概要
ソ連海軍嚮導駆逐艦「タシュケント」は軽巡並みの大型駆逐艦だったため、艦体色に準えて「空色の巡洋艦」というあだ名をつけられた。
因みに、前級「ミンスク級嚮導駆逐艦ミンスク」及び日本の駆逐艦「島風」と比較してみると、
全長 | 全幅 | 基準排水量 | 公試全速 | |
タシュケント | 139.8m | 13.7m | 2,893t | 43.5kn |
ミンスク | 127.5m | 11.7m | 1,952t | 36.0kn |
島風 | 129.5m | 11.2m | 2,567t | 40.37kn |
といった数値である。確かに一回りデカいが……島風より速いやんか。
(ちなみに天龍型軽巡洋艦が全長142m、全幅12.4m、排水量3230tである。タシュケントはトン数こそ1割ほど小さいが、寸法的には互角以上といえよう)
尚、タシュケントを建造したイタリアでは、同時期に建造していた従来型軽巡が重巡もかくやという程巨大化し建造費用と工期が肥大化していた事から、次級に当たるカピターニ・ロマーニ級軽巡においては小型高速の艦形とする事となった。そしてそのタイプシップとして抜擢されたのがタシュケントであった。つまり、彼女は巡洋艦とはならなかったものの、彼女の設計は巡洋艦建造の参考とするには足りていたと言えようか。