テュポーン
てゅぽーん
ギリシャ神話に登場する魔神。
概要
姿に関しては諸説あるが、下半身が大蛇、生えそろう髭の一本一本全てが毒蛇と言う異形の巨人として描かれる事が多い。しばしばギリシャ神話の中では最大級の怪物と称される。
暴風をつかさどる怪物、または暴風そのもの。
半人半蛇の女神エキドナの夫で、ケルベロス・オルトロス・キマイラ・ヒドラなど、名立たる怪物たちの父親。
ティターン神族を迫害し、ギリシアの神々の王座に就いたゼウスに復讐すべく、大地の女神ガイアによって生み出された。
一度はゼウスの脚の腱を奪って幽閉する事に成功するが、ヘルメス神がゼウスの腱を取り戻し、諸神の助けでゼウスが復活すると形勢が逆転。
追い詰められたテュポーンは運命の女神モイライを脅迫して、何事も望みが叶う「希望の果実」を奪って口にするが、実はテュポーンが口にしたのは全ての希望を奪う「絶望の果実」だった。絶望の果実を口にした事で全身の力が抜け、闘う事も動く事も出来なくなったテュポーンはついにゼウスによって捕えられ、シチリア島はエトナ山の下敷きにされ、厳重に封印された。
今でもエトナ山に噴火が多いのは、下敷きにされたテュポーンが死に切れずに暴れる為だと言われる。
因みに台風(Typhoon)の語は、彼の名から取られた。