ライオネル(異世界食堂)
らいおねる
CV:檜山修之
概要
原作40話(書籍では2巻)、アニメでは5話Aパートから登場。
頭部が獅子の魔族で、最強の剣闘士。元奴隷だったが、現在では身受け金の金貨一万枚を剣闘で稼ぎ、自由の身となっている。
劇中の20年前。
奴隷として剣闘の初試合に臨む際、後述の理由から自信を無くし意気消沈していたが、自身の独房内に「異世界食堂」こと「洋食のねこや」の扉が出現。その扉からねこやに入り、初代店主から勝利の願掛けとして「カツ丼」を振る舞われる。それを五杯平らげ、その美味で不安が消える。
直後、試合に臨み勝利。その際に気力体力共に十分だったとはいえ無傷のまま、マンティコアをたった三撃で屠り完勝。この戦いを皮切りに幾多の戦いに勝ち続け、金貨一万枚をわずか一年で稼ぎ出した。
しかし自由の身になっても、カツ丼を食べ続けたいがために剣闘士を続け、以後20年以上にわたり最強の剣闘士として君臨し続けている。
後に「獅子王」の二つ名で呼ばれるように。
人物
戦うために生まれたと言っても過言でないほどの、肉体と能力、そして精神を持つ。
生まれた時代が違えば、魔王の一角も狙えたほどに、邪神の加護を受けている。獅子の頭部とともに、屈強な肉体を持ち、怪力と素早さも兼ね備えている。
その咆哮だけでも、小動物は怯えて即死するほど。
故郷の村を捨て、戦いに身を投じ続け、いつしか戦況を左右するほどの有力な傭兵となる。戦争が無くなれば、『出会った者は必ず死ぬ』とまで恐れられる山賊として戦い続けた。討伐に来た騎士団も返り討ちにして、その力に憧れる魔族や人間、そして強い男に憧れる魔族女なども彼の元に集まり、いつしか一大勢力の一角ともなる盗賊団の長に。
それ故に討伐対象となり、劇中の20年前に四英雄の剣神・アレクサンデルの前に敗北する。
本人も戦いに関しては負け知らずだったゆえか、自信を有していた。しかしアレクサンデルとの戦いで大敗。その際は、こちらから一撃を与えるどころか掠る事さえできず、相手からの一撃を受けただけで戦闘不能になってしまった(ちなみに、プレイボーイのアレクサンデルはこの時に下ネタまで言っている)。
この敗北で自信を喪失。その後、捕まって奴隷となり、魔都の魔王アルティーナの娘・ラスティーナへ剣闘士奴隷として売り飛ばされる。
自由になるためには、剣闘士として戦い、身受け金の金貨一万枚を稼ぎ、支払わねばならない。
しかし、アレクサンデルの前に完敗した事が尾を引きずり、マンティコアとの戦いの直前になるまで迷い続けていた。
この時に扉を見つけ、ねこやのカツ丼を食した事で、自信を取り戻す。
以後は、情に厚くさっぱりした性格をねこやに来店するたびに見せるようになる。後に、「カレーライス」ことアルフォンス・フリューゲルとも仲良くなった。
時には、ライス系の好物について、他の常連たちと意見を戦わせることも。
現在も一週間に一度、扉を通って異世界食堂に通い、カツ丼を食べ続けている。
こぼれ話
1.最初に訪れた際には、店主の祖父が現役で店主をしていた。その際に、「戦いに勝てそうな……いや、なんでもねえ」と口にした事から、カツ丼を振る舞われた。体格から一杯では当然足りなかったが、その食べっぷりから店主からおかわりを提供され、満腹になるまでカツ丼五杯を堪能できた。支払いもツケにしてくれたことから、「カツ丼代、稼がねえとな」と、戦いへの気分を新たにする事ができた。
2.最初の対戦相手のマンティコアは、魔王が特殊な魔術を用いて服従させ、戦争に用いる戦力の一端としていた魔物の一種。単体で対戦したら、冒険者パーティーや小国の騎士団程度なら、壊滅させられるほど強力。剣闘の興行での相手は、これをライオネルの対戦相手として指定してきた。普通に考えると、ライオネルでも単独で倒す事は不可能に近かったらしい。これを無傷で倒すのだからカツ丼パワーおそるべしである(アニメ版では戦闘シーンが描かれていたが、雄たけびを挙げると首に大剣を叩き込み、尻尾つかんで闘技場の壁まで投げ飛ばし、壁に串刺しにして止めを刺すと一方的に叩きのめしている)。
3.愛用の武器は、両手持ちの巨大な剣。ドワーフの鍛冶屋に打たせて作ったもので、自身の怪力でも折れたり曲がったりせず、ただひたすら頑丈に作らせている。そのため、刃もろくについておらず、剣としてはなまくら。しかし通常の人間では持ち上げる事すら不可能なくらいに巨大で重く、ライオネル自身が振るえば鋼鉄の鎧を着た騎士すらたやすく切断できる。
4.現在は、既に自由の身だが、扉が出現する闘技場の独房に住み続けている。この独房はライオネル自身が、「私室兼専用控室」として買い取っているとの事。現在も店に通いカツ丼を食べ続けているが、最近は「楽しみは後に取っておく」というところから、「勝った後」にカツ丼を食べているらしい。
5.「ねこや」には日中にのみ来店しているらしく、アルトリウスがアレクサンデルを伴って来店する際には、その時間帯を避けていた。