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焦土作戦

しょうどさくせん

敵が自領に攻め込んだ際に利用可能な物資や施設をあらかじめ破壊しておく作戦。
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焦土作戦とは、軍事行動における作戦の一つである。


概説編集

防衛戦において、敵に攻め込まれた際に敵が利用可能なものを、撤退に際して破壊して去る作戦のこと。

焦土】とは「焼け野原」のこと。


戦争において、何より物資や拠点の確保は戦争の継続にとって重要な課題となる。

そのために時として、攻め込んだ領地にある農作物や集落を奪い取り、それらを補給として利用することもある。


焦土作戦は、こうした補給になり得るものを事前に破壊・撤収しておくことで、敵が領地に深く攻め入ったとしても掠奪による物資の供給を防ぎ、進軍に必要な勢力を削ぐことを目的とする。

具体には――

  • 田畑の農作物を未熟だろうと事前に収穫、または利用不可能なほど損壊させる
  • 村や町の建造物を徹底破壊し、雨風を凌いで駐留できない状態にしておく
  • 飲料水に利用可能な井戸や河川などの水源に、異物を混入して飲めなくしたり上流を堰き止めて枯らす

などが挙げられる。

特にこうした工作を一挙に推し進めるのには、田畑や集落に火を放って焼け野原にするのが一番手っ取り早い手段と言える。

「焦土」という名称も、早急に作戦を実行するのに火を使うのが一番効率的なところ、そして焼けた後には何も残らない点を指して定着した。


しかし集落一つを犠牲にする都合上、作戦の効果が表れたとしても、戦後の復興については大きな負担になりやすい。

程度によっては復興不能と見做され、土地の放棄を強いられるリスクもある。

何より焦土作戦は敵の進軍を妨害することが一番の目的であり、並行して敵との戦線を押し上げさせないよう、奇襲や包囲網を利用しての長期戦を覚悟する必要がある。



著名な焦土作戦編集

  • ヴラド・ツェペシュ
    • 14世紀のワラキア公国(現在のルーマニア)領主で、メフメト二世率いるオスマン帝国と幾度も矛を交える。帝国軍の領土侵入の対策として、積極的に焦土作戦を展開してヨーロッパ圏への進出を妨害した。
  • ナポレオンのロシア遠征
    • 19世紀初めにナポレオンが皇帝に即位した後のロシア遠征にて、冬に向けてロシアへ攻め込んでしまったことに加え、ロシア側の焦土作戦によって物資の掠取が不可能となり、遠征は失敗。ナポレオン失墜の遠因ともなる。
    • 20世紀の第二次世界大戦においても、ソビエト連邦となったロシアはナチス・ドイツの侵攻に焦土作戦で応戦。ドイツも同様の作戦を展開して、焦土作戦の応酬となった。
  • 南北戦争
    • 19世紀のアメリカで勃発した内戦。戦争晩期において焦土作戦が展開された。
  • 日中戦争
    • 20世紀の日本(大日本帝国)における中国への侵略。日本側は「三光作戦」、中国側は「堅壁作戦」と銘打ち、双方での焦土作戦の応酬が展開された。
  • 冬戦争
    • 同時期に欧州で発生したソビエト連邦によるポーランドへの侵攻。この戦争においてポーランドは自軍の4倍に及ぶソ連軍をゲリラ戦法・遅滞作戦と併用することで大打撃を与え、戦力差を覆して勝利した。

その他編集

現在でも、株式取引において相手企業が自社の買収や合併を目的とした株取引を仕掛けてきた際、事前に相手の欲しがるであろう自社の子会社や利権を信用する他社に売却。企業価値をわざと下げ、相手の買収を回避する戦術の名称に用いられる。



関連タグ編集

戦争 作戦

焦土/焼け野原 犠牲

破壊工作


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