概要
「スーパーアドベンチャーゲーム」とは、東京創元社の創元推理文庫が、1985~1992年頃まで刊行していた、ゲームブックのレーベルである。略称は「SAGB」。
正確には、ゲームブックだけでなく、TRPGのルールブックも刊行している。
当時は社会思想社・教養文庫から出ていた「ファイティングファンタジー」シリーズが大人気で、本シリーズもそれを狙い、初期には海外作品の翻訳版である「ソーサリー」四部作を発刊した。
「ソーサリー」は「ファイティングファンタジー」を手掛けたスティーブ・ジャクソンの著作だけあり、その出来も良く、人気を博す。
この成功に続かんと、本レーベルのオリジナル作品として、日本人作家の作品、および、ファイティングファンタジー以外の海外作品の翻訳を観光。社会思想社の作品群と人気を二分するようになる。
当時におけるゲームブック市場におけるラインナップの充実と、作家の活躍できる場を確保することに一役買った。
「ソーサリー」の後には、SF小説や映画、コンピュータ・ゲームをモチーフ(原案)としてゲームブック化した作品も刊行していた。似たような事は他社でも行われていたが、本レーベルにおいては「原作・原案作品の知名度に寄りかからず、ゲームブックとしての魅力を追求」という姿勢がとられており、原作を知らずともゲームブックとして楽しめる、髙い完成度を有したものになっている。
また、日本人作家のゲームブックコンテストも三度行われ、日本独自の作品ラインナップが充実するようになる。入賞した作品は本レーベルから刊行され、シリーズ化したものもある。
アドベンチャラーズ・イン
本文庫のペーパーとして創刊されたもの。
1986年以降の各ゲームブックにアドベンチャーシートと共に、B4判八つ折りで挟み込まれている。文庫サイズの特大号が2度刊行された。
刊行予定作品のインフォメーションと、読者からの感想やイラストなどのお便りコーナーといった交流の場として機能していた。、
他に、読者から募集された「契約ライター」(2度企画された)の連載コラム、編集部が紹介するゲームブック同人誌「ファンジン・パトロール」、サークルの案内などが掲載されていた。
刊行作品
「ファイティングファンタジー」シリーズの作家にして立役者、スティーブ・ジャクソン著作の四部作。詳細は当該項目を参照。
- ファイティング・ファンタジー
同じく、スティーブ・ジャクソンの著作。しかしゲームブックのシリーズではなく、TRPGのルールブックである。
ルールブック及びシナリオが二本収録されており、これ一冊があれば人数を集め、TRPGをすぐに楽しむ事が出来る。
※ちなみに、タイトルが同じために紛らわしいが、ゲームブックでもなければ、ファイティングファンタジーシリーズとも直接的な関連はない(世界観と著者は同じだが)。
原作付きの作品
- バック・トゥ・ザ・フューチャー
―デュマレスト・ゲームブック
E・C・タブのSF小説『デュマレスト・サーガ』を原作としたゲームブック。
―ゼビウス
- ドルアーガの塔
- ドラゴンバスター
- ワルキューレの冒険
- カイの冒険
- クトゥルー・ゲームブック
- スーパー・ブラックオニキス
コンテスト入選作
- 紅蓮の騎士シリーズ
- 魔界物語シリーズ
- 宮原弥寿子作品
日本人作家の作品
- ネバーランドシリーズ
- ウルフヘッドの冒険
- 展覧会の絵
- パンタクル
- ドラゴンソング・レジェンド
ユニコーン・ゲームブック
レジェンド世界シリーズ
- ゴールデン・ドラゴン・ファンタジィ
- ドラゴン・ウォーリアーズ