概要
『スロウ・ダメージ』とは、2021年2月25日に「Nitro+CHiRAL」から発売された18禁BLゲームである。発売日が同ブランドのデビュー作『咎狗の血』と同じ日である。
シナリオは淵井鏑、キャラクターデザイン・原画は山田外朗が担当。
あらすじ
20XX年。日本。
深刻な不況を打破するために、日本の一大カジノ・リゾートとして開発された特別行政区「新神海」(しんこうみ)。
かつて東京臨海副都心13号地に属していたその地は事実上、カジノの民間運営業者である「鷹郷組たかさとぐみ」が統治する国のような存在となっており、不況の中においても一定の繁栄を保っていた。
明日のこともわからぬ不安定な状況が続く中、人々は一攫千金を夢見て、あるいは鬱屈した気持ちを晴らしに新神海へ集まった。
有象無象をも受け入れる街の治安は乱れ、そこかしこに退廃の影が漂い、犯罪が多発していた。
そんな街に住む主人公トワは、知り合いの医師タクの病院に居候しつつ、明日のことなど考えない、自堕落で刹那的な日々を送っていた。
トワにはある趣味があった。
それは「人の欲望を描くこと」。
人の心の奥底に押し込められた爆発寸前の欲望をモチーフにして油彩画を制作する。
欲望を自分にぶつけさせて、その体験を筆に乗せるのだ。
作家としての名は「euphoria」(ユーフォリア)。
欲望を叶えた結果、自分と相手がたとえ瀕死の重傷を負ったとしても構わない。
それが、相手にとっての「幸せ」なのだから……。
(公式HPより引用)
世界観
新神海(しんこうみ)
法整備により、国内で唯一カジノ産業の運営許可が下りた「特別行政区」の名称。かつての東京臨海副都心13号地に属する場所である。
当初、政府による公営のカジノリゾート開発を目論むもその事業は失敗。その後継として民間事業者である「鷹郷組たかさとぐみ」に開発運営が委託され、結果、カジノリゾート開発は成功。
現在では国内不況の中においても一定の繁栄を保っている。
街づくりの過程において「A」から「E」までの5つの「特区」に区分され、それぞれの特区で大きく街の特色が異なっている。
A特区(旧市街地・廃墟)
かつては全盛期の新神海を象徴する歓楽街だった。
今は廃ビルが並ぶ立ち入り禁止区域で、観光客はもちろん、新神海に住む住民も立ち入らない。
中心部は水没と老朽化により建物の腐敗が進んでおり、強固なバリケードが張り巡らされている。
B特区(新神海ストリップ)
カジノや商業ビル、アミューズメント施設が立ち並ぶ。
夜になると毒々しいネオンのライトが明滅する。
全盛期には日本有数のカジノ・リゾートとして名を馳せ、国内外から多くの観光客が訪れていた。
C特区(本部・高郷町)
新神海の政治を担う中心区で、豊富な資産を持つ上流階級の人間が多く住んでいる。
羽子坂通りには最新鋭の高層ビルが立ち並ぶオフィス街があり、新神海聖堂や新神海総合病院といった、ここにしか無い施設も数多く存在する。
高級住宅街の一角には、カジノの民間運営業者である「鷹郷組」の本部事務所と邸宅がある。
D特区(繁華街・亜羽路町)
土地の規模としては新神海で一番広い。
繁華街・亜羽路町には飲食店やレジャー施設、キャバレーやホストクラブなど様々な商業施設が軒を連ねている。
レイが働くバー「ルースト」もこの地区にある。
E特区(住宅街)
主人公トワが居候しているタクの個人医院「むらせクリニック」がある。
ファミレスやコンビニ、ディスカウントストア、ドラッグストアなどが密集しているメイン通りや、トワたちがよく立ち寄る「柳川珈琲店」もある。
登場人物
主人公
トワ
日々を自堕落に生きる主人公。
無気力だが、自分が興味を持ったことには反応する。
絵を描くことが唯一の趣味。
攻略キャラクター
タク
新神海で個人医院「むらせクリニック」を開業している医師。
トワのことは子供の頃から知っていて、放っておけずに面倒を見ている。
人当たりの良い性格で、患者からは老若男女問わず評判が良い。
レイ
トワの友人。バー「ルースト」の店員。
タクとも仲が良く、時間がある時はバイトとしてむらせクリニックを手伝う。
ムードメーカーで世話焼き。
斑目
謎の男。鷹郷組の関係者。数年間、姿を消していた。
トワとは因縁があり、再び目の前に現れてつけ狙う。
藤枝
鷹郷組たかさとぐみの顧問弁護士。
冷淡で無機質な印象を与える。
トワに対して、見下すような態度で接する。