概要
オオスズメバチ(スズメバチ)が巣に侵入してきた際、数百匹のニホンミツバチ(ミツバチ)がオオスズメバチを球状に取り囲み腹部の筋肉収縮・翅の振動などを利用し中心部を50度近くまで上昇させ蒸し殺すという殺法。
オオスズメバチはいきなり集団では襲わず最初は単独行動でニホンミツバチの巣に偵察する習性やニホンミツバチが50度まで耐えられるのに対しオオスズメバチは45〜6度とわずかに耐熱温度が劣る特性を利用したものである。
ただし、一度蜂球に参加すると天敵に噛み殺されるリスクを負わなければならない他、仮に生き残っても寿命が4分の1に縮むという致命的な反動を受けてしまう。
このため世界では養蜂用に各地に導入された外来種のセイヨウミツバチが野生化し在来種の生態系を破壊している事が問題になっているが、スズメバチという驚異の天敵との戦闘経験が豊富な東アジアではさほど問題視されていない。
ニホンミツバチと異なり、セイヨウミツバチの蜂球は温度が低いため蒸し焼きには出来ず、スズメバチ相手にはなすすべがないと考えられていた。しかし、セイヨウミツバチの場合は蜂球を形成するとスズメバチを針で刺し、暴れさせることで限界の46度を越えさせて殺すという。
一方、解明されたばかりのセイヨウミツバチの蜂球行動の場合、蜂球の中心温度は44度程度しか上がらず、その温度ではスズメバチを蒸し殺しにはできない。しかし、二ホンミツバチと違い、セイヨウミツバチは命がけでスズメバチを針で刺そうとする。針で襲われたスズメバチは暴れて興奮。するとその興奮でスズメバチの体温が上昇、限界の46度を超えてしまい、死んでしまう。
画像検索するというまでもなくミツバチが球状に集っている不気味な写真が大量にヒットするため、検索してはいけない言葉の一つでもある。同義に「ミツバチ 蒸し殺し」。
外部リンク
捕食者スズメバチに対するニホンミツバチの防衛行動 −蜂球内でのスズメバチの死の原因解明−