汝は人狼なりや?
なんじはじんろうなりや
概要
「汝は人狼なりや?」とは、ヨーロッパ発祥のテーブルゲームおよびそこから派生したアナログゲームである。略称は「人狼」。
MMORPG「ウルティマオンライン」(UO)では、システム内に取り入れられていたりする。
ネット上でも行われており、リアルでの対面の人狼とネットのチャットで行う人狼では戦略が異なる場面も多い。
主な役職
村人サイド
勝利条件:人狼及び第三勢力を全員処刑する。
- 村人
村人は特殊な能力を持たないただの一般人だが、このゲームの主人公でもある。
他の村人や、特殊能力を持った仲間達と協力して人狼を処刑し、全滅させるのが目標。
もしかするとあなたの1票が、村の命運を大きく左右する事になるかも知れない。
- 占い師
占い師は毎晩目を覚まし、自分が人狼だと疑っている人物を1人指定してその人物が人狼かそうでないかを司会者から教えてもらえる。
人狼を見つける事が出来ればぐっと有利になれるが、その能力ゆえ人狼に襲われやすい役職でもある。
- 霊媒師
霊媒師は毎晩目を覚まし、その日の昼のターン処刑によって殺された人物が人狼だったのかそうでなかったのかを、司会者から教えてもらえる。
昼のターンに処刑された人物の本性を知る事ができるのは、霊の声が聞けるあなたしかいない。
- ボディーガード(狩人・騎士)
ボディーガードは毎晩目を覚まし、誰かを1人指定してその人物を人狼の襲撃から守る。
ただし、自分自身を守ったり、同じ人を2日以上連続では守る事はできない。
占い師等の村人にとって心強い仲間を守る事のできる、力強く頼もしい役職。時には自分から名乗り出て重要な役職者を1日生き延びさせる等の行動も必要。
- 共有者
共有者は必ず2人1組として存在し、お互いに相手が村人だという事を始まりの夜にアイコンタクトで確認。夜会話は共有者2人で行う事ができる。
もしもあなたのパートナーが疑われてしまった時には、自らが共有者だと名乗り出る事で2人の無実を証明する事ができる。
村に住み着く妖怪。
人狼に襲撃されて死亡した時は自身を噛んだ人狼を、処刑で死亡した時はその時点で残っている者の中からランダムで1人道連れにできる。処刑だと村陣営の者が道連れにされる危険性があるので、処刑ではなく、襲撃されて死ぬように動き、仕向けるべし。
占い師・霊媒師に見られた場合は人間判定となる。
人狼サイド
勝利条件:村人の数を人狼の数以下に減らす(ただし第三勢力が存在する場合は先に死亡させる事)。
人狼は毎晩目を覚まし、村の人間を1人ずつ選んで喰い殺していく。
人狼同士で協力して人間を喰いつくし、村を全滅させる事。
人狼が正体を見破られない為には、時に占い師等の他の役職を演じて村人達を欺く事も必要。
- 狂人(狂信者)
何も能力を持っていないが、人狼側の人間。
人狼が勝利した時、自らも勝者となる。
もちろん、占い師・霊媒師に見られてもただの人間として判定される。わざと占い師等の役職を演じたり、嘘をつく等して議論の場を混乱させるべし。
狂人は狼が誰かわからないが、狂信者は狼が誰かわかる(場合によっては狼の夜会話も聞ける)。ただし、狼側から狂人・狂信者が誰か知る事はできないので、狼側にうまくアピールすべし。
第三勢力
勝利条件:最後まで勢力の主軸が生き残る。
妖狐陣営
妖狐は村人にも人狼にも属さない勢力。
ゲームが終了した時に妖狐が生き残っていれば、人狼でもなく村人でもなく、あなたの1人勝ちになる。
また、あなたは人狼に襲撃されても死なないが、占い師に正体を見られる(占われる)と死んでしまう。(呪殺、銃殺)
占い師・霊媒師に見られた場合は人間判定となる。
- 背徳者
いわば妖狐を主と定める狂信者。
もちろん、占い師・霊媒師に見られてもただの人間として判定されるし、占われても死なない。ただし、人狼に襲撃されれば死んでしまうし、妖狐が死ねば(妖狐が複数いる時はその全てが死んだ時)は自分も後追いして死んでしまう。
妖狐が誰かわかる以外は何も能力を持たないが、自身が死んでも妖狐が生き残れば勝利となる(恋人が生き残っていた場合除く)ので、わざと占い師等の役職を演じて議論を混乱させる事で妖狐を守り、勝利を目指すべし。
恋人陣営
村人、人狼、妖狐いずれにも属さない勢力。
ゲーム開始時にキューピッド(女神)に選ばれた2人が、元の役職を保有したまま恋人陣営として戦う事になる。役職持ちなら能力の行使も可能。ただし、恋人の片方が死んでしまった場合は、もう片方も後追いで死んでしまう。
占い師・霊媒師による判定等は元々属していた役職によって判定される。
恋人2人共ゲーム終了まで生き残っていれば勝利となる(妖狐よりも優先される)。
キューピッドによって恋人にされた場合は相手との夜会話が出来ないが(相手の役職もわからないケースもある)、女神なら夜会話が可能。
うまく互いを守りつつ、時には役職の能力・役職として手に入る情報を活かし勝利を目指すべし。
ゲーム開始時に、プレイヤーの中から2人選んで恋の矢を突き刺す事で恋人同士に出来る。(あなた自身を対象に出来る場合もあればNGな場合もある)
また、女神は、恋人陣営の夜会話を聞く事が可能。(キューピッドは不可)
占い師・霊媒師による判定等は人間判定となる。人狼に襲撃されれば普通に死亡する。
自身が死んでも恋人達が生き残れば勝利となるので、選んだ恋人達をうまく役職を演じて守り抜くべし。
その他
- 司会者(ゲームマスター(GM))
ゲームの進行役。ゲームの要になる重要な役。
- 初日犠牲者
最初に人狼に襲撃されて犠牲となる者。司会者がなる事も多い。ここに該当する者が重要な役職を持って行ってしまう事もあり、場合によっては推理が大混乱状態となる。
その為、サーバーやレギュレーションによっては初日犠牲者の役職が素村で固定される場合もある。
日本では
日本ではキャラクターの数が多いため、人狼、村人、占い師などが選出される場合が多い。
「嘘を付くゲーム」や「嘘を見抜くゲーム」などと勘違いされやすいが
実際は狼でも(騙り占いを除き)ほとんど嘘は言わない事が多い。むしろ無難な事しか言わない人が怪しい・・・?
また、自身の生存は多くの場合最優先事項ではないため、陣営の勝ちのためには個人の生死は問われない。
ただの村人なら自身を殺してでも村人陣営の勝ちを狙いにいく事が大切。
かつては桃栗(少人数)、わかめて鯖(17人普通村、猫村、VIP村等)、るる鯖(配役多数)などパソコンのネット上で積極的に開催されていたが
それらはテキストの交流のみであるため、対面とは多少異なる戦略が必要だった。
現在ではスマートフォンアプリ等を通じた環境が多く、
ボイスチャットや場合によってはビデオ通話も行われる事がある。
対面(リアル)で行う場合は専用アプリ等を使う他、TCG風に物理的なカードセットを用いても遊べる。
ローカル・ルールが多数あるため遊ぶ前にある程度の確認、打ち合わせは必要。
狼同士の意思疎通もネット人狼に比べてやりにくいことが多く、システム的に人外不利になりやすい一方
論理性以外の口調や表情、言動や勢いでゴリ押せる場合はネット人狼よりも多いであろう。
その他、ドラマや漫画、小説、アニメーションなどの題材に選ばれる事もある。
その場合はデスゲームやサバイバル系の作品となる事がよくある。
実際に人が殺される作品も多く、そうなってくるとゲーム性が変わってしまうのだが…まあ作品による。