概要
『トロピカル〜ジュ!プリキュア』第5話にて、まなつが 「新しい部活動を立ち上げたい」と意気込み設立したグループ。
設立に向けて
当初は、やりたいことが多すぎるまなつが、「既存な部活のどれに入っても、1つの事しかできずにそれじゃつまらないから」として、「学校生活を楽しくする部」として立ち上げようとしたのだが、生徒会長の百合子から「活動内容があまりに曖昧すぎる」並びに「そもそも部室の空きがない」と部活設立申請を却下されてしまうが、あすかの助太刀、そしてみのりが候補となる倉庫を発見し、メンバー総出で片付けを行い、部室の確保に至る。
部活設立会議と申請
そこで第6話にて、みんなで部室に集合し「部活設立会議」を提案。会長から「やはり活動内容が曖昧すぎる」と却下される。
そこで、会長が納得するような具体的な活動内容を決めようと、皆から意見を募る事になる。
最初はローラの案で「メロンパン部」(ローラ曰く、トロピカルメロンパンが気に入ったとのこと)、まなつの案は相変わらず「とにかく部活全部やりたい」だった。次はみのりの提案で、「今日は何をするか」を週単位で決めたカレンダーを1年分作り上げで、それを提出すると言う作戦に出た(しかし、かなりのハードスケジュールだった)。会長からはスケジュールはともかく、「活動内容を1つに絞るように」と却下される。
仕方ないので内容を「今の部員たちがやりたいもの」に絞ると言う事になり、みんなにアンケートをとってみた。
結果、みのりの案で「読書部」(まなつが居眠りする程やりたくない)、次はローラの案で「女王様部」(演劇部の類であるのだが皆乗り気ではない)、その次はあすかの案で「ウサコと友達になるゲーム部」(eスポーツに準ずるが却下必至の為申請せず)、最後はさんごの案で「コスメ部」が挙がり、申請したものの校則に抵触すると却下され、結局なかなか決まらなかった。
そうこうしてる内に、まともな申請書を出せないまなつ達にしびれを切らした生徒会長から、「明日の夕方までにちゃんとした申請を出せなければ、設立権は剥奪する」と言い渡される。
どうしようかと途方に暮れるその日の放課後、卒業生(高月春奈(CV:松本沙羅)、友野夏緒(CV:内村史子)、桐島秋穂、原田美冬)のOG4名が来校し、前回掃除で整理してしまったペンギンの置物『ペンちゃん』を彼女らが探している事を知る。そこにペンちゃんを素体にしたヤラネーダが現れ、浄化。紆余曲折あって持ち帰る事に成功。
そのペンちゃんの中から出した宝物を、OGが見せてくれた事でまなつは「今一番大事なことをやる」と言う部活のコンセプトを閃めいた。
「『その場限りの情熱』を大事にして生きたい自分に、具体的かつ限定的な指針表明はできないし、やりたくない」と言う意思を、改めてハッキリと生徒会長に表明。
しかしそれはあやふやではなく、「1度しかない今を楽しむ部活。卒業生達がペンちゃんの中に入れたみたいに、素敵な事をいっぱい考えて、学校の皆も一緒に楽しめたらいいな」との事。要するに、活動内容は日替わりだが、一つ一つの経験を無駄にしない指針(しかし、その『活動内容は日替わり』である事が「あやふやである」として却下されてきた主な原因だが、後述の味方の協力を得て何とか受理に至る)。
生徒会長は最初こそ難色を示したものの、「まなつの説明はでたらめに等しいが、部活を真剣に作ろうとしている」と意気込みについては認め、更にまなつに助けてもらった卒業生のOG達が後押ししてくれた事もあって、最終的に部活設立を認める。
そして、その部活名はまなつによって『トロピカる部』と名付けられる事になった。
名前の意味はまなつの口癖である「トロピカってる〜!」の項目を参照。そこに込められた思いはカジュアルであるが、決してふざけたものではないのである。
活動内容
トロピカる部は「面白そうなこと」を思いついたらそれを実行する部活である。
しかし誤解してはいけないのは、トロピカる部は単なる遊びのためのグループではない。
この部活はまなつが言うように「学園生活を楽しく過ごすための部活」である。つまりは、学生としての本分にかなった活動が求められている。
また、創部にあたっては生徒会長から、活動内容の報告の徹底と活動内容次第では取り消しもあり得るという条件が付きつけられている。ちゃんと学校に報告できるような健全で前向きな内容でないとならないわけだ。
なので、トロピカる部の活動は表向きは「体験学習」の形をとるものが多い。
基本的には他の部活でやってるようなことを一日体験するというパターンが多く、実際に他の部活のお手伝いとかをさせてもらうこともある。
また、本格的な職業体験に挑戦することもある。
また、トロピカる部のもう一つの顔として「イベント屋」というものがある。
創部の際にまなつが「素敵な事をいっぱい考えて、学校の皆も一緒に楽しめたらいいな」と述べていたように、まなつは学校のみんなも参加できるような大小のイベントを企画することが多い。
話数が進むにつれてトロピカる部の学校内での知名度もあがっていき、生徒達からは「何か面白そうなことをやらかす名物集団」として受容されるようになっていく。
各話での活動内容リスト
太字は部活動中に緊急発生した活動(但し、対ヤラネーダ/ゼンゼンヤラネーダ/ゼッタイヤラネーダ/超ゼッタイヤラネーダ戦等の変身を要する物は除外)
話数 | 内容 | 該当部活動・行事 | 備考 |
---|---|---|---|
5 | 部室の確保、掃除、リサイクルセンターに運搬 | 全般 | |
6 | 部活動の申請・承認、ペンちゃんの捜索 | 全般 | |
7 | 海辺でのランニング(体力づくり)、くるるんの救護・落とし物の捜索 | 運動系全般 | |
8 | 「くるるん弁当」作り(調理) | 家庭科系 | |
9 | 俳優の研修、さんごの実家の販促活動 | 演劇部、職業体験 | |
10 | まなつのテスト対策 | なし(自主勉強) | |
11 | 部活対抗サンドアート大会主催(優勝商品は「トロピカルメロンパン一年分」、優勝は「美術部」)、雨天による各作品の保護 | 美術部、部活対抗イベント | |
12 | スケボーの訓練(予定)、風紀委員による監査 | なし | |
13 | 校内放送のゲスト出演、トロピカる部のゲストとしてローラのトークコーナーと歌を披露、昼食の買い出し | 放送・演劇部② | |
14 | 保育園の研修 | 職業体験② | |
15 | 野球部の試合の応援 | 応援団・チアリーディング部 | |
16 | 登山(あおぞら市にある山)、夏休みの予定に関する打合わせ | 山岳部、全般 | |
17 | なし | なし | ローラ捜索のため部活動は休止 |
18 | ローラの体験入部 | 水泳部 | |
19 | 廃屋の調査 | 新聞部 | |
20 | 消えたプレミアムトロピカルメロンパンに関する探偵 | 探偵系 | |
21 | 夏休みの合宿の計画・南乃島への移動 | 全般(夏合宿①) | |
22 | 南乃島での合宿 | 全般(夏合宿②) | |
23 | スキューバダイビング体験、南乃祭り | 全般(夏合宿③・最終) | |
24 | トロピカル部の存続をかけた生徒会とのクイズ番組でバトル、結果はトロピカる部が優勝し、存続が決定する | クイズ大会 | |
25 | 南乃島での合宿のレポート発表会のはずだったが、途中から桜川先生の相談になる。桜川先生のお父さんに学校案内 | 全般 | |
26 | 天文部の創設補助および流星群の観察イベントの開催、当日の天気予報が曇りのため晴天祈願を依頼 | 天文部 | あすかの父初登場 |
27 | あおぞら水族館で新たに始まる「イルカのふれあいコーナー」に参加。ナイトツアー | 全般 | |
28 | あおぞら中学校の文化祭(トロピカる部は「コスメの歴史の研究発表」と「あおぞらメイク教室」を開催)、クレープ屋台とメイク教室の二足わらじ(まなつとローラ)、自作ドレッサーの公開 | 全般 | チョンギーレのイカ焼き屋台参加 |
29 | 新聞部の取材 | 全般 | |
30 | ローラの生徒会長候補参加、および演説活動 | 生徒会 | |
31 | なし | テニス部(あすかの過去のエピソード) | あすかが修学旅行のため部活動はなし/3人のプリキュアがあすかに枕を届ける |
32 | さんごのファッションショー、レッスン | ファッション部 | |
33 | 特別編 | なし | ハートキャッチプリキュア!とのコラボ |
長編映画 | シャンティアへの訪問 | 全般 | 騒動後に「青空ソング大会」の客寄せ/ハトプリとのインターンシップなど |
34 | 『大人になったら何になる展』開催 | 進路 | |
35 | パイナップルの収穫、ハロウィンパーティ | 全般 | |
36 | グランオーシャンへの訪問 | 全般 | |
37 | 同上 | 全般 | |
38 | あすかの進路、フェニックス学院の見学 | 進路、テニス部 | あすかと百合子のテニス対決 |
39 | さんごの専属モデルオーディション、トロピカ卒業フェスティバルの企画がスタート | ファッション部 | 山辺ゆな再登場 |
40 | トロフェスの出し物としてみのりの執筆した『マーメイド物語』を提案。『伝説のパパイア』探しにパパイア農園を訪問 | 全般 | |
41 | トロフェスの準備、トロピカる物語の練習 | 全般、演劇部 | |
42 | 同上 | 同上 | |
45 | 同上 | 同上 | |
46 | トロフェス当日、トロピカる物語の上演 | 同上 |
部員
あすかは部員の中で最上級生であり、まなつの「強いから」「格好いいから」等の理由もあり部長に推挙。最初は嫌がるも、生徒どころか人間でもないローラが部長になろうとした為「人魚にやらせるわけにはいかない」と渋々引き受けている。と言う事で、ローラは仮部員扱いとなった。一方顧問の桜川先生は部の実態を碌に知らない状態で「顧問ってのを一度やってみたかったのよね~」と二つ返事で引き受けてしまっている。なお桜川先生はローラが正式入学するまで存在に気付いていなかった。
第4話において、みのりは1年生で文芸部に入部したことが語られている。第28話において退部の理由が判明する。
第18話において、ローラ・ラメール名義でローラがあおぞら中学校に編入。水島泳子に水泳部にスカウトされるも、足の姿になった途端、まともに泳げなかったため、結果的にトロピカる部へ正式入部となった。
第30話にて、次期生徒会長候補としてローラも参加。しかし、全校生徒での演説の途中で離脱したため、棄権扱いとなり、結局一条里香が当選した。同話においてあすかと百合子は過去にテニス部に所属していたことも明かされた。
部室
部室は第5話で見つけた屋上にある小屋を使用。物置代わりに使われていたこの小屋を片付け奇麗にした上で用いている。そして部活動として正式に承認されたのを機に、看板が取り付けられた。
この小屋であるが、よく見ると簡易的な温室らしきものが併設されている。現在のところトロピカる部の面々がそれを活用している様子は見られないが、もともとは何に使われていた小屋なのか気になるところである。
学校での確執
トロピカる部は話数が進むにつれて学内では生徒たちからは少しずつ受け入れられていくようになるが、決して順風満帆とも言い切れない。
学校での様々なルールと軋轢を起こすこともあり、また、生徒会とは対立関係になりがちである。
第10話では、まなつがテストで赤点を取ってしまった際に、あすかから「赤点で追試になった生徒がさらに赤点を取ったら、その生徒は部活動が禁止されてしまう」という衝撃の事実を言い渡された。
さらにまなつがゼンゼンヤラネーダにやる気パワーを奪われ、勉強する気も部活を続ける気もなくしてしまった。
最終的にローラの活躍もあってまなつはやる気を取り戻し、第11話では必死の一夜漬けで追試では赤点をギリギリ回避したことが語られている。
第12話では、(ローラのせいで)学校内に広まる人魚の噂の出所がトロピカる部ではないかと疑った風紀委員長・角田正美によって、トロピカる部の活動がマークされるようになる。そしてついには部室へのガサ入れで、マーメイドアクアポットが「学園生活に不要なもの」として没収されてしまう騒ぎが起こった(ポッドは見た目は香水瓶だが、校則では化粧品持ち込み禁止というのがあるのが第6話で事前に語られていた)
アクアポットの本当の機能を言うわけにはいかないのでトロピカる部側は正美に反論することができなかったが、ローラが単独行動で人間に変装してアクアポッドを取り返すスニークミッションに成功。最終的にあすかが顧問の桜川先生の許可を取り付けてアクアポッドを「部活の備品」として認定してもらい、正美はそれ以上何も言えなくなってしまう。
だがこれでトロピカる部の疑いが晴れたわけではなく、後の19話では人魚の噂を打ち消すような新たなオカルトネタを学内でブームにさせようと、トロピカる部は幽霊屋敷の調査に出ている。
第24話では、テレビ番組の撮影で百合子があおぞら中学校を紹介。しかし、トロピカる部の面々が横断幕を張るも、風で吹き飛ばされてしまい百合子の頭上に落下。
百合子を怒らせてしまい、部活動停止処分を言い渡されてしまう。
そこに、番組司会者向井慧が訪れてクイズ番組を提案。トロピカる部と生徒会との対決に発展する。
ちなみに
第4話でやりたい事が多く部活を決められずにいるまなつに、ローラが「プリキュア部でも作れば?」と提案する。この一言がヒントとなってまなつが「自分たちの部を作る」きっかけとなった。
このプリキュア部、実は漫画版プリキュア5において、のぞみ達が実際に結成してしまっている。そんなものだからこの発言を受けて後述の仮面ライダー部に混じる形で、古参のプリキュアファンからは「それは既に夢原パイセンが」という意見も見られた。
また、第6話で活動のスケジュールを組む際には「毎週日曜朝はプリキュアで」という、なんともメタな発言も飛び出した。
余談
本作では、トロピカる部の活動はプリキュアの使命の達成とは全く関係を持たないように描写されている。
本作はプリキュアシリーズでは定番の「アイテム収集」的な要素が一切ないため、トロピカる部の活動の過程でアイテムを収集したような過去作でよくあるパターンもない。
バトルパートも時折ノルマの様な扱いになっていた事もあり、第16話では結果的にプリキュア達が油断・慢心していたが為に、ローラ誘拐を阻止しきれなかった理由にもなっている。
その後のトロピカる部
ローラがグランオーシャンへと戻り、あすかも卒業・進学と、5人のうち2人がいなくなったトロピカる部。だが、第46話のエンディングではある一つの様子が描かれていた。それは棟梁として新たに入った他の部員(画面で確認できるだけで8人はいる)とともに部室の増築工事に精を出すまなつの姿。下の方では学年的に部長となったであろうみのりが現場監督としてさんごとともに設計図を見ている。
中学生がこういう工事やって大丈夫なのか?ということはさておいて、部員が増えて一層精力的な活動をしそうなトロピカる部。よくよく見れば部の看板は「もっとトロピカる部」となっていた。新生もっとトロピカる部はこれからも活動を続け、翌年はまなつが部長になり、その意志を後輩に伝授し、卒業後もあおぞら中の名物部となっていくのかもしれない。
その一方で元祖トロピカる部の友情は記憶が戻ったのもあり健在のようで、ローラも含め、たまに集まってはPretty Holicのお手伝いなどもやっているようである。
関連タグ
- ファッション部:「11年前のプリキュア」に登場した部活。こちらはプリキュア以外の部員も多数所属している。
- ミライパッド:「3年前のプリキュア」に登場したアイテム。部活ではなくアイテムだがお着替え機能を使用して色々なお仕事を体験している。
- 仮面ライダー部:「仮面ライダーフォーゼ」より。ともかくも学校に認可されたトロピカる部と違って、こちらは学校非公認の秘密組織。
- SOS団:「涼宮ハルヒの憂鬱」より。活動内容としてはこちらのほうが近い?事実、その内容からTwitterでもこの言葉がトレンド入りしてしまっている。
- 鴨女ジャージ部:「輪廻のラグランジェ」より。「今一番やりたいことを何でもやる」から派生して何でも屋さん的性格を持つようであるならこちらもあうだろう。ちなみに部員の一人の中の人はあすかと同じ。主題歌を歌っていたのは彼女の中の人。
- ヒゲ部(セクシーコマンドー部):「すごいよ!!マサルさん」より。実態が不明で、なおかつOP演出と各話絵コンテにこの作品の監督が参加、OP映像の影響もあり、こちらを連想した人も多い。
- 讃州中学勇者部:「結城友奈は勇者である」より。やっていることはボランティアに近いが、「うどん部」と言われながらも部員たちは楽しんでいる。「ゆゆゆい」では部員が5人から23人に急増、部員の一人の中の人はさんごと同じ。
- スケット団:「SKETDANCE」より。
- ごらく部: 「ゆるゆり」の謎部活。茶道部の部室を占拠、正式な部活とは認められていないが生徒会とは概ね仲がいい。部員の一人は角田正美と同じ(演じた役が風紀を乱す側)でもう一人はプリキュア、生徒会メンバーには二人もプリキュアがいる。
- シカ部:「しかのこのこのここしたんたん」より。