概要
ローラの持つ香水瓶型のアイテム。人間界に向かう前に、人魚の女王から与えられた。
あとまわしの魔女たちが使役する怪物であるヤラネーダやその強化個体の出現を探知するレーダーとして使用できるほか、ヤラネーダが奪った『やる気パワー』が溜め込まれている位置を特定して回収できる。
やる気パワーの回収時は写真をとるようにポットをそのポイントを狙う形でかざし、取っ手部分を2回プッシュして「やる気パワー、カムバック!」と叫ぶと、ポットはヤラネーダからやる気パワーを吸収し、ポットへと回収される。
ヤラネーダが浄化された後は、奪還したやる気パワーがポットから放出され、元の持ち主の元に返っていく。
敵が奪った『人間のパワーの類』を、撃破前に奪還するのはプリキュア史上初。ちなみに、やる気パワーを奪還されたヤラネーダは、特に戦闘能力が弱体化したり、動きが止まったりすることは無いようである。
その一方で、ポットを用いて「奪われたやる気パワー」を回収しないと、敵を浄化してもやる気パワーが還ってくることは無いということが第12話で語られている。
ポットを使ってやるパワーを奪還するのはローラの役目となっているが、第35話ではそもそもローラ以外はポットを使いこなせないことが描かれた。
ローラ以外でもポットを使ってやる気パワーを回収すること自体は可能なのだが、やる気パワーを元の持ち主に戻せるのはローラのみであるため、回収したやる気パワーがポットに溜まったままになってしまう。
ちなみにその状態でポットを激しく振ると溜まったままのやる気パワーがふりかけのようにこぼれ落ちる。やる気パワーを奪われた人間にそれを振りかけると一時的にやる気パワーは戻るがすぐに無気力状態に戻る。さらにいうならこぼれおちてきたやる気パワーは複数人のやる気がごちゃまぜになっているものなので、これを振りかけられた人間は一時的ではあるが他人の人格を宿してしまうことになる。
ローラがキュアラメールとしてプリキュアへと変身する資格を得た後も、「やる気パワー」回収役をローラが担当することは変わっていない。
ローラの住居として
このポットの内部は異空間となっており、ローラはポットの中を自由に出入りすることができる。そこは人魚にとって快適な環境のようで、慣れない陸上生活における簡易住居ともなっている。
第7話からは、女王の使いでローラに届け物を持ってきたくるるんも同居する事になった。
ポットの中は家具も揃っているくつろぎの部屋となっているが、娯楽や刺激は無いので退屈らしい。なお、人魚のための部屋なので当然ながら海水に満たされている。
ポットの中からも外界の様子は確認でき、瓶越しに外界の人間と相互会話も可能である。
ちなみに体の一部だけを外に出すことも可能であり、ローラが頭だけを外に出した際はさながら生首のようなホラーな光景になってしまった。
ローラがポッドの中にいるときは、ポッドを浮遊させて自力で移動する事ができる。
ただし、さすがに人目があるところではそういうことは出来ないので、ローラは自分が入ったポットをまなつ達に持たせて運んでもらうことの方が多い。
ポットに衝撃がかかると内部の部屋にもそれは伝わるようで、何かにトロピカってしまったまなつが興奮のあまり手に持ったポットをブンブン振り回してしまい、中にいるローラが目を回して悲鳴を上げる事もしばしば。
一応、人間など海の民ではない生物はポットに認証されず入れない様になっているが、ローラが触れている無生物は一緒にポットに持ち込むことが可能。
第15話ではローラとみのりが一枚の紙を同時に触れていたことで、みのりがローラと一緒にポットに引き摺り込まれた。この想定外の状況がポットに何らかの不具合を起こしたのか、二人の魂が入れ替わってしまう事態が発生している。
この状況では、ローラの身体に入ったみのりがポットの中に入れるも、みのりの身体に入ったローラはポットの中に入れないようになってしまっている。
なお、みのりはポットの操縦に難儀しており、終いには乗り物酔いに近い状態に陥っていたことから、ポットの操縦にはそれなりのスキルやセンスが必要なようだ。
その他の機能
『シャボンピクチャー』という、地上の文明で言う所のカメラに近似した機能まで備わっており、ポットの画面を通して映る景色を撮影する事も可能。撮影するとポットから掌サイズのシャボン玉が放出され、其処に被写体が写る仕組みとなっている。この泡の写真は撮影後、ポットの中へ纏めて収納出来る。
時おりくるるんがシャッター係になる事も。
おもちゃ版のマーメイドアクアポットにもカメラ機能が付属されており、この機能が再現されている。ただし画質はトイカメラ相当なので、さすがにスマートフォンで撮った写真と比べると見劣りしてしまうが。
また、このカメラ機能を活かした機能として二次元コードの読み取り機能がある。これは関連する玩具や食玩などのパッケージ・説明書に記載されているコードを読み取ることによって、アクアポットに各種機能を追加するという物である。
これを採用したことにより、アクアポットにはハートクルリングを装着するスロット、すなわちこれまでの液晶物の玩具であった物理的なアイテム装着部がない。逆に言えば、これまでの商品にあったスロット内部のピン配列部分も無いという事であり、これまで早期ネタバレの元となっていた「ピン配列を総当たりして追加機能を発生させ、追加戦士等の情報を導き出す」ということが基本的に不可能となった(もちろん二次元コードのパターンを解析して割り出すということは不可能では無いが)。
ただ、このネタバレ対策が功を奏したのか、次回作の液晶アイテムであるハートキュアウォッチについても二次元コードの読み取り機能が備わっている(腕時計型デバイスという事もあり、またパートナー妖精が変化して変身し、そちらのぬいぐるみでもこういった物理接点も省略されているため、というのもある)。
余談
上述したように、ヤラネーダからやる気パワーを取り戻す前に倒してしまうと、奪われたやる気パワーを取り戻せなくなる。
そのため、ローラとポットのどちらかが戦場にいない状況ではプリキュアはヤラネーダを倒すわけにいかない。このことは本作のプリキュアたちにとっての最大の弱点ともなっている。
実際、作中では何度かそういうピンチが描かれてる。
- 第10話において、ゼンゼンヤラネーダの攻撃により排水路に落として流されてしまう。ローラが探すも、泥水の中を探すハメになり、くるるんを発見。アクアポットも無事に発見された。
- 第12話において、あおぞら中学校内にて人魚騒動となり、風紀委員長角田正美にトロピカる部の仕業と疑われ、部室捜査により発見されてしまい、没収されてしまう。ローラがスケボーで風紀委員室に潜入して捜索するも、風紀委員長にバレそうになってしまう。その際、クローゼットにあった制服を着てごまかし、スケボーで脱出してアクアポットを取り戻した。
- 第13話において、トロピカる部一同は校内放送に参加。放送の最中にゼンゼンヤラネーダが出現したため、ローラが残りエンディングトークで歌を披露。ミックストロピカルが使えない状況の中、大苦戦するプリキュア達。遅れてアクアポットで現れ、ミックストロピカルでゼンゼンヤラネーダを浄化した。
- 第16話に至ってはチョンギーレ達が、「自分たちにとって本当に邪魔なのはプリキュアたちよりも、せっかく奪ったやる気パワーをアクアポットで取り返せる人魚のローラではないのか」と鋭い考察に至り、普段はやる気を感じられない彼らが本気を出した作戦を決行した事でやる気パワーを取り返される前にローラを襲撃して、アクアポットごと彼女を拉致する事に成功する。
- 第17話においてはローラが幽閉され、檻から脱出。あとまわしの魔女が眠っている隙にアクアポットを取り返そうとするも、気付かれて捕まってしまい噛みついて脱出、アクアポットを取り戻してまなつ達の下へ急いで駆けつけた。
- 第30話では、ローラが生徒会選挙の演説があるために、他のメンバーで超ゼッタイヤラネーダと交戦することに。演説が終わればローラは合流するということで時間稼ぎに徹するプリキュア達だが、敵が思った以上に強く追い詰められる。そこに、仲間たちを放っておけなかったローラが演説を中座して駆けつけたために難を逃れた。しかしローラは演説をボイコットしたことで選挙において失格となってしまった。
- 第35話では、ローラが不在のときに学校にヤラネーダ(初期型)が現れる。いつものようにローラが戻るまで時間稼ぎをしようとした皆だが、ヤラネーダによってハロウィンの出し物の展示が壊されそうになったため、焦ったまなつが独断でポットを使ってやる気パワーを回収し、ヤラネーダを浄化。しかしポットからやる気パワーを持ち主に戻すことができず、やる気パワーを奪われた生徒や先生たちは眠り続けることになった。最終的にはこの次の戦闘でローラがやる気パワーを奪還した際、それを元の人物に戻す時に一緒にこの時のやる気パワーも変換された。