概要
「ファイティングファンタジー(TRPG)」とは、ゲームブック「ファイティングファンタジー」のルールを用いた、TRPGのルールブックである。のちにマーク・ガスコイン、ピート・タムリンによるTRPG「アドバンスド・ファイティングファンタジー」とは異なる。
日本版は、創元推理文庫「スーパーアドベンチャーゲーム(ゲームブック)から、「ソーサリー」の次に発売された。
タイトルは、単なる「ファイティングファンタジー」だが、ゲームブックの同名シリーズと混同するため、注意が必要。本項の名称もゲームブックのシリーズと区別するため、後ろに「TRPG」と付けて呼称する。
内容
ルール面は、技術・体力・運の、三つの能力値と、それに伴う戦闘ルールと、ファイティングファンタジーと変わりはない。
ただし、本書では魔法が最初から設定されておらず、魔法を使う系のキャラを作り、使う事が出来ない。「すり」などができるようにルールで決められているが、単に普通に剣や武器で戦うキャラクターしか作れないのだ。
※ただし、それまでに発売されていたファイティングファンタジーのゲームブック、および「ソーサリー」のシステムを組み込む事は可能。
これは、あくまでも「ゲームブックでTRPGに興味を持った者に対しての入門書」として本書が位置付けられているためであり、まずは普通に戦士タイプのキャラを作り、魔術を用いる事無くプレイして欲しい……という狙いがあったためと思われる。
元のルールがシンプルなため、上記のように、魔法を使えるようにする事は容易である。
シナリオ
本書内には、初級者向けと上級者向けの、二本のシナリオが入っている。
願いの井戸
井戸の底にある、小規模の地下迷宮を探索する、というもの。
小規模ではあっても、書斎があったり、ミイラのある墳墓があったりと、飽きさせない内容になっている。
難易度は低く、登場モンスターもそれほど強いものはいない。また、解くべき謎なども無いため、単に「迷宮に入って出てくる」だけでも楽しめる。
シャグラットの危険な地下迷宮
黒エルフの老婆・シャグラットが購入した土地にある、地下迷宮を探索するというもの。
「願いの井戸」より規模は広く、その分登場する迷宮内の仕掛けやモンスターなども、よりバラエティに富んでいる。ただし、上級者向けとはいえ、「願いの井戸」同様に、難易度はそう高くはない。
※なお、のちにファイティングファンタジーの世界設定書「タイタン」において、上記二つの迷宮が存在するのは、タイタン世界の大陸の一つ、旧世界である事が判明している。