概要
CV:神谷浩史
中華人民共和国のソーシャルゲーム『陰陽師』の登場キャラクター「帝釈天」の中国語表記。
天人一族の帝王は、公明かつ純白、温和かつ聖潔、冷静さとしなやかさを兼ね備えており、知恵に富み知略にたけている。
かつて戦乱が繰り広げられた殺風景な天域で、帝釈天は戦いの神である阿修羅と肩を並べて戦い、共に天域を護り、辺境を侵す鬼族を討伐した。
二人は天人と鬼族の千年にわたる戦争に終止符を打った。
帝釈天の心は一瞬たちとも揺るがなかった。
いつの日か、永遠の平和が訪れると、彼は固く信じ続けた。
(陰陽師「式神図鑑」より)
公式動画
【帝釈天絵巻】浄世蓮華 其の二 / 其の三 / 其の四 / 其の五
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帝釈天:出典
帝釋天:表記ゆれ
『(阴阳师 OR 陰陽師) (帝釈天 OR 帝释天 OR 帝釋天)』 で検索することをお勧めします。
伝記一
天人の貴族として生を受けた私が、宮殿に足を踏み入れるのはこれが初めてではなかった。
幼い頃、父上の供として宮殿に入り、一族のため、十天衆と祈りを捧げたことがある。
宮殿の前には大きな鐘がいくつも並んでいた。長年風雨にさらされてきたであろうその鐘に、朽ちている様子はない。
私は好奇心に駆られ、最も小さな鐘を叩いてみた。悠久の時を感じさせる音が響く。
鐘の音は、遥か遠くから聞こえたような気がした。それは、まだ知る由もない私の運命のために、漠然とした未来で響き渡っているようにも思えた。
鐘の音に秘められた真意を解き明かそうと耳を澄ましていた私に、父上の叱咤が轟く。
「鐘は新王のためだけに鳴らされるものだ。お前の行いは大いなる不敬に当たる」と父上は言った。
そして今、私は白蓮が咲く池に座り、あまたの楽師が奏でる幾千もの鐘の音を聞いている。皆、私が王に即位する時を恭しく待っているのだ。
相変わらず天命など敬ってはいないが、もはやこの世に私を罰することができる者はいない。
通路の両側に控える祭司らが蓮の花びらを私に振りかける。そして恭しく頭を垂れた大祭司が香を焚きしめた純白の衣を私の眼前に捧げた。
「香が汚れを払い、水が罪を清めるがごとく、過ぎし日の一切が足元の泥と化し、御身が蓮のごとく生まれ変わることをお祈り申し上げます」
「忉利天の名において、過去の業をすべて断ち切り、この池をお出になる時には、白蓮のごとく生まれ変わった新たな王となられますように」
私は問うた。「いかにして業を断ち切れと?」
大祭司は俯いたままこう答えた。「諦めきれぬ最大の願いを告白なさいませ。それを池に捨て置き、二度と振り向かぬこと。ただそれだけにございます」
水面で揺れる蓮の花に向かい、私は独りごちた。
「我が人生唯一の望みは、この手で天人と鬼族の戦いに終止符を打ち、友と手を携え、二度と争いや犠牲のない世を一族にもたらすこと」
「そして、戦は終わった。だが、私の傍らに友の姿はない。そう、我が最大の願いは、我が最大の業となってしまったのだ……」