解説
CV:日高里菜
海にある人魚の国グランオーシャンに住む人魚の少女。フルネームは「ローラ・アポロドーロス・ヒュギーヌス・ラメール」。
グランオーシャンがあとまわしの魔女たちの襲撃を受け、やる気パワーを奪われてしまった事から、『伝説の戦士プリキュア』を探す為に地上へとやって来た。
本作の敵であるあとまわしの魔女たちは怪物を使役して人間達からやる気パワーを奪うのだが、ローラはマーメイドアクアポットを使う事で怪物からやる気パワーを取り戻す事が出来る。これが可能なのはローラだけであるため、彼女の存在は本作の物語の要ともなっている。
慣れない地上の生活ではポンコツな様子もよく見せるが、故郷のグランオーシャンでは次期女王候補の一人と目されているエリートであるがそれ故に悪い意味でプライドが高い。
なお、ローラはいわゆる「王女」ではない(=現女王の血縁ではない)ことにも注意が必要である。この点で歴代の姫キュアとは立ち位置が若干異なる。
第17話で人間の姿に変身出来る能力を得て、更には追加キュアであるキュアラメールに覚醒した。本作における5人目のプリキュアである。
人間の姿になれる様になったローラはそれを利用して、第18話からはまなつ達と同じあおぞら中学校に転入している。また、正式にまなつの家にホームステイする事になった。
誕生日は6月30日。
容姿
ピンク色に近い赤紫色のロングヘアに水縹色の瞳を持つ。眉毛は太め。
まなつ達人間とは瞳のハイライトの形が異なる(後述の人間の姿の時も同様)。
第17話で人間の姿になれる様になったが、人魚の姿が失われた訳では無く、人魚の姿・人間の姿・そしてプリキュアとしての姿の三形態を任意で切り替えられる様になった。いわばハイブリッド人魚である。
人魚の姿
トップスや下半身は水色で、尾ひれは黄色とピンク。両腕に金色のリングを着けている。
人間と同様にへそがあるが、人魚なので当然ながら下半身は魚である。尾びれは手足の様に自在に扱う事が出来る様で、作中では物を掴んだり人を締め上げたりしている様子が確認できる。
ローラの尾びれは見た目にも美しく、彼女自身にとっても自慢のポイントである。初対面の人間には積極的に尾びれを触らせてあげて、相手が称賛してくれる様に誘い受けをする事もある。
両腕の肘の辺りにはヒレがあり、側頭部には水色のエラの様な器官がある。人間と同じ耳があるのかは不明。
一部の玩具では人魚の姿のローラをマーメイドローラと呼称しているが(参考)、本編では一度もされることは無かった。
人間の姿
人間の姿になると側頭部と両腕のヒレとエラが無くなり、尾ヒレがあった下半身は人間の足に代わり、腰回りは水色のスカートで覆われる。
スカートが自動的に着くのは大人の事情だろうが、プリキュアに変身すると専用のコスチュームに変わるのと似た様なメカニズムなのかも知れない。
この状態ではエラがないので水中での呼吸はできなくなる。さらに言えばローラは二本の足を使って泳ぐことに慣れてないので、人間の姿ではカナヅチとなってしまう。
(ただし、キュアラメールに変身すれば水中での呼吸が可能になり、人魚の姿のように自由自在に泳ぐこともできる)
尚、人間の姿の時は本名を縮めてローラ・ラメールと名乗っている。こちらはアニメ本編で実際に使われている呼称だが、EDのクレジット名義は一貫して「ローラ」とファーストネームのみ。
制服
学校に通う時は制服を着用する。ローラの着る制服は他の生徒とは違い、緑のラインが入った白のセーラーカラーが付いた水色のトップスに同色のスカート、薄い水色のタイになっている。また、髪には緑色のカチューシャを着けルーズソックスを履いている。
余談だが彼女が登場した少し後から世間でルーズソックスが再び流行の兆しを見せている。
実は髪のウェーブが人魚の姿の時と若干変わっているのだが、人魚の姿から人間の姿に変わるシーンではそういう変化はみられないので、これはローラが毎朝ちゃんと髪をセットしなおしているということのようだ。
また、第18話では競泳水着に着替えている。
私服
第20話から登場。
青・白・水色で構成された青い襟付きのノースリーブトップスとスカート、サンダルを履いている。
腹部が一部露出しているが、へそはスカートのウェスト部によって隠れている。
耳には貝殻のイヤリングを付けている。
プリキュアの姿
キュアラメールの項目を参照。
人魚の姿での活動について
ローラは人魚としての姿では水中で自由自在に泳ぐ事が出来る。
これは海水であろうが淡水であろうが問わない。
一方、陸上での活動については、人魚としての姿ではそれなりの制約がある。
この世界での人魚は陸上でも普通に呼吸が出来るので、陸に上がる事自体は問題は無いのだが、足が無いので移動がしにくい。陸上を移動するならアザラシの様に下半身を這いずるか、ぴょんぴょん飛び跳ねて移動するかの二択となる。
また、やはり陸上で尾ヒレだけでバランスをとり続けるのは疲れる様であり、人魚の姿の時はプリキュア仲間の首に抱き着いて休んでいるシーンも多く描かれている。
この様に、人魚の姿では動きにくいと言う事さえ我慢すれば陸上での活動自体は問題無く出来る。
但しそれはあくまで人目が無い時の話。人魚達の中には「人魚の存在が人間に知られてはいけない」と言う掟があるらしく、人目がある町中では人魚の姿で陸上を動き回る事は基本的に避けられているのだ。
ローラが持っているマーメイドアクアポットは彼女の隠れ家にもなっており、人目を避けるときはこのポットの中に入る。ポットは普段はまなつに預けているため、まなつの部屋ではポットから出て来てくつろいでいたりもしていた。
ローラがポットの内部に入っている状態ならば、アクアポットを浮遊させて移動する事も出来る。
尤も、ポットがフワフワ浮いている様子は明らかに怪しく、人目に付くと騒ぎになる点は変わらないのだが。
第12話では、ローラは人前でも人魚とバレない様な変装の仕方を発見した。
実はローラは下半身の筋力がかなり高く、「つま先立ち」のように尾びれの先端だけで全体重を支え直立する事が出来る。ローラの上半身は人間とほぼ変わらない為、足元まで丈があるロングスカートで下半身を隠した上で直立していれば人魚だとは気付かれないのである(頭のエラや腕のヒレには結局誰もツッコまれなかった)。
第12話以降、ローラはこの変装を駆使する事で人目がある場所でも登場しやすくなった。
但し、この状態で人間の様な二足歩行が出来る訳では決して無い。つま先歩きの様な要領でヨチヨチ移動するか、やはり人魚らしくぴょんぴょん飛び跳ねるしか無い。これは他人から見るとかなり怪しい動きになりかねない。
そんな訳でローラが人前で人間に変装をしている時は、歩いたり走ったりしなくても不審がられないシチュエーションに自らを置かないとならない。当然ながらスポーツの様なアクティブな事は楽しめない。結局、ローラにとって不自由さは残り続けているのだ。
この様に人魚の姿では陸上での活動に何かと支障があるローラであったが、本人にとって何より不満だったのは、そのせいでプリキュア仲間と触れ合う機会が限られてしまっていた事である。
プライドが邪魔してそう言う寂しさを仲間には中々吐露出来ないでいたが、まなつ達と同じように日々を過ごしたいと言う密かな思いは強まっていき、そして第17話で人間としての姿を得る事になる。
人物
- 次期女王への野心
ローラは「プリキュアを見つけて世界を守る」と言う重大な使命を人魚の女王から託され、その使命を達成すれば次期女王になるチャンスが与えられる事になっている。
その実利こそがローラのモチベーションとなっており、故国を救うという使命感は無い訳では無いが、あまり表には出てこない。
突き詰めれば「自分が女王になるため」にプリキュアを利用しようとしており、本人もそれを全く隠そうとしていない。
第5話での「そうすれば人魚の国も人間の国も救える、いい事ずくめじゃない」と言うローラの台詞は彼女のスタンスを如実に現している。
但し、ローラはプリキュア達だけに面倒を押しつけたりはせず、自分もプリキュアを導く者として頑張ろうとしている。だからこそ、プリキュアたちもローラのことを受け入れ、彼女の次期女王と言う夢を応援している。
尚ローラが女王になりたい動機は「周りにちやほやされたい」と言う極めて表面的且つ短絡的な物である事が示唆されており、その責任の重さ等はあまり感じていない模様。
- 自信家でちゃっかり者
基本的に深く物事を考えず、何かにつけては高飛車で尊大な態度を取り、その上空気が読めずに調子に乗る等、かなり面倒臭い性格の持ち主。
まなつ達に自分の事を秘匿させておきながら、自分からうっかり人前に出ててへぺろする事も多い上、その自信が過剰気味な為か、1度でも上手く行けばすぐに調子に乗る(後述の第12話のラストが該当)、「自らが『人外』である事が周囲に知られた際のリスク」を理解しているにもかかわらず、顕示欲の強さからの軽率な行動が目立つ等、危機管理能力に幾分の不安があるのも事実である(結局怪しまれる事は殆ど無かったが)。
増長しやすい性格からか人間をあからさまに見下しており、まなつとの初対面時は終始上から目線で、「人間の子なんて、わたしが女王になるための捨て駒」とキッパリ言い切ったり、プリキュアになったまなつに対しても「これからわたしの元で戦ってもらうから」と勝手に決めて、完全に部下扱いする始末。
公式サイトなどではこの様な彼女の性格を「自信家でちゃっかり者」と角の立たない表現をしているが、作中の言動を見る限りは「尊大でワガママ」の印象は禁じ得ない。過去のプリキュアシリーズを見返せば、敵組織の女性幹部によく見られたタイプとさえ言える。
ローラは作中で人間の世界を理解していく中で、人間を見下すような偏見については次第に解消されていっている。
そしてキュアラメールへ覚醒した時点で、ローラは自分が「人間の世界に憧れを抱いている」ことを自覚してしまった。それ以降は人間という種族を下に見なす事は無くなった。
だがそれで大人しくなるかというとそうでは無い。今度は「人間達の前で目立ちたい、ちやほやされたい」と言う承認欲求があふれ出る様になってしまった。
人魚も人間も貴賤はないが、個人としての自分はそこらの人魚と人間よりも凄いと言うそう言うスタンスに落ち着いてしまったのだ。
あおぞら中学校への転入初日は調子に乗って「とにかく何でも出来ちゃう」と自分を天才アピールした挙句、授業が理解出来ずに付いて行けなかったり、得意な事は水泳と豪語していたのにマトモに泳げなかったりと、増長からの失敗は相変わらずではある。
但し、転入時に付いていて行けなかった授業は地理や古文などの地上の人間世界に関わる物であり、理科だけは元から備わってた海の知識もあって優等生ぶりを発揮していた事から分かる様に、ローラが人魚文化ではハイスペックなエリートなのは間違い無い。彼女の溢れる自信はそれを支える実力があるからと言うのも忘れてはいけないだろう。
学校に転入してからは初期よりも性格も若干丸っこくなっているので、ここから如何に成長して行くかもまた本編の見所であろう。
- 「かわいい」へのこだわり
ローラは作中基準ではかなりの美少女であり、彼女自身も「自分はかわいい」と強く自覚している。
只問題なのは、ローラは「わたしをかわいいと褒めなさい」と当たり前のように相手に要求する所である。
可愛いと言われるとご満悦になるが、言われなかったり無視されると不機嫌になる辺り、かなり子供っぽい。
ローラのそれは単なる容姿の事を意味しているのでは無く、ライフスタイルや生き方といった部分まで意識されている。
またローラは、他人よりも自分の方が可愛いとマウンティングを取る事はしない。ローラは「かわいい」と言う物は人の数だけあると考えているからだ。
誰かの「かわいい」と自分の「かわいい」は並列する。ローラはそう考えているからこそ、他人の「かわいい」を素直に褒める事も出来る。
また、自分の仲間となるプリキュア達にも「かわいい」の要素は必要だと考えている。第2話でまなつに続くプリキュアを探して学校の女子達を観察していた時は、「地味」「個性がない」等と言う理由でズバスバプリキュア候補から切り捨てていた。
尚、本作の変身アイテムであるトロピカルパクトは女王様曰く「心の中にきらめく太陽を持った人間と人魚の心が通じ合った時」に開かれる。
そんなトロピカルパクトが人魚であるローラに託されている以上、本作ではローラに気に入られる程度には魅力があり、且つローラと仲良くなれる人間じゃないとプリキュアになれないと言う事でもあるので、彼女のお眼鏡に適うのかどうかはギャグっぽく見えてかなり重要な事だったりする。
実際に彼女の美への拘りによる一言が切っ掛けになって精神的成長を遂げてプリキュア変身を成し遂げた人物もおり、その拘りも中々馬鹿に出来る物では無い。
- 裏表のない性格
ローラは本当の意味で自分に自信を持っているので、自分の考え方ややりたい事を何の躊躇もせずに他人に素直に語れる。なので、他人に気に入られようと自分を偽る事は基本的にしない。
自分の野心も全く隠そうとしないし、やりたくない事はハッキリとそう言うし、逆にやりたい事には普段と違い一方的に熱くなる。
只悪く言えば無神経かつ図々しく駄々をこねるのは山の如しで、興味の有無が原因で気力が左右されやすい等、今作のテーマの一つである『やる気』も基本的にはムラがある。
そして、ローラが他人に期待したり、褒めたりするのは、社交辞令やお世辞ではなく本心からでもある。
ローラは思った事を直ぐ口にするタイプであり、視聴者目線からは「上から目線」「ワガママ」に見える為、生真面目なあすかはローラに厳しい。一方、大らかなまなつはローラのそういう部分を「自分に素直な事」として好ましいと思っている。
- お節介体質
ローラは自分の前向きな性格は誇るべき長所だと自覚しており、「みんなが自分の様になればさぞ楽しいだろう」と素直に考えている。
なので、他人がネガティブな状態になっていると、その状況に強い苛立ちを感じ、なんとか前向きになれる様に世話を焼いてしまうのである。
正体を人間には秘密にすべきと自分で言い出した癖に、誰かが悩んでいる様子を見てイラっと来てしまうと、その人物の前に姿を平気で現してお節介を焼いてしまったりする事もしばしば。
- 人魚的ナショナリズム
ローラは自分が人魚であることにアイデンティティを強く感じており、人魚のイメージを貶める様な事には怒りを全く隠さない。
第4話では、「あおぞら博物館」にて開催中の特別展「人魚展」に展示されていた古今東西の人々が想像した言い伝えやミイラ等の人魚に纏わる図像に立腹し、「こんなの、人間の勝手なイメージだわ!」とクレームを付けている。特に、人間の船を襲うとかそう言う古典的な伝説は事実とは異なる風評被害だと憤慨していた。
そしてローラにとってもっともムカツクのは「人魚なんている訳無い」と言う人間達の夢の無い言葉である。ローラはこう言う言葉を耳にすると自分の人魚としての誇りを否定されたと感じてしまう。『わたしはここに人魚として存在しているのよ』と思わず不用意に姿を表してしまう事もしばしば。
そう言う事が積み重なって、あおぞら中学校では人魚の奇妙な噂が虚実いりまぜで広まってしまい、「人魚を目撃すると呪われる」「夜になると人魚が人体模型を動かしている」とか学校の怪談的な事まで人魚の仕業にされてしまっている(人体模型を動かしているのは寧ろザケンナーの仕業なのだが…)。
古典的な人魚伝説はともかく最近の学校の噂はそう言ったローラ本人の不用意な行動から出ているので自業自得とも言えなくないが、12話で人間の振りをしていた時には躊躇いはあったものの「人魚なんて……いるわけないでしょ」と人前で答えるなど、徐々に自分を抑える事を学んで来ている。
また、アンデルセン童話の『人魚姫』も気に食わないと発言している。これは別に人魚のイメージは貶めていないだろうと思う所だが、ローラ曰く「はぁ? なんで人間なんかのために人魚が犠牲にならなきゃいけないのよ!」と言う事らしい。
如何にも高飛車なローラらしい感想ではあるが、一部の視聴者からは「そんな発言をすること自体が死亡フラグ」と不安な声もある。
- 実のところポンコツ?
いつも偉そうで自信たっぷりのローラなのだが、慌てて逃げようとして岩の隙間や砂にハマって動けなくなったり等、作中では間抜けでコミカルな面も目立つ。
まなつの勢いに隠れがちだが、まなつに容姿を褒めちぎられて得意気な表情になったり、ふと我に返った際には某少女漫画風の白目になったり、野心を語る際には女児アニメのキャラクターらしからぬゲス顔になったりと、彼女の顔芸率もかなり高い。
- 成長の可能性
上述までの通り、ローラはアクが強いキャラクターとなっているのだが、彼女なりに自分の使命には熱心に取り組もうとしている。
だが、プリキュア探しをする際に能力だけでなく華やかさや個性も必要とまるでアイドルのスカウトの様なノリでいたあたり、端から見るとあまり緊張感が感じられない。
- 過去に縛られないスタイル
一見すると裏表がない性格が特徴のローラではあるが、グランオーシャンでどのような生活をしていたのかをほとんど仲間に話そうとしない。そのため、彼女の経歴については意外にも謎が多い。
このため、ローラが自分の何かを隠そうとしているとの声も多少聞かれるのだが、まなつ達からグランオーシャンでの生活について質問されるような場面ではちゃんと答えているため、その可能性は低そうだ。
過去について語ろうとしないのはローラだけでなくあすかやみのりにも共通してみられる特徴であるため、これはローラの性格というよりも本作の方針なのだろう。
そもそもローラは単純に過去の思い出に対するこだわりがないだけかも知れない。尊大なローラではあるが、グランオーシャンで自分がどれだけ偉かったかみたいな自慢は一切行っていない。地上の世界ではグランオーシャンでの地位も名誉も何の役にも立たないことはちゃんと理解しているのだ。ローラにとって大切なのは「今」と「これから」である。
ただ、ローラがあとまわしの魔女の召使いに誘拐されてしまった第16話では、あすかが「わたし達、ローラのこと何も知らなかったんだな…」と呟いており、作中でもそういう認識はあるようだ。何より、みのりとあすかもそうだが、「今」と「これから」の為には周りが過去を知る必要がある場面が出てくる事も否定できない。
家族構成
第25話でローラは「自分にとっては人魚の女王さまが親みたいなもの」と語っているが、女王との血縁関係はない。
第36話では、人魚族は巨大な真珠貝から自然発生的に生まれ、人間のような両親を持たないことがローラの口から明かされた。つまり人魚族には「血縁」という概念自体が存在しないのである。
人魚の子供たちは女王が保育園の先生的な感じで養育することになっているようで、その中から次期女王候補が選ばれるようだ。
プリキュアへの覚醒とその経緯
序盤のローラ
ローラは17話から追加キュアとして華々しく活躍する事になるが、それまでのローラはあくまでプリキュア達のスカウトとサポーターに徹しており、所謂「プリキュア妖精枠」の一員に近い立ち位置であった。
序盤のローラは人間社会で人目が付かない様にしないといけない事がコミカルな要素として演出されている。この事からも、ローラは従来のプリキュア妖精達と同じ様な演出をされていたと言える。
マーメイドアクアポットの玩具は「ローラとのコミュニケーションが楽しめる」と言う機能がウリになっているが、こう言う物は歴代シリーズでは妖精枠のキャラクターに当てはめられていた役割である。この事から、玩具販促の面では「ローラは妖精枠」としても扱われてるのは間違いない。
只「プリキュア達のスカウトとサポーター」を行う立ち位置のキャラクターが、ぬいぐるみの様な姿のマスコットキャラではなくリアルな亜人種として登場するのは非常に珍しく、ローラは従来の妖精枠のキャラクターよりも強い存在感を当初から出していた(尚、「ぬいぐるみのような姿のマスコットキャラ」については、くるるんがローラとは別に登場している)。
ローラはプリキュアに覚醒する前から意図的に目立つ様に演出されており、単なるサブキャラとはとても思えない扱いとなっていた。
公式サイトのトップ画像や本編中のアイキャッチに見られる様に、プリキュア4人が揃う様なビジュアルには必ずローラも描かれる。それも添え物の様な感じでは無く、主人公であるキュアサマーのバディの扱いとしてローラがでかでかと目立つ構図になっていた。
他にも、EDが始まる前の挨拶にはローラのバージョンもあったり、声優の座談会や発表時のオンライン会見でもプリキュア陣の中にローラ役の日高里菜氏も混じって出演しており、明らかに従来の「妖精枠」のキャラクターよりも露出が多い。
端的に言えば、ローラは当初からプリキュア達と同格のレギュラーキャラとして扱われている。
プリティライフシリーズ(歯磨きやシャンプーなどの子供向け衛生用品のプリキュアグッズ版)のCMに至っては、主人公のキュアサマーを差し置いてローラがナレーションを務めていた。
人間への憧れ
ローラは自分が人魚であると言う出自に強い誇りを持っている為、序盤では人間に対して明確な上から目線で対応していた。当初は人間界の文化等に興味も薄かった。
だが、キュアサマーに選ばれたまなつが同じくプリキュアに選ばれた仲間達と一緒にトロピカる部を結成(第6話)。これ以降はローラもまなつに引張られる形で部活動に巻き込まれることになった(まなつ曰く「仮部員扱い」との事)。
ローラは人目に付いてはいけないので部活動への参加に制約はあったが、それでもまなつ達と人間社会で様々な体験をすることはローラに大きな刺激を与える事になる。
そして次第にローラは、自分が陸上での活動に制約がある為にまなつ達と同じ様に楽しみを謳歌出来ていない事に疎外感を覚える様になる。
そんな中、ローラとみのりの身体が入れ替わってしまうと言うトラブルが発生(第15話)。みのりの身体を手に入れたローラは陸上にやってきて初めて自由に行動出来る様になる。
暫くの後に二人の身体は元に戻ったが、ローラは人目を気にせず二本の足で自由に人間社会を謳歌出来る楽しさを知ってしまったが故に、それを忘れられなくなってしまった。
その思いはまなつ達にばれないようにひた隠しにしていたが、みのりだけはローラのそんな気持ちを察する(第16話)。
ローラが叶わぬ願いに心を奪われかけている事に対して、みのりはその思いを否定する事はしなかったが、かと言って無責任に応援もしなかった。
みのりは、アンデルセン童話の『人魚姫』の悲劇的な展開を敢えて例に出して、遠回しに警句を与える。
「何か望みを叶えようと思ったら、別の何か大事な物を失わなくちゃならないのかもね」
キュアラメールへの覚醒
第16話では、あとまわしの魔女たちの三幹部が度々の地上侵略命令が本気で面倒臭くなり、あとまわしの魔女の願いを楽な方法でさっさと叶える為の方法を3人で協力して必死に考え出す。
そして得た結論は「ローラがマーメイドアクアポットでやる気パワーを取り返す事が出来なくなれば、プリキュア達と無理して戦わなくてもやる気パワーを奪って逃げ帰るだけで使命は達成できる」と言う根源的な真実であった。
そして三幹部達によるアクアポット強奪作戦が開始される。港でゼンゼンヤラネーダを暴れさせてプリキュア達の相手をさせている隙に、ローラに罠をかけて投網でアクアポットごとローラを捕まえ、そのまま魔女の館に連れて行かれる事になった。
アクアポットをそのまま魔女に献上され、ローラは捕虜となって魔女の尋問を受ける事になった。ローラは気丈な態度で魔女に接するが、魔女はローラの心を読んだかの様に「お前は人間に憧れているんだね」と語り、「だったらわたしに力を貸すがいい。お前のその願い、叶えよう」と籠絡しようとする。
その後、ローラはくるるんの力を借りてアクアポットを取り返して魔女の館から脱出。だが魔女の執事であるバトラーの追撃にあい、その猛攻を受けて意識を失い海底へと沈んでいく。
しかし、またまたくるるんによって助けられ、グランオーシャンの人魚の女王の元に連れて行かれた。久々に会った女王はローラがプリキュアを見出した事を称え、見事に使命を果たしたと語る。
少し前ならその言葉に何も考えずに浮かれただろう。だが今のローラは違った。
「ねえ、女王様はわたしに何をさせたかったの? わたし、女王様の言う通りプリキュアを見つけた。次はどうすればいい?」
だが、女王はその問いには答えない。逆に「あなたはどうしたいのです?」と問い返してくる。
じっと考えたローラだが即答出来ない。
すると女王は「あなたは自分ができる事を精一杯やりました。だから…もう人間の世界に戻らなくても構いませんよ。女王候補として立派に役目を果たしたのですから」と敢えて誘導尋問のような言葉を発する。
その言葉は迷えるローラにとって背中を押す切っ掛けになった。「良かった…」ローラは安堵し、自分の望みを語る。地上に残ってまなつ達を支えたいと言う事を。
次期女王候補として役目を果たしたと認めてくれたと言う事は、これまでまなつ達と共に過ごした日々を認めてくれたと言う事。ローラはそう解釈したのかも知れない。
女王はローラの言葉に微笑みを返した上で貝の化石のようなコンパクトをローラに授ける。
女王は只「その時が来れば分かります」と言うのみでそれ以上は語らなかった。
地上へ向かって海を泳ぐローラだったが、そこでローラを助ける為に海を探索していたキュアサマーを発見。だがサマーは三幹部の一人であるチョンギーレの攻撃を受けて満身創痍の状態で、遂に海中で変身が解けてしまう。
サマーを助けようと衝動的に生身でチョンギーレの前に立ち塞がるローラ。
「許さない! まなつをこんな目に遭わせて、絶対に許さない!」
ローラの激昂に答えるかのように、石のコンパクトの表面が剥がれおちマーメイドアクアパクトが姿を現す。それと同時に左手にハートクルリングが生まれ、そしてローラの尾びれが足に変わると共に、5人目のプリキュア・キュアラメールへと覚醒した。
そしてまなつを連れて海上にまで退避し、その大いなる力で敵を見事に撃退するのであった。
人間としての生活
キュアラメールへ覚醒して以降のローラは、プリキュアに変身してない状態でも人間の姿になる事が出来る様になった。
また、人魚としての姿も失っておらず、人魚としての姿と人間としての姿、そしてプリキュアとしての姿を自由に切り替える事が出来る様になった。
そして彼女は第18話からは「海外からやってきた留学生」と言う体裁でまなつと同じあおぞら中学校に転入することになり、同時にまなつの家にホームステイすることになった(まなつの母親である碧とはそれ以前の第16話で「まなつと街で知り合った外国の友人」と言う設定で既知の仲になっている)。
アニメージュ誌2021年9月号のインタビューで村瀬亜季プロデューサーは「ローラはそもそもアンデルセンの人魚姫の悲しい結末にまったく共感できないタイプ」としたうえで、何かを失う代償などは払わず、全部かっさらっていくことこそがローラらしさではないかと語っている。
また、自らの願いを魔女という他人に委ねず、自分自身で叶えようと決意した事も大きいと思われる。
そんな人間の姿になったローラが18話で突き当たった課題は「人間の脚では上手く泳げない」事であった。小さい事だとは思うが、人魚の姿では息をするように出来た泳ぎが人間の姿ではできなかった事は彼女のプライドを大きく傷つけたようだった。
夢や願いと言う物は叶えて終わりでは無く、そこからまた努力が必要…それもまた真理であり、それこそが願いを叶えた代償とも言えよう。
他にも人間と人魚の常識の差などで色々失敗したりもしているが、ルールー・アムールや羽衣ララのように思い悩んだりはしていない。
そんなローラが努力の末、人間の脚で少しバタ足を覚えて楽しい夏休みは終わった。
声優について
演じる日高里菜氏は子役時代に初代の時にセイカのCMに出演していた。
日高氏はキャスト発表時のコメントで、「マネージャーさんから直接報告をしていただいたのですが、ビックリしすぎて一瞬時が止まったかのようでした。あとからひしひしと喜びが込み上げてきて、胸がいっぱいになりました。ですがそれと同時に、たくさんの方に愛され続けるプリキュアシリーズなので、責任を持って頑張っていこうと身が引き締まる思いになりました。わたし自身も子供の頃から憧れの存在だったプリキュア。可愛いキラキラした部分はもちろん、仲間を守るために必死に敵に立ち向かうカッコ良さ、諦めない姿勢、全てをひっくるめて「プリキュアってすごい!」と思えるのだと思います。そしてキャラクターたちの悩みや葛藤に共感できるところ、それを乗り越えようと前に進む勇敢な姿は、沢山の勇気を与えてくれます。観ている人の背中を押してくれる。そこがプリキュアの魅力だと思います」と語っている。
そしてキュアラメールを演じる事が決まった際は「今までもサポート役としてみんなと心を一つにして戦ってきましたが、プリキュアとしてまなつたちと一緒に敵に立ち向かえることが感慨深くもあり、とっても嬉しいです!わたし自身幼少期からプリキュアになることが夢でもあったので、この日を待ちわびていました。」とコメントした。
アニメージュ第44回アニメグランプリ
2022年8月号で発表されたアニメージュ第44回アニメグランプリ(投票期間2022年4月8日~5月9日、5月号の綴じ込みハガキの投票を集計)、女性キャラクター部門でローラ(キュアラメール)が8位(得票数128point)にランクインしている。
各話ネタ
本編
■第1話
- 人魚の国グランオーシャンは、あとまわしの魔女によって皆のやる気パワーが奪われ、危機的状況にあった。ローラは人魚の女王からトロピカルパクトを託され、「心の中にきらめく太陽を持った人間と、わたし達人魚の心が通じ合った時、それを開く鍵が現れるでしょう」と、その鍵を持つ人間『伝説の戦士プリキュア』を探す様命じられる。ローラは「何で人間なんかの助けを」と不服そうで、世界を守る使命にも興味なさげだったが、見つけられたら女王になれるかもしれないと聞き、喜び勇んで人間界へと出発する。
- 人間の都市・あおぞら市の近くまで来てみると、通りかかった船から何かが海の中へ落ちてきた。それが人間の化粧品・リップだとか、それを落としたのが夏海まなつ等とは、この時点のローラは知る由もない。
- あおぞら市の水のある場所を移動しながら探してみたものの、そう簡単に『心の中にきらめく太陽を持った人間』見つかる訳がなく、入江で一休みしていると、人間の少女に姿を見られてしまう。「あーっ!」と叫んで彼女の視線を逸らした隙に、岩の隙間に隠れようとしたが、引っ掛かって『頭隠して尾びれ隠さず』状態に。その少女はローラが痛がるのも構わず引っこ抜いて助けてくれたが、ローラはブチ切れて「ちょっとあなた!なに力づくで引っ張ってるのよ!わたしを何だと思ってんの!?」と突っかかる。
- その少女は「まさか人魚に会えるなんて」とハイテンションで大喜びするが、ローラは「何言ってるの?人間」と全く関心無し。更に「わたしの名前は夏海まなつ!あなたの名前は?」と尋ねられたので、「わたしはローラ・アポロドーロス・ヒュギーヌス・ラメール」と名乗った所、「ローラ・アポロピロピロ…長くてきれいな名前だね!」と全く覚えられず。しかしお構い無しに畳み掛けるまなつに「それにしても可愛い!髪なんかツヤツヤ!」と褒められると、「ま、まぁ可愛いのは当然よね。だってわたし人魚だし」と満更でも無さげな顔になる。
- そこで我に返り、「いい気になってる場合じゃないでしょローラ!わたしの目的は任務を果たして女王様に認められ、次の女王になる事よ!そう!人間の子なんて、わたしが女王になるための捨て駒ぁ~!」と、ゲスな本音を露わに。その上、台詞の途中で興奮してまなつを尾びれでグルグル巻きにしていた。
- そんな明らかにおかしい態度の急変を、まなつは「ホームシックで一人ぼっちで心細くなってるから」と好意的に解釈し、それを解消する為の『魔法』があると言い出した。だがそれに使うリップを落とした事を思い出してガックリ。だが、それは偶然にも先刻ローラが拾ったものだった。まなつは礼を言い、ローラの唇にリップを塗ってあげた。
- 「どう、勇気が湧いてこない?トロピカルぞ~って感じで!」と言うまなつの姿に、もしかするとこの子こそが『伝説のプリキュア』かもしれないと思ったローラはトロピカルパクトを開けられるかと手渡すが、全然開かなかった。単なる思い過ごしと分かり、引き留めるまなつに「なら用は無いわ。わたしは忙しいの。じゃあね、人間」と、愛想なく言って海に戻った。
- しかしよくよく考えると、グランオーシャンに手ぶらで帰れる筈も無く、こちらでの拠点も決めていなかったので行く所がな無い。しばし考えつつ鏡で自分の顔を見てみると、海に潜ったせいで、さっきまなつに塗ってもらったリップは落ちてしまっていた。人間等の化粧には興味等ないが、リップを塗った自分を眺めた時は、決して悪い気分では無かった。「それにしても変な子だったな…」
- そこに現れたチョンギーレがヤラネーダを生み出し、通りかかったスポーツ部系の男子学生達からやる気パワーを奪う。さらに、まなつがローラの名前を呼びながらこちらに走ってくるのが見えた。思わず身を乗り出したローラは見付かってしまい、慌てて海の中に逃げ込んだつもりが、砂の中にダイブ。じたばたする内にヤラネーダに捕まってしまった。トロピカルパクトが、不思議な反応が起きた事に気付かずに…。
- 「おっ、わりと強そう」と見込んだ学生達はプリキュアとは無縁だった上に、グランオーシャンの残党であるローラの存在に気付かれ「人魚のやる気パワーも吸い取っちまえ」と命じるチョンギーレ。「もはやこれまで…」とローラは観念したが、駆け付けたまなつがポカポカとヤラネーダに立ち向かっていく。ローラが「何やってんのよ!人間は逃げなさい!」と言っても、チョンギーレに「自分と人魚のどっちが大事なんだよ?自分だろ!」と呆れられても、まなつは「何が大事なのかは自分で決める!」と勇敢に言い放った。するとその勇気からハートクルリングが生まれ、呼応したトロピカルパクトを手に取ったまなつはキュアサマーに変身し、ヤラネーダを倒した。
- 戦いの後、「中々…中々カッコ良かったよ…まなつ」とローラはまなつを名前で呼んで褒めた。さっきは終始『人間』としか呼ばなかったが、プリキュアに変身して救ってくれたまなつを漸く認めたのだ。嬉しそうな顔をするまなつに対し、ローラは「と言う訳で、これからはわたしの元で戦ってもらうから、よろしくね!」と、良い部下が出来たとばかりにご挨拶。まなつが「待って?どう言う事?」と困惑するのもお構いなしで、「あ~、良かった!これで女王に一歩近付いたわ!」と、喜色満面のローラであった。
■第2話
- とりあえずまなつの家のマーメイドアクアポットの中に隠れ住む形で同居し、プリキュア探しを続ける事に。しかし色々説明しているのに、今日から中学校でウキウキのまなつは上の空。ローラの話の途中で学校に出かけていった。
- その上、「帰ったらゆっくり話そう」と言った癖に、まなつは中々学校から帰ってこない。待ちくたびれてポットを抜け出し、風呂場で不貞腐れていると漸くまなつが帰宅。「だってまなつ帰ってこないから退屈だったし」とご機嫌斜めで、まなつが涼村さんごの話をしても、プリキュアになれるかどうか分からない人間の話等、ローラは全く関心無し。まなつの母が帰宅し、まなつに早くポットに戻る様急かされても、「嫌だ。もうちょっとここにいる」と拗ねるばかりだった。
- 何とか機嫌を直して貰おうと、まなつは夜の水族館のプールにローラを連れ出した。グランオーシャンの事などをあれこれ話をする内に、ローラには女王になると言う夢が、まなつには友達を一杯作って部活をして中学生活をエンジョイすると言う夢があると分かり、少し打ち解けて笑い合う二人だったが…。
- 翌日、プリキュア候補を探すためにとまなつの中学校へ連れて行って貰うも、ポットの中からはあまり外も見えないし、自由に動き回れなくて退屈。更にまなつがポットを落としてしまった為、学校の池の中から候補者を探していると男子生徒に見付かってしまい、大騒ぎに。幸い、ポットの中に隠れている間にまなつが発見してくれたおかげで大事にはならずに済んだ。「テヘッ、見つかっちゃった♪」
- しかし、「勝手に動き回らないでと言ったのに!」「世界のピンチに部活どころじゃないでしょ!」「わたしにだって大事なことがあるの!」と、遂に二人は口論になってしまう。「ローラなんてもう知らない!」「わかった、もういい!他のプリキュア見つけてくるから!」と喧嘩別れし、ローラはまなつを残して街へ向かって行った。
- 「まなつなんかより話のわかるプリキュアなんて、街を探せばきっといくらでもいるんだから!」とむくれていると、またもチョンギーレがヤラネーダで人々を襲ってくるところに出くわす。ヤラネーダから逃げ回りながら「誰か…誰か伝説の戦士プリキュアはいないの!?ちょっと!そこの人間!逃げてないで戦いなさいよ!このまま黙ってやる気パワー奪われるつもり!?」と人々に呼び掛けてみるも、皆怯えて怪物から逃げるのに精一杯で、誰もローラの声に応えてくれない。チョンギーレに「この前みたいに助けてくれる奴は居ないみてぇだな」と嘲笑され、水路を塞がれてヤラネーダに追い詰められたローラは絶体絶命のピンチに。
- その時、「ローラ!遅くなってごめん!」と叫びながらまなつが駆け付けた。ハートクルリングが輝いてローラの危機を知らせ、まなつは楽しみにしていた部活オリエンテーションを抜け出してまで助けに来てくれたのだ。「ローラとずっと友達でいたいから…ローラのこと大事だから…わたし、学校も目一杯楽しんで、プリキュアも目一杯やる!」とまなつはキュアサマーになって戦う。ローラはサマーをサポートし、奪われたやる気パワーを取り戻した。
- オリエンテーション会場に戻るまなつに、小声で礼を言うローラ。「ありがとう、まなつ」「えっ?」「何でもない……これからもよろしくね」口調はあくまでぶっきらぼうだが、若干照れた様に話すローラ。そして、まなつの笑顔に、ローラも笑顔で応える。
■第3話
- 日曜日、友達とショッピングモールへ遊びに行く事になったまなつが、「大人しくしてるなら連れてってあげるけど」と煽ってくる。ローラはカチンと来た様子だったが、「いい、行かな~い。たまには体を休めないと」と一旦は断る。しかしそれはツンであり、続く台詞で「まぁ、でもどうしてもって言うなら……」とデレかけたローラの言葉を最後まで聞かず、まなつは「わかった!じゃあお互い楽しい日曜にしよう!」と飛び出していき、ローラを盛大にズッコケさせた。
- しかし真面目に留守番する訳が無く、こっそり家を抜け出して、先日連れて行って貰ったあおぞら水族館のプールでくつろいでいると、人間の少女に見つかってしまう。どこかで見た事がある顔だと思ったら、まなつと一緒にいた涼村さんごだった。
- ローラが本物の人魚だと知ったさんごは感嘆しきり。その上「可愛い」と褒めちぎって来るので、すっかり気を良くして「ねぇ、あなたプリキュアやってみない?」と勧誘に走る。だが生憎、トロピカルパクトは反応しなかった。
- 翌日、学校に連れて行って貰い、お昼時にお手製の弁当を食べていると、まなつとさんごの会話が聞こえて来た。さんごは幼稚園の頃、自分だけが皆と違う色の花を選んだ事で、自信を失くしてしまったのだと言う。只でさえ虎視眈々とグランオーシャンの次期女王の座を狙う自信家といってなお余りあるローラからすれば全く考えられない話である。とうとう我慢ならなくなったローラはまなつのポケットからポット毎飛び出し、「くっだらない!自分の可愛いが信じられなくてどうするのよ!」と叫んでまなつを慌てさせる。
- 因みにローラのお手製の弁当は、人間からすると食欲が失せそうな色のおかずが多かった。
- ポットに入ったままのローラと再会し、「ちっちゃいとますます可愛い」と喜ぶさんごに褒められ、「そうそう、自分の可愛いを信じなくちゃ」と上機嫌。その何気なく口にした「自分の可愛いを信じる」という言葉は、消極的なさんごの心に響いた。
- そしてサマーとヤラネーダが戦う現場に駆け付けたさんごは、「わたしはもう逃げない」と勇気に目覚め、キュアコーラルに変身した。新たなプリキュアが増え、「これでまた女王に近づいた、フフフッ」とローラはにんまり。
■第4話
- 部活が決まらないと悩み、「いっそ好きな事が全部出来ちゃう部があれば」と言い出すまなつに対し、「なければ作れば?プリキュア部ってどうよ?」と、ポットから顔だけ出すシュールな絵面で嘴を挟んでくるローラ。「プリキュアは部活じゃないよ」「そもそもプリキュアって何?」「それじゃ明日調べてみよう!」と話が変わって行き、いつの間にかローラの思惑通りプリキュアについて調べる事に。
- 図書室でまなつとさんごは、2年生の一之瀬みのりと出会う。『人魚姫』の物語が好きだと言う彼女ならプリキュアになれるのではないかとまなつは期待するが、図書室での会話を聞いていたローラは「ちょっと頼りない感じじゃない?」とあまり乗り気ではなかった。その後、彼女が書いた小説『マーメイド物語』に関するやり取りも聞き、『心の太陽』とは程遠いみのりのネガティブな態度で、「あれじゃやっぱりダメね」と諦めモード。
- 「早くプリキュアを探したいのに」とこぼしながらも、まなつとさんごに付き合わされて、あおぞら市立博物館の人魚展へ。「トロピカってる~!」と目を輝かせるまなつとは対照的に、船を座礁させた人魚伝説に「いやいや、そんな事しないし」、人魚のミイラに「はぁ~!?これのどこが人魚なのよ!」、集団で戯れる人魚像に「こんなの、人間の勝手なイメージだわ!」等とすっかりご機嫌斜めで、ポットから飛び出してきてクレームをつけまくる。
- そこに誰か来たので、咄嗟に隠れられず、人魚像と同じポーズを取って誤魔化す羽目に。やって来たのはみのりだったが、彼女が語る『人魚姫』の自己犠牲の話が野心家の自分と相反する考えである事に苛立ち、思わず「はぁ!?人間のために消える!?何、それ!」とキレてしまい、またもあっさり正体バレ。
- 噴水で泳いで機嫌が直り、「何なら尾ヒレに触ってみる?」と尾ヒレを褒めてほしい高飛車な人魚様。まなつがみのりをプリキュアに勧誘し、「ちょっと頼りないけど、その人魚好きってとこだけは評価するわ」とローラ基準で判断して、試しにパクトを渡してみるが、やはり「わたしには無理」と気弱なみのりには反応しなかった。そこにヌメリーとヤラネーダが出現し、まなつとさんごは変身して戦うが、遮光器土偶型ヤラネーダに踏み潰されそうになる。
- その光景を目の当たりにしながら、足がすくんで動けないみのりを、ローラは叱咤した。「助けたいんでしょ?だったらあなたが行きなさい!また何も出来ない?そんなのばっか。『わたしには無理、できない、どうせわたしなんか…』まなつは信じてる、あなたならプリキュアになれるって。もっと自分を信じたらどうなの?最初から出来ないなんて決め付けてないで、やってみなさいよ!あなたが居ないって決め付けてた人魚だって、ほら、ここに居るし!自分でダメだって言ってた小説だって、まなつは言ってたでしょ?面白いって!勇気を持って前に踏み出せば何だって出来る!その脚は何の為についてるの?」ローラの熱い檄は、臆病だったみのりの心に火をつけ、彼女はキュアパパイアに変身してサマー達の窮地を救った。
- 「どう?一歩踏み出した気分は?」とローラに聞かれ、「どうかな…でもなんだかいい気分」と笑顔のみのり。「で、もう一度聞くけど…尾ひれに触る?」と誘い水を向けるが、みのりは「あっ…すごくリアル」と率直な印象を述べたので、「はぁ~?何その感想~!」とまたまたご立腹。
■第5話
- 不良に絡まれていたまなつを助けた滝沢あすかをすっかり気に入って、「まなつも見たでしょ、あの身のこなし、運動神経!絶対4人目のプリキュアにしてみせるんだから!」と大張り切り。まなつとさんごが学校で見つけたあすかの前で、早速「あなたをスカウトしに来たわ!」とポットから飛び出して、彼女を驚かせる。
- しかし何の前フリもなく唐突な話をされたあすかは迷惑顔で、「いや、人魚とかプリキュアとか、いきなり訳が分からない。とにかく他を当たってくれ」と背を向けるが、ローラは馴れ馴れしくあすかに抱き着いて、「待って!あなた、とっても向いてると思うの」と食い下がる。
- 続いて「そしてわたしが人魚の国の女王になるの!」とぶっちゃけた本当の目的を口にすると、「気に入らないな。あんた、自分が偉くなりたいだけなんだろ?」と、あすかは不快感を露わにする。尚も悪びれる事無く、「それのどこがいけないの?そうすれば人魚の国も人間の国も救えるのよ、いい事ずくめじゃない」と澄まし顔のローラはトロピカルパクトを押し付けようとするも、『仲間』という言葉に拒絶反応を示したあすかは「誰ともつるむつもりはない」と去ってしまった。が、結局あすかは、まなつと生徒会長の白鳥百合子とのイザコザに首を突っ込む形になって、とりあえず部室探しの為に暫くまなつと行動を同じにする事に。
- 部室候補の部屋を片付ける際は、例によって全く手伝わず指示するだけで、「そういう事はしないの。だってわたし人魚だし」と相変わらずの上から目線。「何であんな我儘人魚とつるんでいるんだ?」と不満なあすかに対し、ローラの裏表がない性格を熟知するまなつとさんごは「思っている事をそのまま言っちゃうだけだし、プリキュアにスカウトしたのも強くて頼れると思ったから」と説明し、とりあえずローラが悪い娘ちゃんでは無いと分かって貰えた様子。
- 因みに上述の通り、ローラは地上では這いずる様にしか動けない為、まなつたち人間がやる様な片付けはしないと言うよりかは、そもそも出来ない可能性が高い。
- 悪い娘ちゃんでは無いが、掃除に関しては「あっ、それ、その上に置いて。そう言う所に埃が溜まっているんだから。あっ、箒はもう少し細かい所まで。あっ!その雑巾は1回洗って!」とやけに掃除にうるさく口やかましい小姑ぶりを発揮。海の中で箒とか雑巾とかどうやって使ったのやら。
- まなつ達が廃品を運んで行ったリサイクルセンターにヤラネーダが出現。駆け付けたあすかはローラの姿とプリキュア達を見て状況を把握し、「人魚!その力、貸しな!」と叫び、ローラは「フッ…その気になったのね」とあすかにパクトを投げ渡す。「あんたの為じゃない、わたしがこうしたいってだけだ!」と言いながらも、あすかはキュアフラミンゴに変身。ヤラネーダからすかさずやる気パワーを奪い返すローラに「フッ…やるな、人魚!」とニヤリとするフラミンゴ。ローラも「まぁね」と当然の得意顔。かくして4人目のプリキュアが加わった。
■第6話
- 部活設立会議にてメンバーの名前が読み上げられた際、「わたしは?プリキュアも無事に全員揃った事だし、わたしもその部活ってのに参加してあげない事もないわよ」と相変わらず上から目線で首を突っ込む。更にまなつから部長に指名されたあすがが難色を示すと、「嫌ならわたしがやってあげてもよくってよ。人魚の国の女王になるために、まずは小さなところから練習台として!」と思い切り練習台にする気満々で名乗りを上げるも、人魚に地上を侵略させ…もとい「部長をやらせるわけにいかない」と、結局あすかが引き受けた。
- しかし活動内容が決まらず、「毎日みんなで楽しい事をやりたい」とまなつが言うと、「トロピカルメロンパンを食べるとか。メロンパン部にするって言うなら、わたしが味見役になってあげてもいいわ」と口を挟む。グランオーシャンにはないパンがすっかり気に入った様子。そもそもグランオーシャンにはパンという食べ物自体が存在しないらしく、水浸しになってしまうとの事。
- 全員で無記名のアンケートを取って、やりたい事を模索する事に。最初に出たみのり発案の「読書」の時は『世界のメロンパン』という妙にマニアックな本を興味深げに読んでいた。
- 2番目に出てきたのは「女王様になるレッスン」。言うまでもなくローラの発案である。まなつ・さんご・みのりを相手に「頭が高い。女王様の前では常に跪きなさい」「喉が渇いたわ。海ぶどうジュースを持ってきてちょうだい」等々やりたい放題。
それはそうと、海ぶどうジュースって要するに海藻汁なのでは……
- 「わたくしちょっと疲れたわ。お昼寝するからおやつの時間になったら起こして」と言ったかと思うと本当に寝てしまい、あすかから「これって女王様というより、いつものローラじゃ…」とツッコまれる。
- その後にあすかの要望で『仲良しウサウサ村』のゲームをみんなでやる事になったが、ゲーム内のウサギのキャラクター「ウサコ」に対し「何これ?ウサギのクセに生意気~!」とブチギレた。ローラの中のイメージではウサギは地位が低い動物らしい(そもそもグランオーシャンに陸上生物であるウサギがいたかも怪しいのだが)。
- 翌日の放課後。何か困っているらしい卒業生の女性4人組にまなつが声をかけると「ペンギンのペンちゃん」と言う置物を探していると言う。どこかで見たようなと考える内に「あーっ!思い出した!」とポットの中から大声を上げてしまい、まなつの「あ…あすか先輩、突然叫ぶのはやめてください」と言う咄嗟のフォローで誤魔化せたものの、「後で覚えていろよ…!」とあすかに睨まれた。
- 先日部室を掃除した際に、リサイクルセンターに持ち込んだ廃品の中にその置物があったのを、ローラは覚えていた。みんなで捜索しているとヤラネーダが出現。まなつ達が変身し、「4人そろって!トロピカル〜ジュ!プリキュア」と名乗りを上げる姿を見て、「ようやく4人そろっての変身ね」とローラは嬉しそう。しかし今回のヤラネーダは、偶発的に発生したものでやる気パワーの回収もなく、出番が無くて「なんかつまんない…わたしの活躍は?」と、最後はちょっと不満げ。
- 戦いが終わり、無事に『トロピカる部』を設立した皆に、「プリキュアの事も忘れないでよ」と言うお決まりの釘を刺しつつも、そんなまなつ達を観て、楽しくなったのか嬉しそうに微笑んだ。
■第7話
- 海辺でランニングするトロピカる部一同。海岸に打ち上げられたアザラシらしき生き物を発見するが、それは人魚の女王のペット・くるるんだった。
- 何かを訴えるも、くるるんは「くるるん」「くるる~ん」としか話せない為、何を言っているのかとまなつに尋ねられたローラはしばし考え込み、「わたしに会えて光栄だって」「くるるん…(違うよ)」「ローラちゃん可愛いって」「くるる~ん…(言ってないよ)」と自信満々に翻訳するも、くるるんは首を横に振って困り顔。結局ローラもくるるんが何を言っているのか分からないのであった。それを指摘されて、「う…うるさいわね!でもわたしに会えて光栄に思わない筈がないから、間違ってはいない筈よ!」と半ギレで開き直るが、くるるんは「(ダメだこりゃ)」と言いたげな表情を見せていた。
- みのりが「くるるんはお腹が空いているのでは」と言い当て、ローラはくるるんに「貝殻クッキー」を与える。パンは無いのにクッキーはある謎の海底文明。くるるんはローラに届け物の包みを持ってきたが、途中で落としてしまったらしい。女王からの届け物であると言うその包みについて、ローラは「プリキュアのパワーアップアイテムよ!」と推測する。それは販促的にもまだ早いんじゃ?
- メンバー総出で包み探しに奔走する中、海と全然違う方に向かったみのりが見事包みを探し当てた。想像力を働かせて見つけたと言うみのりに、ローラも感心する。そこにエルダが現れ、「その包み…頂戴!」と包みをよこすよう迫ってきた。巻貝の貝殻を素体にしたヤラネーダを召喚、まなつ達が合流するも「遅いじゃない!早く早く!」とローラ憤慨。
- プリキュアに変身した4人。しかし、変身早々苦戦を強いられる。その間「人魚と妖精見~っけ」とエルダに発見されてしまい、ローラはエルダと対峙。エ「さぁ、無駄な抵抗はやめて、その包みをエルダちゃんに頂戴!」ロ「駄目に決まってるでしょ、諦めて大人しく帰りなさい!」エ「やぁよ。だってそれ持って帰らないと、お駄賃もらえないもん。くれないと駄々こねるわよ!」ロ「こねなさいよ!」エ「わー!わー!頂戴頂戴頂戴頂戴!」ロ「絶対あげない!」エ「ムキャー!」と2人は、地上と海の平和を賭けた戦い!……には程遠い子供の口喧嘩を繰り広げる(因みにエルダよりは、年上にして大人である)。
- そこでローラは「それ以上近づくと痛い目に遭うわよ!」と満を持して"パワーアップアイテム"の包みを広げ、エルダも「わぁ~!やられる~!」とビビったが、中から出て来たのは只のお菓子だった。
- 大笑い(「お菓子だけに可笑しい」か…)してローラを煽りつつ、エルダはそのお菓子を要求するが、「このお菓子は、人魚の女王様がローラを思って用意した贈り物。だから、あなたには渡さない!」と強く拒否したキュアパパイアの活躍により難を逃れる。
- 女王様からのお菓子をみんなで御馳走になり、シャボンピクチャーで記念撮影した後、役目を果たしたくるるんを見送ろうとする。しかし、くるるんはローラのマーメイドアクアポットの中に入ってしまい、ローラは「あなた、もしかしてこのままここにいる気!?」と困惑。みのりに「ローラもくるるんの気持ちが分か様うになったみたいね」とフォローされて「えぇ!?」、すかさず「よろしく、くるるん」と受け入れるまなつとさんごに「はぁ!?」とキレかけながらも、歓迎する一同とくるるんの笑顔を見て苦笑しつつ、「まったく…」と承諾した。かくして、今まで一人ぼっち(?)だった彼女に、新たな『ルームメイト』が出来た。
- シャボンピクチャーに息を吹きかけると、シャボンは海へと飛んで行った。海に沈む夕日を見つめ、ローラは心の中で「女王様、わたし元気にやってるから」と礼を述べる。そしてグランオーシャンでそのシャボンを受け取った女王は、人間の仲間と一緒に写る笑顔のローラの姿を見て、穏やかに微笑むのだった。
■第8話
- 番組の冒頭にて、マーメイドアクアポットで眠るローラとくるるん。しかし、何故かくるるんは彼女の足枕代わりにされていて、気持ち良さそうに寝ている彼女とは対照的に、くるるんの方は苦しそうにうなされていた。
- 持ってきた弁当がご飯しかないまなつ(反対に母はおかずしかなかった)の発案により、トロピカる部一同で「お弁当作り」を開始する。しかしローラは相変わらず「そんな事してる暇があるなら、プリキュアとしてトレーニングでもして貰いたいわ」、「人魚の女王は料理なんてしないの。味見くらいならしてあげてもいいわよ」と非協力的。
- と言いつつ、楽しそうなみんなの声が気になって、ポットの中から「あれは何、これは何」と質問して回る。みのりが、いつまで経っても卵が割れないのを見てイラつき、とうとう「あぁ、もう見てらんない!」とポットから飛び出してお手本を示そうとするも、思い切り雑に叩きつけてグチャグチャ。逆にみのりから「どんまい」と励まされ、「みのりは割る事すら出来てないじゃない!」と半ギレになった所で、あすかからはみのり共々、「二人とも練習あるのみだね」とツッコまれた。
- 結局、料理に興味が湧いたようで、皆と仲良くお弁当作りの手伝いをしてくれた。さんごのタコさんウインナーをフライパンで炒めようとして、散乱させる一幕も。
- ローラがデザートのイチゴをつまみ食いしようとした所で桜川先生が様子を窺いに来た為、慌ててローラを背後に隠すまなつ達。4人の背後でビチビチ跳ねている巨大な尾びれを見ても特に怪しまない先生の、「そんなに大きな魚を料理するの?大変ねぇ」との天然ボケのお陰でバレずには済んだが、「わたしを料理なんて失礼しちゃうわ!」とローラはおかんむり。
- ヤラネーダと戦うが、食事抜きでお弁当を作っていた4人は空腹で力が出ない。ローラは「わたしに作戦があるの!少しでいいからヤラネーダの動きを止めて!」と叫び、ヤラネーダの冷凍攻撃を自爆させて氷漬けになった所で(その隙に倒せば…いえ、何でも無いです)、皆にお弁当を食べる様勧める。好物を食べて力を取り戻したプリキュア達は、ヤラネーダに勝利した。
■第9話
- あおぞら中学校で映画のロケがあると聞いたまなつが、「みんなでエキストラとして出よう」とトロピカる部の部活として提案。目立ちたがり屋なローラは諸手を上げて賛成し、「スタッフや現場に興味がある」とさんごが言うのを聞いて、「裏方なんてつまんない。わたしは出るわよ、人魚の演技力見せてあげるわ!」と意気込むが、あすかとみのりに「それは無理」とあっさり却下される。
- 山辺ゆなのメイク担当がみゆきと聞くと驚愕する顔が凄い顔芸だった。
- 「Pretty Holic」で皆が新作コスメのサンプルを配っていた時、ローラはそのコスメで少々ケバい自己流のメイクをして悦に入っていた。
■第10話
- 落第点だったら部活停止のまなつは、ローラとくるるんに邪魔しない様頼み、テスト勉強に取り掛かる。その後ろでローラとくるるんは大人しくボール遊びをしていたが、まなつは勝手に集中力が切れて、喉が渇いただの部屋の散らかりが気になるだの言って、現実逃避してばかり。ローラの「いつになったら勉強やるの?全然やる気ないでしょ」とのツッコミにも、「やる気はあるけど分からないんだよ~!」とのたまい、ローラを呆れさせた。
- そんな折、ヤラネーダが出現。ところが今回チョンギーレが誕生させたのは、強化型のゼンゼンヤラネーダだった。その猛威の前にプリキュア達はなす術もなく、おてんとサマーストライクも効かない。サマーは変身解除に追い込まれ、やる気パワーを奪われてしまった。「ったく、油断するからよ!」と立腹しつつも、ローラはマーメイドアクアポットでやる気パワーを取り返したが、ゼンゼンヤラネーダに弾き飛ばされたアクアポットは、水路に落下してそのまま流れて行ってしまう。
- チョンギーレが作りかけの料理の都合で撤退したために、何とか一同は命拾いした。しかし、「わたしの事はほっといてください~。何にもやる気起きないんで」とまなつはすっかり無気力になり、ローラが「あなた、それでもプリキュアなの?」とハッパをかけても、「プリキュア面倒臭いなぁ~、辞めま~す」と、衝撃的な言葉を口にする。「プリキュア辞めるですって?」とキレたローラに「うん、そうだよ。じゃあお休み~」と腑抜けるまなつ。「ふざけんなー!」とブチギレてまなつの胸倉を掴むも、さんごに止められてしまう。業を煮やしたローラは、アクアポットを探しに水路に飛び込んだ。
- 何処まで流されたのか、アクアポットはなかなか見つからない。「もし見付からなかったら…」と最悪の事態が頭をよぎり、同時に虚ろな表情のまなつの顔が浮かんだ。「急がないと!」とローラは必死で捜索を続ける。
- あらかたの水路は探しつくし、残るは汚水が流れるエリアのみ。漂う悪臭に顔をしかめ、「無理無理無理、絶対無理!こんな所泳げるわけないわ!」と引き返そうとするが、その時再びまなつの顔が脳裏に浮かぶ。このままやる気が戻らず、あの太陽のような笑顔が二度と見られなかったら…。「まなつの…おたんこなす!!」と意を決したローラは、汚水の中へ突っ込んでいった。
- 体がドロドロに汚れるのも構わず探すが、やはり駄目。咳き込みながら水路脇に這い上がったところで、くるるんを発見する。「のんびりとひなたぼっこしてる場合じゃ…!」とキレかけて、くるるんはアクアポットの中にいた事を思い出した。と言う事は…あった!くるるん共々、打ち上げられていたアクアポットを漸く見つけた。
- 急いで取って返すと、なんとまなつは自力でやる気を取り戻し、キュアサマーに再変身していた。それを見たローラの顔が喜びで輝く。今までなら「無駄骨折らせて何よ」とか文句の一つも言っていたかもしれないが、今のローラはまなつの復活が何より嬉しかったのだ。「プリキュアは負けないわ!まなつのやる気は最強なんだから!」と叫んだローラがやる気パワーを放出し、それによって満たされた4人の心からハートカルテットリングが生まれ、新必殺技「プリキュア・ミックストロピカル」でゼンゼンヤラネーダを打ち砕いた。
- いつも通りに戻ったまなつだが、背を向けたローラに気付き、「あれあれ、何か怒ってる?」と能天気に問い掛けるも、目がうるうるしていたローラは「怒ってるに決まってるでしょ!何よ、プリキュアやめるって!まなつのバカバカバカ~!」とまなつをポカポカ殴る。まなつはそんなローラをぎゅっと抱き締めて、「ごめんねローラ!何があってもやめないよ、だって…プリキュアって最高にトロピカってるもん!」と謝った。ローラも半泣きになりながら、まなつを抱き締め返す。「ローラ、ちょっと臭い…」「まなつのせいでしょ!」と言いながらも、笑顔で熱く抱擁する2人。いつの間にかまなつは、ローラにとってかけがえのない存在になっていたのだった。
- 案の定テストの結果のオチにより、「部活禁止決定ね。いいじゃない、プリキュアに専念すれば」といつも通りの高飛車な態度を取っていたローラだが、まなつは「やだ!みんなとトロピカる部やりたいもん!」と今度こそ心を入れ替えて熱心に勉強する事を誓い、ローラもそんな元通りの彼女を観てニッコリと微笑んだ。
■第11話
- 追試で合格になって、「久々に思いっきり部活でトロピカるぞー!」と盛り上がるまなつを横目に、「よかったわね」と素っ気ないローラ。トロピカる部主催のサンドアート大会が始まるも、他の生徒達がいる手前、ポットの中で大人しくしていたが、空を飛ぶパラグライダーに「わぁ~!凄い綺麗!」と目を輝かせていると、あすかに先手を取られて「人に見られたらまずい事になるから、くれぐれも外に出るなよ」と釘を刺され、むくれる。まなつになだめられても「別にわたし砂遊びなんて興味無いし」とツンツン。しかし「まぁ優勝賞品のトロピカルメロンパンはちょっと良いかもしれないけど…」と、構って貰いたい本音がポツリと出る。
- まなつの画伯的作品をあすかが手直しし、楽しそうにワイワイ言っているのを聞いて輪に加わりたくなるが、「悪くないんじゃない?」といつも通りの高飛車な調子で口を挟むものだから、これまたいつも通りにあすかを怒らせてしまい、いつも通りにさんごに窘められる。
- 「まぁ、みんなで頑張ったら?」とは言ったものの、出るなと言われれば逆に出たくなるもので、くるるん相手に「えっ?退屈だから外の写真を撮ってきて欲しいって?」と言って、「くるるん?(そんな事言ってないけど?)」と困り顔のくるるんを残してポットから飛び出し、岩陰からこっそり皆の写真を撮りまくる。
- 只、「まなつ達の変な顔でも撮ってやろうっと」と悪戯顔になっていた割には、コケて砂まみれになり、起き上がった瞬間のまなつのしかめ面は撮らず、一呼吸置いて笑顔になった途端にシャッターを押すあたり、今のまなつに対するローラの心情が窺える。
- 色々写真を撮って、外の空気は吸ったものの、皆の笑顔の写真を見ては「何よ…砂遊びがそんなに楽しい訳?」とこぼす。事情は理解しているとはいえ、疎外感はどうしようも無かった。桜川先生が差し入れたマリングミをお裾分けとしてもらい、「味はまぁまぁってとこかしら。まぁ、どっちかって言うと、もっとしっとりしてた方がわたしの好みだけど!」と呟いても、横でくるるんが昼寝しているだけで、その声には誰も応えてくれず、孤独感は深まって行く。
- ジュゴンの尾ヒレが上手く作れていないのを見て、ポットに入ったまま突進してきて、「違う違う!ほら、こうなってるのよ!人魚の世界じゃ常識なんだから!」とダメ出ししてブチ切れつつ、自分の尾ひれを見せ付ける。それでも駄目なので「あ~、もうほんと見てらんないわ!」と退散してしまった。「わたしの方が上手く作れるのに…」とブツクサ言いながらも、出て行けばまなつ達に迷惑が掛かるので、それ以上自己主張はしなかった。
- 所が急に雨が降りだし、生徒達のせっかくの力作が崩れ始めた。生徒達が落胆する中、無謀にもビーチパラソルで懸命に皆のサンドアートを守ろうとするまなつに、「ねぇまなつ、これは使えない?」とシャボンピクチャーに写っていたパラグライダーを見せる。「ありがと、ローラ!」と駆け出すまなつの背中を、微笑んで見送るローラ。まなつはパラグライダーの翼の布を借りてきてそれをかぶせ、そんな彼女を見て、トロピカル部一同や他の部員も総出でサンドアートを守り切った。
- サンドアート大会は成功裏に終わったが、ローラ一人だけが浮かぬ顔。くるるんに覗き込まれ、「違うわ!これはさみしいとかうらやましいとかなんかじゃないってば!」と言い訳してはみたものの、正にそれこそが今の偽らざる本当の気持ち。一人水族館のプールで夜空の月を眺めていると、まなつがやってきた。「今日はローラのお陰で大成功だったよ!」「別にわたしは何もしてないし…」「ありがとう、ローラ!今度はローラも一緒にやれる部活を考えるからね!」「わたし、部活なんて…」「ねっ!」「うん…」何処までも無邪気で純粋なまなつに、ローラも素直にうなずく。
■第12話
- 最近、校内で人魚を目撃したと言う噂が流れており、風紀委員の角田正美がトロピカる部を調査しに来た。但し人魚等本当にいるとは信じておらず、タチの悪い悪戯として調べていると言う事で、当のローラは「いるんだけど!」とプンプン。
- かと言って素直に閉じこもっているローラでは無く、校内の水路でくつろいでいると、人魚に関する根も葉もない噂話が聞こえてきて、イライラが募ってくる。そして正美が「人魚なんているわけないのに」と呟くのを耳にしたローラは我慢出来なくなって、「だからいるっての!」と声を上げ、正美に姿を見られてしまう。
- 遂に学校新聞にまで取り上げられる騒ぎとなるも、ローラは見られた事より「学校中ありえない噂ばっかりだったわ!ほんと腹立つ~!」と、そっちの方にご立腹。そんな中、正美が部室にやって来て、慌ててポットに避難しようとした所、狼狽したまなつがポットを落とした為に入り損ね、咄嗟に黒板の裏側に隠れたものの、ポットは正美に没収されてしまう。
- 遅れて来たあすかは事情を聞き、再び風紀委員室に乗り込もうとするが、タイミングの悪い事にゼンゼンヤラネーダが暴れ始めた。だがローラは「行って!わたしなら大丈夫、このわたしが見つかるなんてヘマをする訳無いでしょ。(いや、見付かったばかりでは…)皆のやる気が取られる前にあいつらを止めて来て!」と力強く送り出し、まなつ達はその言葉を信じて出撃する。
- その間にローラは、まなつが部室掃除の際に見つけたスケボーに乗って、アクアポット奪回作戦を開始。くるるんと共に廊下をそろそろと進んで行き、風紀委員室に辿り着く。運良く誰もいなかったので勝手に入ってアクアポットを探すが、部屋の扉が開き、誰かが入って来そうな事に気付く。実は作戦開始早々に正美に姿を目撃されており、彼女が後を追って来たのだ。
- 慌てて隠れ場所を探すと、没収物の制服が目に入った。ローラは咄嗟にそれを着て女子生徒になりすます。下半身は長いスカートで隠し、尾ヒレの先端で器用に靴を履き爪先立ちの要領で直立する事で、じっとしていれば人間の女の子が普通に立っているのと見た目は変わらない様になった。その上で「風紀委員になりたいから訪ねに来た」と風紀委員室にいる理由付けまでした為、正美も目の前の女生徒が探していた人魚とは見抜けなかった。
- 下校時間のチャイムが鳴って正美が帰ろうとした隙にアクアポットを発見し、ぬいぐるみのふりをして隠れていたくるるんを回収。「じゃあわたし、これで」と何食わぬ顔で去ろうとするが、目ざとい正美は「そのスカートの丈、校則違反です」と呼び止める。流石にもう誤魔化しきれず、ヨタヨタ歩きで逃げ出すが、堅物の正美が「廊下を走らない」と言うポリシーを頑なに守ったお陰で追いつかれずに済み、何とか逃げ切った。
- その頃プリキュア達はゼンゼンヤラネーダのパワーに手を焼いており、必殺のミックストロピカルを出したくても、やる気パワーを取り戻さずに倒してしまっては、やる気がみんなに戻らないた為、攻撃もできずにじりじり追い込まれていた。そこに「待ちなさい!」と制服姿のローラが颯爽登場。「ローラが立ってる!?」と皆が驚く中、ローラはやる気パワーを取り戻し、プリキュアは心置きなくミックストロピカルで勝利した。
- 翌日正美は「昨日人魚を目撃しました。そして校則違反の制服を着た女子生徒が突然消えました。あなた達が関係しているのでは?」とトロピカる部一同に詰め寄るが、あすかに「証拠はあるのか?」と突っぱねられ、アクアポットも部活に必要な物と申請済み、更に会話の途中でスケボーに乗ったくるるんを見た事で、身内の風紀委員達からも「頑張り過ぎて疲れているのでは」と気遣われてしまい、漸く引き下がっていった。
- 何とか一件落着と言う事で、再び無断拝借した制服を着て「これなら学校にいてもバレないわ!」とご満悦になるも、即座に「その制服はローラのじゃないだろ」、「ちゃんと風紀委員の部屋に返さないとダメ」とトロピカる部全員からダメ出しを食らったローラは「えぇ~!?そんな~!」とガッカリして膝を崩した。
■第13話
- あおぞら中学校のお昼休み、校内放送で人魚の話題で盛り上がる。「船を沈めてしまう」という言葉にローラがブチギレ。
- 部室に集まるまなつ達。まなつに「船沈めたことあるの?」と問われるも、「ある訳ない」とまたブチギレ。みのりに「船乗りの心を奪う」と指摘されるも、「くだらない」とまたまたブチギレ。あすかに「人魚は歌を歌うのか?」と問われるも、ご機嫌。まなつに「歌ってみて!」と頼まれるも、「人魚の歌は見せ物じゃない」とブチギレして拒否した。
- トロピカる部が校内放送のゲストに出演することになって、何を話そうかと打ち合わせするまなつ達。最初は興味なかったローラだが、トークが上手いなら人気者になれると言うみのりの言葉を聞いた途端、アクアポットから飛び出し「トリは私に任せて!コーナー名はローラの部屋」「何なら歌ってあげてもよくてよ」と自信満々に発言。典型的な承認欲求の塊であるが、前回の件もあり、あすかからは「これ以上目立つ事はするな」と釘を刺されてしまう。
- 放送室に見学に来たトロピカる部一同。しかし、放送担当の小森いずみの体調不良により、台本・機材担当の林田ゆきえと共に急遽出演する羽目になるが、如何せん素人ばかりなので放送はメチャクチャに。そこに「トロピカる部の特別ゲスト」と称して、自作のロングスカートを身に付け尻尾を隠したローラが現れ、トロピカる部一同を驚愕させる。
- まなつ達の放送にダメ出ししたローラは自信満々で放送に参加。お悩み相談コーナーを担当するが、何処までも上から目線の答えで状況は更にメチャクチャに。
- 突如、スーパーマーケットにゼンゼンヤラネーダが出現。まなつ達4人を先導させ、ローラにエンディングトークを託される。そこでローラは『なかよしのうた』を歌い出した。トークを終え、大急ぎでまなつ達の下へ駆けつける。
- 翌日、ローラの歌を聴きたいとリクエストが殺到。いずみとゆきえに「ローラは?」と問われ、他の3人はそっぽを向きながら惚けたのに対し、まなつも「私もローラの歌、聴きたかった~!いいな、いいなぁ~(*''▽'')」と反らし、ローラも「また気が向いたらね」とまなつに約束を交わした。
■第14話
- 保育園の職業体験に来たまなつ達。そこにローラも参加する。
- ぬいぐるみに紛れ込むくるるん。まなつが「海の妖精」と称するも「まなつ!」と余計な事を言うなとローラが怒り、「アザラシのぬいぐるみ」だとごまかす。耳を引っ張られ「くるるん!」と鳴き出し、ローラは咄嗟に「喋るぬいぐるみ」だとごまかした。
- 今度はお姫様ごっこで盛り上がるローラ。「お姫様の皆さん、御機嫌よう」、語尾に「ですわ」とかなりノリノリだった。
- そこで1人昆虫図鑑を読んでいたワタルを目の当たりにし、ローラは「見所がある」と評する。ローラも「とある目的のため、日々頑張ってる」「遊ぶ暇なんてない」と自称した(おいおい…何気に遊んでないか?)。ワタルにアゲハチョウの蛹がいる所に案内される。
- そこに積み木を素体にエルダの召喚したゼンゼンヤラネーダが現れ、園児達が避難する中、ローラはぬいぐるみの中からくるるんを探していた。急いでくるるんをアクアポッドへ避難させた所をゼンゼンヤラネーダの積み木が入り込み、「ちょっと!危ないじゃない!しっかりしなさいよ~」とプリキュア達を𠮟るが(サマー曰く、崩しても崩しても積み上がるから無理もないが)、外に逃げ遅れたワタルを発見する。
- 逃げ遅れたワタルに歩み寄るローラ。そこにワタルと共にルリが隠れていた。ワタルはアゲハチョウの蛹が心配だったという。ローラ目掛けて積み木が飛んで来るも、コーラルがペケバリアで防いだ。
- ゼンゼンヤラネーダに苦戦するプリキュア達。突如、ローラが「頑張れー!プリキュアー!」と叫び出し、続けてワタルとルリも叫びプリキュアを応援した。
- 帰り際、ワタルとルリに「プリキュアは私達だけの秘密」と釘を刺した。
■第15話
- まなつ・さんご・あすかが応援の練習をする中、部室で雑誌を読んでいると、大きな布を相手に何やら考え込むみのりから、「ローラ、そっちの端っこ持っててくれる?」と頼まれる。応援が得意ではないみのりは、横断幕を作って手伝うのだと言う。しかしみのりが鉛筆で下書きを始める傍らで、抑えていた布の端っこに眠っているくるるんを文鎮代わりに置いて読書再開。
- その布がアクアポットに触れると、なぜかポットが光り出してみのりが吸い込まれそうになる。慌てて彼女を助けるためにしがみつくもローラも一緒に引きずり込まれてしまい、意識を取り戻した時、二人の体は入れ替わってしまっていた。
- 困惑するみのりに対し、楽天的なローラは「せっかくだし、ちょっとこの体貸してよ」と、まなつ達の練習に首を突っ込んだり、飛んだり跳ねたりしながら自由に表を動き回れる人間の体を満喫する。
- 廊下で桜川先生に呼び止められ、「横断幕は完成した?」と尋ねられる。みのりの姿である以上、しらばっくれるわけにも行かず、慌てて部室に取って返してさっきみのりがやっていた横断幕作りに着手。その文字は「トロピカってGO!」とかなり勢い任せの適当な代物だったが、幸いまなつ達には絶賛され、「まぁ、わたしにかかればこれくらい…」と照れながらもドヤ顔。そこにアクアポットの運転がうまくいかずフラフラのみのりが戻ってきて、漸く皆入れ替わりの事態を把握する。
- その夜は一之瀬家にみのりと一緒に帰る事に。しかしみのりのポエムを勝手に読んで鬼の形相で睨まれたり、みのりの母・なるみに「お母さーん!わたしお腹が空いたからケーキでも食べたいわー!」とせがんだり、みのりが子供の頃コロッケを食べ過ぎたエピソードを聞き出そうとしたりで、みのりを振り回したが、初めてのフカフカのベッドに癒され、初めてのコロッケという美味しい物を食べたり、人間の体になって一日中楽しい時間を過ごしたりと、改めて人間の体も悪くないかもとみのりに色々と楽しく話してくれた。
- 翌日、元に戻らないまま登校途中にクロワッサンを素体にしたゼンゼンヤラネーダが現われ、コーラルが捕まってしまい、サマーとフラミンゴがピンチに陥っていた。ローラは焦ってみのりの姿のままリングをパクトにセットしても変身出来なかったが、人々や仲間を助けたい強く願うみのりの思いにパクトが応え、二人は元に戻ってゼンゼンヤラネーダを撃退する。
- 入れ替わった感想を聞かれ、「楽しかったけど…やっぱりわたしはわたしが良い…かな…」と言うみのり。ローラも少し未練のある淋しげな顔で、「ま、まぁ…人間の体も多少楽しかったかもしれないけど、わたしもわたし自身のままが良いわ」と答えるが、元に戻った自分の尾びれを見つめ、これで良いと自分に言い聞かせた。
- ソフト部の応援当日、学ランを着て銅鑼を鳴らすみのりの姿があった。まなつに「みのりん先輩、なんか…大胆になった?」、ローラは「まあ、わたしのおかげかしら」と言って微笑み、今回のローラのおかげで、みのりにもアクティブに楽しむという心が芽生えたようである。
■第16話
- 今日はトロピカる部全員で登山。海育ちのローラにとっては物珍しいものばかりで、草花や山の絶景に目を輝かせる。コマクサが高山植物の女王と聞き、「女王…まるでわたしみたいね」と呟いたり、川辺に綺麗な花が咲いていたのに寝ていて起こしてくれなかったと一転してふくれたり(この際、シリーズ伝統のうらポジを披露している)、気を取り直して皆でトロピカルメロンパンを食べたり、皆で作ったトロピカル部の旗を広げて写真撮影をする等、いつも通りの楽しいやり取りを行いながらも、帰りは1人川に下りながら山の清流の綺麗さに感じつつ、山道を歩くまなつ達の姿を眺めるローラは、何事かを考え込んでいた。
- 最近アクアポットの中からくるるんを残して頻繁に姿を消し、どうも様子がおかしいローラにまなつは「何か今日のローラトロピカってなくない?何時もだったら『あっ、まなつのアイスも美味しそう。ちょっと味見させて~』とか言ってくるのに」と尋ねるが、ローラに棒読みで「あっ、まなつのアイスも美味しそう。ちょっと味見させて~」とアイスの大半を食べられてしまい涙目。みのりからは「お昼は一人何所かに行ってたの?」と聞いてみた所「ちょっとね」と返事し、あすかからは「あまり勝手にウロウロしてると、また風紀委員の奴らに見つかるぞ」と注意を言った所「大丈夫!そんなヘマはしないから」と余裕をこいている等、こうした様子はいつものローラの様ではあったが、まなつ達は、そんな彼女の様子を見て心配をかけていた。
- こっそり図書室に忍び込み、『人魚姫』の本を読んでいる所をみのりに見つかったローラは、「人間の世界でわたし達人魚がどんな風に語られてるのか興味があったから」と誤魔化すが、みのりは「もしかしてローラも人間になりたいと思ってる?」と鋭く踏み込んできた。最初はハッと気付いたローラであったが、「わたしが人間になりたいなんてそんなわけないでしょ!」と躍起になって否定したものの、先週の入れ替わり回で楽しそうにしてたじゃないとみのりは指摘する。ローラは「そりゃあ、ちょっと楽しかったけど、別にずっと人間のままでいたいわけじゃなかったし…」と主張するも、みのりはローラが後ろに隠していた『人魚姫』の本を取り上げ、「人魚姫だけの話じゃないのかもって私は思う」や「テストで良い点を取ろうと思ったら、必死に勉強すると好きな事をする時間が無くなったりとか」、そして「人間だって同じで、何か望みを叶えようと思ったら、別の何か大事な物を失わなくちゃならないのかもね」とみのりはローラに警告を与える。その言葉は、ローラの心に残った。
- この後、みのりから「ローラと話をしてあげて」と頼まれたまなつは、ローラにホームシックなのかとかあれこれ尋ねるが、ローラの返事は素っ気ない。そんなローラも悩みごとの無いまなつに対して「まなつはいつも楽しそうね…」と羨ましそうにぼやき、まなつは「毎日トロピカってて、すっごく楽しいよ~!ローラとも前より一緒に部活が出来る様になったし~!あっ、もしかしてまだ足りない?もっともっと部活をやりたいとか?」と何時も通り楽しそうに彼女に話しかけるが、ローラは「わたしの目的は人魚の国の女王になる事。その為には、まなつ達にプリキュアとしてもっと頑張って貰わないとね」と何時も通り高飛車な態度を取りながら主張するも、逆にまなつは「部活でも女王様になる事でも、わたしはローラが今一番やりたい事を応援するから!」とエールの声を送ってくれた。所がその会話の最中にまなつの母・碧が部屋に入ってきて咄嗟に隠れ損ね、やむなく下半身だけ布団で隠して切り抜けた後、「わたしはローラ。学校じゃなくて街で知り合ったの。ちょうど外国からあおぞら市に遊びに来ていて」という設定の自己紹介。因みにこの回においてローラはまなつの母と初対面し、大人の人間に対して敬語を使って頭を下げながら丁寧にお辞儀する様子が見られた。ふと碧の足のペディキュアが気になるが、足がないローラにそれを体験するのは無理なので、とりあえずまなつが彼女の指にネイルを塗る事に。そんなローラもまなつが塗ってくれたネイルのペディキュアに「悪くはない」と思わず嬉しそうな表情をしながらニッコリと微笑んだ。
- その夜、プールで一人で泳いでいる時、昼間のみのりの「何か望みを叶えようと思ったら、別の何か大事な物を失わなくちゃならないのかもね」という言葉が頭を駆け巡る。手鏡を取り出し、「人間の世界ってそういうものなの…?」と鏡の中の自分に語り掛けるローラ。答えは出そうになかった。
- Pretty Holicでネイルを満喫するトロピカる部一同。そこへ漁船を素体にしたゼンゼンヤラネーダが現れる。パパイアが動きを封じ込み、ローラがアクアポットでやる気パワーを奪回しようとした時、チョンギーレの合図でゼンゼンヤラネーダがアクアポットに似た形の大量の空き瓶を吐き出し、それをぶつけられたローラはアクアポットを手から離してしまう。そのアクアポットは空き瓶の山の中に混じってしまい、本物がどれだか分からなくなる。
「え~!?ちょっと~!何これ~!?」
- 空き瓶の山の中に混じったアクアポットを必死に探すローラ。だがその隙にゼンゼンヤラネーダは巨大な投網を放って空き瓶の山をローラ毎回収してしまう。今回の作戦は、彼らにとってはやる気パワーを集める為に邪魔なアクアポットを強奪する事が目的だったのだ。ローラは、まんまと罠に嵌まってしまった。同時にサマー達の方も、逃がすまいと追いかけるがチョンギーレの放った煙幕弾に視界を遮られ、気付いた時にはアッサリ取り逃がしてしまい、終いにはローラやくるるんの入ったアクアポット毎誘拐かつ強奪された上、漁師達のやる気パワーを奪われたまま、第10話以来の敗北感を味わう事となった…。
- 投網に捕まったまま海中を連行される最中、くるるんの声で本物のアクアポットを見付けたローラだが、空き瓶の山の中に埋もれてる状況ではマトモに動けず逃げ出す事も出来ない。せめてまなつ達への手がかりとすべくシャボンピクチャーを大量に発射した。そしてあとまわしの魔女の館に着いたローラは、檻に入れられるも、その威勢の良さは消えず「ちょっと~!ここから出して~!出しなさいよ~!!」と必死に叫ぶが、あまりに耳障りなためバトラーによって×印のテープで口を塞がれる。
- そしてローラの前に現れたあとまわしの魔女は、「なぜ人間の味方をするのだ……」と問うが口を塞がれたローラは返事はできない。だが魔女は「あぁ、そう言う事か…お前は人間に憧れているんだね。お前は人間になりたいのか…」と、心の内を言い当てた。更に続く魔女の言葉にローラは動揺する。「だったらわたしに力を貸すがいい。お前のその願い、叶えよう」そう言って魔女は不気味な笑みを浮かべた…。
■第17話
- 魔女は「難しい事は何もない。やる気パワーを奪う邪魔さえしなければ良い」と条件を提示するが、口枷を外されたローラは「誰があなたに協力なんか!」と突っぱねる。人間からやる気パワーを奪い、あとまわしの世界を作ると言う目的を語る魔女に対し、「何?それ!そんな世界誰も望んでないわ!」と猛然と反発するも、魔女は「大丈夫、今決めなくても良い。決めるのも後回しで大丈夫、ゆっくり考えるが良い…」とニヤリと笑みを浮かべながら話した後、彼女を檻毎地下牢に放り込んでしまう。
- 何とか脱出しようとあがくも手段が見付からず、途方に暮れて座り込んだローラの目に、先刻まなつに塗って貰った手のネイルが目に入った。「まなつ、さんご、みのり、あすか…何とか脱出してアクアポットを取り戻さないと!」と、仲間の顔を思い出して気合を入れ直した時、「くるる~、くるる~」と聞きなれた寝息が。何とくるるんが石壁の隙間で呑気に眠りこけていた。くるるんに地下室の鍵を取ってくる様頼んで送り出したが、一人でままごとをしていたエルダの「貝がらクッキー」という言葉に反応してお腹が鳴ってしまい、アッサリとエルダに捕まってしまった。おいおい…。
- エルダがくるるんも投獄しようと地下牢に行って中を覗くと、ローラが消えていた。焦った彼女が鍵を開けて牢内に入った所で、死角となっていた扉の上に隠れていたローラが襲い掛かり、逆にエルダを閉じ込めて脱出。くるるんを逃がしてアクアポットを取り返しに向かう。
- 熟睡している魔女のベッドの傍らのテーブルからこっそりアクアポットを取り戻そうとしたが、目を覚ました魔女に見つかってしまう。巨大な手で鷲掴みにされ、「何故わたしに逆らう?人間にしてやろうと言うのに。お前は人間になりたくないのか?」と問い詰められるが、「人間にはなりたい。でも…あなたの力は借りない!わたしの願いはわたしが叶える!」と、魔女の指に噛みついて手から抜け出し、素早くアクアポットも取り返して逃走する。しかし追ってきたバトラーの放った水流砲の攻撃に巻き込まれ、意識を失ったローラは海溝の底へと沈んでいった。
- ふと気づくとローラは、公園のベンチでトロピカルメロンパンを手にしており、まなつが「ローラ、どうかしたの?」と顔を覗き込んで尋ねてきた。さんご、みのり、あすかもいて、次の部活で合唱コンクールに出ようと言う話になっている。「そっか…さっきまでの事はみんな夢だったんだ。良かった…」と安堵しつつ、「いいわよ、歌ならわたしが皆に教えてあげる。但し、わたしの特訓は厳しいから、皆付いて来られるかしら?」と何時も通りの上から目線ドヤ顔で言えば、まなつも何時も通りに「それじゃ、みんなでトロピカって特訓しよう!」と応え、何時も通りに皆の明るい笑い声が響く。人間界での楽しく幸せでトロピカった時間…。
- 一粒の涙を浮かべたローラが薄っすらと目を開けた時、くるるんと人魚の女王の姿があった。くるるんがローラを救ってグランオーシャンまで連れて来てくれたのだ。今までよく頑張ったと労う女王にローラは、「ねえ、女王様はわたしに何をさせたかったの?わたし、女王様の言う通りプリキュアを見つけた。次はどうすればいい?」と尋ねるが、逆に「あなたはどうしたいのです?」と問い返される。「わたしは…」と即答出来ず、ローラはまなつ達との友情の証とも言えるネイルに目をやった。
- 「あなたはわたしの言いつけ通り、人間の世界に行ってプリキュアを見つけました。自分ができる事を精一杯やりました。だから…もう人間の世界に戻らなくても構いませんよ。女王候補として立派に役目を果たしたのですから」とローラの功績を讃える女王に対し、「良かった…ありがとう、女王様。だけどね、わたし…あの子達、わたしが居ないとダメだから。だからわたしは戻る!」とローラは答えた。その答えが分かっていたかのように微笑んだ女王は、「その時が来ればわかります」と、貝の化石の様なコンパクトをローラに授ける。ローラは「女王様、わたし…まなつともっと一緒に遊びたい。さんごとコスメの話もしたい。みのりと人魚の物語の事も話したい。あすかと一緒にゲームしたい。皆と一緒に部活もしたい。もっとずっとまなつ達と…皆とずっと一緒にいたい!それがわたしの今一番したい事!」と素直な思いを訴え、女王は笑顔で「お友達が待っていますよ」とローラを送り出した。
- 「早く戻らないと、きっとまなつ達が心配してる!戻ったら前よりももっともっとまなつ達と仲良く部活して、毎日目一杯トロピカって…」と、一刻も早く皆の所に戻ろうとするローラだったが、海上にヤラネーダ出現時の闇の光を発見する。そして海中ではサマーとチョンギーレが戦っていた。打ちのめされたサマーは、ローラに抱きとめられ、「ローラ、無事だったんだね…よかった…」と言い残して気を失った。
- 変身が解けたまなつに必死に呼びかけるローラを、「フンッ!ほっときゃいいのに…。無駄に頑張るからそんな事になるんだよ。他の奴らも、無駄にやる気出してたみたいだが、結局全滅だ。ったく、かったりぃぜ…」とチョンギーレが嘲笑う。「許さない…まなつを…みんなを…こんな目に遭わせて…絶対に許さない!」と怒りを爆発させたローラの心に応えて、左手にハートクルリングが生まれ、石のコンパクトからマーメイドアクアパクトが誕生。そしてローラの尾びれが足に変わると共に、その姿は5人目のプリキュア・キュアラメールとなった。「ゆらめく大海原(オーシャン)!キュアラメール!」
- ローラが無事に戻り、プリキュアになった事で勇気付けられたまなつ達はプリキュアに再変身。2体のゼンゼンヤラネーダを圧倒し、汽笛型はサマー達がミックストロピカルで、浮き輪型はラメールがくるくるラメールストリームで浄化した。
- 一件落着してみんなで変身を解いた時、まなつが「ローラ、足!」と驚く。ローラの下半身は2本の足のままだった。「わたし…人間になれた!アハハッ、やった~!」と顔をくしゃくしゃにして嬉し涙を流すローラは、まなつ達と喜びを分かち合う。そして「正式にあおぞら市に留学が決まった」という事にして夏海家に住まわせて貰う事も決まった。
- またそれまではEDのクレジットがサポート扱いだった為プリキュアの4人の後に1行空けて5番目だったが、プリキュアになれた上、元々準主人公ポジションだった為、この回から青キュアの多い2番目に移動する。大体追加キュアのキャストクレジットはプリキュア陣の中では最後になる事が当たり前だったが、追加キュアでありながらクレジットが2番目に昇格すると言う異例の扱いを受ける。
■第18話
- 冒頭で人魚の姿で入浴中。そして風呂から上がると、フォルムチェンジの如く人間の脚へ変化した。どうやら人間の体と人魚の体への変形は、任意に行える様だ。そして学校に行く前にまなつと2人でアクアポットを使って、記念写真を撮りながら、元気に登校した。
- 留学生「ローラ・ラメール」としてあおぞら中学校に編入したローラ。全校生徒のスピーチで、「なんでもやってみたい」、「勉強も部活も全部」、「何でも得意」とアピールするも、「グランオーシャン」、「女王になる」等余計な事を口走ってしまい、あすかをヒヤヒヤさせ、生徒や教員達をも困惑させた。
- 授業中、理科に置いて海に関する知識を発揮。しかし、地理や国語等海以外の授業では知識を発揮出来なかった。更には家庭科では特別に茶道について学ぶ際は、正座をして脚が痺れてしまう災難まで起こる始末。
- 初の授業でバテたのか、トロピカル部部室で「そんなの知らないもの」と愚痴を言うも「知らないから勉強するの」とみのりに正論を言われる。だがまなつからは、「まだ学校は終わってないよ」と元気づけられ、これからは人目を気にせずに堂々と部活やれるねと言われたローラは「まぁ、そうね」と言い、トロピカル部に入る気満々な様子であった。
- そこに水泳部部長水島泳子が現れ、ローラに水泳部の入部を薦める。ローラのスピーチから「ローラは水泳が得意」と誤解した泳子が、あおぞら中の弱小水泳部の救世主としてローラをスカウトしに来たのである。誤解を解く暇もなく泳子に「スーパースター」とおだてられ、調子に乗ったローラは、すっかり気をよくしてスカウトを受ける事に。この時ローラが思い浮かべていたのは何処かの大ホールで満員の観客の前で歌っているアイドルとしての自分の姿だった。
- プールにヌメリーが現れ、ゼンゼンヤラネーダを召喚。キュアラメールに変身して立ち向かう。先に変身し苦戦するキュアサマー達を助け、ゼンゼンヤラネーダの反撃を受けそうになるも今度は仲間の援護で守られ、やる気パワー回収に続けてゼンゼンヤラネーダを浄化した。
- そして遂に水泳再開。飛び込みのモーションは完璧で、泳子も見惚れる程であり、入水時も滑らかであったのだが、水の中に入ったまま中々浮かび上がって来ない。そして……。
「助けて~!」
「ええ~!?」
あれだけ自信満々に振る舞い、誰もがローラの水泳の実力を疑わなかった中で、何と実際は上手く泳げなかったと言うオチに、トロピカる部や水泳部一同、大きく驚愕する結果となってしまった。
- その後、水泳部の即戦力としてローラに大きな期待を寄せていた泳子には怒られるどころか気を遣われる始末であったが、それに対し「この脚に慣れなかっただけ」と強く主張したり、「元の姿にさえなればメチャクチャ速く泳げるんだから」と言いまくっていた(実際そうなのだが)。結局、まなつ達によって流石に正体バレは気気まずいと阻止されてしまった。
■第19話
- ローラが加入しての新生トロピカる部の活動第一弾は、「あおぞら中七不思議大調査キャンペーン・本当に怖い怪談」への参加と決まる。あおぞら中で怪談ブームが起きているのは、「学校で人魚を見た」と言う目撃情報が続出したからであり、ローラがこれ以上騒がれない様に、校内の注目を余所に逸らす意味でも、みんなで七不思議を解明してそちらが話題になる様にしようと言う事になった。只一人、お化け嫌いのまなつを除いては。
- 皆で「呻き声を上げる人形が出る」と言う噂の廃屋に向かう。「何よ、只のぼろっちい建物じゃない」と強がるローラだが、声に若干余裕が無い。みのりから人形のあらましを聞かされた時も、「その人形を探せばいいのよね」と少々声がうわずっており、あまりお化けは得意ではなさそうな様子。
■第20話
- まなつが購買部の抽選でプレミアムトロピカルメロンパンを入手し、口々に祝ったり羨ましがるトロピカる部一同。所が、部室の机に置いてあったそのメロンパンの紙袋が消えていた。ショックを受けるまなつを横目に、みのりが『ピカリン探偵』に扮し事件解決に乗り出すが…。
- 推定犯行時刻のアリバイを聞かれたローラは、体育で疲れていたのでアクアポットの中で休んでいたと答えるが、「ピカッと来たぁ~!アクアポットの中に潜み、まなつがいなくなった隙にメロンパンをぱくり!事件はピカッと解決!犯人は君だ、ローラ!」と適当な推理でみのりに犯人と決め付けられ、「わたしはローラ、次期女王候補!女王の名に懸けて宣言するわ、わたしはまなつのメロンパンを食べていない!絶対に食べていない!」と反論になっていない反論。どっちもどっち。
- そして疑惑はあちこちに飛び火して、しまいにはさんご・みのり・あすか・ローラが疑心暗鬼で睨み合う殺伐とした状況に。オロオロしながら取り成そうとするまなつに、「そもそも限定メロンパンってどんなのなの?」と尋ね、「いい匂いがして、普通のメロンパンより大きくてカラフルで…袋に『めしあがれ』って書いてあったよ」との説明を聞いた所でゼンゼンヤラネーダが出現。犯人捜しを一旦中断して戦闘開始するが、さっきまでの険悪な空気が影響したか、チームプレイが噛み合わない。
- そんな中、ふとラメールがアクアポットを見ると、ポットの中を漂う『めしあがれ』と書かれた紙袋が目に入った。ギクリとなったラメールの脳裏に、「袋に『めしあがれ』って」と言う先程のまなつの声が甦る。それに普通のメロンパンより大きくてカラフルで…。ラメールは突如「あ~っ!」と大きな声で叫ぶと、その場にがっくりと崩れ落ちた。気遣って駆け寄るサマーに、ラメールは震える声で白状する。
- 驚く仲間達に、「だってまなつのだって分からなかったし、わたしの知ってるメロンパンとは違ったし!アクアポットの冷蔵庫に入ってたから…」と、涙ながらに弁明するラメール。先刻昼寝後の彼女は、偶々アクアポットの冷蔵庫を開け、入れた覚えのないパンを見つけるも、特に深く考えずに食べていた。しかもプレミアムトロピカルメロンパンは通常のトロピカルメロンパンとは形が違う為、「部室の机の上に置いたメロンパンが消えた」と聞いても、「アクアポットの冷蔵庫にあったよく知らないパンを食べた自分は犯人ではない」と思い込んでいたのである。
- ともあれ、自分がまなつの大切なメロンパンを食べてしまったのは事実。「サマー…みんな…本当にごめんなさい!」と、ラメールは深々と頭を下げて皆に謝った。怒られるのも覚悟の上だったが、サマーは「メロンパンよりラメールや皆の方がもっと大事」とにっこり笑って水に流してくれた。パパイア・コーラル・フラミンゴもそれぞれの態度を謝罪して、笑顔で仲直りした一同は、ゼンゼンヤラネーダをチームプレイでキリキリ舞いさせ、最後はくるくるラメールストリームで勝利。
- 戦いが終わり、「Pretty Holic」にて改めてくるるんに話を聞いたところ、まなつが席を外した際、置きっ放しで心配だからと気を利かせてアクアポットの冷蔵庫に入れてくれた事が判明。くるるんに「ごめんなさい」を言われ、「あぁ…くるるんのせいじゃないわ。わたしがちゃんと確かめないで食べちゃったから」とローラは恐縮しきり。こうして事件は無事解決し、さんごの母・みゆきが買ってきたレアなミックス味のメロンパンを、一同は笑顔で食べるのだった。
■第21話
- 明日から夏休みとあって、まなつがはしゃぐ一方、夏休みと言う風習がなかったローラは対照的にすっかりむくれる。学校は無くても楽しい事がたくさんあると説明する流れの中、トロピカる部で合宿をしようと言う事になり、皆でお泊りすると聞いて、「悪くないわね」と少し機嫌が直る。行き先はまなつの故郷・南乃島に決定。
- 合宿で何をやるかをあれこれ検討するも、海遊び、貝殻拾い、アクセサリー作り、ホエールウォッチング、スクーバダイビング等、海に関するものはローラにとって在り来たりなので、「そんなの珍しくも何とも無いじゃない、海以外には何か無い訳?」と不満を言うと、まなつは南乃島冒険プランを提案。洞窟の奥に海賊が隠したお宝があると言う話に、「良いわね、きっとキラキラ輝く宝石達が、わたしに身に着けて貰うのを待ってるのよ。楽しみだわ」と平常運転でにんまり。
- 合宿前夜、まなつと一緒に荷造り。「着換えとミラーと…あっ、そうそう…アクアポットを忘れちゃダメよね」…って、それは命の次位に大事な、最優先のアイテムなのでは。
- 就寝の際、まなつに今日は早く寝なきゃと念を押されるが、ふと目を開けると、そのまなつがじっとこちらを見ている。「ローラ、今日は一緒に寝ない?わたし、なんかドキドキソワソワしちゃって、全然眠れそうになくて…」と言うので、「しょうがないわね、ほんとに子供なんだから」と許可し、ローラが休むソファでくるるんを挟んで眠る2人。しばらくして、「実はわたしも眠れそうになかったの、皆と旅行って初めてだし…」と本音を吐露するが、その時まなつは既に爆睡していたのであった。最初は頬っぺを少しだけつねり、以前のローラなら叩き起こしていたであろうが、まなつのことを考えてそっと寝かせてあげていた。
◼️第22話
- 南乃島で朝食を堪能するトロピカる部一同。食後にまなつが地元の子供達とトロピカ体操を披露する。
- 森林を抜け、人気のない砂浜に辿り着いたトロピカる部一同。ローラは久々に元の姿で泳ぎ出す。
- とみ婆の噂を聞いたローラ達。トロピカる部一同はとみ婆の下に訪れ島の伝説を耳にする。
- 洞窟へ向かうトロピカる部一同。みのりがまなつを脅し、パニックになりローラに抱き付く。そこでヌメリーと遭遇しパニックになり、4人はローラを置き去りにして逃げ出してしまう。
- 1人取り残されはぐれたローラは不思議な香りに誘われ、岩場から落下してしまう。そこで杯と光るブレスレットを発見する。
- 懐中電灯を素体にしたゼッタイヤラネーダと遭遇し、プリキュア達と合流、キュアラメールに変身して立ち向かう。
- 洞窟が崩れ、瓦礫でレンズを割られたゼッタイヤラネーダ。ミックストロピカルを繰り出すも、ビクともしない。再生してしまい、絶体絶命のピンチに陥る。
- 突如、ブレスレットが光り出し新たなリングに変化。新技オーシャンバブルシャワーでゼッタイヤラネーダを浄化した。
- 突如、洞窟が崩れ浸水。迫りくる鉄砲水から脱出するもラメールが転倒し、逃げ遅れて危機一髪に追い込まれるも人魚の姿で脱出に成功。満月の光に照らされたイルカのようにジャンプするローラの姿があった。そのローラの姿を観たとみ婆は、「森の人魚 本当にいたんじゃな…」と実感しながら涙を浮かべた。子供達も今日のことは絶対に忘れず、大人になったらとみ婆みたいに島中の皆に話していくことを誓うのであった。
- 新たなブレスレットを手にしたローラ。彼女の話によると「昔この島に、人魚の国の誰かが来たってことなのかも…」とのことである。最初は今回のパワーアップしたゼッタイヤラネーダの件についてあすか達と共に今後の戦いについて心配していたが、まなつはローラのブレスレットがあればと元気づけられた後、「当然よヽ(^o^)丿」と何時も通りの上から目線ドヤ顔で言えば、ひたすらご機嫌そうに高笑いし続けた。「調子に乗ってる」と突っ込むあすか。
■第23話
- スクーバダイビングを堪能するまなつ達4人と父・大洋。第18話のエピソードの件にて人間の姿では上手く泳げないローラは砂浜で1人佇む。まなつに「後で一緒に泳ごうね」と慰められても、「いいわよ、どうせ上手く泳げないんだから」とむくれながらボヤいてた。
- その後の夏祭り用の浴衣を借りに行く際の階段上りの駆け込みでは、体力オバケのまなつやスポーツ系のあすかには劣るものの、何とか彼女たちについて行って階段を登り切って完走しており、人間時の体力はそこそこある方ということが判明した。
- 今夜は南乃島最大のイベント・南乃祭り。願い事を書いた石を海に投げ入れれば願いがかなうのだという。石には願い事というより、自分がしたい事や決意を書いて、自分の願いは自分でかなえるものだと聞いて、ローラは願いを石に書き入れた。しかしまなつに見せてと迫られ、「嫌よ、秘密!」と速攻で海に投げ入れてしまう。
- ところがその石は、やる気パワーの入った杯を持って帰ったエルダによってゼッタイヤラネーダに変えられて暴れ始めた。その形に何か見覚えがあると訝しんでよくよく見ると、さっき自分が海に放り投げた石だと気付いたラメールは顔面蒼白。しかも背中に何か書いてあると仲間達も気付いたため、ラメールは「ダメ~!見ちゃダメ!このヤラネーダ、わたしの願い事を書いた石なの!だから背中を見ちゃダメ!」と必死になり、1人奮闘してヤラネーダを浄化した。なお仲間たちは見ているだけで「私たちの出番、ないみたい」「そうだな」という反応だった。最終的には、ゼッタイヤラネーダ撃破後、まなつからは「もぉ~っ、今回は良かったけど、あんまり無理はしないでよ」と言われ、ローラも「分かってるって」と皆に素直に謝った。
- みんなが石を海に投じる中、「一緒に投げられなくて残念だけど、ローラのお願いもきっと叶うよ」とまなつに声をかけられ、「うん、叶うといいな…」と呟くローラだったが、突如まなつが冒頭でローラと一緒に泳ぐ約束を果たしていないと叫びだし、「ローラの願い、絶対叶えるんだから!大丈夫、ローラも絶対できるようになるよ、バタ足!」と大声でローラの秘密の願いをバラしてしまった。真っ赤になって「ちょっと!なんで知ってるの?わたしの願い事!」と慌てるローラだったが、ヤラネーダの背中に描かれた『バタ足で泳げるようになる』という文字は、しっかり全員に見られていたのだった。「もう~!みんな知らない!!」
- 翌朝、南乃島の最終日において、みんなに付き添われてバタ足の練習に励むローラ。少し上手く泳げるようになって、「まぁ、こんなもんかしら」とドヤ顔になりながらも、まなつに「叶ったね、ローラのお願い!」という声に、「うん!」と満面の笑顔で応え、ローラにとっては最高にトロピかった夏休みとなったのだった。
■第24話
- あおぞら中学校のテレビ番組収録で張り切るトロピカる部一同。横断幕を張るも、突風に吹き飛ばされてしまい、撮影中の白鳥百合子の頭上に落下。百合子を怒らせてしまい、トロピカる部は活動停止のピンチに。
- そこに番組司会者の向井慧が現われ、クイズ番組での決着を提案。トロピカる部は生徒会との対決に臨む。
- 「世界で一番大きな生き物はシロナガスクジラである。○か×か?」という○×クイズの問題を聞いて、「グランオーシャン出身のわたしにはラッキー問題ね!」と即座に立候補。自信満々に「×」の解答のパネルに突撃するが、結果は見事に不正解、ローラは泥まみれになってしまう。
- 「ウソよ!3年前に亡くなったグランオーシャンのデッカイカンじいさんは、シロナガスクジラの3倍大きかったし!」と、頭の上にムツゴロウが乗っかったまま猛抗議するも、あすかに「ここにいるみんなが知ってるわけないだろ!」と正論でツッコまれ、あえなく撃沈。
- クイズ大会の総合結果はトロピカる部の勝利。しかし勝利者インタビューで、あすかは恥ずかしがって口ごもり、代わりにさんごとまなつがしゃべりまくり、みのりはあっさり「わたしはいい」と辞退するなどでローラにマイクが回って来ず、「ちょっと!わたしの一言は!?」とローラの抗議の声でオチが付いた。
■第25話
- 夏休み明けの学校行事として「授業参観」が実施されることに。授業参観のことを知らないローラは「親が子供の授業を観に来るもの」と説明を受ける。ローラにとっては「人魚の女王様が親みたいなもの」ということだが、女王様が授業を観に来る図を想像するとかなりシュールな絵面。実際、女王様は人間と比較するとかなり巨大なので、来てくれたとしても教室に入れないと思われる。
- 桜川先生のお父さんが急に学校に現れ、慌てて日本語が怪しくなるまなつやあすかを尻目に、「わたし達トロピカる部も学校の案内をお手伝いさせていただきますわ」と流暢にエスコート。さすがに外面は良く、口も上手い(失礼)。
- 授業参観中にゼッタイヤラネーダが現われ、教室を抜け出す口実としてまなつが「先生、お便所!」と叫ぶのに続き、ローラも「わたしもお便所!」。
■第26話
- 「流星群を学校のみんなで観る会」のために、みんなで惑星型の被り物を被って宣伝する事に。さんごとあすかは恥ずかしがっていたが、ローラのみ「なかなか目立っていい感じね」とご満悦。自分ならばどんな格好をしてもみんなからの人気者になれるはずという溢れる自信がある証拠といえるだろう。
- しかしまなつがもっと派手な土星型を被ってきたために、「ちょっと!1人だけ目立つつもりね!」とご立腹。
◼️第27話
- 碧からあおぞら水族館のチケットを貰ったまなつ。大はしゃぎで喜ぶまなつにローラはただ呆れるばかりだった。
- 翌日、水族館へ。ローラは館内を観て「水族館って、グランオーシャンに帰って来たみたいな気分になるわ」と故郷を思い出したかのように感心していた様子であった(因みに漫画版では以前のローラなら「海の中じゃ当たり前の光景よ」と愚痴を飛ばしていたのだが…)。さんごがイルカってどんな触り心地なのか予想し、ローラが「イルカなら…」と言い、それを聞いたまなつ達3人は、
まなつ「絶対、つるつる!」
あすか「ぬるぬる、かな?」
さんご「ざらざら?」
と問い、海育ちのローラは「ノンノン!」と答える気満々であったが、イルカよりクラゲの方が観たかったみのりが話に割り込んで来て…。
みのり「触った人の、感想によると…、茄子!」と微妙に夢をぶち壊すリアル発言し、まなつ達を凍りつかせる。だがローラの方は「ナス…?知らない魚ね」とポンコツぶりに呟ていた(どうやらグランオーシャンには、ナスと言う地上の野菜は存在しなかったかも知れない…)。
- その人魚のモデルとなったジュゴンを目の当たりにし、「何見てるのよ?全然似てないじゃない!」や「もう!どこをどう見たら見間違えるのよ!」と不機嫌になるローラ。フグやハリセンボンの如く顔を膨らませる。まなつ曰く「意外と似てるかも知れない…」とそんなローラを観て呟いていた。ジンベエザメの姿を見て実感したり、生態について学んだりしていたまなつ達に対し、彼女は何故か一人だけジンベエザメの模型の口の中に入り、上から目線な態度を見せる(おいおい、そこは海育ちの貴方が詳しく説明すべきなのでは…?)。しかし、観客に元気がない様子だった。まなつは、水族館入館前に「そういえば怪しい光を見た」と言い出すも「そういう事は早く言いなさいよ!」とローラは激怒した。
- ナイトツアーに参加するトロピカる部一同。ローラは人魚の姿で水槽を捜索、アクアポットから2週間ぶりの登場となったくるるんが飛び出して逃げてしまう。巨大なナマコを発見してくすぐるローラとくるるん、なんとヌメリーと遭遇。ヌメリーが水面に逃げ出してしまい追いかけるも、ジュゴンに足止めされてしまう。
- まなつ達と合流し、プリキュアに変身。蹴りで攻撃するも、輪潜りでかわされてしまう。サマーに助けられたイルカの上に乗り、イルカジャンプの隙に蹴りで動きを止めてオーシャンバブルシャワーで浄化した。
- 後日、水族館に訪問し、ジュゴンと顔を合わせ、すっかり仲良くなった模様である。
■第28話
- 文化祭で「コスメの歴史の研究発表」をするため、みのり・まなつ・さんごと共に図書室で資料探し。みのりが本棚から手に取ってじっと眺めていた本が気になり、隙を見てこっそりその本を取り出すと、それはみのりの小説が掲載されていた文芸部の雑誌だった。
- もう一つの出し物「あおぞらメイク教室」のためにみんなが買い出しに行く際も、みのりは留守番を志願して、メイク関係の本を読み漁る。その姿もローラには気になって仕方なかった。
- 人魚の姿に戻ってくつろぎながら、みのりの事をあれこれ思い起こす。第4話のまなつに『マーメイド物語』を褒められた時、血相を変えて「やめて!」と叫んだ事や、第15話の体が入れ替わった時に自作のポエムノートを覗いたら、「これ以上勝手に何か見たらタダじゃおかない!」と烈火の如く怒った事等々。
- そうする内に文化祭の日が近づき、慌ただしくにぎやかな校内の様子を眺めながら、「文化祭って学校のお祭りみたいなものだって言ってたけど、本当にお祭り騒ぎなのね」と呟き、初めての文化祭を実感するのであった。確かにそれもそのはず、出店や催し物の数がハンパではなく、1年5組のクレープ屋を初め、ココナッツジュース、カフェ、うどん(恐らく伊勢か讃岐辺り)、イカ焼き、チョコバナナ、キュウリ、フランクフルト、占い、お化け屋敷、神社、映画館、PKチャレンジ、人力バッティングセンター等々、並の中学校レベルとは思えないボリューム。
- 各部の取材をしている放送委員のゆきえに出会い、去年もみのりと同じクラスだった彼女に、なぜみのりが文芸部を辞めたのか尋ねる。実はトロピカる部に入ったのは気の迷いで、みのりは本当は文芸部でもう1回小説を書きたいと思っているのではないかと、ローラは考えていた。しかしゆきえによれば、みのりは入学当初は楽しそうに小説を書いていたのに、ある日を境にぱったり書かなくなってしまい、理由はわからないという。
- そして文化祭当日、ローラとまなつはメイクしてチラシ配り。小さい女の子達に「可愛い~!」と褒められ、「当然よ」とご満悦。忙しいみんなに代わって、裏方のはずだったみのりが自らメイクしてインタビューに答える姿を見て、「結構やるじゃない!」とローラも嬉しそうだった。
- 乱入したゼッタイヤラネーダを倒し、散乱した文芸部の雑誌を拾い集めながら、ローラはみのりに直接「なんで文芸部辞めたの?」と問い掛けた。そしてみのりは、かつて文芸部に在籍していた頃、自分では傑作と思える出来の小説を書いたが、先輩から「どこかで読んだ事のあるような借り物のお話」と手厳しく批評され、自信喪失して小説が書けなくなり文芸部を辞めてしまった事を打ち明ける。しかし今までの自分には考えられなかった事をいろいろと体験させてくれるトロピカる部の毎日はとても楽しいと、みのりは仲間達に感謝を述べた。ローラの心配は杞憂だったようである。
■第29話
- まなつが、ローラの持つオーシャンプリズムミラーに興味を示したことから、魔法の鏡ごっこが始まる。「鏡よ鏡、人魚の女王になるのはだぁれ?やっぱりわたしだ!」とドヤ顔のローラに対し、まなつが「鏡よ鏡、世界で一番トロピカってるのは誰?」と言うと、ローラは横から「それもわたし!」と割り込んで、しまいにはじゃれ合ってキャッキャウフフする2人。
- 翌朝まなつから、夢の中に出て来た伝説のプリキュアの話を聞かされる。グランオーシャンには大昔に世界を魔女の手から救った伝説の戦士の話が伝わっており、「彼女は何かを伝えようとしているのかも」とローラは考える。
- そこへ現われた新怪物・超ゼッタイヤラネーダはサーチしてもやる気パワーが見つからず、どんどん数が増えてゆく。街中でヤラネーダが暴れていると気付いたサマーは「手分けして倒そう!」と市街地へ向かい、「えぇ?1人で大丈夫?」と心配するラメールに「平気平気!」と応えた矢先にヤラネーダの1匹に食われそうになり、「ほんとにぃ~?」とラメールはハラハラ。
- コーラル・パパイア・フラミンゴと合流したところに、くるるんが現われてまなつの窮地を伝える。学校に向かったまなつは、不意討ちを食らってヤラネーダの体内に囚われていた。「もう…全然平気じゃないじゃない!無事でいて、まなつ!」と焦燥に駆られながら、ラメール達は学校へと急ぐ。因みにラメール達に巨大なオオナマズ型のヤラネーダに立ち塞がられた際に、彼女はその巨大さに愕然し、「デカい…!!」と発言していた。おいおその台詞は隣のフラミンゴ(あすか)の役だから、本当なら「何て大きさなの…!!」と発言するのがモットーである。
- その想いが通じたのか、ラメールの手鏡とまなつのドレッサーがつながって、まなつの姿を映し出した。だが、みんなが心配していると気付いて、あえて元気に振る舞おうとするまなつから、ヤラネーダは容赦なくやる気パワーを奪ってゆく。超巨大ヤラネーダを飛び越え、その背中を滑降してゆくラメール達の目に、ヤラネーダの体内でぐったりしているまなつの姿が映った。
- 「まなつ~!!」ラメールが絶叫した時、みんなのやる気パワーが手鏡からドレッサーへと転送され、それを受け取ったまなつは復活して再変身し、脱出する。「もう、ほんと心配したんだから!」とプンプンのラメールに、サマーはいつも通りの屈託のない笑顔で「ごめんごめん、ありがとみんな。ラメールも!」と礼を言う。そんな顔を見たらこれ以上怒るに怒れず、目を潤ませて頬を染めながら、「もう!」と言うのが精一杯。
- 改めてヤラネーダの大群相手に戦闘再開。パパイアは「やる気パワーを全部持っている本体がいるはず」と推測しており、それを見つけたラメールはやる気パワーを取り返し、オーシャンバブルシャワーでビクトリー!……のはずが、倒すには至らなかった。おかげで、4人が普通に立っている中、1人だけ勝利の足上げポーズを取るという、少々マヌケな絵面に。
- しかし「みんなのやる気を取り戻すまで諦めない」というサマーの声に一同がうなずいた時、伝説のプリキュアが現われた。ランドハートクルリングとトロピカルハートドレッサーを手に入れたプリキュア達は、エクセレン・トロピカルスタイルに進化し、ランドビートダイナミックで今度こそヤラネーダに勝利。
- どんどん強くなるヤラネーダと、いまだわからぬあとまわしの魔女の目的に不安を感じる一同。しかし「わたし達は絶対負けない!」と力強く叫ぶまなつの言葉に、「そうね、みんなで力を合わせればきっと大丈夫よ!」とローラもうなずく。
■第30話
- 生徒会長に立候補する一条里香が演説をしているのを聞いて興味を示し、「いいわね、生徒会長。学校版の女王って感じ?決めたわ!わたし、生徒会長になる!」と言い出して、みんなをびっくりさせる。
- 「グランオーシャンの女王になるためのいい予行練習。この学校をまとめる会長になれないようなら、女王になんてなれるはずがない。なってみせるわ、生徒会長に!」と、明らかに不純な動機で立候補を決めるローラ。風紀委員長の角田正美も出馬すると聞いて、早速火花が散る。
- 選挙活動を始めるも、生徒達の食いつきが悪い。正美曰く、里香は白鳥百合子の下で副会長を務めていて皆の信頼も篤く、勝ち目がないと思って誰も立候補しないらしい。それでもローラは「燃えるわ、相手が強ければ強いほどね!」と意に介さず、「週に一度は海中で学校生活を送る」「生徒会長という名称を女王にする」等のあの娘を彷彿させる程公約をブチ上げ、「わたしの事、女王と呼んで!」と自己陶酔に浸るが、当然そんな話にはついていけない生徒達からの支持は全然集まらない。
- そこで「いい作戦を思いついたわ!」と悪い笑い顔を見せたローラの作戦とは、演説する里香の側で、彼女の「部費を1割アップ、一部の厳しい校則を見直す、休み時間をゆっくり過ごせるよう校庭のベンチを増やす」との公約を聞いた横から、「部費を5倍にする、校則を無くす、学校の休み自体を増やして週3日制にする」と、それを上回る(現実味皆無の)公約を叫ぶというものだった。これまた生徒達には「そうなればいいと思うけど、本当にできるとは思えない」とシビアな目で見られ、里香との差は開くばかり。
- もう最終演説に賭けるしかないとトロピカる部全員で話し合い、さんごの「学校でおしゃれしてもいいようにしたい」、みのりの「図書室に本を増やしたい」等の、実現可能な要望のアイデアをノートに書き留めて、演説に臨もうとしたところに超ゼッタイヤラネーダが出現。「向こうは自分達が引き受ける」とまなつ達はローラを残して退治に向かった。
- いよいよ最終演説が始まるが正美や里香が話している間も、ローラは皆の事が気になって仕方がない。まなつ達のアイデアを書き留めたノートを握り締め、壇上に立ったローラは「最終演説はちょっと待ってほしいの。ここに書いたアイデアを一緒に考えてくれた仲間が、今困ってると思うから。悪いけどわたし…行かないと!戻ってからたっぷりとスピーチを聞かせてあげるわ!楽しみに待ってて!」と会場を飛び出していった。
- 駆け付けてみると、案の定4人はヤラネーダのパワーに苦戦中。演説を途中でやめてきたと聞いて驚く一同に、「あなた達を放っておいて、楽しい学校にしますだなんて言えないわ」とラメールは笑顔を見せる。勇気づけられたプリキュア達は形勢逆転し、ランドビートダイナミックで勝利。
- 「皆さんのおかげで選挙に勝つ事ができました」と感謝を述べる里香の姿に、「どういう事!?なんで勝手に選挙しちゃってるの!?待っててって言ったのに!」と地団太を踏むローラ。スピーチの途中で会場を出たため、棄権扱いとなり、落選になってしまったのだった。しかし、同じく落選となった正美にまなつ達によって考えてくれたアドバイスを送ってもらったノートを見せ、彼女を感嘆させた。
■第31話
- 寝台列車で修学旅行へ向かうあすか。ところがあすかのバッグの中から手が、次に頭が生えてきた。慌てて洗面所に駆け込むと、案の定「はぁ~、窮屈だった。どうも♪」とバッグの中からローラとくるるんが現われる。アクアポッドごとあすかのバッグに忍び込んでいたのだ。
- 「どういう事だよ!」とあすかに詰め寄られても、「だって来てみたかったのよ、修学旅行っていうのに」とローラは涼しい顔。部室であすかがまなつ達と話し込んでいる隙にバッグに潜り込んだ事を明かし、「こっそりとね、来ちゃった」と全然悪びれないため、「来ちゃったじゃないだろ!!」とあすか激怒!ローラは怒られ卑猥した。
- さらにあすかが止めるのも聞かず、「大丈夫よ、ちょっとくらい」と廊下に出たところで車掌にぶつかってしまうが、それは何と変装したヌメリーだった。腰を振るヌメリー、ローラも腰を振る。修学旅行でテンションの上がる生徒達のやる気パワーを奪いに来たと聞き、あすかは途中の停車駅で一杯食わせてヌメリーを置き去りにする事に成功する。
- だがその様子を白鳥百合子に見られており、「また揉め事を起こさないで」と言われたあすかは立腹しかけるも、彼女が去った後は悲しげな顔になった。二人のやり取りをアクアポットの中から聞いていたローラは、気になって仕方がなかった。
- 夕食時、食事の輪にも加わらず、展望車でぽつんと一人夕陽を眺めているあすかにローラが近づいてきた。「ねえ、さっき生徒会長の言っていた揉め事って…何?」というストレートな問い掛けに、「別に。大した事じゃない」と視線も合わせずに答えるあすかだが、ローラはなおも「そんなわけないでしょ。ねえ、言ってみなさいよ。『旅の恥は掻き捨て』って言うじゃない」と食い下がる。
- 「授業で習ったわ。『旅では恥ずかしがらずに何でも言いなさい』って事」と聞いて、閉口しつつ、「意味が違うだろ。『旅先では知らない人だから、恥ずかしい事を言っても何ともない』って意味だ」と、あすかはその誤用を訂正するが、ローラは微笑んで「やっぱり同じじゃない……『旅先では心を開いて打ち解けられる』って事では」と独自の解釈で切り返す。はっとなるあすかに、ローラはさらに「わたし達仲間でしょ、同じプリキュアの」と訴えかけ、『仲間』という言葉に心が揺らいだあすかは、遂に重い口を開いて過去の話を打ち明け始めた。
- 小学校からの友達だったあすかと百合子は、中学のテニス部で、他校にもマークされる存在だった。地区大会決勝で戦う2人組が、ロッカールームに忍び込んで百合子のラケットに細工をしようとしている現場を目撃したあすかは激怒、2人の胸倉を掴んで取り押さえるが、その様子を複数の人間に見られてしまう。その2人は「ロッカールームを間違えただけであり、自分達があすかに暴力を振るわれた」と主張したため、小細工をした証拠がなく、暴力の現場を見られたあすかの方が不利になってしまった。百合子は、テニス部に累が及ぶのを避けるべく、自分とあすか、そして相手の二人が決勝を棄権する事で話を収めようとするが、あすかは、自分達は何も悪くないのに仲間のために犠牲になろうとする百合子の決断が納得できず、さらに連帯責任を恐れる部員達が誰も賛同してくれない事に絶望し、「そんな仲間なんていらない」と言い残して、テニス部を辞めてしまったのだった。
- その悲しい過去を聞き終わり、出会って以来の、あすかの正義感の強さに反して仲間を敬遠する態度の理由が腑に落ちたローラは、「あすからしいわね」と呟く。その時ヌメリーが、機関車型超ゼッタイヤラネーダで襲ってきた。パニックになる車中で、百合子にバレてしまい、なぜここにいるのかと見咎められながらも、今は争っている場合ではないと協力して生徒達を避難誘導する。百合子が気を失った隙に、ローラとあすかは変身して戦闘開始。
- するとなぜかサマー・コーラル・パパイアが駆け付けてきて、加勢した。サマーに「ところでラメール!」と声をかけられたラメールは、三人がここに現れた理由に心当たりがあるらしく動揺するも、「えっ、あっ、えっと…それより!行くわよ!」と誤魔化して、ランドビートダイナミックでヤラネーダを浄化した。
- サマー達と共に走ってあおぞら市へと帰りながら、「本当はわたしも泊まりたかったけど」と残念そうなラメール。「それにしてもあすかの忘れ物を、プリキュアになってわざわざ届けるなんてよくやるわね」と、呆れた口調で言うも、パパイアに「そもそもラメールのせいでしょ、あなたが旅行バッグから枕を出しちゃったから」とツッコまれる。その指摘通り、ローラが無理矢理バッグに潜り込んだ際、そのはずみであすか愛用の枕を押し出してしまったため、あすかは枕が変わると眠れない事を知っているサマー達は、わざわざプリキュアに変身して徒歩で枕を届ける羽目になったのだった。
■第32話
- さんごがファッションショーに出ると聞き、「みんなに注目されながら歩くのか…悪くないわね」と呟き、『アリアリーナ~!』と歓声に包まれる自分を想像。例によって「そのファッションショーに、わたしが出てもいいわ!」としゃしゃり出るが、ショーに対するさんごの熱い思いと憧れを聞いて素直に引き下がり、応援に回る事に。
- 今回はさんご以外はショーに出る予定がないのに、なぜか「さんごのおしゃれウォーキング講座」をみんなで受ける。なぜか本代わりにくるるんを頭の上に乗せ、なぜか姿勢を正すところで息まで止めて真っ赤になり、みのりにツッコまれていた。
◼️第33話
- みのりの前口上の後にいつものOPのイントロに乗ってローラもダンス。人間形態でダンスするのは何気に初めて。
- 2本目「トロピカれ竜宮伝説」浦島太郎に扮するローラ達5人。浜辺に打ち上げられた亀を助けようとするも、みのりに止められる、というか一本釣りされる。みのりによる間違った解釈の浦島太郎の話を聞いて、ローラも「海の妖精カメりんを助けた人が海の国に招待された」という話を「そー言えば聞いたことがあるっ!」と思い出す。他にもいろいろな海の妖精を語る中、一同が振り返ってみれば浜辺に打ち上げられている様々な海の妖精がずらり。
- 3本目「トロピカれカメの恩返し」夕食を食べていると以前助けたカメが夏海家を訪れる。鶴の恩返しよろしく部屋に籠もると海の妖精が続々と登場し部屋の中へ。ローラが制止する中まなつが部屋を覗くと……部屋の中でぎゅうぎゅう詰めになっている海産物。これにはローラも「やっぱり……」と呆れる。
- 4本目「トロピカれ恐怖のあとまわし屋敷」あとまわしの魔女の屋敷の状況についてまなつが想像、「誰もツッコむ人がいないんだよ~!全員ボケだよ、全員ボケ!」と言う中さんごが「トロピカる部にはちゃんとツッコんでくれる人がいてよかった~」とローラを見て発言。ローラは「ちょっと何言ってるかわかんない」と返すのであった。
- 5本目「ジュゴンのかわりにトロピカれ!」あおぞら水族館の人気者のジュゴンが病気でダウン。子供たちもがっかりでまなつも何とかしたいとするなか「そうだ、いい考えがある!」と答えるさんご。コスメ新作発表で前に使ったジュゴンのかぶり物を被せたローラを代わりに水槽へ放り込むというもの。まさかの自分が指名で困惑するローラだが、実際に被ってしまうと明らかにローラの胴体より数倍大きく目がギョロっとしており、どう見てもバケモノにしか見えず、子供たちは恐怖のあまり逃げ出してしまった。
- 6本目「入れ替わってトロピカれ」かつて自分とみのりとの間で起こった入れ替わり騒動が今度はあすかとさんごで発生。直後チョンギーレとヤラネーダが襲ってくるが、ヤラネーダが転けてそれに巻き込まれた一同の間で再び入れ替わりが発生。なんとローラとヤラネーダが入れ替わってしまっていた。
- 8本目「トロピカれ新しいプリキュア誕生!?」ヤラネーダを前に変身する一同。それにあわせてくるるんもまさかの変身。……と思ったらそれはくるるんの夢。一緒に寝てたローラも目が覚めて「夢でも見てた?」と声をかける。
- 9本目「トロピカれ!伝説のハートキャッチ!!」伝説のプリキュアについて聞かれるも、分からない上に「人間の世界に手がかりはないの?」と聞くローラ。そんな時にみのりが動画サイトで見つけた「ハートをわしづかみプリキュア」の動画。ローラの「でも伝説って事は大昔でしょ?」という発言を端緒にあすかの「本当にいるのか?」みのりの「「いたとしても、もうおばあさんかも」と酷い言い様。
- 10本目「トロピカれ!新しい技」新しい技の名前はこれでいいのか、議題でラーメンのような力強さを求めるあすかに乗って「激辛百倍」とか言いだし、さらにそれぞれがやたら長い名前を提案、ローラは自分のフルネームに加えて「グランオーシャンいちの可愛くて美人で知的なクイーン・オブ・クイーン・バブルボンバー」までも言い出す。どれも良すぎるというまなつ、「全部繋げよう!」と言い出してしまい……
- 11本目「トロピカれ恐怖の心霊シャボンピクチャー」シャボンピクチャーに映るまなつの写真。背後には謎の腕が。みのりがよくよく見ればマリングミをつまみ食いしようとするローラの腕だった。安心するまなつに「もうまなつのおばかさん」とグミを食べながら言うローラ。また別の写真には謎の生き物。と、ローラはこれはくるるんが素早く動いたときの残像だとすぐ見抜く。「そんなのよりも楽しい物を見ましょうよ」とアクアポットからたくさんのシャボンピクチャーを出すも、映っている物がことごとく珍場面ばかりで「変な物ばかりじゃないか!」と憤慨するあすか。逆襲とばかりみのり・さんご共々ポット片手に変な写真を撮ろうとローラを追いかけ回すのだった。
■第34話
- 子供向けの職業体験会「大人になったら何になる展」にて、あおぞら中の生徒達も将来の夢を発表するビデオを撮影する事に。ローラはブレる事無くいつも通りの「大人になったら女王になる!もちろん大人になる前でもOKよ!」。
- 一方、まなつは目標が決まっておらず、その夜ようやく決まったと言うものの、なかなかローラに教えてくれない。だが「いずれグランオーシャンに戻って女王になるわ」と言うローラの言葉に、一瞬視線を落とし、「そっか…」と普段とは違うトーンで返事をするまなつの様子にローラは気付く事無く、「強いて言うなら伝説の女王になる!伝説のプリキュアみたいに、将来ずっとずっと語り継がれるような女王になるの」と気合が入っていた。
- そして明かされたまなつの将来の夢は、「大人になったその時のわたしが一番なりたいものになる」という、いかにもまなつらしいものだった。さらにまなつは「ローラが女王になってもずっと友達でいる事」という夢を追加し、さんご・みのり・あすかもそれにうなずき、笑い合う。「もう…何?それ…」と言いつつも、ローラも満更ではない顔だった。将来の夢も大事だが、このトロピカった仲間と過ごす時間も同じくらい大切なものなのであった。
◼️第35話
- 今回はトロピカる部主催のハロウィンパーティー!しかし、なぜ定番のカボチャではなくパイナップルなのか?……
- パイナップルを収穫するトロピカる部一同。桜川先生や他の生徒達も収穫に参加。「ハロウィンって何?」と問うローラ、「仮装して楽しむお祭り」と説明するまなつ、「諸説あるけど秋の収穫のお祝い」と説明するみのり、「悪魔を追い払う行事」と説明するあすか、ローラは「要するによく分かってないってこと?」と返す。まなつが山積みしたパイナップルの山が崩れそうになり、ローラ達4人で押さえ揃って「積み過ぎ!」と一蹴、あまりにはしゃぎ過ぎるまなつにローラは「まなつってば、1つの事に夢中になると周りが見えなくなっちゃうんだから」と呟きながら呆れていた。
- 中学校でハロウィンパーティーの準備に取り掛かる生徒達。仮装コンテストで「優勝するのは私」とローラは自慢気になる。
- コンテスト出場のため、部室でコスプレの衣装合わせをするローラ。しかし、なかなか納得のいく衣装が決まらない。部室を飛び出し、1人街のレンタル衣装店へ向かうローラ。結局、衣装は決まらなかった。
- 一方、あおぞら中学校にバルーン型のヤラネーダが出現、まなつ達4人はプリキュアに変身。サマーはローラ不在の中、アクアポットでやる気パワーをカムバック、おてんとサマーストライクでヤラネーダを浄化するも、生徒達のやる気パワーは戻っていなかった。
- ローラが学校に戻ると「どうしよう……」とまなつが涙目に。「なんで私を待ってくれなかったのよ!」と激昂するも「だって、早くやっつけないとメチャクチャになるから」と泣き出す。「やる気パワー、戻りなさい!戻れー!出ろー!」と激昂するも戻らず、まなつはアクアポットで生徒達にやる気パワーを直接振り掛けると回復、しかし人格が入れ替わってしまい、その後また元に戻ってしまった。
- 「1人で突っ走るからよ!」「夢中になると周りが見えなくなる」とまなつに一蹴するローラ。しかしそんな何をやっても上手くいかずまなつは1人絶望してしまう姿を見て、ローラを含む他の皆は戸惑った表情になっていた。
- そこにチョンギーレと親子連れが現れ、パイナップル型の超ゼッタイヤラネーダも出現。失敗を恐れ絶望するまなつ、「このまま何もしないつもり?今、一番大事な事は?」と激昂するローラ、まなつは絶望から立ち直りプリキュアに変身する。
- 変身直後、ラメール達4人は拘束されてしまい、サマーは失敗を恐れ絶望。「このまま前に進むか」「引き下がって誘導するか」サマーは苦渋の決断を迫られる。結局、引き下がり4人の拘束が解かれ、ラメールがやる気パワーをカムバック、最後はランドビートダイナミックでヤラネーダの浄化に成功した。戦闘後、まなつは泣き崩れ最初はローラに呆れられたが、今度はまなつを責めることはなく、逆に優しく微笑みながらオーシャンプリズムミラーで自分の顔を見せ、「みんなのやる気も戻ったことだし、今一番大事な事は?」と言葉を送りながら、まなつを励ましてくれた。
- 仮装コンテストに出場したローラ。「フランケン人魚」でローラが優勝した。
■第36話
- 夢に魘されたらしいまなつが大声を上げて飛び起き、「何よ?うるさいわよ、まなつ…」と寝ぼけ目をこすっていると、トロピカルハートドレッサーから人魚の女王の声が聞こえてきた。ローラの働きを労いたいので、プリキュアと共に一時帰国するようにとの事だった。あとまわしの魔女に襲われた住民達もやる気パワーが戻って、連絡がつくようになっているらしい。早速みんなと一緒にグランオーシャンに帰国し、住民から大歓迎されて「わたしが地上に行った時はまだみんなやる気を奪われて大変だったけど、もうこんなに復興してるだなんて」と目を潤ませる。
- 船で人魚の女王の下へ向かい、女王と再会したローラ。まなつはいつもの調子で「わたしは夏海まなつ!女王様のお名前は?」と挨拶するが、女王は無言。ローラは「女王様は女王様だもの」とフォローし、女王から「あなたも頑張ってくれていますね」と褒められ、「エヘヘ、別にそれほどでも…あるけど!」と喜ぶが、女王の様子がどこか不自然な事に気付かなかった。食事で歓待された後、女王は「グランオーシャンのどこかに隠されている海のリングを探してほしい」と頼み込んできた。
- リング捜索とまなつ達の観光案内も兼ねて、グランオーシャンのあちこちを案内。ローラのお気に入りの場所であるシャボンフラワーの花園では、この花の実が貝がらクッキーの原料である事、南乃島の洞窟で迷子になった時、練り香水の香りに導かれてブレスレットを発見したが、それがこの香りだった事などが判明。ついでに人魚は親からではなく貝から生まれる事も明らかになり、ま「そうなの!?じゃあローラって実は貝の親戚!?アサリとかシジミとか」あ「ホタテとか」さ「マテガイとか」み「ホンビノス…」と大喜利に突入。ローラは「せめて真珠って言いなさいよ!」とプンプン。
- そこでまなつが、夕べ伝説のプリキュアが戦っている夢を見たと言い出す。ローラは「詳しく話しなさい」と命ずる。何かを伝えたいのではないかと考え、女王のところへ戻るが、突如女王の態度が豹変。女王は冷たい口調で、くるるんやシャボンフラワーの実などどうでもよいからリングは見つかったのかと詰問してきて、見つからないのなら大地のリングとコンパクトをパワーアップするから渡すよう命じてきた。
- 困惑するまなつを制し、ローラは「あなた、誰!?女王はくるるんの事すごく可愛がってた。どうでもいいなんて絶対に言わない!シャボンフラワーの実を汚い実呼ばわりもしない!トロピカルパクトを渡せとかも変よ!白状なさい、あなた一体誰!?」と鋭く問い詰める。そこへチョンギーレに追われたくるるんが逃げてきた。くるるんが頭の周りをぐるぐる泳いだため、目を回した女王の中から現れたのはヌメリー。女王も住民達も全て、蜃気楼の魔術で作られた偽者だったのだ。
- さらにくるるんが導く先へ向かうと、そこにいたのは縛り上げられた女王と、謎の装置につながれた住民達だった。エルダも加わった召し使い3人組は、その装置につなげて妖精達の記憶を吸い出し、グランオーシャンの住民の幻を作っていたという種明かしをする。「記憶を吸い出すなんて…よくもこんなものを!」と憤るローラだったが、「あ~ら、その装置は元々ここにあったものよ。あたし達はちょっと拝借しただけ」とヌメリーに返され、「えっ…?」と動揺する。一体、何のためにこんな装置が…?
- しかし今はその疑念に戸惑っている場合ではなく、まずは女王を助けねばと一同は変身。対するチョンギーレは蛸壺からマダコを取り出し(ちなみにカニの天敵はタコ)、超ゼッタイヤラネーダを出現させた。強くなり過ぎて危険という理由で今まで禁じられていた生物型ヤラネーダには、オーシャンバブルシャワーも、ランドビートダイナミックすら通じない。ラメール達は触手に捕まってピンチに陥る。
- 人質にされたのが住民達の幻とも気付かずに捕まってしまった女王を侮辱し、嘲笑う3人組にプリキュアの怒りが爆発する。「絶対諦めないわ…わたしはみんなを守って、グランオーシャンの女王になるのよ!」と叫ぶラメール。シャコガイが光り出し、中から海のリングが出現。「わたし達の心に応えてくれたのよ!これさえあればきっと…!」とラメールは手を伸ばすが、何者かが横からそれを奪い取った。今回の作戦を指揮していたバトラーだった。
- 「ご苦労様です。海と大地のリングはプリキュアの強い心に反応して力を発揮します。ですからグランオーシャンを乗っ取って、あなた達を追い込んでみたわけですが、見事にうまくいきましたね」とプリキュア達はまんまとバトラーの罠にはまり、海のリングを探すために利用されていたのだ。
- 「さて、これであなた達の役目は終わりです。やってしまいなさい」とバトラーの命令でヤラネーダが触手を振り上げた時、ラメールが青ざめた顔で「グランオーシャンを外から守っていた魔法の壁が…壊れる!」と叫び出す。先刻の戦闘中、ヤラネーダが投げつけた岩塊で魔法の壁にヒビが入っており、海水がグランオーシャン内部へ流れ込んでいた。そして耐え切れなくなった壁は崩壊し、一同は激流に呑み込まれる。
■第37話
- 意識を取り戻したローラ達。「グランオーシャンを、みんなをあんな目に遭わせるなんて…許せない!」と、再び女王と住民救出に向かう。
- しかしグランオーシャンは広くて迷ってしまい、さっきの女王達が閉じ込められている部屋がどこだかわからない。そうする内に一同は怪しい部屋を発見する。壁一面に無数の貝殻が埋め込まれており、まなつがそれに触れると、人魚が人間と交流していた記憶が頭の中に流れ込んできた。どうやらここには人魚の記憶が封印されているらしい。
- 一際大きく光る貝殻に誘われるように、それに触れる5人。そこで見たのは何者かと戦う伝説のプリキュアと、それを見守る人魚の姿だった。さらにローラは、自分を招くかのように光った巻貝に触れて、はっとなった。みんなに気遣われて我に返ったローラは、「それより早く女王様を助けないと!」と捜索を再開する。
- ようやく女王を見つけ、住民達共々救い出して一安心。そこで女王から礼を述べられると共に、あとまわしの魔女の目的が愚者の棺を解放して、不老不死を手にする事だと聞かされる。だが、「わたしから話す事はこれが全てです。皆さん、魔女の野望を何としても阻止してください」と改めて頼み込む女王にローラが問い掛けた。「待って、女王様。もう一つ、話してない事がない?」ローラが、先程の秘密の部屋から持ってきた巻貝を取り出して見せると、女王は驚いた後、「気付いてしまったのですね、ローラ…」と悲しげな表情になった。
- そこに封印されていたのは、幼い頃のローラの記憶だった。昔、ローラは『人間の世界に行ってはならない』という女王の言いつけを聞かず、南乃島にこっそり遊びに行って、まなつと出会っていたのだ。下半身は海に入ったままだったので人魚とはばれず、楽しいひと時を過ごしたものの、それっきり二人が会う事はなかった。
- まなつはそれを憶えていて、ローラの名前を聞きそびれて後悔したために、初対面の相手には真っ先に名前を聞くようになったのもそれ以来始まった習慣だった。「でも、わたしはそんな事覚えてない。人間の世界に行った事も、まなつと会って遊んだ事も…どうしてなの?これってどういう事なの、女王様!」ローラに詰め寄られた女王は苦悩の表情で、それが人魚の国の掟によるものだと明かした。人魚の世界と人間の世界は交わってはいけないという古来よりの掟により、人間と関わった者は、例の記憶を吸い出す装置を使って記憶を消されるのだという。ローラも幼い頃に記憶消去の措置を受けていたのだ。
- そして現在においてプリキュア達を探すためにローラを地上に派遣したことは、この掟を破ったことになる。そのため、全てが解決した時にはローラからまなつ達に関する記憶を消すつもりだと告白した。それだけでなく、女王自身も責任をとるために自らの記憶を消すのだという…
- 掟ゆえに仕方のない事と悲しげに告げる女王に、「そんなのひどい!わたしは嫌!みんなの事、忘れたくない!そんなの絶対嫌!」と激しく抵抗するローラ。その時、アクアポットからトロピカルハートドレッサーが飛び出し、地上でバトラーが率いるヤラネーダが暴れる姿を映し出した。あすかが「街が大変な事になってる」と出撃を促すが、ローラは“過去”の自分の記憶が消されたことや、“未来”に自分の記憶が消されることがショックで反応が鈍い。そこにまなつが「“今”一番大事なことは、みんなのやる気を守る事!」と活を入れられ、動揺を抑え込んで戦いに向かう。
- やはり生物型ヤラネーダは手強く、圧倒され、手も足も出ないプリキュア達だったが、何としても人々のやる気を取り戻してみせると渾身の雄叫びを上げる。それに呼応するかのごとく、再びドレッサーが輝くと、マリンハートクルリングが現われた。魔女の屋敷の保管庫に厳重に仕舞い込んだはずなのにと、「まさか、どういう事だ!?」と狼狽するバトラー。伝説のプリキュアが力を貸してくれたのだ。ラメール達は、新必殺技マリンビートダイナミックで、難敵のヤラネーダを撃破する。
- その日の夜、いつも通り水族館のプールで泳いでいたローラに、グンバイヒルガオの花冠を贈った。幼いあの日、プレゼントしてあげると言ったけど果たせなかった約束を改めて果たしたのだ。「わたし、また忘れちゃうのかな…これまでの事も、今日の事も…」とうつむくローラだったが「そんな事ない!大丈夫、絶対に忘れない!たとえ忘れても、わたしが思い出させてあげる。わたしだけじゃないよ、さんごも、みのりん先輩も、あすか先輩も!だから大丈夫!」というまなつの力強い励ましに微笑んだ。どんな未来が待っていようと、今一番大事なのは、この大切な仲間を信じる事なのだ。
■第38話
- あすかの部活引退イベントのネタ探しに図書館に来たところ、さんごがフェニックス学院の制服に食いついた事から、まなつに「ねぇ、中学と高校って何が違うの?」と尋ねるも、「島に高校がなかったからよくわかんない」と案の定の答えで呆れ顔。聞く相手が悪かった。
- しかし「じゃあ見に行こうよ、高校!」「わたしもそう思ったところよ!」と、早速本来の目的を忘れて脱線する幼馴染コンビ。ただ、これが結果的にあすかと百合子の和解及びあすかの進路決定に結びついたので、密かなファインプレーだった。
■第39話
- モデルオーディションが開催されると聞き、「楽勝ね」と参加する事を決めたローラ。いつもの出たがりかと思いきや、「ファッションショーのさんごを見てやりたくなったんだよね」とまなつにバラされ、「言わなくていいの!」と真っ赤に。
- その後、さんごにモデルのコツを聞こうとしたところ、放課後補習になり地理の教科書片手に悪戦苦闘。
- さらにオーディションに郵送した書類が「あて先に尋ねありません」のスタンプと共に返送されてきた。住所に「オーディションへ」としか書いてなければ届くわけがないのであった。今日はポンコツモード全開。「ムキー!」とキレるも、「こうなったら絶対さんごを合格させるわよ!」と前向きに切り替えた。
- さんごのオーディション審査中、結果を待っている時に、みのりが「そう言えばちょっと意外だった」と、部室内での会話の事を持ち出した。仮にさんごがモデルになって、仕事で不在の時にどうヤラネーダと戦うかという話題になったが、ローラは「今更、何言ってるの?大丈夫よ。さんごが抜けたってわたし達でなんとかするわ」と力強く答え、「なんとかなる?」と不安げなさんごを「なるんじゃなくてするのよ、そうでしょ?」と安心させ、自信満々にリーダーシップを取っていたのだった。「当然よ、わたしはグランオーシャンの女王になるんだもの。その程度の事できなくてどうするの?」とドヤ顔になるも、みのりに「今、ローラが少しだけ本当の女王様に見えた」とオチをつけられ、「少しですって?失礼ね!」とプンプン。
■第40話
- 『トロピカ卒業フェスティバル』の出し物について、早速「わたしが主役なら何でもいいわよ」と口火を切る。まなつが『人魚姫』の演劇を提案すると「人魚が主役なのはいいけど、『人魚姫』はパス。あの話、いろいろ納得いかないから」とお気に召さないローラ。次にまなつは「みのりん先輩が書いた『マーメイド物語』にしよ!」と言うが、みのりは明らかに乗り気でなさそう。
- 「駄目なところが一杯あるから」と固辞するみのりに、「なら、面白くなるように書き直せばいいじゃない。みのりが駄目だと思う所を直せばいい。そうでしょ?」とローラは食い下がるも、みのりは「少し考えさせて…」と暗い顔のままだった。
- みのりが先に帰ったらしく、4人での下校途中、『マーメイド物語』の話に。さんごが「みのりん先輩が書きたくないなら無理強いはできないよ」と言うと、ローラは「みのりは書きたいって思ってるわよ」と自信ありげに答える。「さっき『考えさせて』って言ってたでしょ、嫌なら即ことわるわ。書きたいって思ってるから迷ってるのよ」との鋭い分析。やはり一度入れ替わっただけあって、みのりの心理はよくわかる模様。
- さらに「大体、キャラクターや設定を考えて文章を何ページも書くなんて、好きじゃなきゃやらないでしょ」と続けるが、「わたしだったら絶対にやらないわ、そんな面倒くさい事。頼まれたって無理!」と堂々と胸を張り、あすかに「胸を張って言う事じゃないが説得力があるな」と呆れられながらも、納得される。-執筆に悩むみのりに気分転換させる意味でも、みんなで『伝説のパパイア』を探しに行くが、訪れたパパイア農園で、みのりはパパイアの木の実物を見るのも初めてどころか、パパイアを食べた事すらないと発覚。ローラに「って言うか、まず食べない?」とからかわれて、真っ赤になったみのりは逃げ出してしまう。
- しかし「別に恥ずかしがる事ないわよ、わたしだってパパイア食べた事ないし」とローラやみんなに励まされたみのりは、自分もパパイアのようにみんなの愛情に育まれ、プリキュアとしていろいろな冒険をしてきたのだと気付き、『マーメイド物語』に代わる新作の執筆を決意する事が出来た。
■第41話
- 今回は総集編。みのりの脚本のために、一同はそれぞれの出会いを回想するが、ローラは案の定「あとまわしの魔女によって壊滅寸前のグランオーシャン。その時、1人の美しい人魚が立ち上がった!」等々、自分の話を脚色しまくって、あすかに「ちょっと話を盛ってないか?」とツッコまれる。
■第42話
- トロフェスが近づき、あおぞら中は土曜日もみんな登校して準備に大忙し。トロピカる部も劇の練習を始め、ローラは「あ~美味しい!このおまんじゅうはどうして美味しいの?」と主演のロザリアを熱演(しかし他の4人はかなり棒読み)。「わたし、この町に来てみんなに会えてよかった!おまんじゅうよりも、栗羊羹よりも、みんなに出会えた事がわたしの一番のしあわちぇ…」と噛んでしまい、ローラは照れ笑い。
- 休憩中、まんじゅうを頬張りながらも、あれこれと賑やかな笑顔が溢れるトロピカる部一同。それを見つめるローラは、幸せそうな微笑みを浮かべながら、「わたし、この町に来てみんなに出会えてよかった」と呟いた。劇のセリフと同じ言葉だったが、それは今のローラの心からの本音だった。
- そうとは気付かず、ローラがまだ演技に没頭していると思ったまなつ達が「その感じだよ、ローラ。さっき失敗したセリフ、今みたいに言えばいいんだよ」と褒めたため、「あっ…そ、そうね…」と誤魔化すローラだったが、その横顔に一瞬浮かんだ淋しげな翳をまなつは見逃さなかった。
- その夜、まなつが「ローラは女王様になったらグランオーシャンに帰っちゃうの?」と問い掛けてきた。「帰ってもまた時々遊びに来るわよ」と答えて安心させようとするも、脳裏をよぎるのは「人魚の世界と人間の世界は交わってはいけない。人間と関わった者はその記憶を消されるのです」という人魚の女王の言葉。まなつやトロピカる部の仲間との楽しい記憶もいつか消される……そう考えるとまなつの顔を直視できず、思わず背を向ける。
- しかしまなつは勘鋭く「もしかして人魚の国の掟の事を考えてるの?」と更に尋ねてきたので、「だ…大丈夫よ!わたしが女王になったらそんな掟、変えちゃえばいい事だし。心配なんてない、全然ない!」とあえて強気なポーズを取った。だがローラは心の中では「それに、もし掟が絶対だっていうのなら…わたしは…」と、意味深な決意を固めていた。
- 次の日、日曜日も登校して桜川先生に演技指導を受けようとした時、やる気パワーを吸い取られた先生はへたり込んだ。空を見るとコバンザメ型超ゼッタイヤラネーダが飛来しており、変身した一同は即座に変身してやる気パワーを取り返し、ヤラネーダを倒す。ところがやる気が戻らない生徒がおり、どういう事かと訝しんでいると、上空に巨大な影とバトラーが現われた。「コバンザメはクジラのお腹についてきたおまけです。この海でもっとも大きくて強い生物はクジラなのですよ」嘲笑するバトラーに命じられたシロナガスクジラ型の超巨大ヤラネーダは、あおぞら市の人々からやる気パワーを奪ってゆく。
そうなんだけど、反論してる場合じゃないです。
- ラメールがアクアポットを取り出したのを見たバトラーは、ステッキからビームを繰り出し、それを食らったアクアポットは故障したのか、ラメールが「やる気パワーカムバック」を叫んでも反応しなくなった。業を煮やしたサマーが単身突撃するが、ヤラネーダに呑み込まれてしまう。4人は後を追ってヤラネーダの体内で変身が解けたまなつを見つけるも、噴き出した潮と共に追い出された。そして「ごきげんよう、次に会う時は破滅した世界で」と言い残したバトラーと共に、ヤラネーダは海に姿を消してしまった……。
■第43話
- まなつ救出に動き出すプリキュア達。ラメールはコーラル・パパイア・フラミンゴに魔女の屋敷の場所を教え、自分は人魚の女王にアクアポットを直してもらうため、グランオーシャンへ向かった。
- 修理には時間がかかると聞いた後、ラメールに「人魚はプリキュアになれないはずなのに、なぜわたしはなれたの?もしかして…女王様も昔、プリキュアになろうとした事があった?」と尋ねられ、女王は過去の話を打ち明け始めた。かつて世界の危機を伝説のプリキュアが救って数百年後、愚者の棺を解放しようとするならず者が現われ、女王になる前の彼女はそれを阻止すべくプリキュアに変身しようとしたが、どうしても願いはかなわなかったのだという。
- しかし辛うじてならず者が持っていたやる気パワーの盃だけは奪回し、人魚のブレスレットと共に、とある島の洞窟に隠した。それを聞いたラメールは、夏休みにとみ婆が言っていた「南乃島に宝を隠した人魚」が女王だったのだと気付く。その時は人間と接触しなかったので、南乃島の記憶は残っているようだが、もしかしたら自分でそう思っているだけで、実際は誰か人間と出会った記憶を消されているかもしれないと言う女王。ラメールは更に、「消えるのは人魚の記憶だけなの?人魚と関わった人間の記憶も消されちゃうの?」と問い詰めるが、女王は肯定も否定もせず、目を伏せて「あなたにもいずれ、わかる日がきっと来るでしょう。自らその記憶を消してしまいたいと思う日が…」と答えた。
- 「どうして?わたしはそんな事思ったりしない!まなつ達の事忘れたいなんて事、絶対にありえない!」と必死に訴えても、女王は悲しげに首を横に振るだけ。「だったら伝説のプリキュアはどうなの?彼女と心を通わせた人魚がいたから、グランオーシャンには今も伝説として語り継がれてるんじゃないの!?」なおも食い下がるラメールに、女王は答える。「それはグランオーシャンに伝わる伝説でした。誰もその起源は知らない。知っていた者もその記憶は消され、記憶の部屋に封じ込められた…。だけどあの時、伝説のプリキュアがわたしの前に現れて、全てを語ってくれました。あなたにも話しておきましょう、伝説のプリキュアの秘密を…」
- その秘密を聞き終え、魔女の屋敷に急行すると、まなつは既に自力で脱出し、みんなと合流してクジラ型ヤラネーダと戦っているところだった。くるくるラメールストリームで加勢し、続けざまのマリンビートダイナミックで浄化して決着した後、サマーが「魔女にみんなのやる気パワーを返してと話してみよう」と言い出す。ラメールも「話してみる価値はあるかも。女王様から聞いたの、伝説のプリキュアと魔女の話を。魔女にもまだきっと心があるはずだって」と同意して、プリキュア達は再び魔女の屋敷の中へ。
- ようやく魔女の部屋を見つけるが、魔女はプリキュアの事を知らないばかりか、自分が『永遠のあとまわし』によって何をしたかったのかさえ忘れてしまっていた。そんな彼女にラメールは「あとまわしの魔女!思い出しなさい!あなたは…」と、女王から聞いた秘密を教えようとするが、バトラーはその言葉を最後まで言わせず、愚者の棺を出現させて、「世界を滅ぼせば、愚者の棺は解放した者に不老不死、永遠の命を与える」という恐ろしい事実を口にした。世界を滅ぼすなどと聞かされていなかったチョンギーレが反発するも、バトラーは彼をチョンギーレヤラネーダに変えて、プリキュアに差し向ける。
■第44話
- サマーがチョンギーレヤラネーダの攻撃で変身解除のピンチに追い込まれるが、エルダが落とし穴に落としてくれたおかげで一同は命拾い。空き部屋に身を隠して一息ついたところで、ローラは人魚の女王から聞いた、あとまわしの魔女と伝説のプリキュアの悲しき過去を語り始める。
- その昔、『破壊の魔女』と呼ばれていた魔女は、世界を滅ぼさんとして人間の抵抗に遭い、傷ついて洞窟に隠れた。それを見つけたアウネーテという人間の少女は、相手が恐ろしい魔女とも知らずに傷の手当てをし、二人の間に友情が芽生えかけるも、魔女はアウネーテの前から姿を消し、再び破壊を開始する。だがアウネーテはグランオーシャンの人魚から力を与えられてキュアオアシスとなって立ちはだかった。涙を流しながら戦うキュアオアシスの姿を見た魔女は、「決着は明日にしよう」と告げて撤退し、それからはいくらバトラーに促されても「明日にする」と、決着をあとまわしにし続けた。アウネーテがこの世を去ったのにも気付かず、自分が何をあとまわしにしたかったのかもいつしか忘れたまま……。
- いまや魔女のことを単なる倒すべき敵として見られなくなったローラは、話し終えて「どうする、みんな?」と尋ねるも、もちろんまなつは「「行こう!もう一度あとまわしの魔女の所へ!きちんと話して、奪われたやる気パワーを返してもらおう!」と、あくまで前向き。さんご・みのり・あすかも同意して、「そう言うと思ったわ」と、ほっとしたところでチョンギーレヤラネーダが襲来し、ローラ達は変身して戦い勝利。
- そこへ今度は、記憶が甦った魔女が襲い掛かってきた。もはやアウネーテ=キュアオアシスと戦う事も和解する事もできなくなり、「あいつはもういない!いない!いない!!」と怒りと悲しみをサマーにぶつける魔女。ラメールは「そうよ!あなたの大切な人はもういない!でも!その人を思う心があれば…!」とラメールは必死の説得を試みるが、魔女は「心などない!わたしには必要ない!」とひたすら荒れ狂う。
- しかし、サマーの「あなたが本当にあとまわしにしてきたことは、破壊じゃなくて仲良しになること!人間の女の子と仲良しになること!それがあなたがずっとあとまわしにしてきた、勇気が無くてできなかったこと!」という叫びで魔女が動揺した時、サマーにキュアオアシスの魂が乗り移った。再会を果たし、「彼女と友達になる」という積年の願いがかなった魔女は喜びの涙を流しながら、泡となって天へ昇って行く。魔女と一緒に消えゆくキュアオアシスを見送りながら、ラメールは万感の思いで「また会いましょう、キュアオアシス…」と呟いた。
- しかしバトラーは納得せず、「わたしが魔女様の意思を継いで世界を滅ぼす」と、自らバトラーヤラネーダとなって、召し使い達からやる気パワーを奪い、プリキュアを変身解除に追い込んだ。
■第45話
- まなつを救いに向かう前に、ローラは「まなつも私も大丈夫だから!」と書置きを残していた。世界各地で天変地異が発生し、行方知れずのまなつを心配して大洋と連絡を取り合う碧は、その言葉を信じて待つ他なかった。
- そのローラとまなつは、バトラーに反旗を翻した召し使い達の協力も得て再び戦うも、マリンビートダイナミックもオーシャンバブルシャワーも効かず、火炎放射の直撃で海底深く沈んでいった。しかしパパイアビームの光で淡く周囲が照らされる中、トロフェスの劇の演出について意見を出し合う5人。「トロフェス、このままやらずに終わらせられないもんね」という思いは皆同じ。立ち上がったプリキュア達は、プリキュア・スーパートロピカルパラダイスで遂にバトラーヤラネーダを倒した。
- 元に戻ったバトラーはそれでも諦めず、己のやる気パワーを愚者の棺に捧げた。棺から発せられる黒い竜巻は世界に破滅をもたらさんとする。やる気パワーを取り戻そうにも、アクアポットがなければ…。その時、海の中に明るい光が射し、グランオーシャンが降下してきた。アクアポットの修理が終わったのだ。女王からポットを受け取ったラメールが「やる気パワーウルトラスーパーアメイジングカムバック!」と叫ぶと、黒い竜巻はぴたりと止まり、代わりに大量のやる気パワーが放出され、その激しい奔流は一人ではとても持ちこたえられそうにない。だがサマー達4人が体を支える。「よーし!ふんばるわよ!」と気合を入れたラメールは、全てのやる気パワーを受け止めきった。
- それと共に、やる気パワーの残量がゼロになった愚者の棺は爆発し、魔女の屋敷も崩れ去って行く。同時に海溝も崩壊し始めたため、一同は女王に誘導されてグランオーシャンに乗り込み脱出。海上に出た時は天変地異も止み、やる気パワーを解放した事であおぞら市は勿論、グランオーシャンも復活する。召し使い達が謝罪を述べて海に帰って行った後、「終わったな、これで一件落着だ」と感慨深げに呟くフラミンゴに、ラメールは「まだ終わってないわよ」と声をかける。そう、トロピカ卒業フェスティバルの準備はまだまだこれからなのだ。
- トロフェス前日、「かぴかぴくるるん、かきくけこ!」と、まなつとの発声練習にも熱が入る。最終決戦に連れて行ってもらえなかったばかりか、かぴかぴ扱いされるくるるんって…。
- ともあれ、放送部のいずみに「明日のプログラム間違ってない?」と尋ねられ、すぐ確認に走るなど、ローラは以前のようにふんぞり返って上から目線で命令してばかりではなく、自ら積極的に動き回っていた。
- 通し稽古も終わり、明日に備えてみんな寝袋で部室に泊まり込むことに。しかしその夜、トロピカルハートドレッサーで通信してきた女王の話を聞き、ローラは「そんな、明日なんて…」と絶句する。グランオーシャンが新たな海へ旅立つので、明日の出発の時間までに戻ってきなさいというのだ。会話の途中で、女王はローラを次期女王に正式指名する旨を伝えるが、動揺するローラは、あれほど望んでいた女王になれると聞いても喜ぶどころではない。女王はローラの気持ちを慮り、女王の座を辞退して人間界に残るという選択肢も与えてくれたが、「ローラ、決めるのはあなたです」と言われてもローラは即答などできなかった。その会話をまなつが聞いてしまったのにも気付かず、ローラは立ち尽くす。憧れの女王の座か、まなつ達との友情か。決断の時は、刻一刻と迫っていた……。
■第46話(最終回)
- 冒頭で最後のプリキュア変身ムービー、最後の決め台詞は「あっという間に」だった。「変身する意味あるの?」と問うラメール、サマー曰く「ない」とのこと。突如、サマーの顔面に巨大メロンパンが直撃する。結局、まなつの夢オチだった。
- いよいよトロフェス当日になったが、決断を迫られるローラは心ここにあらずといった様子。まなつの姿が見えないため、あすかに尋ねられても、そこへ「えっ?…そうね、お腹空いたわね」などと頓珍漢な返事をしてしまう。そこへまなつが大きなトロピカルメロンパンクッションをかついで現れた。昨日、ローラが「あたり」を引いたのでそれを交換しに行っていたらしい。受け取りつつ「ありがとう…でもこんなの別に今日じゃなくても…」と首を傾げると、まなつは「だって、あたりのクッションをもらってないのが気になって、ローラが大事なことを決められないと困るじゃない?」と答える。
- はっとなったローラは、まなつが昨晩の自分と女王の会話を聞いてしまったことに気付く。あすかに「何の話だ?」と尋ねられ、口ごもるまなつを制し、意を決したローラは「まなつ、わたしが話す」と、さんご・みのり・あすかに事情を打ち明けることにした。
- あまりにも突然の話に黙り込む一同。「急すぎるだろ!」と憤るあすか。「それでどうする気?」とみのりが訪ねても、ローラは即答できない。泣きそうな顔のさんごは、「女王になるのはまだ先なんでしょ?なら別に今決めなくても…!」と説得しようとするが、ローラは重い口を開き、「でもそれじゃ、あとまわしの魔女と一緒になっちゃう。あとまわしにしちゃダメなんだ」と答えた。いつかは決めなくてはいけないことだった。それが今日来てしまっただけなのだ。
- みのりが続けた。「だけど女王様が言ってた。ローラは帰ったらわたし達のことを忘れてしまう。もしかしたらわたし達もローラのことを…」ただ別れるだけではなく、ローラのことも記憶から消えてしまったら……。そんな重苦しい空気の中、まなつが立ち上がって決然と叫ぶ。「わたし達は忘れない!もし記憶を消されても…絶対忘れないよ!このままあおぞら市に残るか、帰って女王様になるか、わたしはローラが今一番大事だって思うことをやってほしい!」ローラはその言葉を噛みしめ、「今一番大事なこと…」と心の中で呟いた。
- そうする内に、トロフェスが開幕となる。劇の準備に取り掛かろうとした時、ローラが口を開いた。「待って、一つ提案があるの。ラストシーンのことなんだけど…『プリンセスはみんなと仲良く暮らしました』って終わりじゃなくて、『女王になるために自分の国に帰っていきました』ってラストに変更したいの」それは即ち、ローラ自身の結論でもあった。まなつは「うん、ローラがそう決めたなら!」と力強くうなずき、みんなも同意して改めて準備を開始する。
- そして『トロピカる物語』が開演。ローラ演じるロザリアは、まなつ・さんご・みのり・あすかとの出会いを模した場面を演じ、様々な冒険や体験を経て、クライマックスの伝説の灯台での別れのシーンになった。「実はわたしがこの街に来たのは、女王になるためなの」と自分の目的を明かすロザリアに、まなつ演じる町娘ナッチーが「それじゃ、ロザリアはわたし達とは一緒に暮らせないんだね…」と言うと、ロザリアは「ええ…女王になるためこの街に来て、みんなと仲良くなって…毎日すっごく楽しくって…ずっと一緒にいたいって思って…だけど……だけどわたしは帰らなきゃ。わたしの夢をかなえるために帰らなきゃ!みんなとの仲良しの思い出をこの胸に…」万感の思いと共にロザリア、いやローラは仲間達に感謝と別れを告げた。
- 「そうか…」「残念だけど…」「女王様だなんてすごいね…」演技を続けながらも、あすかとみのりはこみ上げるものを抑え、さんごは涙ぐむ。しかしまなつだけはもう演じることができなかった。「うん、トロピ…トロピカってる…」とまで言って台詞が途切れたまなつは、「ありがとう…ねえ、最後にみんな…」と振り向いたローラに抱き着き、「行かないで!行かないでよローラ!帰るなんて言わないでよ!また一緒にトロピカろうよ!」と、声を張り上げて泣きじゃくった。
- ローラはまなつをそっと抱き締めて「ありがとう、まなつ…」と礼を言い、そして改めて「さあ、最後にみんなで歌いましょう!」と、『なかよしのうた』のコーラスでフィナーレを締めくくろうとした。ところが放心状態のまなつがうっかり灯台のセットに手をついたはずみで、ローラはセットの下敷きになり、慌てたまなつが起こそうとしてまたも下敷きにするというアクシデントが発生。「何すんのよ!わたし女王なのよ!」「ごめん、ローラ」「ロザリアだっつうの!」「わーん!ローラが怒った~!」とブチ切れたローラと平謝りするまなつとの掛け合いに、会場は笑いに包まれ、「ちょっ…ちょっと!冗談じゃないわよ!感動のシーンなのに笑いが巻き起こってしまったわよ!」とローラはうろたえるが、みのりの「問題ない。これがわたし達の物語だから」というフォローになっていないフォローで「はぁ~!?」と呆れ顔になった。
- おかげでまなつも笑い出してすっかり落ち着き、ローラも「オーライ、ここから立て直しましょ」と、今度こそ5人で『なかよしのうた』を歌い、エンディングとなる。「わたし達、ずっと友達よ」と言うローラに「うん!」「いつまでも!」「ずっとずっと」「友達だ!」と4人が応え、終幕……のはずだったのだが……。
- 一歩進み出たローラが、満場の観客に向けて言った。「聞いて、話があるの!わたしの本当の名前はローラ・アポロドーロス・ヒュギーヌス・ラメール。人魚の国から来た人魚よ!」あすか達が止める間もなく、ローラは変身を解いて人魚の姿に戻った。会場は静まり返り、さんご・みのり・あすかは呆然。天然のまなつだけが「そう!ローラは人魚!大好きな友達!ねっ?」と紹介すると、我に返ったさんご達も笑顔でうなずく。
- 調子に乗ったローラは「わたしも大好きよ。だから最後にあなた達にも大サービス!尾ひれに触ってもいいわよ!」と呼び掛けた。そこに真っ先に食いついてきたのは風紀委員長の角田正美。第12話でローラに翻弄されノイローゼ寸前だった彼女はじっくりと尾ひれに触り、「やっぱり幻ではなかった…本物の人魚よ~!」と叫ぶ。会場も大歓声に包まれ「に・ん・ぎょ!」コールが沸き起こる。ローラも海獣ショーの如くさらなるサービスで倒立高速スピンを披露してやんやの喝采を受ける。
- トロフェスは無事終了。夕暮れの海岸にて、みのりに「あれでよかったの?」と聞かれ、だってわたし人魚だし。いいのよ、隠したままお別れするなんて嫌だもの」とローラは涼しい顔。そして「あすか、明日の卒業式、わたしは出られないけど卒業おめでとう。高校に行ったらテニス頑張って」と、あすかと握手を交わす。だがうつむいたローラの瞳には、先刻のステージの上では見せなかった涙が浮かんでいた。楽しい時間は終わった。別れの時が来たのだ。
- すかさずまなつが「ローラ、こういう時こそリップで気合だよ!」とリップを塗り、「これはローラにあげる。淋しくなったらこれを塗って元気を出して」とリップを手渡した。ローラは「みんなと友達でいたことも、わたし忘れちゃうのかな…人魚の一生は長いんだって、女王様が言ってた…わたしが女王になって長い時間が経って、その頃にはまなつ達はもういなくなってる…わたしは海の中で一人…大昔、人間と関わった人魚が淋しさから記憶を消す道具を作ったんだって…」と、記憶消去装置の由来を語った。
- そんなローラに「たとえ会えなくなっても、ローラは一番大事な友達だよ!ずっと、ずっと!」と力強く答えるまなつ。ローラが「まなつ、さんご、みのり、あすか…わたしのこと、忘れない?」が尋ねるが、もちろんみんなの思いは同じ。遂に涙が溢れ、ローラの頬を伝う。「ありがとう…また会いましょう」そしてローラは人魚の姿に戻って海に飛び込むと、最後に大きく夕陽を背に高々とジャンプした。まるで「わたしのこの美しい姿、決して忘れないで」と言うかのように。まなつの「ローラ!絶対、また会おうね!」という涙声の絶叫が海に木霊した……。
- しかしその夜、寝ているまなつ達4人の手からトロピカルリングが消え、ローラの持ち物も消失する。そしてまなつ達はローラのことを忘れており、部室の写真からもローラの姿が無くなっていた。記憶消去装置はみんなの記憶はおろか、ローラがいた痕跡も全て消去してしまったのだ。
- その頃、グランオーシャンで真面目に勉強に取り組むローラは、くるるんに問い掛けていた。「ねえくるるん、これ何だと思う?いつの間にか持ってて、何か気になるの」それはまなつからもらったリップだった。人間界だけではなく、もちろんローラの方の記憶も消え去っていた。「他にも変なことがあってね。この落書き。『魔女の所へ』…」書いた覚えのない、自分の筆跡の落書きがローラには引っ掛かっていた。
- 勉強が捗っていることを褒めた女王は、ローラが人間界に行きたがっていたことを尋ねた。「次期女王として、一度この目で見てみたいんです」というローラに女王は地上行きを許可した。「但し、人間には会わないように」と釘を刺されるも、ローラは密かに確かめたいことがあった。あおぞら市の入り江に到着して、「だいたいこの辺らしいけど…」と呟いていると、そこへやってきた人間の少女と目が合った。「えっ…?」と二人は一瞬固まる。その人間の少女がまなつだということを、その”初めて見る人魚”がローラだということを、まなつもローラも忘れてしまっていた。
- 一方、廃墟と化した魔女の屋敷では、後片付けをするエルダが人形相手に独り言を言っていた。「さっきは突然人魚が来て驚いたね。そう言えばこないだも変なこと言ってたもんね」。実はローラは無策で記憶消去を受けたわけではなく、チョンギーレ・ヌメリー・エルダに「記憶を消されたわたしがいつかここに来たら、いろいろ教えてほしいの。あなた達の記憶は消えないのよ。なぜなら人間でもグランオーシャンの妖精でもないから」と頼んでいた。そして、自分の机に残しておいた『魔女の所へ』という落書きを元に魔女の屋敷を訪れ、そこでエルダに教えてもらった情報であおぞら市へ向かったのだった。エルダはその会話を思い出しながら「無事あいつと会えてるかな」と微笑んでいた。
- 「すごい!人魚ってほんとにいたんだ!わたしの名前は…!」とテンションMAXのまなつとは対照的に、ローラは「あなたはわたしを知らないのね。なら、わたしが探してる人間ではないわ」と素っ気ない。「誰かを探してるの?」「ええ、友達を」「へぇ~、わたしと同じだ。何か手がかりは?」「これ…」とローラが取り出したのは、まなつがあげたリップだった。「あっ!わたしのリップ!なんでローラが持ってるの!?」「なんでまなつがわたしの名前を知ってんのよ!」初対面のはずなのに、なぜかお互いの名前を知っているという奇妙な状況に、二人は戸惑う。
- 消されたはずの二人の記憶の一部が思い起こされたことがきっかけになったのか、グランオーシャンで記憶消去装置が不具合を起こしてしまい、その影響で今までアクアポットで撮影したシャボンピクチャーのデータが復活。大量のシャボンピクチャーがアクアポッドから漏れ出るように飛び出してきて、ローラとまなつの前に浮遊する。そこに写っていたのはローラとまなつの、トロピカる部のみんなとの思い出の数々だった。それを目にしたまなつとローラの記憶は完全に蘇る。二人は手と手を合わせて、最高の笑顔で「トロピカってる~!!」と声を合わせて叫んだのだった。
- まなつ達と再会したローラ。その後のエンディングではグランオーシャンで他の人魚に人間について講義するローラの姿もあった。一方「Pretty Holic」の催し物で出店した際には、おむすび型の飾り物に疑問を持ち、目を輝かせて説明するさんごに呆れながらも、偶然にも次期主人公と遭遇した。
映画
- まなつ達のもとに先輩であるヒーリングっど♥プリキュアのラビリンから、ダンスパーティの招待が届いきみんなの笑顔でご報告。しかし、パーティが始まるまで3分しかないと告げられるとまなつと共に、急ぐことになる。
- アクアポットに入りまなつ達と飛行機乗り込むが、パイロットと飛行機の正体がヤラネーダと判明し、即消滅してしたのと同時に海に空中落下。
- 今回は主人公ポジション。
- 雪の王国シャンティアの王女であるシャロンが女王になると祝いの式が開かれ、胸がときめく。
- そして、ローラはシャロンと「一緒にすてきな女王になろう」と約束を交わし、指輪を受け取る。
- 謎の敵が現れ、雪の王国が氷ついて閉じ込められる。サマーからは「ラメールの今一番大事なことは?」と告げられると、「シャロンに貰った指輪にかけて、氷ついた王国を救う!」と決心がつく。
- ハートキャッチプリキュア以外のHUGっと!プリキュア以前の51人とひろがるスカイ!プリキュアの5人と初共演。
- 無人島で虹ヶ丘ましろと出会うも塩対応を取り、立ち去ろうとするもましろに「待って!行かないで!」としがみつかれ激怒した。
- 菓彩あまね、花寺のどか、プーカも加わりお城を目指す。ローラのヒレとラビリンのアシストで電車に乗り遅れそうになったのどかを助けた。
- 街でアークを探し住人に聞くも同じことしか言わない、いい情報を得れないことに苛立ちを隠せなかった。まなつと再会するも、プリムに怯えたプーカが電車で見せた破壊の力でましろ達共々落下したが、お城でまた再会することを約束した。
- 終盤戦ではキュアマーメイドと夢の共演を果たした。
関連タグ
トロピカル〜ジュ!プリキュア トロピカルージュプリキュア キュアラメール
グランオーシャン ローラ・アポロドーロス・ヒュギーヌス・ラメール 人魚 マーメイド
令和プリキュア 追加キュア 転校生キュア 女性語を頻繫に使う女子一覧
関連キャラクター
プリキュア内
- ミルク/美々野くるみ/ミルキィローズ:異世界出身&人外&追加キュアで、腹黒&高飛車&ツンデレ気質、祖国が敵勢力の手に落ちる、プリキュアを探しに人間界にやって来るなど共通点が多い。
- 来海えりか/キュアマリン:年齢の割に子供っぽく裏表が全くなく、思っていることや主張したい事を直ぐ口に出し、変顔や顔芸を乱発させる残念な美少女繋がり。但し、彼女は(悪意は無いのだが)思った事を直ぐ口にして人を傷つけてしまう事が多かったえりかよりはマシな方であるし、見た目は子供っぽいえりかと比べ年相応。
- 剣崎真琴/キュアソード:卵の割り方を全く知らなかったポンコツ持ち繋がり(卵の割り方どころか、相田マナ達と出会うまで、卵が食材と言う事すら全く知らなかった)。
- 海藤みなみ/キュアマーメイド:キャラクターデザイン、人魚姫をモチーフとしたプリキュア⇒みなロラ
- 黒川エレン/キュアビート:異世界出身、人外から人間に(但し、彼女は不可逆的に)なった青キュアにして元祖ポンコツキュア。彼女もローラ同様に歌が上手で元は敵側の歌姫だった。また、途中から学校に通うのも共通。
- 調辺アコ/キュアミューズ:異世界出身、10年前に登場した元祖姫キュア。やはり彼女も同様に歌が上手で将来の女王としての教育を受けている。
- 白雪ひめ/キュアプリンセス:同上。外国出身かつ高貴な身分で長ったらしい本名持ちの上、眉毛が太く、「友達は自分の言う事を何でも聞いてくれる便利なもの」と、ストーリー当初に言い切るなど主役キュアにも高飛車な所が共通。
- 羽衣ララ/キュアミルキー:こちらは異星出身で目上や年上でもタメ口だがローラと違い、真面目な気質でプリキュアの使命に大切にしている。本編第2話でまなつがプリキュアの使命よりも学校のことだけに突っ走る点など、ララの相棒もテンション高めな好奇心旺盛が共通する。
- フワ:人外、長ったらしい本名持ち繋がり。プリキュアの使命よりも学校を最優先しようとする主役キュア達に痺れを切らして、学校で騒動を起こした事も共通する。また普段はローラ同様、アイテムの中で生活している。
- 花海ことは/キュアフェリーチェ(はーちゃん)、聖あげは/キュアバタフライ:当初から協力者として登場しているが、後にプリキュアに覚醒した繋がり。前者は人外繋がり。