概要
『デリシャスパーティ♡プリキュア』に登場するこの世の「おりょうり」をつかさどる、ふしぎなおいしい世界。
君主制の国家であり、国王のクッキングと女王(「王妃」でないことに注意。英語ではどちらも"Queen"で区別が無い)のクックイーン夫妻が共同君主として統治しているらしい。
住民
王族
クックファイター
クッキングダムを守護する99名(セルフィーユが加わってからは100名)の戦士たち。脅威とみなすブンドル団の情報収集等を任務としている。クックファイターのリーダーは「クックファイター・グランデ」という肩書きをもつ。
正式にクックファイターになるには試験に合格する必要があり、試験を突破すると「デリシャストーン」が授けられる。(しかしデリシャストーンは「石が使い手を選ぶ」とされており正規の試験を得ずクックファイターに選ばれることもある。)
フェンネルとローズマリーには「スペシャルデリシャストーン」の所持が認められる。
ジンジャー(声:安原義人) |
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クックファイター・グランデを務めていたフェンネルやローズマリー、シナモンの師匠。スペシャルデリシャストーンの開発者でもある。現在は故人。 |
フェンネル(声:三上哲) |
クッキングダムの王族に仕える近衛隊長。ローズマリーの直属の上司で、クックファイターの現リーダーでもある。 |
ローズマリー(声:前野智昭) |
クッキングダムのレシピボン捜索隊隊長。人間界でプリキュアのサポート役として活躍している。 |
シナモン(声:池田鉄洋) |
ローズマリーと関係がある人物。クッキングダムの裏切り者とされているが、ローズマリーとジンジャーは冤罪と主張している。現在は品田門平として素性を隠している。 |
セルフィーユ(声:津田美波) |
第29話から登場したクックファイター見習い。プリキュアを援護した功績により、デリシャストーンに選ばれクックファイターへと昇格する。 |
ブラックペッパー(声:内田雄馬) |
品田拓海がデリシャストーンの力で変身した姿。性質上クックファイターではあるが、クッキングダムに所属しているわけではない。その素性からクッキングダムの人間を警戒している。 |
エナジー妖精
コメコメ(声:高森奈津美) |
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お米のエナジー妖精で、和実ゆいのパートナー。ゆいがプリキュアに変身すると「おむすびフォーム」になる。人間の幼女にも変身(成長)できる。 |
パムパム(声:日岡なつみ) |
パンのエナジー妖精で、芙羽ここねのパートナー。ここねがプリキュアに変身すると「サンドイッチフォーム」になる。 |
メンメン(声:半場友恵) |
麺のエナジー妖精で、華満らんのパートナー。らんがプリキュアに変身すると「どんぶりフォーム」になる。 |
コメコメ一世(声:高森奈津美) |
パムパムやメンメンと共に、ジンジャーのパートナーを務めていたエナジー妖精。コメコメの前世ともいえる存在。ちなみにオス。 |
主なレシピッピ
レシピッピ達はおいしーなタウンとクッキングダムを自由に行き来している。
元住人
ナルシストルー(声:阪口周平) |
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ブンドル団の怪盗。第28話の回想にて、彼が少年時代にクッキングダムらしき場所にいる姿が描かれている。第28話でプリキュア達との決戦に敗れ投降し、現在はクッキングダムの牢に幽閉されている。 |
セクレトルー(声:木下紗華) |
ブンドル団の怪盗。本編中では彼女がクッキングダム出身かは詳細不明だったが、アニメージュ2023年3月号のインタビュー記事にて確定。 |
新たな住人
スピリットルー(声:かぬか光明) |
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ブンドル団の団員で、ナルシストルーが開発した雑用、戦闘用ロボット。第25話でナルシストルーの後任となる。 |
ミニスピリットルー(声:かぬか光明) |
ナルシストルーが開発したスピリットルーの小型ロボットたち。 |
新たなジェントルー(声:茅野愛衣) |
『デリシャスパーティ♡プリキュア感謝祭』にて、かつてのジェントルーの壊れたデータを元にスペシャルデリシャストーンの試作品から生まれた新たなジェントルーである。最終的にクッキングダムで暮らす事になる。 |
ファンタジックな「食の王国」
第29話にてクッキングダムについて様々な事が明らかになった。
国民の姿は人間界の者達と殆ど差がないが、髪色が鮮やかな者も多数存在するほか、クッキングダムの兵士達はお菓子を模した武器を所有している。
ほかほかハートを活用した技術で、様々なおかずが釣れるおかず池、おにぎりの花、わたあめの雲といった「おりょうり」で出来た地形が存在している。
ちなみにおかず池は当たり外れが大きい模様。
まさにファンタジックな「食の王国」であるが、食事やおりょうりを至上の文化とするこの王国は、それに適応できない者達にとっては住みづらい世界かもしれない…。
- 実際、アニメージュ2023年2月号のインタビュー記事内にてシリーズディレクターの深澤敏則氏は、「ナルシストルーって、クッキングダムに居場所がなくて、流れ着いたブンドル団の居心地がよかったから力を貸していたんです。」と語っている。
- アニメージュ2023年3月号の深澤敏則氏のインタビュー記事によれば、「セクレトルーとナルシストルーは二人ともクッキングダムの住人でしたが、その頃にそれぞれこういうつらい思いをしていて……というメモは企画初期に作っていました。」との事である。
- インタビュアーの「ナルシストルーもセクレトルーも食にまつわる鬱屈した思いを抱いており、二人からするとゴーダッツは『手を差し伸べてくれた人』だったわけですね。」という質問に対し、深澤ディレクターは「そういうことです。だから二人にとってブンドル団は居心地がいい場所で、特にセクレトルーは『ゴーダッツ様のためにレシピッピを奪う』という意識は強かったと思います。」と答えている。
余談
- プリキュアシリーズで純粋な異世界が登場するのはGo!プリンセスプリキュアのホープキングダム以来7年ぶりになる。(魔法界、ヒーリングガーデン、グランオーシャンは飽くまで地球発祥の異世界)元々プリキュアは2015年のゴープリまでほぼ異世界が登場していたので、今回の異世界復活は原点回帰とも言える。
- 重要アイテムを奪われこそしたが国そのものは健在な為、プリキュアと妖精だけの自助努力で賄うことが多いプリキュアシリーズにおいては久々に支援環境が充実した状態になっている。
- これまで人間タイプの異世界人が存在する異世界が登場していたシリーズでは、最低一人は異世界側からプリキュアが輩出されていたが、今作では不在で、プリキュア側は全員地球人と言う初のパターンになっている。
- 最後に、同作以外のプリキュアで異世界に王室が存在する世界観では王や王妃、女王と言った君主以外に、王子や王女、女王候補と言った後継者に当たる子息子女がいるが、同作では後者のキャラが登場せず、その理由が最後まで明かされる事が無かった。
関連タグ
プリキュアシリーズ歴代の異世界
※以降、今後の伏線注意
実はローズマリーが来る以前から、クッキングダムと地球を行き来していた人物が複数人存在していたことが示唆されている。その証拠に、
- ローズマリーがクッキングダムから支給された日本のお金。その500円硬貨が銀色(=1982年(昭和57年)~1999年(平成11年)に発行されたもの)(第2話)
- これについては、かつてのローズマリーの師匠、ジンジャーが使っていたものと思われる。ジンジャーの名前は第34話で判明。
- 拓海の父親門平が、1年前既にデリシャストーンを所持していたこと(第13話)
そして、詳細は不明だが、約20年前ある人物がブンドル団によって濡れ衣を着せられ、国を出て行方をくらます羽目になってしまった模様(第19話)。クッキングダムにも何かきな臭い面が見えてきた…のかもしれない。
また、現在のクッキングダムでも第29話でのセクレトルーの侵入、第37話でのナルシストルーの脱獄に不可解な面があったが…?
最新話のネタバレ注意!
実はクックファイターであるフェンネルはブンドル団の団長であるゴーダッツであることが明らかとなった。つまり内通者どころかプリキュアの敵のリーダーがクッキングダムにいたという事になる。
エピソード・ゼロ
かつてフェンネルはジンジャーの下でクッキングダムを守るクックファイターとしての修行に励んでいた。
フェンネルに弟弟子としてシナモンができ、後にローズマリーも加わりジンジャーの弟子は3人となる。
フェンネルは「自分こそジンジャーの後継者にふさわしい」と考えていた。しかし、最終的に3人の弟子の中で心・技・体が最もジンジャーから見て優秀であったシナモンが後継者としてジンジャーの2つのスペシャルデリシャストーンが埋め込まれたブローチを授けられた。
フェンネルは師匠に嫌われたくないので黙って『いい子』を装っていたが、その心の内にはシナモンへの激しい嫉妬心を燃やしていた。
フェンネルには悪しき知恵があった。
クッキングダムでレシピボンが盗まれる事件が発生し、ジンジャーがレシピボン捜索で国を留守にする間に、クッキングダムの調査でシナモンが犯人とされてしまう。
全てはフェンネルがシナモンにレシピボン盗難の濡れ衣を着せクッキングダムから追放させる策であった。
- 『アニメージュ』2023年3月号の記事によれば、この時フェンネル21歳、シナモン17歳、ローズマリー14歳。
ジンジャーは証拠があまりにも出来すぎているためにシナモンは冤罪なのではと考えるが、黒幕まではわからなかった。ローズマリーはまだ14歳であり、レシピボン強奪事件の内容は詳しく知らされなかった。
クッキングダムを追われたシナモンは、デリシャストーンとのリンクを切られてしまい、クックファイターとしての力を失う。シナモンは師匠であるジンジャーの助言を受けおいしーなタウンへ行くことになる。
一方、師匠ジンジャーも弟弟子ローズマリーも欺きシナモンをクッキングダムから排除したフェンネルだったが、それでもまだ望む全てを得られ無かった。
(おそらくジンジャー亡き後)クッキング王とクックイーンにより、二つのスペシャルデリシャストーンの授与が行われたが、クッキング王は強大な力であるスペシャルデリシャストーンのブローチを1人に持たせるのは危険と考え、ジンジャーの二つのスペシャルデリシャストーンが埋め込まれたブローチは半分に分かたれ、フェンネルとローズマリーに半分ずつ託された。
クッキング王の深慮も全て自分から力を取り上げようとする邪魔立てとしか思えなかったフェンネルは、自分の力を誇示し世界を支配するために、クックファイターのリーダーとしての職務の裏でゴーダッツとして怪盗ブンドル団を結成する。
クッキングダムで食にまつわる鬱屈した思いを抱えていたセクレトルーとナルシストルーを尖兵としてブンドル団にスカウトし、新たなスペシャルデリシャストーンの作成を試みるのだった。
戦いの終焉
プリキュア達と思いを繋いだ人々の力によりフェンネルもといゴーダッツの野望は潰え、レシピボンから全てのレシピッピは解放され、レシピボンはクッキングダムに戻った。
第45話にてクッキング王はローズマリーをねぎらい、シナモンに冤罪の件を詫び、公式にシナモンの名誉は回復された。そして(悪用出来ぬよう力を押さえられたものだが)ジンジャーの二つのスペシャルデリシャストーンはローズマリーとシナモンに改めて継承された。
プリキュア達とブラックペッパーも功績を称えられ、クッキングとクックイーンにお礼のケーキを振る舞われた。
自らの意思で悪事を働いたブンドル団の3人は収監され、ロボットであるスピリットルー達は配膳ロボットとして働くようになった。
デリシャスパーティ♡プリキュア感謝祭キャラクターショー
本編終了後の後日談であるデリシャスパーティ♡プリキュア感謝祭キャラクターショーによると、フェンネル失脚後ローズマリーはクックファイターのトップとして忙しくしている様子。
そしてブンドル団のアジトに残っていたスペシャルデリシャストーンの試作品から生まれた新たなジェントルーを巡る騒動の末、彼女もまたクッキングダムの住人に加わる事となるのだった。
余談
デパプリより以前のナンバリングでは『トゥインクルイマジネーションをめぐるスタープリンセスの軋轢が原因で争いがおこり、あろうことかプリンセスたちはそれの解決をほとんどプリキュアたちに丸投げし視聴者からドン引きされたスター☆トゥインクルプリキュア』・『ヒーリングアニマル内にもビョーゲンズ同様に人間を敵視している存在がおり、いずれ対決する未来もありうるという描写がされたヒーリングっど♥プリキュア』・『人魚と人間の寿命の違いのためしょうがない部分もあるのだが、人間と交流した人魚の記憶を吸い取る装置があり、それを乗り越えるという課題が残ったトロピカル〜ジュ!プリキュア』とプリキュアの味方側の暗い部分も描写されるナンバリングが続いたが、今作の騒動はフェンネルの逆恨みが原因でクッキングダムそのものは純粋に料理を味わい幸せになることが根本原理であるという暗い部分が描写されなかった勢力となった。