大事に思っていたじゃない?こんなに優しい思いが簡単に消えるはずない!あなたの中にはレシピッピへの思いがあるって、あたし信じてる!」と指摘されたジェントルーは苦しみ始め、片方の瞳から涙を流しながら「わたしを止めて…」と救いを求めた。
- 彼女の中にはゴーダッツに植え付けられた黒いハートが脈動しており、ウバウゾーに乗り移ってパワーアップさせた。「あまねさんの!」「心も!」「体も!」「絶対取り戻す!」固く決意するプレシャス達は、バリバリカッターブレイズ、ピリッtoヘヴィサンドプレス、1000キロカロリーパンチと強化型の技を連続で叩き込み、最後は新合体必殺技ミックスハートアタックで、黒いハートもろともウバウゾーを撃破する。
- 気を失ったジェントルーはあまねの姿に戻った。ローズマリーに「今度こそ大丈夫」と太鼓判を押され、安堵するプレシャス達。しかしプレシャスは気付かなかった。デリシャスフィールドが展開された時にこっそり忍び込んだ拓海が、戦闘の一部始終を目撃していた事を。そして彼の手にはクッキングダム王家の紋章が描かれた謎の小箱が……。
◼️第13話
- あまねの自宅へ訪問するゆい達3人、双子の兄であるゆあん・みつきと初対面。ゆあんによると「あまねは今眠った所」だという。みつきは3人にクリスタルシュガーボトルを手渡した。
- 翌日登校するゆい、校門で拓海が待ち構えていた。ローズマリーについて問われるも、ここねとらんに「どうにかごまかした」「お父さんと久しぶりにお話できる日、拓海の父と漁師をしている」のだという。
- 夕方、なごみ亭で父・ひかるとリモート通話。拓海の父・門平に「ゆいちゃんが大好き」と言われ拓海も困惑した。
- あんの馴れ初め話を聞くゆい、なんと門平との馴れ初めはしらす丼だった。
- 幼い頃、拓海に泣かされたゆい、祖母のよねからおむすびを手渡され「デリシャスマイル~」と喜び、拓海にも言わせようとするも、照れ臭かったのか結局言わなかった。
- 「しらす丼が食べたい」と言い出すゆい、拓海も「相変わらず食い意地張ってるな」と呆れるばかりだった。お替わりしようとしたその時、キュアハートウォッチが反応し、店を跡にした。
- 海鮮丼の店前でナルシストルーと対峙、ローズマリー達3人も訪れ、拓海も追って来たのであった。
- 「思い出を奪った」と豪語するナルシストルーにゆいは「許せない」と憤慨、電子レンジ を素体にしたモットウバウゾーを召喚しデリシャスフィールドを展開、拓海も侵入した。
- プリキュアに変身した3人、1000キロカロリーパンチを繰り出そうとするも躱されモットウバウゾーに背後を取られてしまう。しかし突如キャンディー型の岩が崩れてきて、モットウバウゾーは岩に押しつぶされ動けなくなってしまう。(因みにこれには何者かの関与が…)。動けなくなったモットウバウゾーに1000キロカロリーパンチを喰らわせ、最後はミックスハートアタックで浄化した。
■第14話
- らんが買ってきた、初恋の味がするというキャンディ「スイートクリスタル」の話題でわいわいやっていたところ、公園で拓海が本間ともえに告白されている現場を目撃する。頬を染めるここね・らん・ローズマリーとは対照的に、ゆいとコメコメはきょとんとした表情。
- 拓海の返事を待たずに走り去ったともえに、一同は「覗き見しちゃってごめんなさい」と謝りつつ話を聞く事に。ともえが拓海を意識するようになったのはつい最近で、目玉焼きにケチャップをかけるという嗜好の一致や、自分の気持ちに正直ではっきり言えるところを好きになったらしい。それを聞いたゆいは「胡椒のお醤油、ソースにケチャップ、マヨネーズ!どれをかけても美味しいよね~!うぅ~っ、はらペコった~!」。
- 勢いで告白したもの、答えを聞くのが怖くて逃げてきた彼女に、「おばあちゃん言ってた!『喉に刺さった魚の小骨と悩みは放っておくな』と今日のおばあちゃん語録でアドバイス。返事を聞く勇気が出たと礼を言うともえと別れた後、みんなで「スイートクリスタル」試食会。「初恋の味」はたくさんの種類があるらしく、ゆいは「すっぱデリシャ~ス!」。
- 夜、「なごみ亭」に夕食に来た拓海は、ローズマリーがゆいを戦いに巻き込んでいるのではないかと詰問しようとしたが、早合点したローズマリーは「いつから好きなの?ゆいの事!」と尋ねて拓海をあたふたさせる。昼間告白された場面をゆいも見ていたと聞き、拓「はぁ!?それでゆいは…」ロ「“すごーい”って言ってたわ」拓「それだけ?」。そこに現れたゆいは「二人でごはん食べてたの?いつの間に仲良くなったの?うれしいな~!」と、全く状況をわかっていない有り様。その後、拓海が自室で「スイートクリスタル」を食べた『初恋の味』は「苦っ!」。
- あまねのお見舞いと彼女へのプレゼントを買った後、パスタ店でともえと出会って一緒に食事をするが、彼女は「何か大事な事を忘れている気がする」と言い出した。ナルシストルーの仕業と気づいた一同は、彼に追いついて戦闘開始する。
- ホットサンドメーカー型モットウバウゾーは高熱蒸気攻撃を操り、浄化技以外飛び道具を持たないプレシャスとは相性が悪い相手。更には自身より戦闘能力が遥かに低いローズマリーを狙って攻撃し始めた。プレシャスはローズマリーを庇い二人まとめてやられそうになった時、何者かの攻撃がプレシャスを救った。姿を現した謎の人物は「ブラックペッパー」と名乗る。加勢を得たプリキュア達はMIXハートアタックでウバウゾーを倒すも、いつの間にかブラックペッパーは消え去っていた。
- 改めて拓海の返事を聞くともえだったが、あえなくフラれてしまった。「でもお友達になってくださいって言えたから悲しくない」と、号泣しながらも前向きに進もうとする彼女を、ゆい達は「スイートクリスタル」を一緒に食べて元気を出そうと励ます。
■第15話
- クラスでランチピクニックをする事になり、お弁当のレシピを考えるべく『なごみ亭』に集合。回覧板を持ってきた拓海の耳に、「ほんと、かっこいいよね~。突然あたし達の前に現れて…」というゆいの声が聞こえてきて、「もしかして…俺の事!?」と思わず耳が大きくなる拓海だったが、「買い出しした荷物をぜ~んぶ載せて、うちまで送ってくれるなんて。ここねちゃんちの運転手さん、いい人!」と聞いて盛大にズッコケる。何の事はない、轟の話であった。
- そのランチでは、お話できるよい機会だとばかり、ここねとの食事を希望する生徒が殺到したが、ここねは緊張のあまり、食事どころではなかった。ゆいはそんなここねを、「『食べる門には福来たる』って言うし、まずは美味しく食べないと!」と、例によってうろ覚えのことわざで励まし、「それを言うなら“食べる門”じゃなくて“笑う門”」と訂正されるが、「そうなの?でも同じだよ、“ごはんは笑顔”だもん!」と上手くまとめた。
- コーヒーメーカー型モットウバウゾーの電撃と突風攻撃に翻弄され、プレシャス達がピンチに陥ったところにブラックペッパーが登場。助けようとしたが、それより先にスパイシーが反撃したため今日は出番なし。何も知らないプレシャスは「そう言えば今日はブラペ来なかったね」と、既に”ブラペ”呼ばわり。
■第16話
- らんの様子がおかしく、「キュアスタの卵サンド見たよ」と言ったところ、慌てたらんに「ステイ!」と口を塞がれる。事情を聴くと、卵サンドに話し掛けているところをクラスメイトの高木晋平に見られて、「変な奴」と言われてしまったのが原因だった。らんは小学生の頃、食べ物の話を熱心にし過ぎて友達に呆れられ、孤立した過去があったため、キュアスタに投稿しているのも周囲には秘密にしているらしい。
- 「でもウソばかりついている高木くんの言う事を真に受けるなんて」とフォローするここね。ゆいは晋平が友人達に「俺の兄ちゃんはアメリカの宇宙センターで秘密の仕事しててさ」と言うのを聞いており、他にも「1000匹の野良犬に追いかけられた」「カッパの皿を集めている」等々、バレバレのウソも聞いていたが、「あれって全部ウソなの!?高木くん、スリルのある人生送ってるんだな~って」と、全部信じ込んでいてここねに呆れられる。ピュアなのかアホなのか。
- 「華満はサンドイッチの言葉がわかるんだよ」と、実際に見た事と脚色を混ぜて友人にホラを吹く晋平に、「らんちゃんの事、変な風に言うのはやめて!高木くんに変って言われて気にしてるよ!」と食ってかかるも、「サンドイッチに話し掛けてたのは事実だし、変な奴を変って言って何が悪いんだよ」と開き直られる。
- そこで、ラーメンパーティでらんを励ます事に。レシピはあえて封印し、ラーメンを熟知するらんに指導してもらおうという作戦だった。料理工程をたどる内に、らんもだんだんノッてきて、すっかり元気を取り戻す。らんはみんなで作ったスープを「食のオーケストラ」と表現するが、そのイメージ映像の中で、ゆいが弾いていたバイオリンがマンガ肉だった。
- 帰ってきたあきほが、「明日、高木くんにうちの弁当持っていってあげて」と言う。晋平の母に頼まれたとの事で、晋平の家は両親がお店をやっているため、兄が彼の面倒を見ていたが、遠くの大学に行ってしまったらしい。「アメリカで宇宙の仕事をしている」というウソも、「大学で宇宙の勉強をして、アメリカで働きたい」というのが真相。彼がウソをつくのも淋しいからではないかと、ゆい達は想像する。
- 翌日、あきほが作った弁当のレシピはらんが考案したもので、晋平の兄の味に寄せた甘い肉じゃがだった。喜んで食べる彼の姿を見ながら、「高木くんのお兄さん。高木くんの話でいつも笑ってたんだって」と、ゆいはここねと微笑む。大袈裟なウソの裏には、兄を喜ばせたいという思いがあったのだった。
■第17話
- しばらく学校を休んでいたあまねが登校してきた。ゆい達に救ってくれた礼を言うやいなや、あっという間に心配していた生徒達に取り囲まれるあまね。ゆい達は彼女の人気を再認識する。
- クッキングダムから送られてきたハートの結晶体が、プリキュアに役立つものかもしれないとあれこれ話していると、突如パフェのレシピッピが現われる。妙に上から目線のレシピッピは「最近あまねに元気がないから励ましたい。エナジー妖精達に通訳させなさい」と言ってきた。
- 「フルーツパーラーKASAI」を訪ねると、あまねの双子の兄2人がお出迎え。「えっと…ゆあんさんとみつきさん!」それぞれに呼び掛けるも思いきり逆だった。
- あまねはというと、店の奥の席で生徒会副会長の山倉もえと何やら話し込んでいる。どうやら生徒会長を辞めようとしていて、もえに慰留されている様子。もえは以前、スランプに陥ってピアノを断念しようとした時に、あまねにフルーツポンチを御馳走になり、気力を取り戻したという過去があった。「だから今度はわたしがあまねを救う番」と、もえは励ますが、あまねの決意は変わらなかった。
- その時、うっかりローズマリーが落としたハートの結晶体にあまねが触れると、結晶体は一際明るく輝いた。ウォッチがレシピッピの危機を知らせたため一同は出動するが、ローズマリーはあまねに何かあると確信し、結晶体をそのまま彼女に託した。
- 逃げるナルシストルーに追いつくと、いきなり「君達、1+1は何になると思う?」と聞いてきた。「突然の問題…!」と警戒して身構えるここね、「はにゃ?2じゃないの?」と、正攻法か引っかけか悩むらん、そしてゆいは超真剣な顔で両手の指を使って計算しようとしていた。
- ナルシストルーが言いたいのは、2つの道具を足せばもっと凄い奴が生まれる」という事で、おたまとしゃもじを合体させたモットウバウゾーが登場。単に2つを紐でくくりつけたようなチープな見た目の割には手強く、プリキュアが劣勢になったところでブラックペッパーが駆け付ける。彼も叩き潰されそうになるが、今度はプレシャスが伝統芸で彼を助け、全員で反撃して逆転勝利。
- 「ハートの結晶体が反応しているのは、あなたにプリキュアの素質があるって事」とあまねを説得するローズマリー。ゆい達も彼女の返事に期待するが、あまねは「わたしにはその資格がない」と拒絶する。彼女はまだ、ジェントルーの頃の自分を許せていなかったのだ…。
■第18話
- 「わたしはあまりのも多くのレシピッピも人も傷つけた、レシピッピに関わっていいわけがない」と、改めてプリキュアにはなれない理由を述べるあまね。「それはジェントルーがやった事だよ、あまねさんはそれでいいの?」とゆいが説得しても、苦悩する彼女の意思は固く、生徒会長を辞任する気持ちも変わらなかった。
- そんな中、ナルシストルーが現われ、デリシャスフィールドに転送するも、あまねがモットウバウゾーに捕まってしまう。彼女を盾に取られては思うように戦えず、超高熱のカレールー攻撃に苦戦するプリキュア。何とかスパイシーとヤムヤムが抑え込んでいる間に、プレシャスはあまねを助け出そうとする。あまねは「もういい、君達がわたしのために怪我をする必要はない!」と気遣うが、プレシャスは「あまねさん優しいね、だからこそジェントルーだった事、許せないんだよね」と微笑み返した。
- そうする内に溶岩のような灼熱のカレールーがじりじりと迫ってきた。「頼む、逃げてくれプレシャス!」と懇願するあまねに対し、プレシャスは一歩も退かずに叫ぶ。「おばあちゃん言ってた…“昨日食べた物が今日の自分を作る、今日食べた物が明日の自分を作る!”過去は変えられない…でも!未来はこの瞬間から作っていけるんだよ!あまねさん…明日はどんな自分になりたい?」
- プレシャスの言葉があまねの心を打ち、彼女の瞳から涙が溢れる。「わたしはみんなを笑顔にできる…パフェのような人になりたい!」己の過去、そして願いと向き合う覚悟を決めた彼女はキュアフィナーレへと変身を遂げ、モットウバウゾーを浄化した。
- 頼もしい仲間が加わり、喜ぶ一同。「これからよろしくね、あまねちゃん!」と、いきなり「さん」から「ちゃん」呼びになったが、特に問題なく全員スルー。ハートフルーツペンダントを見て、「美味しそう~」とにやける相変わらずのゆいであった。
■第19話
- 今週から制服が夏服に。
- キュアフィナーレの加入をクッキングダムに報告。あまねはすっかり立ち直り、生徒会長も続けるとの事で一安心。そのあまねから、兄達の誕生日にケーキを贈りたいと相談され、みんなでデコレーションケーキを作ろうと提案する。
- ゆあんはチョコクリーム、みつきは生クリームが好きなので2つ用意する事になり、ゆい&らん、ここね&あまねのチームに分かれてそれぞれ製作開始。しかし、らんは胡麻団子を持ち込み、ゆい&らんはつまみ食いに夢中になってしまったため、なかなか作業が進まなかった。一方、ここね&あまねは意外にもスムーズに進めた。ゆあんとみつきも完成を楽しみにしていたが、そのケーキに対する思い出をナルシストルーが奪ってしまう。
- 4人揃って名乗りを上げ、戦闘開始。1000キロカロリーパンチを見舞おうとしたところ、モットウバウゾーの粉ふるい器に捕まってさんざん揺すぶられ、「粉じゃないよ~!」と悲鳴を上げるプレシャス。ブラックペッパーが助けようとしたが、それより早くフィナーレがお姫様抱っこで救出した。
◼️第20話
- アバンタイトルの挨拶にて、生の人参を齧った後、ここね・らんに加えあまねも登場。
- ランチを堪能するゆい達3人。あまねが合流したところで、ここねからレストラン・デュ・ラクへ招待された。高級レストランは初めてとあってテンションが上がるゆいは、既に食事が終わっているのにお腹が鳴り、「レストランの事考えたら、またまたはらペコった~!定食お替わりしちゃおっと」と言い出す。
- らんも「ソフトにダイブしたい」と妄想に浸り、ゆいとそろってニヤケ顔。その2人を見たあまねの脳内では、高級レストラン店内でソフトクリームを抱いて踊り回るらんと、メガビッグなビフテキを前に「もっともっとおかわり~!」と笑顔のゆいの姿が。
- ゆい達が赤っ恥をかくのではないかと危機感を抱いたあまねは、「高級レストランにふさわしいマナーを教えなくては」と使命感に燃え、エナジー妖精達をアシスタントにマナーレッスンを開始。ここねは全問正解するも、案の定ゆいとらんは全問不正解で、「レストランの美味しい料理がどんどん逃げていくよ~」と絶望に打ちのめされ、どんより。
- そこで、ローズマリーの案でドレスのレンタル店「レンタルドレススタジオ」へ行く事に。 パンダの着ぐるみに着替えたらんを囲んでわいわいしつつ、ここねから「思いやりもマナーの内」と聞き、「じゃあ服もマナーもみんな、“ごはんは笑顔”になるものなんだ。だったらマナーも頑張れそうだよ!」と、なんとか立ち直る。
- 翌日、いざ「レストラン・デュ・ラク」へ。ゆい達4人はイメージカラーのドレス(ゆいはピンクを基調とした和服調のドレス)。そこにナルシストルーが現れる。
- お客様の異変を感じ、ナルシストルーを追うゆい達。ボウルとコルク抜きを素体にしたモットウバウゾーが生み出され、ゆいの「皆さん、準備はよろしくて?」の掛け声で「もちろんですわ!」と返答する3人はプリキュアに変身。ナルシストルーも丁重に「ごきげんよう、プリキュア」とご挨拶して、お上品に戦闘開始。
- 1000キロカロリーパンチを繰り出したところに、ボウルの凹凸を反転されて顔面から突っ込み、跳ね返される。ブラックペッパーも登場し、ヤムヤムと3人でウバウゾーを撹乱するも受け流されヘトヘトに。しかしお互いを認め合ったスパイシーとフィナーレが反撃し、最後はデリシャスフィナーレファンファーレでウバウゾーを浄化した。
- 「レストラン・デュ・ラク」に戻ると、ゆあんとみつきも現れた。遅れて拓海も合流、ゆいのドレス姿に拓海も思わず赤面するが、当のゆいは「うん?」と、きょとん顔。
- ゆいはローズマリーと共に即興の舞踏会でダンス、その後拓海と共にダンスを踊った。
■第21話
- らんのお気に入りの和菓子屋「はごろも堂」が閉店すると聞き、お客さんを何とか「はごろも堂」に呼べないかと「何かいいアイデアない?」と尋ねるらんに「あっ!あまねちゃんにお願いして全校放送でみんなに宣伝するのは?」と提案。
- 「はごろも堂」では豆大福をたくさん食べるコメコメの姿にニッコリ。この素敵なお店をなんとか存続させようとするらんだが、店主の松山咲枝さんの様子から何かを察したあまねは、店主の意思を尊重すべきと考え、「キュアスタでの投稿はいいが、学校で宣伝はダメ」「“はごろも堂”には、“はごろも堂”の事情がある」「我々が干渉するべきではない」とらんに伝えるも反発され喧嘩に。
- 翌日、閉店の理由をよく知らないらんに対し、ゆいは「おばあちゃんがよく、“お野菜や果物を育てる時に元気がないとお水をあげちゃうけど、それが原因じゃない時もあるから、ちゃんと様子を見ないとダメだよ”って言ってた」とおばあちゃん語録を持ち出して諭すも、らんは「らんらんが間違ってるって事?」と意固地になってしまう。
- 1人廊下でチラシ配りを始めてしまったらんを、ゆい達は心配そうに見つめていた。
- 「はごろも堂」のレシピッピがナルシストルーに捕らえられ、らんが店を飛び出した時、そこにゆい達4人もいた。「あまねちゃんがらんちゃんが心配だから見に行こうって」とあまねの想いをらんに伝える。
- 戦闘ではいきなり型抜きに捕えられ、かき氷機型モットウバウゾーの氷投入口に放り込まれる大ピンチ。ローズマリーが「かきプレシャスなんてダメよ~!」と必死でしがみつく間に、ブラックペッパーが救出に入り、プリキュア初のスプラッタシーンは回避された。しかしお姫様抱っこ状態で助けられたというのに、赤面するでもなく、例によってきょとんとした顔のプレシャス。
◼️第22話
- 丸まな板と小匙計量スプーンを素体にしたモットウバウゾーと戦うプリキュア達。ブラックペッパーも現れ、気弾で攻撃するもプリキュア目掛け跳ね返されてしまう。ナルシストルーに「邪魔しに来たの?」「余計な手出しをしてくれて助かったよ、またよろしく」フィナーレに「撃つな!全て返されるぞ!」「ここは下がっていろ!」と切り捨てられ、悔しさを露にするブラックペッパー。戦闘後、「済まない…」と立ち去るブラックペッパーをプレシャスは悲しげに見つめていた。
- 舞台変わってフルーツパーラーKASAI。ゆい達は5人は巨大パフェを堪能、キラやばな表情で感激するゆい、そこにコメコメも「食べたい」と飛び出す。その様子を外から拓海が覗いていた。
- 拓海の存在に気付いたゆい、拓海から伝説のクレープについて問われる。「伝説のクレープを作りたい?」と問うゆいと「あの味、覚えてるよな?あれを再現したいんだ」と問う拓海、そこでゆいは「それならみんなで作ろうよ」と言い出す。「一緒に?いや……それは悪いし……」と困惑する拓海、ゆいは「拓海とお料理するの久しぶりだね~楽しみだな~」と張り切った。
- 拓海もゆい達と合流。ここね曰く、「神出鬼没のワゴン車のお店で、発売して数分で完売になった」という。らんも「常夏のリゾートにいるようなトロピカった気分になれる」と独自の表現でコメント。コメコメも拓海に「こんにちは」とご挨拶した。
- ゆい達は拓海と共にクレープ作りに挑戦、ゆい曰く「拓海は料理が得意」とアピール。最初はサクサクし過ぎ、次はモチモチし過ぎ、その次はようやくイメージ通りに。試食に夢中なり過ぎるも、「大丈夫!拓海の作ったクレープ、美味しいからもっと食べたい!」というゆいの期待に応え、拓海も「じゃあ、作るか!」と意気込みを改めた。
- 「小麦粉量るね」と意気込むゆい。しかし、粉まみれになってしまい、拓海からタオルを手渡されるゆいの姿を見て「案外、世話焼きなんだな」「なるほど」とあまねに冷やかされ、拓海も困惑するばかりだった。
- 拓海の知人湊陽佑もクレープを試食、「拓海が頑張ったお陰だね」と励ますゆい。陽佑曰く「幼馴染みの麻恵とケンカしてしまい、お見舞いに行くか迷った」という。がっかりとする拓海にゆいは「どうしたの?」と問い掛ける。そこで、あまねが陽佑にクリスタルシュガーボトルを手渡し、拓海と陽佑の2人は麻恵のお見舞いに出掛けた。
- 喫茶店にナルシストルーが現れ、角まな板と大匙計量スプーンを素体にしたモットウバウゾーを召喚。ゆい達4人はプリキュアに変身した。
- 早速、苦戦するプリキュア達。ブラックペッパーも現れるも、ナルシストルーに「また邪魔しに来たんだ?プリキュアの仲間でもないんだろう?正体を分からないヤツに手を出されてもプリキュアも迷惑だよ」と切り捨てるも、「たとえ迷惑だとしても、大事な思い出は返して貰う!」と反論しウバウゾーに立ち向かった。
- 気弾で攻撃するブラックペッパー、今度はナルシストルー目掛けマントで反射し、プリキュア達も参戦。
- ブラックペッパーと共に1000キロカロリーパンチとペッパーミルスピンキックでウバウゾーを攻撃するプレシャス。最後は久々に3人によるミックスハートアタックでウバウゾーを浄化した。
- 戦闘後、立ち去ろうとするブラックペッパーにプレシャスは「ちょっと待って」と呼び止める。
- 和実家にて、コメコメからクリスタルシュガーボトルを手渡され、メッセージには「ゆい だいすき」と書かれていた。感激したゆいはコメコメを抱き締めた。
- 一方、品田家には陽佑からお礼の野菜が届けられ、拓海の部屋には「ブラックペッパーさんへ いつも ありがとう」と書かれたクリスタルシュガーボトルが置かれていた。
■第23話
- みんなでミートソースを作っていると、あきほが「ちょっと味見させて」と覗き込んでくるが、「ダメダメ、完成まで全部あたし達でやるって決めてるんだから」と笑顔で待ったをかけるゆい。あきほも娘の自主性を尊重し、「じゃあ楽しみにしとくか」と笑って引き下がる。その仲の良いやり取りに、ここねが羨望の視線を送っていた。
- 「両親と一緒にいると緊張する」と悩むここね。あきほとゆいを見て「友達みたいにおしゃべりして、こんな親子もいるんだって驚いた」と言う彼女に、「ここねちゃんもお父さんとお母さんに思い切って甘えてみたら」とアドバイスを送る。その甲斐あってか、思い出のボールドーナツをきっかけに、ここね母子の距離は縮まった。
- ここねの母はつこも同じように悩んでおり、こちらにはあきほが「とりあえず一緒に美味しい物でも食べたらいいんじゃない?わたしの母がよく言ってた。『ごはんは笑顔』だって」と助言した。
■第24話
- 夏休み、和実家に訪れたローズマリー達4人。早速、コメコメがローズマリーに飛び付き、「コメコメ日に日にパワフルになってるわ」と評価。ゆい曰く「あたしと同じ位食べてる」とのこと。
- 舞台変わってゆいの部屋。ゆいとらんの宿題を手伝うため、ここねとあまねが訪れたのであった。まずは数学か。問題集に絶望するゆいとらん、ここねに「自分に置き換えれば解るかも」とアドバイスされるも、あまねから「ストップ」とダメ出ししの嵐、「置き換えはなしだ!方程式を使って考えてみるといい」と方針を変更。そこで何故かローズマリーも「方程式?難問ね」と絶望、コメコメも「頑張れコメ!」と応援した。
- そこで、あまねはコメコメに「ゆいとらんは勉強中なんだ。少し静かにしてくれないか?」と窘めた。結局、エナジー妖精達は庭で遊ぶ事に。
- お茶を淹れるあまね。その時、コメコメとパムパムのケンカを目の当たりにし、2人は家を飛び出してしまい、あまねも「コメコメとパムパムがケンカした」「宿題を続けてくれ」と連絡し2人を探しに行った。
- ナルシストルーに捕らわれたパムパム。ピザ窯とヘラを素体にしたモットウバウゾーを召喚。あまねはローズマリーと合流し、フィナーレに変身するも、パムパムを人質に捕らわれたため手出し出来ない状況に。
- その時、ゆい達3人も合流しプリキュアに変身。フィナーレはナルシストルー、プレシャス達はモットウバウゾーと対峙、そこにブラックペッパーも合流する。
- 最後はミックスハートアタックでモットウバウゾーを浄化、フィナーレもナルシストルーにフィナーレブーケで攻撃。その衝撃でナルシストルーの髪が解けてしまい、「次会った時は…本当の遊びを教えてやる……」と言い残し立ち去った。
- 戦闘後、和実家でコメコメとパムパムが謝罪。ピザパーティで盛り上がり、「雨降って……何が固まるんだっけ?」と思い出すゆい。「ゼリー?」と言い出すも、ここねに「全然違う。固まるのは地面ね」と突っ込まれ、らんに「雨降って地固まる」と正された。コメコメとパムパムも互いに和解し合い、コメコメも心身ともに育ったことからせいちょう期に急成長した。
■第25話
- 「ねぇ、せっかくの夏休みだし、みんなでぱぁ~っとどこかに行こうよ」と発案するゆい。あまねに「どこかとは?」と尋ねられ、「えっと…楽しくて涼しくて、でもってとっても美味しいところ」と、漠然としたイメージで答える。
- あきほに教えてもらったキャンプ場に行く事になるが、よりによって料理用の鍋を忘れるという大失態。幸い、拓海が届けてくれて事なきを得る。
- しかしいざ火を点けようとしてもなかなか燃えない。「そういえばおばあちゃん言ってた。“おむすびはコメだけにしてならず”って。お米だけじゃなく、ごはんを炊くお鍋も火もお水もお塩も、全部に感謝しないとって」とおばあちゃん語録を披露するも、火を点ける解決策にはならず。通りかかった喜屋武ヒロ子からもらった着火剤で何とか点火。
- スピリットルーが出現。モットウバウゾーのパワーに苦戦するが、皆が陽動する役を引き受けてくれた隙に、全力を出せる位置まで接近したプレシャスは「おむすびはコメだけにしてならず!このパンチは皆の熱い思い!」と叫びながら2000キロカロリーパンチを叩き込んで、勝利に繋げた。
■第26話
- スピリットルーの胸部についていたのはスペシャルデリシャストーンではないかと、ローズマリーが深刻な顔で説明していると、全く緊張感なしでゆいのお腹が鳴り、つられたかようにここね・らん・あまねのお腹までもが盛大に「グゥ~」。3人は赤面するが、ゆいは「はらペコった~!」と平常運転。
- 何か作ろうと冷蔵庫を開けると、ピーマンを見たコメコメが「ピーマン怖いコメ~!」と怯えて泣き出した。実は昨日、初めてピーマンを見たコメコメに対し、「生で食べても美味しいよ」とゆいが勧めたが、実際に齧ったら凄く苦かった様で、コメコメはすっかりピーマンが怖くなってしまったのだった。
- コメコメとここねのピーマン嫌いを克服する為考えていると、拓海も昔ピーマン嫌いだったことを思い出し相談する。拓海の母・あんによれば、「ハンバーグにピーマンを混ぜたのを知らずに食べたら美味しくて、ピーマン嫌いが治った」との事で、拓海にも手伝って貰い、彼とらん、あまねといろいろなピーマン料理を作る。しかし、嗅覚の鋭いコメコメには臭いでピーマンが入ってるのがバレてしまい失敗。
- 轟に「ピーマンの事を知る事から始めては」と勧められたここねから「皆でピーマン農園に行きたい」と誘われ、ピーマン農園の収穫を体験後、レストランでピーマン料理をここねが食べようとした時に、スピリットルーの邪魔が入る。
- モットウバウゾーを撃退したプレシャスは「はらペコった〜!」とダウン。「そうだ、拓海が何か作ってるかも!2人の為に今日もレシピ考えるって言ってたんだ!」と言い出したので、一緒に戦っていたブラペ=拓海は「えっ!?」と焦って帰る羽目になる。
- ピーマン農園からテイクアウトしたピーマンの肉詰めと、拓海のチンジャオロースのおかげで、ここねとコメコメのピーマン嫌いは無事治る。ゆいは拓海の料理を食べて「拓海、ありがとう!すっごく美味しいよ!」と盛大に目をキラキラさせていた。
■第27話
- らんが新たに発明したシャボン玉キャンディを発生させるシャボンステッキの実験に付き合う。早速コメコメと共に口を大きく開けて待つのだが、シャボン玉はすぐに落下、口に入らずがっくり。
- らんの家に行き、コメコメと仲良くなったらんの妹りんと弟るんとアイスクリーム作りをしていた。
- 夏季の登校日の学校から帰宅後、ローズマリーからコメコメが人間に変身するときに耳と尻尾を出さないよう特訓していたり、りんが遊びに来るも何時の間にか姿を消した事を知らされる。その後公園に向かうとらんたちと共に遊んでいる成長したコメコメの姿があった。
- しかしここでスピリットルーが登場。戦いの最中、彼は「食事等意味が無い物。どうしてそんな必死に守るでごわす?そもそも食べる事など全然楽しくないもんでごわす」と主張しながら、例によって応援でモットウバウゾーを強化するが、プレシャスは「それ!それだよ!ごはんも応援も同じだよ。美味しいごはんは元気をくれるし、誰かと一緒に美味しいねって言い合えるのも、すっごく元気を貰える。ピカピカのお米でできたおむすびなんて最高!幸せ~って思うんだ」と戦闘中にもかかわらず、ごはんトークを展開。
- それを聞いたスピリットルーはデータ検索するが、「無い…ごはんが元気をくれる等と言うデータは何所にも無いでごわす!」と頭を抱えて苦悩し始める。おかげでウバウゾーはパワーダウンし、両手に囚われていたスパイシーとフィナーレは脱出。ヤムヤムのデリシャスヤムヤム・ドレインで勝利するが……。
- 「ごはんは…楽しくない!ごはんは…辛い!」と苦しむスピリットルーに、プレシャスは「教えて!どうしてそんな風に思うのか」と呼び掛けるが、彼が答える前に、姿を現したナルシストルーが「その必要は無い」と遮った。ナルシストルーはスピリットルーの胸部のスペシャルデリシャストーンを抜き取って機能停止させ、新たな捕獲箱にセットする。「お前達のくだらないパーティも今日でお開きだ!」と冷笑するナルシストルーの手の中で捕獲箱は禍々しい気配を放ち始め……。
■第28話
- ナルシストルーは寿司桶からゴッソリウバウゾーを生み出した。その猛威に叩きのめされたプレシャスは変身解除してしまい大ピンチ。しかしナルシストルーが「もっと絶望の顔を見たい」と余裕を見せて撤退したため命拾いした。
- 一同は沈み込むが、ゆいはいつも通り明るく「食べよう!」と皿一杯のおむすびを持って来た。それを食べた皆も気力を取り戻す。パムパムが「コメコメの先代は凄い力を持っていた。もしかしたらコメコメもプレシャスをパワーアップ出来るかもしれない」と発案し、コメコメもチャージを試みるが敢え無く失敗。
- 再びナルシストルーが寿司のレシピッピを捕え、ゴッソリウバウゾーが出現。ゴッソリウバウゾーに敵わず飛ばされてしまう。ブラックペッパーに助けられその時にプレシャスは「何所かで会った気がする」と言う。
- スパイシー・ヤムヤム・ブラックペッパーがウバウゾーと戦う間に、プレシャスとフィナーレがスペシャルデリシャストーンを奪う作戦を実行するが、ストーンの力で強化されたウバウゾーには歯が立たず、全員倒れ伏す。ナルシストルーがプレシャスにトドメを刺そうとした時、「やめるコメ~!」とコメコメが必死になってそれを阻んだ。
- 「皆が傷ついてるのに何にも出来ないコメ!一世みたいな力も無いし、コメコメは全然ダメコメ!」と泣きながら自分を責めるコメコメを、プレシャスは「そんな事言わないで!たとえコメコメでも、あたしの大好きなコメコメをダメだなんて言うのは許さない!」と、珍しく真剣な表情で叱った。「おばあちゃん言ってた!“幸せの味は明日への道しるべ!”コメコメとまたごはんを食べたい。その未来を思うと力が湧いて来る!」
- スパイシー・ヤムヤム・フィナーレ・パムパム・メンメンも思いは同じ。「コメコメ、いつも傍にいてくれてありがとう!」とみんなの声でコメコメの心が歓喜に満たされた時、パーティキャンドルタクトが誕生する。プリキュア達はパーティアップスタイルにチェンジし、新必殺技プリキュア・ライト・マイ・デリシャスでウバウゾーを浄化した。
- 敗れたナルスシトルーはフィナーレに悪態を突くが、ローズマリーに取り押さえられた。しかしその頃ブンドル団アジトでは、セクレトルーが「所詮トカゲの尻尾」と不穏に呟きながら、ストーンでスピリットルーを再起動させようとしていた……。
■第29話
- 捕えたナルシストルーをクッキングダムに連行する事になったが、スペシャルデリシャストーンが2つあれば行き来できたのに、ローズマリーの持つ石が壊れている為不可。しかしパムパムによれば、成長したコメコメのブローチに貯まったエナジーがあれば行けるらしい。
- 早速「オムスビヒャッコハムチャデッセー!」と呪文を唱えるコメコメ(100個位、ゆいなら楽勝だと思われるのは置いとこう)。空間に扉が開き、一同は劇場版とかにありがちなお団子状態になって落下。そこにはファンタジックなクッキングダムの光景が広がっていた。着地したところはわたあめの雲の上で、目を輝かせたゆいとらんは早速食べ始めるが、食べると言うより、吸い込む勢いのゆいの前に、雲はあっと言う間に無くなってしまい、一同はまたもや落下。
- クッキング王に謁見した後、クックファイター見習いのセルフィーユに国内を案内して貰う。しかしセルフィーユは怖がりの為、クックファイターの試験に中々合格出来ずにいた。
- そんな中、密かにクッキングダムに侵入していたセクレトルーがレシピッピを奪い、ゴッソリウバウゾーを暴れさせる。苦戦するプリキュアを助けようと勇気を振り絞ったセルフィーユは、フェンネルからデリシャストーンを授けられ、プレシャス達の勝利をサポートした。
- クックファイターとして認められたセルフィーユをお祝いする一同。「おばあちゃん言ってた。“鍋とバットは思い切り振れ”って。鍋を振る時、思い切って振った方が具材はこぼれないし、美味しく炒められるんだよって。バットも思い切り振らないとホームランにならないよって」と勇気を出して踏み出す勇気を彼女に伝えて、ゆい達はクッキングダムを後にする。
- その帰路の途中、ゆい達は移動空間内に映し出される、見知らぬプリキュア達が戦うビジョンを見た。「きっと皆大事な物があるんだね」と呟きつつ、まだ見ぬプリキュア達に思いを馳せるのだった。そしてその中には、何処ぞのイベントでのインチキ・ジャンボおむすびに端を発して出会った変な5人組に似たプリキュアチームを見た。
◼️第30話
- おいしーなタウンで外食ばかりした為、金欠になってしまったローズマリー、流石にゆい達も呆れるばかりだった。そこで、らんの案で屋台メシグランプリに出場する事に。
- 舞台変わってなごみ亭、皆でアイデアを出し合う事に。ゆいは焼きとうもろこし、ここねはフランクフルト、らんはたこ焼き、あまねはかき氷を提案、結局意見はバラバラだった。そこでゆいは「迷った時は欲張り全部乗せ」と発言、「それだわ!」と何か閃いたローズマリー、結局焼きそばに決定した。
- グランプリ当日、「やきそばマリちゃん」を出店。ゆいはピンクを基調とした浴衣姿、髪も垂らしたサイドテールで登場。来店した拓海をも見とれさせる程だった。そこにライバル店「鉄板ふじの」の藤野タカオ・みやこ夫妻と対峙、ゆい曰く「おばあちゃんの知り合い」「いつもこんな感じで仲が良い」との事。タカオとみやこ、よねとのエピソードが語られた。互いに告白をしようとしていた2人に「知ってるかい?お祭りのジンクス。お祭りの日に花火を見ながら同じものを食べた2人はずーっと一緒に居られる」とよねがキューピットな感じに言ったことで、結ばれる事が出来たらしい。それと共によねに関する逸話も聞かされ、中でも街中にある招き猫はよねがなごみ亭に置いた事が最初だったらしい。ゆいもこれは初耳だったらしく驚いていた。
- 遂に「やきそばマリちゃん」のソース焼きそばと「鉄板ふじの」の海鮮塩焼きそばの対決に!果たして勝敗は如何に……
- そこにセクレトルーが現れ、突如焼きそばが消滅。ソース差しを素体にしたゴッソリウバウゾーを召喚、ゆい達のわっしょいの掛け声でプリキュアに変身した。
- まずは2000キロカロリーパンチで攻撃、しかしゴッソリウバウゾーの攻撃でプレシャス達4人はリングで捕縛されてしまう。そこで「皆でアイデア出し合って、一緒に作った焼きそば……最高なんじゃーーい!」とローズマリーが叫びリングを破壊して捕縛を解いた。
- 最後はパーティアップスタイルによるライト・マイ・デリシャスでゴッソリウバウゾーを浄化した。
- 「やきそばマリちゃん」と「鉄板屋ふじの」の対決は両者同率1位の結果だった。
- 最後は6人で花火を見ながら焼きそばを堪能。と、そこにらんが先のジンクスについて「何だっけ?」と聞くと、案の定ゆいは「皆ずーっと一緒にいられる」と覚え違い。これを聞いた拓海も呆れるやらがっくりするやら。でもローズマリーは「それで良いんじゃない?ずっと一緒に居られたら嬉しいもの」と4人を抱きしめたのだった。
■第31話
- あまねに連れられ高級ホテルの一室へ。そこはイースキ島からやって来た同国の王女マイラの宿泊先だった。マイラはゆいに瓜二つ。ゆいは「ほんとにそっくりだね~」といきなりマイラの手を取ってぶんぶんと握手し、あまねから窘められた。
- 実はマイラは、漁でイースキ島に寄った拓海の父・門平と出会い、そこで自分にそっくりであるゆいのことを聞かされていたのだった。その時、門平から記念に貰った招き猫を見せ、あれこれ楽しげに話すマイラを見て、あまねは「王女様は滅多に話をされないと伺っていたのですが」と、事前に聞いていた様子と大分違う事を訝しむが、マイラ曰く「王女としての公務の時は、緊張で口数が少なくなるが、プライベートでは普通に話せる」らしい。
- 念願のおいしーなタウンにやって来れたは良いが、公務で多忙すぎて街を回れず、楽しみにしていた色々な料理を食べられないままに終わりそうなマイラ。残念そうながらも「でも夕方の帰国前に、あなたに会えて幸せでございます」と言う彼女に、ゆいは「じゃあ夕方までは時間があるんだね?」と一計を案じた。
- そして数分後、ゆいとあまねは退出。マイラは部屋に残り、1人佇む……と思いきや、左手のハートキュアウォッチからコメコメが飛び出した。実はこちらがゆいで、先刻出て行ったのがマイラ。「この街の住人として、満腹になる前に帰す訳には行かないよ!」と言うゆいの発案で、2人は服を交換してすり替わり、マイラには街の料理を堪能して貰う作戦だった。
- 偽王女になったゆいだが、メイドにリップやネイルのケアをして貰う等、初めての優雅な体験に「本当に王女様になったみたい」と口を滑らせたり、側近のゲンマに呼ばれた際に転けそうになって、持ち前の運動神経で何とか踏み留まる等、あちこちでボロが出そうになりながら、何とか影武者を務める。
- 美術館を訪問すればサーモンをメインとした食卓の絵を見てよだれを垂らしかけ、挙げ句にはいつも通り盛大にお腹が鳴る始末(流石にお馴染みのセリフは口にしなかったが)。メイド達はその様子を見て「今日の王女様はとても楽しそう、何時にも増してお元気な笑顔ね」と評していたが、ゲンマだけは厳しい視線を送る。その脳裏には、マイラの幼い頃の姿が浮かんでいた。
- 美術館から博物館にリムジンで向かう車中、美術館長から貰ったお土産を食べ出し、「デリシャスマイル~!」とご満悦。結局、食べ物の前では口癖は止められなかった。ゲンマは「王女がそんなに大きな口を開けるモノではありません」と窘めつつ、1冊の手帳を手渡した。
- 一方、あまね達に案内され、街でいろいろな食べ物をテイクアウトしたマイラは、菓彩家にて食べようとするが、曇った顔で「どれから食べれば正解か、分からないでございます」と言い出した。幼い頃からゲンマに「己の感情に流されず、常に正しき道をお選び下さい。それがあなた様を守る事になります」と、公人たる王女としての心構えを教え込まれて来た為に、自分自身の気持ちで選ぶ事が出来なくなっており、どんな味や食べ物が好きだったかさえ思い出せなくなっていたのだった。
- しかしあまねの兄・みつきとゆあんにパフェを差し出され、皆からも色々勧められたマイラの顔に笑顔が戻った。「イースキ島の皆にも味わって欲しいでございます」と呟く彼女は、ローズマリーから「忘れてない“好き”もちゃんとあるじゃない」と指摘されて、自分にもちゃんと「国民を愛する感情」がある事に気付いた。
- 先程の手帳に続き、ゲンマはゆいにスピーチの原稿を渡す。これが今回唯一の公式発言になり、マイラとしてもこれが成功すれば王位継承への大きな一歩となるらしい。だがゲンマが「王女はそれも出席しないとおっしゃっていたか?」と低く鋭い口調でゆいに問うたその時、リムジンが急ブレーキ。リムジンは羊の群れに取り囲まれており、その着ぐるみを脱いだ黒服の男達によって、ゆいとゲンマらは囚われてしまう。
- それはマイラの従兄弟にして、彼女の王位継承に異議を申し立てていたサンザー王子の仕業だった。サンザーは「お前が“微笑みの王女”と呼ばれているのは、人前で話して失敗するのが怖いから。話すとしても原稿がなきゃ何も言えない。大事なスピーチをすっぽかしたとなれば、このサンザーこそが王にふさわしいと皆気付くだろう」と嘲る。
- 入れ替わりがバレない様に黙っていたゆいは、サンザーが退室するとコメコメを呼び出し、ウォッチを通じてこの事態を仲間達に伝える。自分のせいだと動揺するマイラを式典会場に向かうよう促し、「あたしなら大丈夫!」と余裕の笑顔を見せるや、「ハァッ!」と気合一閃で縛られた縄をバラバラに引き千切った。。
- ゆいは更に監視カメラをぐいっと下に向けて、自分の姿が映らない様にした上で(映像は映っているが、コードが剥き出しでカメラがぶらんぶらんしている有り様)、キュアプレシャスに変身。しかし変身時の名乗り文句がウォッチを介してモロに聞こえており、仲間達は唖然。「美味しい笑顔で満たしてあげる!」のキメ台詞まで聞こえており、緊迫感ゼロの謎の言葉を聞いてきょとんとなるマイラに「ゆいは何を言っているのでございます?」と尋ねられ、らんが「元気になるおまじないだよ!」と咄嗟にフォロー。
- 駆け付けてきたサンザーの手下達に2000キロカロリーパンチを炸裂!……させる訳にも行かないので、カーペット返しで転ばせる極めて穏やかな手段で撃退し、ゲンマ達を無事救出。何者かと尋ねられ、「通りすがりの者です!」と胸を張るプレシャス。
- 捕縛されたサンザーはなおも往生際悪く「おい、お前!失敗から逃げてる小娘より、私に味方した方が得だぞ!」とマイラを侮辱するが、「マイラ王女は逃げてなんかいないよ!」と反論するプレシャスは、車中でゲンマから渡された手帳を見せる。その手帳には博物館へ行くための下調べのメモが事細かに記されていた。マイラはいつも失敗しないよう、綿密に下調べを行っていたのである。プレシャスは「たとえ上手く話せなくても話す準備をして来ている。上手く行かない時があっても逃げずに頑張ってる人だよ!」とマイラの本質を見抜いていた。
- そこで解放されたメイド達がマイラを救いに向かおうとしているのを見て「さらば!」と慌ててその場を離れ、変身を解き、「大丈夫でございます!」とマイラに早変わり。それを見たゲンマは「迷惑をかけてすまない」と頭を下げた。彼はゆいとマイラがすり替わっていた事に早々に気付いていたが敢えて黙認しており、先刻の"謎の少女"の正体がゆいである事も察したようではあったが、ゆいは「さぁ、行きましょう!」と笑顔で促し、式典会場へ向かう。
- ようやく元に戻る事ができたゆいとマイラ。「ごめんなさい、馬鹿な事をして」と詫びるマイラに、ゲンマは「いいえ、私が愚かでした。マイラさまから本当の笑顔が失われている事に今日まで気付かず、只々務めを果たす事だけを考えて…」と逆に謝罪する。彼は彼なりにマイラの事を思って「正しくあるべき姿」を教え込んで来たが、幼い頃のマイラと同じような天真爛漫な笑顔のゆいを見て、自分の教育が彼女から笑顔を失わせていた事に気付き、今日のすり替わり作戦にも敢えて目を瞑って、マイラの束の間の自由を許したのだった。
- 「分かっているでございます。公務で失敗し、非難に晒されぬ様、守ってくれていたでございますね。そして今日もあなたが黙っていてくれたおかげで、わたくしは私の“”好き”を思い出せたでございます。好きな味、好きな食べ物、そして何より私は、イースキ島が好き。この気持ちがあれば、私はもう迷わないでございます」と微笑むマイラ。彼女もまた、ゲンマの厳しくも温かい教えが、王女たる自分を守ってくれていた事を理解していた。
- 式典でのスピーチの時間。拍手に迎えられるマイラの耳に「マイラ王女!頑張って〜!」と応援のデカい声が。見やれば最後方でここねに口を塞がれつつもらんと共に思いきり手を振るゆい(そして周りに向けてぺこぺこ謝るあまね)の姿。マイラの脳裏に、先刻聞こえたゆいの”元気になるおまじない”が甦る。「あつあつごはんでみなぎるパワー…」と呟いた彼女は、開こうとしていた原稿から手を放し、大きく息を吸った。
- 「皆様、本日は私の為にお集まりくださり、ありがとうございます」と、原稿を見る事無く、マイラは自らの言葉で思いを語り出した。先刻までの控え目でおどおどしていた様子とは別人のような堂々たる姿に、「ほわ~、カッコ良い」「とても良い笑顔」「美味しい物を食べてきっとリフレッシュ出来たんだろう」と感嘆するらん・ここね・あまね。ゆいも「うん!やっぱり“ごはんは笑顔”だね!」と嬉しそう。おいしーなタウンで経験した貴重な休日と美味しい食べ物は、マイラに自信を与え、大きく成長させたのだった。
■第32話
- 間も無く「すすれ!ちゅるちゅる☆フェスティバル」が開催。それを控えたぱんだ軒に揃って来店するゆい達。と、ゆいがカウンターの隣を見て思い切り驚く。そこには何とラーメンを食べている熊の姿。そう今回のコラボゲストキャラであるくまモンだった。実はこしのすけとは旧知の仲であり、更にフェスティバルの特別ゲストとして招かれていたのである。
- ラーメンを食べようとするとメンメンが泣き顔でやって来る。らんの部屋に向かえば麺類のレシピッピ達が揃って泣いている。何やらうどんのレシピッピが行方不明だと言う。更にレシピッピ達が泣きじゃくってふやけた物だから、実際の料理にも影響が出てしまい一大事。一先ず、らんをフェスティバルの準備に向かわせ、手分けしてうどんのレシピッピを探す事にする。
- 街中回ってもなかなか見つからないレシピッピ。そこでメンメンは奥の手を使う事にした。で、早速ゆいをうどん屋に向かわせる。ゆいはうどんを速攻完食し、メンメンは自分のエナジーを使って残りつゆで麺占いを行う。そこに映ったのは黒地に赤い丸。そして気付いたのはくまモンのほっぺだった。
- フェスティバル会場でらんと合流しくまモンを見つけ、まじまじと見るとくまモンに頭の上にレシピッピを発見。しかし一難去ってまた一難、セクレトルーに奪われてしまう。
- メンメンが麺占いでエナジーを使ってしまった為ヤムヤムが実力発揮出来ない状況ではあったが、それでも何とかゴッソリウバウゾーを足止めした事で倒す事が出来た一同。イベントも再開し、ゆいは仲間たちと麺料理を堪能する。因みにゆいはざるそばでこの日3品目。
■第33話
- ローズマリーからナルシストルーの近況を聞く。好き嫌いが激しい上に極端な猫舌などの理由で、みんなと一緒に食事をするのが苦手だったという事を告白したらしく、ゆいは「もしかして、『ごはんは笑顔』じゃなかったのかな」と悲しげに呟く。人それぞれの事情があり、ごはんで笑顔になれない者もいるという現実を、ゆいは知った。
- ハロウィンパーティでは、仮装というか、ジャックオーランタン風のかぼちゃドレスを披露。
■第34話
- 味噌おでんを作るゆい。しかしおばあちゃんの味にはなかなか近づけない。そこへ、かつておいしーなタウンで板前をやっていた又三郎が孫の宏輔を連れてやってきた。仏頂面をしていた宏輔は、ゆいに挨拶されて頬を赤らめた。
- 早速又三郎におでんを作ってもらい、それを食べるとおばあちゃんの味その物。それもそのはず又三郎はよねと料理人として切磋琢磨しつつも、看板料理として一緒にこのおでんを作り上げた仲。もっとも板前として苦労を重ねた経験もあり、苦心して味に近づくべきだという哲学と安易にレシピを教えないという頑固さもあった。
- 又三郎は宏輔を板前にさせたいと思っており、美味しい物を食べさせようとおいしーなタウンに連れてきたが、宏輔は友達と野球をしていた方が100倍楽しいし、将来の夢も野球選手とあって、ケンカしていたのだった。試合も近いから練習をしたいという宏輔のために、ゆいは仲間達を呼んで練習試合を行う。
- 本格的なユニフォームに着替えて試合開始。ゆいに一目惚れしていた宏輔は、ゆいと拓海に「2人ってつきあってるの?」とド直球な質問をぶつけ、拓海は「な、な、な、…何言ってんだ!?んな訳ねえだろ!」と大慌てするが、ゆいはあっけらかんと「うん!ないよ!」。そこで宏輔は「勝った方がゆいとデートの勝負を拓海に申し込む。内心穏やかではなかった巧海だが、何とか勝負は引き分け。
- 試合後、おでんよりハンバーガーがいいとかぶりつく宏輔だが、しかし本音ではやはり又三郎のおでんが好きだった。ケンカして、又三郎のおでんをそのままに飛び出てきた事を気に病む宏輔に、ゆいは祖母の事を思い出しながら、「好きって気持ちを伝えてみたらどうかな」と励ます。
- その時、セクレトルーがおでんのレシピッピを強奪し、又三郎も宏輔もおでんの事を忘れてしまう。ゆい達は変身して戦うも、形状によって飛び方が違うおでん型光弾に一同は苦戦。ローズマリーは「距離を取ったまま、反撃のチャンスをと狙って」とアドバイスするが、プレシャスは聞こえないかのようにウバウゾーに猪突猛進してゆく。一度はブラックペッパーに救われるが、再度突撃したプレシャスは巾着袋に囚われてしまった。
- セクレトルーは「捕まったら最後、そこから出られませんよ」と煽り出し、すぐさま救出に向かったブラックペッパーもウバウゾーの攻撃に動きを阻まれ、スパイシー達もウバウゾーの猛攻撃を塞いでいるのに精一杯で近づけなかったが、「宏輔くんと又三郎おじいちゃん、それと…大事なおばあちゃんのおでん!絶対に取り戻す!」と胸のハートのブローチが光り出した後に怪力を発揮して巾着袋から強引に脱出し、プレシャス・トライアングルと2000キロカロリーパンチで勝利に繋げた。
- 「俺、おじいちゃんのおでん好きだよ」と謝る宏輔と、「今度キャッチボールするか?」と笑う又三郎は和解。ゆいは又三郎におでんのレシピを教えてもらい、笑い合う又三郎と宏輔の姿に、在りし日のよねと自分の姿を重ねて微笑む。
■第35話
- パソコンを使ってマイラ王女とリモート通話。マイラ王女はイースキ島のために一杯頑張ってるんだね」と元気そうな彼女を見て安堵するも、ここねの両親が島の振興策となるメニュー開発を依頼され、ここねもイースキ島に行く事になるかもと聞かされ、「ここねちゃん、引っ越しちゃうの~!?」とタックルのごとき勢いで、らんと一緒に泣きながらここねに抱き着く。
- 気を取り直し、焼き芋を作ってローズマリーに持って行ったゆいとあまねは、ローズマリーとフェンネルとの通信を聞いてしまった。彼らの師匠にあたるジンジャーは、かつて盗まれたレシピボンを探しておいしーなタウンを訪れていた事、兄弟子のシナモンがそのレシピボン泥棒の犯人としてクッキングダムを追放された事などを打ち明けられたが、ローズマリーの「今のここねに余計な心配をかけたくない」との気遣いで、その話はゆいとあまねの胸の奥にしまっておく事にした。
- お悩み中のここねがお弁当を忘れたため、ゆい達は自分のお弁当の一部を分けてあげた。「分け合って同じの食べるって、なんだか楽しいもん!」とのゆいの言葉に、ここねは『分け合う喜び』を再認識する。
- そんな中、ゴッソリウバウゾーが出現するが、ここねの姿がない。「ここねちゃんの分まで頑張るよ!」と気合を入れ、「デリシャスパーティプリキュア!」の名乗りポーズも3人で決めて戦闘開始。しかしいつもならシールドを張って跳ね返してくれるスパイシーがいないため、ウバウゾーが繰り出す砂団子攻撃に手も足も出ず、プレシャス達3人は砂団子の山の中に閉じ込められてしまう。
- さらにウバウゾーは山の上から体重をかけ、3人を押し潰そうとする。「スパイシーなら技で押し返せるのに~!」と泣きが入るヤムヤムに、プレシャスは「今は…ううん、これからはあたし達でなんとかしなきゃ!」と檄を飛ばしつつ、2000キロカロリーパンチで壁の破壊を試みるが、わずかに小さな穴が開いただけ。ウバウゾーが山の上で足踏みを始めて、砂団子の山は崩落寸前となり、絶体絶命の大ピンチに。
- そこへ「みんなお待たせ!」とここねが駆け付けスパイシーに変身。砂団子の山の内部にシールドを張って皆を守るが、ウバウゾーの猛攻の前にたちまちひびが入ってゆく。必死に堪えてシールドを張り続けるスパイシーに、プレシャスは「ごめんね!ほんとはもう頼っちゃいけないのに…」と謝るが、「いけなくなんかない!わたし、これからもみんなと一緒にいたい!」と、日本に残る決意をした事を明かす。その熱い思いに奮起したプレシャス達は力を合わせて脱出し、逆転勝利。笑顔でスパイシーと手を取り合った。
■第36話
- 一件落着後、姿の見えなかったローズマリーにどこに行っていたのか尋ねると、師匠のジンジャーの手がかりを探していたと言う。以前、こちらの世界の滞在費用として渡された財布も彼の持ち物らしい。するとその財布を見たパムパムとメンメンが、「以前自分達は、コメコメ一世やジンジャーと、20年前においしーなタウンに来た事がある」と言い出した。
- 突如、忘れていた記憶が甦ったようだが、その時何か作っていた物をどうしても思い出せず、ローズマリーは「もしかしたら、師匠に記憶を封印されたのかもしれないわ」と推測する。意味ありげに映し出される閉店した店、そして不穏な笑みを浮かべるセクレトルー。
ジンジャーはこの街で一体何をしていたのか…?
■第37話
- 今日はしんせん中学校の文化祭「しんせん祭」。クラスの出し物「炭水化物カフェ」でここね・らんと共に、チャイナ服にパンダの耳をつけたウェイトレス姿で接客。
- ローズマリーが、かつてジンジャーに会った事があるというあまねの両親、しゅういちとぼたんに話を聞くが、特に目新しい情報は得られず。メンメンが「こうなったらもう一度コメコメの力を借りるしかないメン」と言うと、首を傾げるコメコメと何やら不思議な輝きをたたえるペンダント。
- 拓海のクラスの店で手打ちそばを食して「デリシャスマイル~!拓海、一杯研究したんだね!手打ちそばって難しいのに」と絶賛し、拓海も満足げにわずかに頬を染めるが、案の定今日も何も進展なし。
- その後ナルシストルー救出&ゴッソリウバウゾー撃破後、ナルシストルーからもらった「物体の大きさを変える装置」とハートキュアウォッチを使って、ナルシストルーをクッキングダムへと転送させた。
■第38話
- ジンジャーに直接会って謎を解き明かすべく、コメコメの力で20年前のおいしーなタウンへ向かう事に。「オムスビセンコヲメシマッセー!」とコメコメが呪文を唱えると時空のゲートが開き、一同は20年前の世界に到着する。
- あまねが「レシピボンが盗まれる前の過去に行き、阻止すべきだったのでは」と思い立つが、この力で過去を変えてしまうのは禁じられており、もし変えてしまったら、力が封じられて元の時代に戻れなくなるらしい。過去の人間と会話するのは可能で、元の時間に戻る際に、コメコメの能力により過去の人の記憶を消してくれるとの事。
- 我が家である『なごみ亭』の前に立つゆいは緊張の面持ち。おばあちゃんが亡くなった時の事を思い出し、あの日の悲しみが甦って、込み上げてくるものをこらえる。どのような顔をすればよいのか思案していると、ローズマリーの服装を見た一人の女性が、「ねぇあなた達、もしかしてジンジャーさんのお友達?」と声を掛けてきた。20年前の拓海の母・大福あんだった。
- 彼女に案内されて玄関に入ると、出迎えたのは正によねだった。夢にまで見たおばあちゃんとの再会に、ゆいは声も出ない。そのゆいの両手をあまねとらんがそっと握り、ここねが「大事な人に会うなら、明るい顔色がいいと思う」と、リップを塗ってくれた。みんな先刻からのゆいの様子を見て、心の内を推し量ってくれたのだ。仲間達の気遣いに、緊張が少しほぐれたゆいは「ありがとう」と微笑む。
- 台所では、浅井又三郎、『はごろも堂』の松山咲枝、菓彩しゅういち・ぼたん夫妻などの見知った面々が、ちょっと若い姿で勢揃い。ゆいの母・あきほは板前修行で不在だったが、婿入りする前の父・ひかるも姿を見せる。みんなでジンジャーのお別れ会の準備をしているとの事。手伝いをする中、みんなよねの人柄に惹かれ、彼女が大事にしている招き猫のアイテムを身に着けるようになり、今や街のシンボルにまでなっていると聞いたところで、ジンジャーが外出から戻ってきた。
- 未来からやってきたゆいやローズマリー達の事情を理解したジンジャーは、レシピボン盗難事件に関しては、犯人とされるシナモンが罠に嵌められたのではないかと考えていた。その黒幕はいつかこの世界を巻き込む事件を起こすはずで、おいしーなタウンで出会った優しい人々に危機が及ぶかもしれず、クッキングダムへ帰還してよいか悩んでいたという。そんな彼によねが「悩みと糠床は、眺めたままじゃ駄目になる」と言ってくれたおかげで吹っ切れて、「悩むぐらいなら、できる事をするにゃ」と、ある事を決意したらしいが……。
- そこでお別れ会の準備ができたため、話は中断。賑やかな宴の中、姿が見えないよねを探すと、おむすびを作っていたので、ゆいもそれを手伝う。「ゆいちゃん、もしかして何かわたしに話したい事があるのかな?ずっと何か言いたそうだったから」と、よねは鋭く、この『初対面の女の子』のぎこちない様子に感づいていた。
- 懐かしいおばあちゃんの笑顔。しかしまさか「未来から来た孫」などと名乗る訳にもいかず、「よねさんと話したいって思うんですけど、何だか傍に行くと言葉にならなくて…うれしくて…すみません…」と、精一杯誤魔化しながらも、会えた喜びを表現するゆい。「いいのよ。何だかゆいちゃんの事、他人って感じがしなくて」と答える彼女に、「よねさんは素敵な言葉を一杯持ってますよね!あたし、特に『ごはんは笑顔』が大好きです!」とうっかり口を滑らせるが、よねは「あら、何で知ってるの?」と言いつつも、特に怪しむ事もせず、「この言葉はね、バトンなの」と自らの思いを語り始める。
- あきほを産んだ時、きっと自分と同じような幸せや苦労を経験するであろう事を思い、次の世代が壁を乗り越えられる手伝いが出来たらと、そうしてバトンを渡していけばきっと素敵な明日が来るんじゃないかといろいろな言葉を残したのだという。「わたしがいなくなっても、大切な子達を支えられるかもしれないでしょ」というよねの言葉に、ゆいは溢れそうになる涙を拭いながら、笑顔で「はい!」と答えた。
- そしていよいよ帰還しようとするジンジャーは、コメコメ・パムパム・メンメンと共に、ほかほかハートの蓄積装置を作り上げた。いつか大いなる災いが訪れた時に、この街を守れるようにと。この装置を作った事は誰にも知られないようにと、パムパム達は自らの記憶を封印した。「ごはんは笑顔!よねさんによろしくにゃ!」というジンジャーの叫びを聞きながら、ゆい達は現在へ戻って行く。
- 孤軍奮闘していたブラックペッパーの代わりにモットウバウゾーを倒した後、目を覚ましたコメコメから「おばあちゃんに会えたコメ?」と尋ねられたプレシャスは、「うん…ずっとあたしと一緒にいてくれてたんだ!」と笑顔で空を見上げる。よねの優しい声がプレシャスには届いていた。
■第39話
- おばあちゃんのレシピノートを眺めながら、「おばあちゃんって、やっぱりすごいなあ。あたし、おばあちゃんにたくさん教えてもらった事、もっともっと大事にしていきたいんだ!」と張り切るゆい。先日、過去の世界で再会できたこともあって、おばあちゃんの言葉を大切に、みんなに伝えていきたいという気持ちが、ゆいの中で今まで以上に大きくなっていた。
- 助っ人のサッカーの試合では大活躍。高校からスカウトが来ているわかなにも負けず劣らずのプレーを繰り広げ、試合後はおむすびを頬張り「デリシャスマイル~!」。「いい食べっぷり、こっちも笑顔になっちゃうよ」とわかなに言われ、「だって『ごはんは笑顔』だもん!」と答えて、他にも「ひと手間がおいしさの分かれ道」「手作りで健康作り」等、おばあちゃんの金言を披露し、「素敵なおばあちゃんだね!」とチームメイトに褒められる。
- 「『手作りで健康作り』って、正にわかなのお弁当じゃない?」との声に、わかなのお弁当を覗いてみると、確かに手間のかかった見事な手作り弁当だった。わかなの父が栄養バランスも考えて作ってくれるものらしく、ゆいは「おばあちゃん言ってた。『手作りは想いの詰め合わせ』!お父さんがわかなちゃんの事を応援してるの伝わってくる」と称賛するが、わかなの表情が一瞬曇った事には気付かなかった。
- 帰り道、わかなの父・ましばに出会って挨拶するが、顔色の悪いましばは眩暈を起こして蹲ってしまう。「なごみ亭」に連れ帰り、わかなを呼んで一安心したものの、「お父さんの体が大事」「いやいや、わかなの体が一番だ」と父娘はお互いを思うあまり、逆にぎくしゃくしてしまっている模様。ましばの絆創膏だらけの指を見て事情を察したあきほは、「お夕飯食べていきませんか」と水を向けた。
- 料理の間にわかなは事情を打ち明ける。玉木家は父子家庭のようで、ましばはわかながサッカーに専念できる様、仕事で疲れていても朝早く起きて、苦手な料理を頑張ってまで手作り弁当を作ってくれていた。そこまで無理して欲しくないと言うわかなを、ゆいは「おばあちゃん言ってた。『美味しいの笑顔は一番のご褒美』。だからきっとお父さんも、わかなちゃんの笑顔を見たくて、お料理楽しんでるのかもしれないよ」と励ますが……。
- 「わたし、サッカー好きだけど練習はすごく苦しいよ。好きだけじゃやってられない。お父さんだってきっと…。ゆいのおばあちゃんの言葉、とてもいい言葉だと思う。でもわたしは…」と本音を吐露した後、「あ~あ、早く高校生になって寮に入りたい!そうしたらお父さんもわたしから解放されて楽になるしね」と無理に明るく振る舞うわかな。二人を見送った後、ゆいは「あたし、おばあちゃんの言葉はみんなを助けてくれるって思ってた。でも…」と呟く。世の中には、それが当てはまらないケースもある事を知り、ゆいは考え込んでしまう。
- 翌日も悩み続けるゆいは「考えれば考えるほどはらペコって」と、ハートパンを次々とハムスターの如く一口で飲み込む。パンは飲み物か。「よねさんはお料理を愛して作るのも楽しんでた方だったから、お料理が苦手な人への言葉は残してないのかもね」とローズマリー。「どうしたらいいのかな…」とゆいの悩みは深まるばかりで、いくら食べてもお腹の虫が延々と鳴りっぱなし。
- その頃、卵料理を食べる人々を眺めるセクレトルーの脳裏には、どうしても卵が上手く割れなかった過去の苦い記憶が甦っていた。「わたしの完璧を損なうものは…」と苛立たしげにレシピッピを拉致して逃走する彼女に、ゆい達が追いつく。しかし「逃がさないよ!」と言いながらもお腹が鳴って「はらペコった~」と、何とも締まらない状態に。ゴッソリウバウゾーが召喚されて、「行こう、みんな!」と号令をかけたところで、またもやお腹が「ぐぅ~」。一同は脱力しつつ、変身して戦闘開始。
- しかし空腹で力が入らず、プレシャスは全く調子が出ない。そんな彼女を「仕事中にベストを尽くせないとは愚かですね」と侮蔑するセクレトルーは「悩みとは弱さ。弱さは弱点。それを見せれば最後、足を引っ張られ付け込まれ、築き上げた物全てを失う。わたしの経験上、完璧でなければこの世界では生きていけません!」と冷徹な言葉を吐くが、意外にもプレシャスから返ってきたのは感謝の言葉だった。
- 「セクレトルー、ありがとう!あなたの言葉、胸に響いた。きっとあなた自身の、あなたが生きてきた事を実感させる言葉だったから!」セクレトルーの言葉は、おばあちゃんのように温かみのあるものではなかったが、セクレトルーなりの人生を歩んだからこその重みがあり、敵であったとしてもプレシャスの心に響くものがあったのだ。
- 「おばあちゃんの言葉も大切。でも今度は、バトンを受け取ったあたし自身が、生きて感じた言葉を届けなきゃいけないんだ!」やっと答えを見つけ出したプレシャスは、ローズマリーからもらったハートパンで元気回復し、2000キロカロリーパンチを炸裂させ、ウバウゾーを撃退する。戦闘後、去ろうとするセクレトルーに「待って!あたし、あなたの話もっと聞きたい!あなたはどうして…!」と呼び掛けるが、セクレトルーはその声を途中で遮り、「わたしは…仕事を全うするだけです」と言い残して姿を消した。
- わかなを「ずっと手作りが一番だってと思ってたけど、わかなちゃんの話を聞いて、本当に一番大事な事は別にあるんじゃないかって思った。えっと、うまく言えないけど、その…」と自分の言葉で励まそうとするゆい。上手にまとめられなくても、その気持ちは十分わかなに伝わった。「わたし、自分の事をずっと責めてたんだ。だからゆいにそう言ってもらえて、すごくうれしい」と感謝を述べるわかなは、ましばを『なごみ亭』での夕食に誘った。
- 「練習の後は家でゆっくりした方がいいんじゃないのか?」と言う父に、わかなは「わたしはお父さんとゆっくりしたいの。いつも手作りのお弁当ありがとう。忙しくてもわたしのために頑張ってくれるお父さん大好き!でもね、友達がよく言うんだ、『ごはんは笑顔』って。一緒にごはんを食べて笑顔で話したい。だって、一緒にいられる時間、あと少しじゃない!」と思いの丈をぶつけた。ましばも、必要以上に頑張り過ぎて逆にわかなに心配をかけてしまった事を詫び、父娘は笑顔であきほ特製の「スポーツ選手向け特別定食」を食べる。その仲睦まじい二人を見つめながら、ゆいは「あたし、自分自身の言葉も見つけていきたい。みんなを笑顔にできるように」と決意を新たにし、あきほも「きっとおばあちゃんも喜ぶよ」と微笑む。そしてナレーションのよねさんも「ええ、とってもうれしい。どんどんおばあちゃんを越えていってね」と空の上から孫の成長を喜ぶのだった。
◼️第40話
- 父・ひかるが拓海の父・門平ことシナモンと共に漁から帰省。同じ頃、中学校でゆいも「お父さん、もう着いたかな?」と盛り上がる。
- 自宅で父の帰省とクリスマスツリーの飾り付けでゆいも大はしゃぎ。「クリスマスパーティにお友達も呼んでいい?」と問うゆいに父も「もちろん」と返答、母に「クリスマスケーキはどうする?」と問われ「拓海にお願いしようと思って」と返答、父曰く「拓海君のブッシュ・ド・ノエルは美味しい」と評価。ゆいも「楽しみ!」と大喜び。
- 翌日、登校中に「完璧なパーティにしよう」と言い出したらんにふと立ち止まるゆい、らんの「完璧」という発言に「完璧……どうして完璧じゃなきゃダメなんて思ってるんだろう?」と問い掛け「セクレトルーの事か?」と発言するらん、ここねに「声が大きい」と止められる。ゆい曰く(セクレトルーと)「ちゃんとお話してみたい」と発言、その会話を偶然拓海に聞かれてしまい、拓海はあまねと遭遇。「拓海に話したい事があったんだ。あのね、ブ……ブ……ブッシュ・ド・ノエル!拓海に作って欲しいんだ!」と依頼、「クリスマスパーティ、今年はみんなで一緒にしよう!」と拓海も招待し、「私も一緒に作る」と張り切った。
- 街中でローズマリーと遭遇した拓海。そこにセクレトルーが現れ、クリスマスケーキのレシピッピとそれを助けようとしたエナジー妖精達が捕縛されてしまう。プリキュアでまさかのおっぱいダイブシーンが放送されたって?それはさておき。
- セクレトルーと対峙するローズマリー、そこにゆいが現れ、拓海は木の影に隠れてしまう。粉ふるいを素体にしたゴッソリウバウゾーを召喚されピンチに陥るゆい、そこに拓海が現れ「コメコメ達は俺が助ける!」と意気込んだその時、デリシャストーンが反応し「見てるだけなんて嫌だ!」と拓海はブラックペッパーに変身。エナジー妖精達を救出。ゆいはこの時ブラックペッパーは拓海という真実を知ることになり呆然となる。そこにここね達3人も合流し、プリキュアに変身した。
- ブラックペッパーは拓海という真実に驚きを隠せないプレシャスは戦いに身が入らず動きも鈍い。だが、ブラックペッパーに「ウバウゾーは任せろ」「お前はやるべき事をやれ」「セクレトルーと話がしたいんだろう?」と励まされ、やる気を取り戻した。
- 「セクレトルー!あなたの願いってレシピッピを奪う事なの?」と問うプレシャス。「当たり前でしょう?ゴーダッツ様の願いを叶える事で有能さが証明され自分の願いも叶う」と返答、「だからあなたは笑顔じゃないの?本当の願いを叶えるためなら笑顔のはずだよ?」とプレシャスも反論する。
- ウバウゾーとの戦闘に苦戦するスパイシー達4人。ブラックペッパーが倒れてしまいプレシャス達4人で加勢するもバリアで防がれてしまう。「諦めなさい!」と発言するセクレトルーに「絶対に諦めない!」と意気込むプレシャス、ブラックペッパーも「クックファイターでも……プリキュアでもない……けど……気持ちは誰にも負けない!」と再び立ち上がった。
- 「まだだ!プリキュアの力はこんなもんじゃねえだろ!」とブラックペッパーに励まされ、「あたし達5人なら!」と意気込むプレシャス。プリキュア4人とブラックペッパーの5人のキックでウバウゾーのバリアを打ち破った。「今だ!」と叫ぶブラックペッパー、最後はプリキュア4人のマイライトデリシャスでウバウゾーを浄化した。
- 戦闘後、ブラックペッパーは元の拓海の姿に。「はわ~」「拓海先輩?」「品田がブラペだったのか?」と驚きを隠せないスパイシー達3人に「驚きよね、私もびっくりよ」とローズマリー。一方、プレシャスは「あたしも・・・」と何か言いかけた瞬間、突然号泣してしまう。拓海が身を挺して自分たちを助けてくれていたこと、だがそれ故に今まで拓海が危険な目に遭っていたことなどから、喜ぶべきか悲しむべきか感情がぐちゃぐちゃになってしまったのかもしれない。好きな女の子を泣かせてオロオロする拓海にフィナーレも呆れ顔。
- 和実家に戻ってきてもまだ泣き止まないゆい。拓海からおむすびを手渡されとようやく泣き止み、「デリシャスマイル~」「拓海がブラペであたし嬉しいよ、これからもよろしくね」拓海を励ました。
- 翌日、スペシャルデリシャストーンの修復のため旅立つ拓海とローズマリーと門平の3人を見送った。だが、しかし…。同時に、おいしーなタウン以外の日本国内はもとより世界各国においてスピリットルーによるレシピッピ狩りによってレシピボンのデータは満杯になろうとしていた。ブンドル団の大攻勢のカウントダウンが刻々と迫っていた…。
■第41話
- 前回のあらすじでブラペが拓海だったことを嬉しそうに話すゆい。
- クリスマスパーティ用に準備された料理を前に「ちょっと味見を…」と手を伸ばそうとして、「おっと、つまみ食いは禁止!」とあきほに止められる。
- その頃クッキングダムでは、突如現れたスピリットルーとミニスピリットルー達によって、クッキング王とクックイーンが囚われの身となっていた。セルフィーユは、以前セクレトルーが侵入した時に潜ませておいたものと気づくが、時すでに遅く王と王妃を人質に取られては手も足も出せない。頼みの綱のフェンネルの姿もなく、クッキング王は「フェンネルはどこで何をしておるのじゃ~!」と叫ぶが、当のフェンネルは密かにおいしーなタウンを訪れていて、ジンジャーが残したというほかほかハートの蓄積装置を探していた。
- 久々に父のひかると一緒にスケートを楽しむゆい。その父娘の姿を、フェンネルが見つめる。彼の脳裏には、師匠のジンジャーからいろいろな事を教わり、彼に憧れた幼い頃の日々が甦っていた。ジンジャーがおいしーなタウンを訪れた時の話を聞きたいというフェンネルを、ゆいはパーティに誘う。
- いよいよパーティが始まり、「デリシャスマイル~!」と激しく奇妙な動きをしながら多数の皿に次々手を付け、料理を堪能。一方フェンネルは、轟と会話するひかるが「パーティの御馳走もいいが、小さい頃のゆいが懸命に作ってくれたおむすびの味が忘れられない」と言うのを聞き、シナモンが新たに弟子に加わり、仲良くおむすびを分け合って食べた事を思い出すが、その顔は暗く、握った拳が震えていた。そっと会場を抜け出した彼は「蓄積装置はさておき……決めた、最後はあの料理にしよう」と心の中で呟く。
- しかし彼の姿がいつの間にか消えていたのに気付いたゆいが後を追ってきた。持参したおむすびを手渡し、「これ、うちのおむすびです。フェンネルさんに食べてもらいたくて。ジンジャーさんも大好きだったんです」と、言うゆいだったが、「あぁ…そうだろうな」と答えるフェンネルの暗い影には気付かなかった。更にゆいの手からそのおにぎりが消えた。
- セクレトルーを追い詰め、「もうやめて、お願い!」と訴えるが、最後のレシピッピを何としても手に入れたいセクレトルーは「わたしはわたしの任務を完璧に遂行するまでです!」とゴッソリウバウゾーを召喚する。ローズマリーが不在でデリシャスフィールドを展開できないため、一同は変身してこの場で戦闘開始。
- ポップコーンメーカー型ウバウゾーの広範囲爆撃に手こずりながら、何とか勝機を見出したプリキュアだったが、髪をほどき、激情を露わにしたセクレトルーが、「…って言うか、勝ってこそ完璧だっつうの!」と自ら光線鞭を繰り出してプレシャスの攻撃を阻む。「おのれキュアプレシャス!わたしの邪魔をするな!」とヒステリックに叫ぶセクレトルーに、「セクレトルー…どうしてそんなに苦しそうな顔をしているの?」と尋ねるプレシャス。しかしセクレトルーはますます怒り狂い、「黙れ!わたしの完璧を…わたしの積み上げてきたものを奪う気か!これでわたしは完璧になれる!わたしは間違ってなどいない!」とプレシャスを電撃で攻め立てる。
- だがプレシャスは「違う!みんなの大切な物を奪う事じゃ、笑顔になんてなれない!」と反発し、パワーで光線鞭を振りほどいて反撃し、ウバウゾーを倒した。おむすびのレシピッピが戻ってきて一件落着……と思いきや、フェンネルがそのレシピッピを捕えた。驚くプレシャス達を、フェンネルは黒いスペシャルデリシャストーンで攻撃し、大ダメージを負った一同は変身解除に追い込まれてしまう。邪悪な笑みを浮かべたフェンネルはとどめを刺そうとするが、辛くも間に合った門平ことシナモン・ローズマリー・ブラックペッパーが割って入った。
- シナモンの顔を見たフェンネルは怒りに顔を歪めて「貴様ーー!!」と叫ぶや、その姿は黒く禍々しい装束に代わっていた。恭しく片膝を突いたセクレトルーが「お手を煩わせました。我がブンドル団の団長・ゴーダッツ様」と一礼する。フェンネルこそが、ゴーダッツの正体だったのだ。驚愕の真実を前に愕然となる一同に対し、すでにクッキングダム王宮を制圧していたフェンネル……いやゴーダッツは勝ち誇る。「今更のこのこ現れてももう遅い。20年の時をかけ、わたしは既に強大な力を手に入れた。この2つのスペシャルデリシャストーンと、大いなるレシピボンの力で、料理も、この世界も、全てを我が手に入れて見せよう!」心身ともに打ちのめされたゆいは、「そんな…」と口にする事しかできなかった……。
■第42話
- 「僕に濡れ衣を着せ、クッキングダムから追放したのは…フェンネル、お前だったのか!」「クッキングダムと連絡が取れないのもあなたの所為なの?フェンネル」と門平やローズマリーに問い詰められても、フェンネル…いやゴーダッツは「その名はもう捨てた。わたしはゴーダッツ!」と冷たく言い放つ。
- 「スペシャルデリシャストーンは全てわたしが受け継ぐはずだった。それをシナモンが奪おうとした。だから消した。当然だろう」と、シナモンを罠に嵌めた動機を明かすゴーダッツ。師匠であるジンジャーの判断も、強大な力であるスペシャルデリシャストーンは1人に持たせるのは危険と考え、ローズマリーに半分託したクッキング王の深慮も全て、ゴーダッツにとっては自分から力を取り上げようとする邪魔立てとしか思えなかったのだ。冷蔵庫型ゴッソリウバウゾーを誕生させて一同を始末しようとするゴーダッツに、門平とローズマリーは立ち向かう。
- 一進一退の攻防の中、門平はウバウゾーの攻撃からゆい達を庇って倒れた。門平とブラックペッパーの能力で快復したゆい達は再変身してウバウゾーを浄化したが、いつもならレシピッピが解放されるはずなのに、捕獲箱が割れない。その隙にセクレトルーがローズマリーに飛び掛かり捨て身の攻撃を放つも、彼女の方が先に力尽きた。ゴーダッツはそんなセクレトルーを一瞥する事すらなく、空間転移ゲートを開いて退却してゆく。怒りに燃えるブラックペッパーが後を追い、プレシャスとローズマリーも続いて転移ゲートに飛び込んだ。
- ブンドル団アジトの通路をひた走るブラックペッパーの腕を掴んで引き留め、「待って!」「落ち着いて!あたしと一緒にフェンネルさんに会おう」と説得するプレシャスだが、ブラックペッパーは「放せ……」「落ち着いてなんていられるか!父さんは…故郷のクッキングダムを本当に大切に思っていた。だから父さんは故郷を守るクックファイターの使命に誇りを持っていたんだ。なのに、あいつが…ゴーダッツが父さんの大切なものを奪った!俺はあいつを許せない!」と目に涙を浮かべながら怒りと悔しさをぶちまけると、プレシャスを振り切って行ってしまった。ブラックペッパー=拓海の「そんな顔初めて見た」とプレシャスはしばし茫然となるも、ローズマリーとコメコメに「ゴーダッツに対抗出来るのは私のデリシャストーンだけ、あなたは彼を……」と励まされて気を取り直す。
- アジトのメインルームまでやって来たブラックペッパーに対し、「お前はデリシャストーンに選ばれた。その力、私の元で生かしてはどうだ?」と誘い水を向けるが、無論ブラックペッパーが受け入れるわけがない。父を侮辱され、「お前が父さんを語るな!」と怒りのまま殴りかかろうとするブラックペッパーの前に、プレシャスとローズマリーが駆け付けた。しかし、ローズマリーとゴーダッツの戦いに「ゴーダッツは俺が!」と加わろうとするブラックペッパーを、プレシャスは両手を広げて通せんぼした。
- 「どけ!」「どかない!これ以上行かせない!」「俺はあいつを倒さないといけないんだ!」「違う!みんな誰かを傷つける事じゃなく、守りたいから立ち向かうの!シナモンさんもマリちゃんもあたし達も…拓海だって!」とプレシャスの必死の訴えに、たじろぐブラックペッパー。その間にローズマリーとゴーダッツが相討ちとなって倒れたため、ブラックペッパーはゴーダッツにとどめを刺そうとするが、プレシャスは再びその手を掴んで制止する。「やめて!フェンネルさんだって、きっと自分が間違ってたって気付いてくれるはず!だってシナモンさんやマリちゃん達と同じ釜を食べた仲間だもん!」とあくまでもフェンネルとして彼を信じようとするプレシャスの真摯な瞳に、ブラックペッパーも攻撃の手を止めた、が……。
- そんな思いを踏みにじるがごとく、倒れていたはずのゴーダッツの攻撃でブラックペッパーは打ち倒される。やられたふりをしていただけだったのだ。気を失って変身解除した拓海を「甘く、どこまでも愚かだ」と嘲笑い、「どうして…ジンジャーさんだって望んでないよ!」と抗議するプレシャスにも、ゴーダッツは憤怒の顔で「お前がジンジャーを語るな!お前に何がわかる?お前はただ自分が信じたいものを都合よく信じようとしたに過ぎない。わたしは何も間違っていない。お前の自分勝手な想像を押しつけた結果が今だ」と非情な言葉を突き付ける。
- 自分が甘い考えで攻撃をやめさせたために、拓海が傷つき倒れたという現実に、プレシャスは愕然となる。ローズマリーが「プレシャス、そんな言葉に耳を貸しちゃダメ!」と叫ぶが、ゴーダッツは圧倒的パワーで容赦なく攻撃を加え、遂にプレシャスも変身解除に追い込まれ絶体絶命。その時、コメコメが力を振り絞って「オムスビヒャッコハムチャデッセー!」と空間転移の呪文を唱え、ゆい達は命からがらゆいの部屋に転送されて難を逃れた。だがゴーダッツは、ゆいにとって大事な存在だったおむすびのレシピッピをレシピボンに捧げ、レシピボンの力を発動させていた。「レシピボンに力は満ちた。さあ、全てのレシピッピを引き戻し、閉じ込めるのだ」ゴーダッツの野望が遂に世界に襲い掛からんとしていた。
■第43話
- 拓海は傷つき倒れ、コメコメもエナジーが溜まっていないのに移動能力を使ったせいで床に伏してしまった。ゆいは胸が締め付けられる思いだった。
- 「セクレトルーのスペシャルデリシャストーンとわたしのを使えば、ゴーダッツの元まで飛べるかもしれない」と考えたローズマリーは、芙羽家で安静中のセクレトルーのところへ向かうが、あいにくその石にはゴーダッツの持つ完成品ほどの力はなかった。ローズマリーは「悪かったわね、ちゃんと休息を…」と声を掛けるも、「そんなもの!完璧でなくてはいけないのです!そうでなければ全て失うっつうの…!」と、セクレトルーはこの期に及んでまだ『完璧』にこだわっていた。そんな彼女を「志は高くていい。でも笑顔を忘れるほどに囚われて、道を見誤ってはダメ。自分のした事とちゃんと向き合いなさい」と優しく諭すローズマリー。
- ところがその言葉は、罪悪感に苛まれるゆいの心には、全く違う解釈で突き刺さった。自分のした事と向き合う……自分のせいで拓海が傷ついた……全部あたしのせい……いたたまれなくなったゆいは、部屋を飛び出してしまう。
- 噴水の前で「あたしのせいだ!……あたしのせいで拓海もコメコメも傷ついた!あたしが…傷つけ……!」とゆいは声を張り上げて泣き崩れた。(スカート濡れてるぞ……)
- その姿を見たここね・らん・あまねは「こういう時は!」「食べよう!」「ゆい、美味しいぞ」と大量のロールパンサンドを用意(大きなバスケットに1人あたり12個…!)。だが、いつもなら真っ先に手を伸ばすゆいはあまりのショックで食欲がないのか、泣き腫らした顔でうつむいたまま。
- ローズマリーは微笑んで「わたしもね、上手くいかなくて自分の事が嫌いになった時があったわ。どうしても似合うメイクができなくて、何度もやめようと思った。でも…上手くいかなかった時間があるから、今のわたしがあるの。失敗しても迷いながらチャレンジし続ける事で、生まれる自信もある。はい、ゆっくり考えて」と少年時代の自分を語りながらロールパンサンドを差し出した。それを頬張りながらも(2個目は何と一口でペロリと!)、「美味しい…でも…しょっぱいよ~!」と子供のように鼻水まで垂らしながら、再びゆいは泣きじゃくる。おばあちゃんも「いいのよ、そういう味も知って大人になっていくんだから」と天の上からゆいを見守っていた。
- その時、ハートキュアウォッチから今まで聞いた事がない激しいアラーム音が流れたかと思うと、ロールパンサンドやキッチンの食材が消え失せた。それだけではない。『ぱんだ軒』からはラーメンが、『フルーツパーラーKASAI』にてゆあんとみつきの前からはパフェが、『レストラン・デュ・ラク』からは料理が、そしておいしーなタウンを含む日本国内はもとより世界中からありとあらゆる食べ物が消えてしまった。レシピボンが全てのレシピッピを回収した事により、この世の食べ物は全部ゴーダッツの手に落ちたのだ。
- しかしなぜか、みんな『どんな料理があったか』は忘れてしまっているのに、『料理というものがあった』という事だけは覚えていた。「その方が都合がいいから…!」ローズマリーはゴーダッツの目論みに気付く。料理が存在したという記憶しかなく、どんな料理があったのか思い出せなければ、人々の喪失感は高まり、それに加えて、やがて訪れる空腹によって世界をたやすく屈服させてしまおうというのだ。
- ブンドル団アジトの空中要塞がおいしーなタウン上空に出現し、ゴーダッツは立体映像で制圧したクッキングダムや世界中の人々に宣告する。「わたしはゴーダッツ。お前達が生きるために食べてきた料理は全てわたしの物となった。わたしに従えば、生きるだけの食べ物は与えよう。逆らうならば…格別な絶望を与えよう!生きたくば、わたしに従え!」さらにミニスピリットルーの大群が人々を襲い始めた。
- ゴーダッツの卑劣なやり口に怒りを燃やしたここね・らん・あまねは、一刻も早くレシピボンを奪回すべく変身するが、ゆいはコメコメがいなくては変身できない上に、まだ立ち直れていなかった。パムパムに「コメコメが元気になるまでゆいは待っててパム」と声を掛けられてもたちまち涙を浮かべ、「ごめん!…でも…今のあたしじゃ変身しても…」とすっかり意気消沈のゆい。しかし彼女を囲み、スパイシー・ヤムヤム・フィナーレは肩を組んで円陣を作った。「待ってて、ゆい」「レシピボン、絶対取り戻してくるから!」「その時は笑顔で迎えてくれるとうれしい」と3人は笑顔を見せる。そして「大丈夫、誰かのために頑張る心は、いつだって無敵よ、ねっ?」と締めくくったローズマリーに率いられ空中要塞へ突入する一同を、ゆいは見送った。
- 『なごみ亭』の前で立ち尽くすゆいの前に回復した拓海が現われた。デリシャストーンが身代わりになってくれたおかげで、軽傷で済んだらしい。「ごめん!ごめんなさい、あたし…!」と懸命に詫びるゆいの肩にそっと手を置くと、拓海は「謝んなよ。俺こそ、よねさんに謝らなきゃいけないのに。『味付けに迷ったら、大切な人の笑顔に答えはある』…お料理教わった時に言われたのずっと忘れてて…」と、おばあちゃんの言葉を引き合いに出した。奇しくも時を同じくして、はつこもセクレトルーに対して同じ言葉を口にしていた。答えは大切な人の笑顔に……。
- 「でもあの時、思い出したんだ。これで本当に大切な笑顔を守れるのかって…そう思ったら、答えはすぐに見つかった!」それを聞いたゆいの心に、ここね・らん・あまね・コメコメ・ローズマリー・おいしーなタウンの人々、そしておばあちゃんの笑顔が浮かび上がった。「答えは…大切な人の笑顔にある……」反芻するように呟いたゆいの表情に、力強さが甦る。「あたし、やっぱりみんなを笑顔にしたい!美味しい笑顔で満たしたい!」遂に復活したゆいの姿に「あたしの言葉もまだまだゆいちゃんを元気づけられた、よかった!」と、おばあちゃんも感激ひとしお。
- そこへミニスピリットルーが襲来したため、ゆいは両親の所へ駆け付けるが、2人は電気釜で調理しようとしていた『何か』を思い出せずにいた。ここね達から連絡があったらしく安堵しながら、「ゆいのお友達はみんないい子だね」「よねさんがつけた名前がよかったのかな」と言う2人。ゆいは初めて、おばあちゃんが自分の名付け親である事を知った。
- 「人と人、思いと思いを結ぶ人になれますようにって」「そう言えばよねさん、同じ意味を持ったお料理があるって言ってたよな」両親の言葉に、ゆいはその料理の名前を思い出した。「人と人…思いと思いを…おむすび!」それと同時に、店内の招き猫がまばゆき輝いたかと思うと、無数のおむすびと米俵が飛び出した。かつてジンジャーが万一の為に残しておいたほかほかハートの蓄積装置とは、この招き猫だったのだ。みんなにおむすびの記憶が甦ると共に、コメコメも元気になった。
- 「ごめん!苦しい思いさせて…」と謝るゆいに、コメコメはおむすびを差し出した。「コメコメはゆいの笑顔が大好きコメ!」おむすびを分け合って頬張り、「デリシャスマイル~!」と笑顔で完全復活したゆいとコメコメはプレシャスに変身。「お前ならできる、信じてる!」と拳を突きだした拓海に「ありがとう」とグータッチで応えたプレシャスは空中要塞へと向かう。眼下の街では、おむすびのおかげで飢餓と服従から救われた人々の笑顔があふれていた。「みんな分け合って食べてるコメ」「うん!ジンジャーさん、あなたの思い…結ぶから!」2000キロカロリーパンチで加速したプレシャスは仲間達の元へと急ぐ。
■第44話
- ゴーダッツと激闘を繰り広げるローズマリー達。ゴーダッツの攻撃がローズマリーとフィナーレを襲おうとした時、「プリキュア・プレシャス・トライアングル!」プレシャスが駆け付けた。「みんな、お待たせ!」立ち直った彼女には、力強い笑顔が戻っていた。「フェンネルさん、あなたを止める!」と言うプレシャスにゴーダッツは「身の程知らずの傲慢さは、全てを失わないとわからんか」と忌々しげに言い返すが、「何度失敗してもかなわなくても、守りたいものがあるから…みんなを信じて、自分の思いを信じて……あたし、もう立ち止まらないよ!」と声高らかに叫んだ。
- それに応えるかのように、ほかほかハートの力でたくさんのおむすびが現われた。一同はそのおむすびを「いただきます!」と食べ、「よかろう、スペシャルデリシャストーンの真にふさわしい者の力を見せてやる!」とゴーダッツが言い放つ間に完食して「ごちそうさまでした!」と合掌するという、最終決戦としては若干シュールな絵面を挟みながらも、戦いの火蓋は切られた。
- しかし戦いの最中、ほかほかハートが次々と消えていった。ほかほかハートが、ジンジャーの残した蓄積装置から生み出されていると気付いたゴーダッツが、ミニスピリットルーを使って、おいしーなタウン中から蓄積装置を奪ったからであった。『なごみ亭』だけでなく、街の随所のお店に置いてある招き猫が全て蓄積装置だったのだ。おいしーなタウンのシンボルである招き猫も奪われ、空中要塞の底深く沈められた。
- 「ジンジャーさんがどんな思いであの装置を作ったか、あなたなら想像できるでしょ!?」というプレシャスの必死の訴えも、「他人に向けた思いなど、わたしには関係ない!」と突っぱねるゴーダッツは、2つのスペシャルデリシャストーンを融合させて、自らを巨大な怪物に変貌させた。その猛威の前にはMIXハートアタックもデリシャスフィナーレ・ファンファーレも通用せず、プリキュア達は変身解除に追い込まれてしまった。
- 「お前達は永遠にわたしにはかなわない。スペシャルデリシャストーンの強大な力を使いこなし、全てを奪い手に入れるのはこのわたしだ!」と勝ち誇るゴーダッツ。しかし「そんな事…させない!ここにある思いは絶対に奪えない!あたし、諦めないよ!」とゆいは不屈の闘志で立ち上がる。それは他のみんなも同じだった。
あまね「自分が望む未来を作るためにあがき続ける!」
ここね「力を合わせればきっとできる!」
らん「絶対どこかに道は開けるもん!」
ゆい「ごはんは笑顔!」
4人「絶対取り戻す!」
- ゆい達と、レシピボンにて幽閉されている世界中のレシピッピの思いが共鳴した時、レシピッピスタンプに込められたありがとうの気持ちとほかほかハートが合わさって、蓄積装置の真の力が目覚めた。空中要塞内に沈められた招き猫や巨大招き猫が復活しただけでなく、おいしーなタウンでまだ奪われていなかった招き猫が動き出して、ミニスピリットルーを撃退し始めたのだ。
- その混乱の報告が、クッキングダムを制圧中のスピリットルーに届くも、「招キ猫ガドウシタデゴワス?…モシモーシ?」と会話中にミニスピリットルーがやられたためか、通信が途絶した。その様子を牢獄内から見ていたナルシストルーは、「通信機の故障か?オレ様が直してやろう」と助け船を出す。スピリットルーは何の疑いもなく「タノムデゴワス」と通信機を手渡すが、ナルシストルーの怪しい笑みには気付かなかった。
- 「今更、猫に何が…!」と苛立つゴーダッツに一撃を見舞った巨大招き猫からはジンジャーの立体映像が映し出され、「次世代の者達よ!『ごはんは笑顔』!みんなの笑顔を守るのにゃ!」という、笑顔のジンジャーのメッセージが再生された。生前のジンジャーは、何者かが未来に向けて悪しき計画を立てていることを察知してこのような用意をしていたのだが、その黒幕が自分の弟子のフェンネルだとは予測などしていなかった。それでも、この映像を見せられたフェンネル=ゴーダッツは激しく動揺する。まるでジンジャーが「フェンネルを倒せ」と皆にけしかけているかのようであったし、なぜこんな重要な事を自分には一言も教えてくれなかったのか……。
- ゴーダッツは「なぜ…なぜ…他の者ばかりを!認めぬ!」と怒りに震えながら、巨大招き猫を叩きのめす。その間に門平とブラックペッパーが現われ、ゆい達の傷を癒した。ほかほかハートのおかげで、拓海の壊れたデリシャストーンは直り、再び変身できたのだ。巨大招き猫を退けて「終わりにしてやる」とゴーダッツは叫ぶが、今度は世界中から集結した招き猫がゴーダッツを阻む。門平が世界中にお土産として残してきた招き猫だった(そこには、マイラ王女やケットシーの姿も)。ゴーダッツはミニスピリットルー達に命じて排除させようとしたが、ミニスピリットルーは機能停止して地面に転がる。
- そしてハートキュアウォッチからナルシストルーの声が聞こえてきた。「スピリットルーは返してもらったよ。元々はオレ様が作ったものだ。コントロールはお手の物さ」本体のスピリットルーがナルシストルーに制御された事で、ミニスピリットルーも全て機能停止し、クッキングダムは解放された。ローズマリーの「あんた、いいとこあるじゃない!」という声に照れたのか、「お前達のためじゃない!オレ様からゴーダッツへの餞別だ!」とムキになってナルシストルーは言い返す。
- 「ウウッ!捨て駒の分際が!」祖国の制圧も失敗し、元部下にも裏切られ、怒り狂うゴーダッツを前に、ゆい達は再変身。ゴーダッツは猛攻を繰り出すも、招き猫や巨大招き猫が身を挺してプリキュア達を庇った。プレシャスが招き猫の一つを抱き締めると、「いただきます」「ありがとう」「美味しい」「ごちそうさまでした」という、人々の思いが伝わってきた。プレシャスは「ほかほかハートがね、お料理への感謝の気持ちから生まれるように、この招き猫の広がりも『ありがとう』から生まれたんだよ。『ありがとう』って言うと、胸が温かくなる……だって『ありがとう』は心の熱々ごはんだから!」と感じたままの言葉を口にした。それを聞いたゴーダッツの動きが止まる。
- そしてプレシャスはスパイシーに「ありがとう、あたしは一人じゃない」、フィナーレに「ありがとう、どんなに苦しい事があっても…」、ヤムヤムに「ありがとう、自分を信じて…」、そしてローズマリー・ブラックペッパー・門平にも「ありがとう、笑顔で歩いていけるその勇気をくれる…」と、仲間一人一人に感謝を述べた上で、改めてゴーダッツに向き直り、「『ありがとう』にはそんな力がある。たった一人から始まった温かい思いが、たくさんの人を繋いだ。『ありがとう』を重ねて結ばれたこのバトンは誰にも奪えない!」と微笑んだ。
- 圧倒されたかのようにその言葉に聞き入っていたゴーダッツは我に返り「利いた風な口を叩くな!」と叫ぶが、プレシャスは「ううん、これはあたしが感じて考えた事。あたし自身の言葉。フェンネルさん!ジンジャーさんを大切に思っているあなたなら、ジンジャーさんの思いを受け取れるはずだよ!」と返す。今までおばあちゃんの残してきた言葉を受け継ぎ、伝えてきたプレシャスは今、自分の力で言葉を紡ぎ出したのだ。
- 「ジンジャーはもういない…貴様の思い込みだ!」と言われても、「そうかもしれない…でも…たとえもう会えなくても、交わした言葉から思いは受け取れる」と諭すプレシャス。おばあちゃんが亡くなった時は悲しかった。しかしその言葉を覚えている限り、思いは消えない。フェンネルの中にもジンジャーに対する思いがあるからこそ、きっとわかってくれるはず……。
- だが、それを聞いている内にスペシャルデリシャストーンが暴走し、ゴーダッツは苦しみ始める。「なぜだ…なぜわたしの物にならない!わたしを選ばない!」咆哮はいつしか慟哭に変わり、その目からは涙が流れ落ちていた。かつての友の痛々しい姿にローズマリーも涙する。しかし悲しき雄叫びを上げ続けるゴーダッツからは理性が失われつつあった。もう止める事はできないのだろうか?
- するとその時、招き猫に乗ってセクレトルーが現われ、「そんな事はありません。あの方の作り出したスペシャルデリシャストーンは暴走して不安定です。強い衝撃を与え分離さえできれば浄化できるはず」と助言を与えた。「セクレトルー!?」「あなたがどうして…」と驚くプレシャスやフィナーレに、「…って言うか、自分が本当に笑顔になれる未来を選んだだけっだっつーの!」とそっぽを向く彼女だったが、その贖罪の気持ちと、前向きに生きる気力を取り戻したという事は、プリキュア達に十分伝わった。
- 「取り戻そう、みんなの笑顔!」と、再びプリキュア達はゴーダッツに挑む。「ゆいちゃん、頑張って!」と空の上から声援を送るおばあちゃんに「うん、ありがとう!」と答えたプレシャスはみんなからエネルギーを受け取って渾身のおなかいっぱいパンチを炸裂させ、ライト・マイ・デリシャスで遂に巨大ゴーダッツを浄化した。
- 分離した黒いスペシャルデリシャストーンは砕け散り、ゴーダッツはフェンネルの姿に戻ったが、その姿は浄化の光の中に呑まれてゆく。「フェンネルさん!」プレシャスは招き猫に乗って、その光の中へ突入した。世界は救った。後は彼の心を救わなくては……。
■第45話(最終回)
- プレシャスはフェンネルに追いつくが、その姿は子供に戻っており「師匠…どうしてボクだけを見てくれないの?」と泣きじゃくっていた。師匠の愛を独り占めしたい、それが彼の願いだったのだ。プレシャスはフェンネルに語り掛ける。「ジンジャーさんはあなたの笑顔も守りたかったんだと思う。あたしもフェンネルさんの笑顔が見たい。今すぐじゃなくていいから、いつか…」
- するとプレシャスが乗ってきた招き猫の手が動き、フェンネルの頭を撫でた。懐かしい師匠の笑顔が、声が脳裏に浮かび、再び大人の姿になったフェンネルはようやく気付く。自分が解ろうとしなかっただけで、いつでもジンジャーの愛が注がれていたという事を。プレシャスが「おむすび、どうぞ」と差し出すと、おむすびのレシピッピが現われ、フェンネルの手を引っ張っておむすびへと誘った。
- それを手に取って、ジンジャーの温もりを思い起こし、目を潤ませながら「温かい…」と呟くフェンネル。それと共にレシピボンの封印が解け、レシピッピ達が解放されると、街中に料理が戻った。
- お料理が戻った事をお祝いして、おいしーなタウンをあげてのお祭りが開かれる。閉店していた店も元通りになった。『フルーツパーラーKASAI』では、あまねは家族総出で接客に大忙し。山倉もえも来店。『ぱんだ軒』では、父は屋台、母は店内で接客を担当、りんとるんもお手伝い。元「はごろも堂」店主松山咲枝と「鉄板ふじの」店主藤野タカオ・みやこ夫妻、タテモッティこと館本飯菜、高木晋平と小林りゅうじ、くまモンも来店。らんは新たなおかもちで出前へ向かう。『レストラン デュ・ラ・ク』では、轟と両親は接客、ここねはピタパンサンドを振る舞っていた。テレビ電話でマイラ王女と対話、そこにはサンザー王子の姿もあった。『なごみ亭』ではあきほ考案のベジタブル丼が大好評。危うく品切れになるも拓海が補充、ゆいは呆れられる羽目に。それら笑顔が溢れる人々を見つめながら、ローズマリーは淋しげだった、エネジー妖精達共々、クッキングダムへ帰らなくてはいけないからだった。
- クッキングダムへ行き、クッキング王にレシピボンを届け、称賛の言葉を受けるプリキュア達。だが、「コメコメ・パムパム・メンメンもよく頑張ったの。これからはこのクッキングダムでレシピボンを守っておくれ」という王の言葉を聞いてはっとなった。ローズマリーやコメコメ達は本来はそれが役目。ゆい達は別れの時がやってきたのを知る。
- お祝いの超巨大ケーキが運ばれてきたが、大き過ぎて蝋燭の火を点ける事ができない。そこでゆいは「あっ!いい事思いついた!」とプリキュアに変身し、ライト・マイ・デリシャスで火を点けるという職権濫用?に出る。ブラックペッパーが視聴者に代わって「そんな使い方あり!?」とツッコミを入れた。この時、コメコメに続き、パムパムとメンメンも子供の姿に変化した。
- 元の人格が復活し、甲斐甲斐しく働くスピリットルー、「ガンバル!ガンバルー!」とシュプレヒコールを上げるセクレトルーとナルシストルー、そして無言ながらもローズマリーの差し入れに何かを思うフェンネル…。ブンドル団の面々も改心して新たな道を歩み始めようとしていた。そしてローズマリーはゆい達を花畑に集めて感謝と別れを告げる。そこにはピンク・青・黄色・紫の4色の花(プリキュア4人のイメージカラー)が咲き誇っていた。
- 「わたし、子供の頃からよくここでプリキュアの事を考えていたの。おとぎ話のように語られていた伝説の戦士。世界の危機に立ち向かうという重い使命を持つとされていた…そんな大変な使命があるなんて、突然プリキュアになったみんなにどうしても言えなくて…ごめんなさい。でも憧れのプリキュアとレシピッピ達を守る事ができて、不謹慎かもしれないけど、わたしとても幸せだった。プリキュアのように強く美しい存在を目指していたから。わたしの想像をはるかに超え、あなた達は強くたくましく輝いていた。言い伝えのプリキュアがどんな人か知らない。ただ、わたしにとってはみんなこそが唯一無二、伝説の戦士プリキュアよ!最後にお礼を言わせて。みんな、お料理を救ってくれて本当にありがとう。フェンネルを最後まで信じてくれてありがとう」と嘘偽り一つない、心からの言葉だった。
- ゆいも答える。「マリちゃん…あたし達こそありがとう!大変な時もあったけどプリキュアになれてよかった!笑顔が広がってありがとうの心がつながれば、どんな事が起きても乗り越えられる。これからもずっとずーっと、『ごはんは笑顔』を守りたい!」「大丈夫コメ、ゆいが言ってたコメ…会えなくても交わした言葉から、思いを受け取る事はできるコメ。だから…コメコメは淋しくないコメ!」そう言いながらも大粒の涙を流すコメコメを、ゆいも涙を浮かべながらぎゅっと抱き締める。「コメコメがくれた幸せの味、あたし忘れないよ。今はお別れだけど、でも…また必ず会える。」
「ありがとう、コメコメ……またね!」
エピローグ
- そして季節は流れ、2023年春。ゆいと拓海の2人きり(かなりいい雰囲気)。いつものようにおむすびを「デリシャスマイル~!」と頬張りながら、「あたし、いつか世界中の招き猫に会いに行きたい。拓海も一緒に行かない?」とゆいに言われて、「えっ?2人で?」とドギマギする拓海だが、すかさず「ここねちゃん達も誘って一緒に行こうよ!」と続けられ、拓海はズッコケる。
- …と思われたが、ゆいの口から「拓海を1番最初に誘いかった」という言葉が…。これはもしかしたら貴重な一歩かもしれない。
- そこへここね・らん・あまねが現われ、みんなでランチ会の買い出しに出発。「拓海も行こう」と彼の手を強く握りしめて引っ張り、にぎやかに笑い合うゆい達の姿を、おむすびのレシピッピとおばあちゃんの写真が見守っていた。「これからも美味しい物を一杯食べて、たくさんの笑顔を重ねてちょうだいね。その先には素敵な明日が待っているから…」
おまけCパート
- クッキングダムを訪れるに当たり、メッセージカードを書こうとするが、あいにく誰も筆記用具を持っていなかった。そこへ通りかかった一人の少女が「よかったらどうぞ!」とペンを貸してくれた。「これお礼にどうぞ」とスイーツボックスをゆいが差し出し、受け取った少女のお腹が「グ~」と派手に鳴ったので、ついでに「こっちもどうぞ。『ごはんは笑顔』!」とおむすびもサービス。
- 「その言葉素敵ですね!手帳にメモします!」と生真面目に書き取った少女は笑顔で走り去り、ゆいは「爽やかな子だね」と見送った。彼女の名前はキュアスカイことソラ・ハレワタール。新たな物語がもうすぐ始まる……。
特別出演
映画
- 東映アニメーションの不正アクセス事件で第4話のおさらいセレクションに続き、3週に渡っての映画を放送。
- 第2週目ではプリキュア全滅の危機に次回が気になってしまい、「おむすび10個しか食べれないよ~」と発言し、スパイシーから「十分だよ」と突っ込まれた。
- まさかの30分後ではドデカいおにぎりを頬張るヒロインが居たり、1時間後にはおにぎりのお話がある事で「スーパーおにぎりタイム」が誕生してしまった。
- 今回はコメコメが主人公のため準主人公枠。
- おいしーなタウンににお子様ランチのテーマパーク「ドリーミア」が突如として出現する。様々な料理とアトラクションを満喫するゆい達。コメコメたちは園長のケットシーにお子様ランチをごちそうして貰う等楽しく遊んでいた。
- ところがローズマリーがぬいぐるみにされてしまう等園内に異変が発生する。何らかの秘密があると感じたゆい達はプリキュアに変身して立ち向かう事になる。
- 本作では、映画限定フォームであるお子さまランチドレスに変身する。
- 上記の映画である『夢みる♡お子さまランチ!』の同時上映作品。今作では歴代プリキュア達と共演しないと思われていたが、まさかの先輩達と共演する事が決定。スター☆トゥインクルプリキュアのキュアスターとヒーリングっど♥プリキュアのキュアグレースとトロピカル〜ジュ!プリキュアのキュアサマーとの4世代が共演する。
- 本作の本オールスターズ映画の前作で有る上記の『オールスターズメモリーズ』の当時の55人全員と初共演。
- 予告ではソラとまなつ達と再会し、ふしぎな世界で一人の少女と出会う。
- しかし、不思議な世界に迷い込んだ事件の首謀者はアークではなく、もう1人いたのだった。
- 『キラキラ☆プリキュアアラモード』のキラキラルとのコラボレーション技でシュプリーム達を蹴散らす。
キャラクターショー
ドリームステージ
- デリシャスフィールドから異世界モチモチ王国へ飛ばされ、モチモチ王国のプリンセスであるキャロと出会い、王国の恒例行事である「モチモチお餅つきパーティー」が開催されると聞く。
- しかし、間近であるものの、他の世界では食事への感謝が見られなくなっている事から、国内でも開催について賛否両論が起きており、キャロ自身もそれについて悩んでいた。
- しかしキャロはゆいの食事を大切にする姿勢を見て開催を決意するのだった。
デリシャスパーティ♡プリキュア感謝祭キャラクターショー
- 本編最終回後、ローズマリーとエナジー妖精達が休暇でおいしーなタウンを訪れ、ゆい達は再会を喜ぶ。
- その頃、ナルシストルーは片付けを命じられていたブンドル団のアジトで『壊れたジェントルーのデータ』が入っているセクレトルーのタブレットと、まだ一つ残っていたスペシャルデリシャストーンの試作品を見つける。彼がうっかりそのタブレットとスペシャルデリシャストーンを接触させると辺りをまぶしい光が包み、新たなジェントルーが誕生したのだった。
- 新たなジェントルーはかつてのジェントルーのデータだけをコピーしたような存在であり、レシピッピ捕獲という自身のミッションを忘れていなかった。あんにんどうふのレシピッピを捕獲箱に捕らえると、ハートキュアウォッチの警告音を聞きつけてやってきたゆい達と対峙するのと同時に運命の再会を果たす。ゆい達はあまねではないジェントルーがいるという状況に戸惑いつつも、レシピッピ救出のためにプリキュアに変身する。
- プレシャスは新たなジェントルーの事を気にかけていた。二度目のウバウゾー召還の時にウバウゾー達を暴走させ、ナルシストルーから自分の「出自」を聞かされ酷く動揺する『ジェントルー』に、プレシャスは優しく声をかける。「怖かったよね…。突然世界が変わってしまって独りぼっちになったみたいに感じたのかなって…。」
- キュアプレシャスとキュアフィナーレに励まされ、『ジェントルー』は自分のあるがままを受け入れ、暴走したウバウゾー達を浄化するためにプリキュア達に協力する。
- 最終的には『ジェントルー』のスペシャルデリシャストーンの試作品の暴走の心配が無くなり、新たなジェントルーはクッキングダムで暮らすことになった。
- キュアプレシャスは『ジェントルー』の手を取りパーティーに誘う。「あなたもパーティーに来て!いっぱい美味しいもの食べよう。だって、『ごはんは笑顔』!」プレシャスと『ジェントルー』は笑い合うのだった。
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