ぼったくりバーとは、料金設定に正当性が感じられないバーのことである。
概説
不当に見合わない高い料金を請求するぼったくりをしていると思われるバー。
メニューにないサービス料、注文していないのに出てくるお酒やサイドメニュー、ホスト・ホステスに関する追加料金など、明文化されていないサービスや接客側の裁量を軸に値段を釣り上げていくのが常套手段。
2時間のサービスでホステスが相席した際のドリンク代やサイドメニューの料金を含めて50,000円ならまだ良心的な方で、ビール2杯で90分もいないうちに100,000円も吹っ掛けてきた挙句に支払えないと判ると脅してでもATMなどに走らせて金をふんだくるものも珍しくない。
こうした営業をする店舗は、後ろ盾として反社会的勢力が座っており、水商売を釣り餌に自分たちの活動資金を調達しているケースもある。
「可愛いオネエチャンに釣られてよろしく飲んでいたら何十万も吹っ掛けて来た上に、支払いを拒否した瞬間に強面の従業員がぞろぞろ出てきて脅された」というテンプレートな光景は、そうした後ろ暗い背景を持つ店が多い。
一方、接客業を中心とした「正当な価格が判断しづらい商売」について、ぼったくりが横行しないように「ぼったくり防止条例」を制定する自治体もある。
ぼったくりも自衛手段
しかしながら、「ぼったくり」そのものが水商売におけるサービスの防衛線になってもいる。
そもそも接客という、何に対して価値が定まっているか分からないものを商品としている以上、客側にそれを納得させるだけのサービスを提供する必要がある。
そのために必要な人件費、設備投資、サービス内容を揃え、設定した価格で同意してくれる固定客を獲得し、固定客に新たな客を呼んでもらうことも考えなければならない。
こうした経営努力のうえで、店の品位と客の質を一定に保つため、時間帯によってサービス料を細かく変えて料金設定を敢えて複雑化し、来店客へのハードルをわざと上げておく。
そうすることで店側の雰囲気を作り上げつつ、その雰囲気を害する悪質な客の来店を防止し、サービスの質を保つことにも繋げている。
ぼったくりもその一環で「適用される」ケースはあり、横暴な「お客様」を追い払うため意味で、見えづらい個所から料金を嵩増ししておき、支払いの際にぼったくり料金を突き付けるといった手段に出ることがある。
――とはいえ、ぼったくりに遭いたいものではないのは、皆同じ。
ぼったくりバーに当たりたくなければ、入る店舗の情報を事前に確認しておきましょう。
くれぐれも酔った勢いではしご酒をして、見知らぬバーに釣られて入らないように。