概説
生地を幾重にも伸ばし折り込みまた伸ばす事で生成される空気層と、練り上げられて生成されるグルテン、最後に水で締める事、これらの過程によって生み出される強いコシが特徴。コシの事を「もちもち感」などと表現している場合もあるが、讃岐うどんのコシはコシでありコシ以外の何物でもないので悪しからず。
つゆに使われるダシはいりこだしをメインとする。ただし、讃岐うどんではつゆの事を単にダシと呼ぶので注意。
讃岐うどんTips
器(どんぶり椀)に入れられたうどんだけを渡されたのち、一方通行に並んで進み、トッピングとなる天ぷら、練り物(蒲鉾など)、海藻類(わかめ、とろろ昆布など)や副菜となる寿司(ちらし寿司や稲荷寿司)やおにぎりやおでんをバイキング(あるいはサラダバー)方式により取捨選択して取り、自分でうどんを湯通しして温め、最後に器にダシ(かけつゆ)を注いでメニューを完成させていき、食後には返却口に食器を返すセルフサービスうどん(セルフうどん/ファストうどん)の発祥として知られる。
自分で麺を温めるところから始める店をフルセルフ、出来上がったメニューを注文口から受け取り食器返却のみを行う(フードコート方式)店をセミセルフと呼称し、普通の店と同じく席について店員に注文する(食器返却も行わない)店(フルサービス店舗)は一般店と呼ばれる。
讃岐うどん店のセルフシステムは、もともと香川県のうどん屋が、地元のスーパーや学校にうどん玉を卸し、また地域の家庭を相手にうどん玉だけを売っていた零細製麺会社の副業であった事に由来する、と言われる。(現在でも、この業態でセルフうどんを提供している店舗は製麺所と呼ばれ、店舗とは区別される)
また、この事から香川県の讃岐うどん店ではうどんとおでんと寿司がセットと言われ、これにこだわる層も一定数存在する。特におでんに関しては「おでんの無い讃岐うどん店なんて紛い物」とまで言い切る層も多い。
ただし、昨今のコロナ禍によって、やむなく伝来のこの方式を変更せざるをえなくなる店も増えており、上述した従来の言説も見直さねばならぬケースも出てきている。
実は、香川県内の讃岐うどん店にはラーメン(中華麺)や蕎麦をメニューに加えている店も結構ある。店によっては、ひとつの碗に中華麺(orそば)とうどんを一玉ずつ入れてうどんダシをかけて食べるちゃんぽんや、あるいは碗に中華麺・そば・うどんの三種を入れてうどんダシで食べるトリニティなるメニュー(あるいは裏メニュー)があったりする。
香川県は、蕎麦屋やラーメン屋が極端に少ないと言われるが、それは単にうどんが県民食なだけではなく、うどん屋がそれらの代替として機能している(うどん屋のメニューとして蕎麦もラーメンも出している)ためでもある。
平安時代に空海が唐から持ち帰った、という伝承があるが、これはよくある起源に困ったときの空海頼みで、俗説の域を出ない。のだが香川県内では結構真剣に信じられている。
日露戦争の英雄乃木希典が善通寺にいた時代、部隊食として取り入れた、と言われる。
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関連タグ
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7月2日/半夏生:うどんの日。古来より讃岐の農家は、この日に讃岐うどんとタコの酢の物を食べる、とされている。
宇高連絡船:船内に讃岐うどんの立ち食い店があった。
はなまるうどん:香川県高松市発祥のセルフうどんチェーン。セミセルフに分類される。
丸亀製麺:小麦粉の輸入先、オーストラリアへ出店した。しかし肝心の香川県では店舗撤退が相次ぎもはや高松市に1店舗しか無い。ちなみに起業および本社所在地は兵庫県である(香川県内では「丸亀市に無いのに丸亀製麺」とネタにされる事も多いが、一方で丸亀市に対しては「敬意を払っている」として莫大な寄付を行っている)。おまけに丸亀市のうどん屋で修行し独立した職人が、自分の店に「丸亀」の名をつけるのを妨害した。どんな判断だ。ちなみに丸亀市に古くからある「丸亀製麺所」は、この会社とは無関係である。あと、この会社の店舗は「製麺所の内装(様式)を模したセミセルフ」に過ぎないので、誤解の無きよう注意。
七味撫子うのん:物語のキーアイテム。舞台のひとつ(主人公の下宿先)が東京開業の讃岐うどん店。ヒロインが「讃岐うどんの精霊」という設定。
勇者であるシリーズ:登場キャラクターの大半が好物である。
うどんの国の金色毛鞠:香川県が舞台であり、主人公の実家は元うどん屋。