概要
「小説家になろう」で連載しているweb小説。
作者は「毛熊」氏。2021年05月01日から連載を開始。
現代で人間だった主人公が異世界で蠍に転生する人外転生作品。
ただし、現世での記憶は継続せず「人間の理性と知能を引き継いだ魔獣」として生を受けて物語は進行する。
舞台は魔法とSFが合体したような世界観になっている。
なろうでありがちな「俺tuee」「無双」「ハーレム」ではなく、努力型の主人公である。
なのでご都合展開はなく、タイトル通り内容はシリアス。
分類はダークファンタジー。
キャラクター
主人公と関係者達
- アンタレス
物語の主人公で解放編まで名前はない。種族は冥王蠍→魔人族。一人称は私。
現世では復讐の鬼と化し、処刑された後に何者かによって「100年生き残る」罰を与えられ異世界に転生。前世の記憶がない状態でハーレシア王国ハイデッガー侯爵家の闘獣として生を受ける。
調教師ゲオルグによって魂を隷属され、拷問と言える訓練を強制され闘獣会の新人戦で優勝する。二年後に第一王子一派が起こしたクーデターで粛清対象となった侯爵家が襲われ、恩義ある奴隷の少女までも殺される。
復讐心から正義教会の聖騎士団を壊滅させ、派閥に大打撃を与えた。しかし疲弊したところをオルヴォに捕獲され、レカ族と合成し「冥王蠍の魔人」として生まれ変わる。
帝国の贖罪兵達で結成された魔人部隊の長となるが、オルヴォを殺して研究資料を奪ったカレルヴォの手により隷属権は帝国に渡り戦奴となる。
言葉は発せられなかったが、四年後は習得。仲間達と共に特殊作戦部隊に配属となり、共和国との過酷な戦地に送られ、生きる為に足掻き続ける。
洋上戦艦攻略戦でマルケルスとアサミを庇い海帝鯨に呑み込まれてラキス島へ上陸。幽体となったオルヴォと秘密結社の創始者アイワスと対談し、晴れて戦奴から解放されて自由の身となる。
性格は理性的。人格者で子供に甘い。味覚が甘味しか感じる事ができず、ドライフルーツが好物の甘党。「ボス」「アニキ」「族長」「サソリくん」等、呼ばれ方は様々。
魔人後の姿は黒い鎧で覆われた手足に特徴の長い尻尾を持つ。目は十個。頬は蠍の口そのもので鋏が収納されている。霊術適正は火・風・土。砂の霊術を扱う。実年齢は5歳。
- 奴隷の少女
名前は不明。侯爵家が所有する奴隷の一人。フル族。
主人公のお世話係で、最初は恐れていたが絆を育んでいく。
第一王子一派が起こしたクーデターで侯爵家がマリウス聖騎士団に襲われてしまい、住んでいた建物ごと吹き飛ばされてしまった。残っていた片腕は主人公によって埋葬された。
死亡したと思われたが、実は令嬢達によって助け出されており、一命を取り留めた。彼女の生存が後の歴史に大きく影響される事となる。
穏やかで優しい性格の持ち主。常に怪我をして包帯を巻いており、主人公から貰った針と腕輪を大事にしている。
- ミカ
秘密結社所属。オルヴォの執事。フル族→魔人族。
影の神の信者で恩寵は限定的な読唇術。孤児出身で元は暗殺者。所属していた組織が壊滅し、最初の主に拾われた。
主亡き後、その子であるオルヴォとカレルヴォに仕えていたがカレルヴォにオルヴォを殺された挙句裏切られ、オルヴォ式「四翼蝙蝠の魔人」にされてしまい魔人部隊に配属される。
自暴自棄になっていたが主人公に命を救われてからは光として見出し、仕えるようになる。
教養と暗殺術を持ち、魔人達の教師として教えている。料理も得意で炊飯も担当。
探索に特化しており、聴覚は魔人部隊の中でトップ。誰に対しても礼儀正しく物腰落ち着いた紳士で、抜け目のない性格をしている。
隻眼で灰色髪を持つ中年の男性。魔人形態は頭頂部に耳が伸び、刃が鋭くなる。背には四つの羽の無い翼が生える。
- ティガル
贖罪兵部隊「ルガル隊」の長。今は亡きルガル王国の末裔。フル族→魔人族。
オルヴォ式の「天雷虎の魔人」。魔人部隊が結成されてからは主人公をボスと認めて配下に加わった。攻撃の指揮を得意とする。息子のレオに対しては心配性気味。
性格は野性的で意外と達筆。武器は剣。
金髪で鋭い目つきの青年。魔人形態は頭部と腕が虎になる。
- シャル
「ルガル隊」の一人。フル族→魔人族。
オルヴォ式の「魔獣(名称不明)の魔人」。ティガルの妻。
お淑やかで芯が強い女性。勘が鋭く、聡明な賢夫人。周りと比べると実力は劣るものの、複数の属性を操る優れた霊術士でもある。四年後には娘リースを出産。
黒髪黒眼の美女。
- レオ
「ルガル隊」の一人。フル族→魔人族。
オルヴォ式の「輝獅子の魔人」。ティガルとシャルの息子。主人公を「アニキ」と呼んで慕っている。子供達の中ではリーダーを務めている。
魔人部隊に配属されてからは年少組と待機していたが、四年後には戦場に参加している。
武器はバスターソード。明るく思慮深い性格。
父親譲りの金髪と母親と同じ瞳を持つ美少年。
- リース
「ルガル隊」の一人。後天的の魔人。魔人族。
ティガルのシャルの娘。両親が人工的に魔人にされた四年後に誕生した。
赤子だがとても大人しい性格。
- ゴーラ
「ルガル隊」の一人。フル族→魔人族。
オルヴォ式の「大牙猿の魔人」。ティガルを「お頭」と呼んでいる。魔人部隊の中ではトップの腕力の持ち主。見た目に反して温厚な性格。武器は戦斧。
筋肉粒々の禿げ頭をした巨漢。魔人形態は頭部が猿になる。
- ファル
「ルガル隊」の一人。フル族→魔人族。
オルヴォ式の「嵐鷹の魔人」。ゴーラの妻。風の霊術士。
作中では遠距離主体。幼い見た目に反して積極的な性格。
白髪で小柄な体型の女性。魔人形態は翼が生える。
- リナルド
「ルガル隊」の一人。フル族→魔人族。
オルヴォ式の「焔蜥蜴の魔人」。
炎と熱の霊術士で武器は槍。トゥルと結婚し、四年後には息子ロクム儲けている。
好戦的な性格で魔人となったときは嘆くどころか、自己強化に喜んでいた程。
長い黒髪を一つに結った男性。魔人形態は頭部が蜥蜴になる。
- トゥル
「ルガル隊」の一人。フル族→魔人族。
オルヴォ式の「雪熊の魔人」。ファルの妹。氷の霊術士で武器は剣と盾。魔人になる前は片腕を失っていたが復活した。鈍感でマイペースな性格。
リナルドの求愛を受けて結婚し、息子ロクムを儲ける。
姉と同じく白髪だが、男性と並ぶ長身の美女。魔人形態は腕が熊になる。
- ロクム
「ルガル隊」の一人。後天的の魔人。魔人族。
リナルドとトゥルの息子。両親が人工的に魔人にされた四年後に誕生した。
父親に似てとても活発。尻尾がお気に入り。
白髪。生まれながら腕は白い毛で覆われ、短い鱗の尾を持つ。
- ザルド
贖罪兵部隊「カダハ隊」の長。フル族→魔人族。
オルヴォ式の「狼(名称不明)の魔人」。魔人部隊が結成されてからは主人公をボスと認めて配下に加わった。守りの指揮が得意。
性格は冷静沈着。かなり聡明で魔人部隊の中でも勉学に関心を示し、ミカから熱心に学んでいる。船酔いが激しい。
銀髪で女性のような美貌を持つ青年。
- ソフィー
「カハダ隊」の一人。フル族→魔人族。
オルヴォ式の「宝晶蛇の魔人」。ザルドの右腕的な存在で、彼にやや偏った思慕を寄せる。
優秀な頭脳の持ち主。合成された魔獣に対して、不服としている。
長髪の美女。魔人形態は下半身が蛇となる。
- リンネ
「カダハ隊」の一人。フル族→魔人族。
オルヴォ式の「幻夢羊の魔人」。幻術を得意とする霊術士。潜入作戦で同行していた頃からミカに恋心を抱く。
主人公が洋上戦艦攻略戦で行方不明になったとき、悲しむミカを献身的に支えた。
物静かな性格で浮世離れした雰囲気を持つ美女。
- ラピ
「カダハ隊」の一人。フル族→魔人族。
オルヴォ式の「兎 (名称不明)の魔人」。子供達の中では最年少。両親を亡くしており、主人公を父又は兄のように強く慕っている。
年少組の中で最も戦闘力が高く、優れた格闘術の使い手。ただし霊術は苦手で強化に特化している。
カレルヴォ製の魔人達に暴行されてからは訓練を始め、四年後には戦場に参加している。
ふわふわな茶髪で普段から眠たそうな顔立ちをした美少女。魔人形態は頭部に長い耳が生え、全体的に毛量が増える。
- ケルフ
所属は不明。フル族→魔人族。
オルヴォ式の「魔獣(名称不明)の魔人」。年少組の一人。母親を早くに亡くし、父親は生存している。
四年後には戦場に参加している。槍術が得意。
- ユリウス
新入りの一人。フル族→魔人族。
ラルマーン式の「犬(名称不明)の魔人」。元は孤児でアリエルや実験により死亡した子供達を率いて貧困街を生きていた。
一時期、現実を受け止められず魔人部隊に反感を抱いていたがレオの説得を受けて馴染んでいった。
喧嘩っ早いが根は素直。主人公と同じく二刀流の使い手。
- アリエル
新入りの一人。フル族→魔人族。
ラルマーン式の「蜂(名称不明)の魔人」。元は孤児でユリウスが率いるグループに所属していた。賢く気配り上手で、感情的なユリウスのフォロー役。飛行能力に加えて風の霊術に秀でており、新人三人の中で最も優れた才能を持つ。
- ボルツ
新入りの一人。フル族→魔人族。
ラルマーン式の「豚(名称不明)の魔人」。主人公からは体型と食事に対する不満から貴族出身と見られる。同じ新人の二人と異なって才能は乏しく、力に強い羨望を抱いている。
気弱だが性根は傲慢。ぽっちゃり体型。
- アパオ
ヒト種の魂を持たないオルヴォ式の「牛の魔人」。
獣形態と魔人形態を持つ。牛と大差なく、普段はシユウと共に荷車を引いている。作中の癒し。
四年後は言葉を習得し、参戦している。ただし精神年齢は幼児並み。
- シユウ
ヒト種の魂を持たないオルヴァ式の「馬の魔人」。
獣形態と魔人形態を持つ。馬と大差なく、普段はアパオと共に荷車を引いている。作中の癒し。
四年後は言葉を習得し、参戦している。ただし精神年齢は幼児並み。
ハーラシア王国
- カール・ハーラシア
第二王子。真の王位後継者。フル族。
闘獣会のときから主人公の実力を見抜いていた。遠征中に第一王子が首謀のクーデターが勃発し、部下達を率いて帰国。
主人公が敵の戦力を半分減らしてくれたので有利に事が進み、討伐するべく王都に軍を送り込む。四年後は不明。
文武両道で貴族や平民達から高い人気を持つが、悪戯好き。冷酷な一面も持ち合わせている。
金髪の中性的な美男子。
- ルードヴィヒ・ハーラシア
第一王子。フル族。
弟と比べると凡庸で、温厚な人柄。熱心な正義教会の信徒であり、王や貴族達から王太子に指名されていない原因となっている。
カールが遠征に出発後、アウグストと共謀してクーデターを起こす。成功後は国王二世を襲名する。しかし冥王蠍の復讐によって派遣された正義教会の聖騎士団は半壊した中で、帰国したカールが率いる討伐軍が襲いかかる。四年後は不明である。
- ウィリバルト・ルッツ
宰相の息子。公爵子息。カールの側近。フル族。
岩竜のオーナーで、新人戦の勝者に最も近いとされる闘獣の持ち主となれば注目されていた。
カールの遠征に同行していたのでクーデターに巻き込まれなかったが、両親は幽閉され妹は幸いにも守護教会に保護された。
謙虚で冷静な性格。カールの良き理解者。黒髪に鳶色の瞳を持つ青年。
- アーデルハイト・ルッツ
ウィリバルトの妹。公爵令嬢。フル族。
第一王子のクーデターに巻き込まれ、両親は捕まったが護衛と逃亡中に主人公に助けられた。避難先でリーゼロッテ達と再会する。
燃えるような赤毛にとび色の瞳を持つ美少女。
- リーゼロッテ
貴族令嬢。フル族。
第一王子のクーデターに巻き込まれ、逃亡中に瀕死の奴隷少女を助けて避難先に匿う。
- アウグスト・シュナイダー
軍務大臣。公爵家当主。フル族。
正義教会の信徒であり、第一王子と共謀してクーデターを起こす。成功後は宰相に就くが冥王蠍により教会から派遣された聖騎士団は壊滅して戦力を半分失った事で各教会勢力への説得に時間を使い、カール王子が軍を組織する隙を作ってしまった。四年後は不明。
目的を果たす為とはいえ、女子供に手をかける正義教会の粛清には快く思っていない模様。
実は主人公と同じ転生者であり、「王になれ」という罰を与えられている。人前では熱心な信徒に装っているが本心は必要に応じて神を変えるタイプ。
筋肉隆々で見るからに軍人と言った風貌の持ち主。
- ゲオルグ
ハイデッカー家に仕える魔獣の調教師。フル族。独自の道具で強化の血晶石を製造する事できる霊術士。
主人公を最高傑作とし、調教師として歴史に名を刻む野望を持つ。
生まれて間もない主人公を魂ごと隷属させ、非情な特訓を施した。正義教会の騎士団の襲撃に遭い、致命傷を負う。死ぬ間際、自らの血で血晶石を作り主人公に食べさせようとするが拒否されて死亡した。
主人公には思いやりの欠片もなく接した為、憎悪を向けられていた。しかし本人も恨まれている自覚はあった。
目つきが悪い老人。
- フリードリヒ・ハイデッガー
主人公・冥王蠍のオーナー。侯爵家子息。フル族。
派手さの無い冥王蠍を快く思っていない。正義教会の騎士団によって父と共に殺害される。
秘密結社『第七の柱』
- オルヴァ・ハッキネン
合成獣の作成と使役を専門とする霊術士。空間の霊術に類稀な才能を持つ。フル族。
典型的なマッドサイエンティストで「ヒト種の合成獣(魔人)」を成功させた天才。所謂「魔人の父」。
ハーラシア王国のクーデターの協力者として参加。そこで正義教会の聖騎士団を壊滅させ、致命傷を負った主人公を素材として捕獲し、魔人に作り変える。後に帝国と取引を交わしティガルといった贖罪兵達を利用して理想の魔人部隊を結成させた。
しかし帝国と共謀したカレルヴォによって殺され魔人部隊の隷属権や研究資料を奪われてしまう。死ぬ間際、身の程を弁えない兄に破滅を警告した。
ところが生前ヘクティアに施された術式の効果で幽体のまま彼女の元へ転移し、完全な死を免れていた。四年後にラキス島で主人公と再会。2~3年の内に復活予定。
生前、神の末裔と繋がりを持ち、交流関係は計り知れない。上記の異常性と数々の非道な実験により主人公を含んだ魔人達から恨まれている。
性格は無邪気で残忍。常に薄ら笑いを浮かべている青年。
- カレルヴォ・ハッキネン
オルヴォの兄。フル族。
優秀な霊術士だが研究者として大した努力もせず、天才の弟を憎悪している。
帝国を騙し、オルヴォが造り出した「ヒト種の合成獣(魔人)」の研究資料を殺して奪った挙句に汚名を着せ、成り上がる。
弟が造り出した魔人達を「失敗作」と目の敵にし、破滅させようと嫌がらせを行う一方で、自分が造り出した「成功体」の魔人達は優秀とは言い難く、国内から疑問視されていく。
しかも助手となったラルマーンに悪行を感づかれた末に取引を持ち掛けられて魔人生産に協力させるが、自身の失態に気づかぬまま「失敗作」を作り続ける事となる。
絵に描いたような俗物で、短気で横暴な性格。容姿は細身で不健康な顔立ちをしている。
- アイワス
秘密結社『第七の御柱』の創設者。種族は不明。
世の真理を探求する研究者で珍しい物が好きな蒐集家でもある。宇宙の七番目に詳しい。
輝晶生命体の生みの親。ラキス島を拠点としている。
主人公を気に入り、彼の大陸帰還と仲間救出の協力、そして土地の開拓の支援を約束した。
主人公に異世界で蠍座の意味を持つ「アンタレス」の名を与える。
端正な美貌を持つ男性。作中登場しているヒト族の中では中で最強の人物。
- ヘクティア
魂を専門とする霊術士。アイワスの玄孫。種族は不明。
オルヴォの「ヒト種の合成獣(魔人)」の研究に協力した「魔人の母」といった存在。
霊魂研究の第一人者でアイワスが認める程、非常に優秀。
オルヴォに懸想しており、彼に内密で術式を施して死後に幽体を自分の元へ転移させた。現在はオルヴォを蘇らせるべく肉体を作っている。その愛はアイワスや主人公がドン引きする程凄まじい。野菜と荒事が苦手。
正義教会
- ガイウス
教会の最高戦力の聖騎士。「マリウス聖騎士団」団長。「雷光」の異名を持つ。
雷の霊術士。騎士達と戦っていた主人公に挑み、激しい戦闘の末に殉職する。死ぬ間際、主人公を賞賛した。
四年後でも魔人となった主人公が超えていないと言わしめる程の剣士であり、登場したヒト種の中で最強の人物といえる。
寡黙な性格。猛禽のように鋭い目つきをした大柄な老人。
- ダニエル
司教。ルードヴィヒ王子に取り入り、改宗させた張本人。
ハーラシア王国の国教を正義教会に据えるべく宗教改革を目論んでいた。
クーデターを勃発させるが、主人公によってガイウスは殉職し、聖騎士団が壊滅。武力を半ば失った事で各教会や国民達を抑止できなくなる。四年後は不明。
細身の男。
- ケンディル
「マリウス聖騎士団」の聖騎士の一人。
主人公に仲間を殺され、自身は両腕を切断された。追い込まれた際に敵対宣言をしたが、主人公が文字を使用した事でヒト種と変わらない知性を持っていたと気づき、最悪の敵を作ってしまった自身の失態に絶望して息絶えた。
帝国
- 皇帝
本名不明。
戦力増強の為にオルヴォの魔人生産の取引を受け入れ、贖罪兵「ルガル隊」と「カダハ隊」を提供した。オルヴォが謀殺されるとカレルヴォに生産を存続させる。
冷酷非情で、実子が半殺しに遭っても動じない程。四年後の洋上戦艦攻略戦時に暗殺された。
- レムルス
第12皇子。
皇族の中でも武闘派の実力者。高慢な性格。
皇帝の命令で、主人公との試合でコテンパンの半殺しにされた。
四年後は特訓に励み、母親の後援で「皇剣騎士団」を設立し、自ら団長を務める。
有名な魔人嫌いだが、敗北が原因である事は誰も知られていない。
逆立てた金髪が特徴の偉丈夫。
- マルケルス
軍第一師団第八連隊の隊長。
潜入作戦を機に主人公を含む魔人部隊改め魔人連隊直属の上司となり、オルヴォ式魔人の隷属権を得る。
カルネラ港奪還作戦で功績が認められて魔人連隊の連隊長に出世し、帝都に戻る。主人公達の指揮官から外れた後も冷遇される彼らの為に助力しているが行き届いていない。
洋上戦艦攻略戦で海に落下しそうになったとき、主人公に庇われ生還するものの主人公は行方不明となる。
魔人を対等と接する貴重な人間であり、主人公やその部下の魔人達からの評価は高い。
義に厚くお人好しで正直者。良かれと思った行動で問題を起こす一面もある。
敵国の捕虜であるアスミと惹かれ合うようになる。
茶髪の筋肉質の偉丈夫。
- デキウス
マルケルスの副官。
お人好しな上官を補佐する有能な人物。一時期、アスミに惹かれていくマルケルスを危険視していたが、彼女が魔人になると裏切る心配がない為、応援する側になる。
意外と繊細な面がある。海老や貝を苦手としていたが、好物になった。
冷静沈着な性格。
- 名前不明
マルケルスの後任。カレルヴァに取り入り、コネで魔人連隊特殊作戦部隊の隊長となる。
名誉を求めるが自身は無能であり、しかも隊長とは名ばかりで戦場で指揮をせず砦の安全地帯で胡坐をかいて主人公達を放任している。その怠慢な姿勢と保守的な思考は連合軍の上層部からも侮蔑と嘲りを買う。
魔人連隊への態度も辛辣極まりなく、上官の忠告を無視して補給すらまともに取り行わない程。
洋上戦艦攻略戦でマルケルスの命で強制参加させられ、何もできずに死亡した。
魔人
- 鰐の魔人
カレルヴォ式。初代の一人。
一方的に主人公に敗北してから戦場でもつけ狙っていたが、四年後はやめている。
好戦的かつ残虐な性格の持ち主。
- 蛭の魔人
カレルヴォ式。初代の一人。
片言。初代の中で最も残虐であり、仲間意識は皆無。ヒト種の体液を吸収する事で強化できる。
- 鮫の魔人
カレルヴォ式。元は悪名高き海賊の船長。取引で部下達と共々魔人になった経緯がある。
一度大きな戦績をあげた事でカレルヴォから「最も優れた魔人部隊」と評された事で優遇される。部下共々過信していたが、洋上戦艦攻略戦で大海蛇の群れを全滅させた主人公に感銘を受ける。彼が行方不明になると連隊総出で捜索し、発見できずに謝罪した。
カレルヴォ製の中では理性が残っている模様。
共和国
- アスミ・イシャクラム
機鎧兵。カン族。先祖返り。
国では侵略に反対派だったが強制されてしまい、主人公達の潜入任務で捕虜となる。
皇帝の命令でカン族の捕虜全員がカレルヴォ式「二種類の魔獣で合成された魔人」となり、主人公が率いる特殊作戦部隊に同胞と共に配属された。
部隊の中では総合的な指揮能力は高く、主人公から評価されている。
捕虜になってからマルケルスと惹かれあうようになる。祖国と敵対関係となったが、捕虜になっても一切顧みられなかった為、見切りをつけた。
濃い髪に青い肌を持つ女性。魔人後の姿は頭部に山羊の角が生え、猫の両目に四肢を持つ。
余談であるが同族は知能が低下したが、アスミ本人は偶然にも魔獣の相性が良かった為に免れた。主人公からは「運が良いのかわからない女」と思われている。
- ラルマーン・ハディン
カルネラ港で働いていた研究者。カン族。奪還作戦で捕虜となる。
「外的処置によるカン族の品種改良」を目的とし、「ヒト種の合成獣」に感銘を受ける。
捕虜であったが優秀な頭脳を認められて魔人化を免れ、カレルヴォの元で働く。すぐに彼が偽者で研究を奪ったと見抜いたがあえて黙認し、取引を持ち掛けて魔人製造に参加する。
カレルヴォとは逆に霊術陣を改良し、「成功体」を作り続ける。
ラルマーン式の魔人はオルヴォ式と似ており、オルヴォの研究を引き継いだ実質的な正当な後継者と言える。
オルヴォと共通するマッドサイエンティスト。自分の研究を廃棄しようとした同胞を容赦なく殺したりする。
- ザーヒ・シュネーラー
カン族。ヒト種から昇格した神柱の一人。
アーディウス要塞攻略戦で子孫の一人である黄金の機鎧兵が窮地に追いやられたとき、目覚めた。
主人公達を敗北させる程の戦闘力を見せたが、聖樹の呪いによって戦闘不能となる。そのまま子孫の肉体は滅ぼされた。
ヘルク王国
- アレクサンドル・レンクヴィンスト
「竜血騎士団」団長。コゴ族。
砦の攻防戦で共和国軍との対戦時、主人公に助けられてから縁ができ、オルヴォの依頼で剣術を指南する。以降は主人公を我が弟子とし、師弟関係を結ぶ。
四年後は連合軍に参戦。黄金の機鎧兵に追い込まれた主人公の救援に駆けつけた。
アーディウス要塞攻略戦でも共闘し、二人目の黄金機鎧兵の討伐に成功する。
主人公に偏見を抱かずに接する数少ない人間の一人で、部下の騎士達もまた同様である。
暑苦しく豪快な性格。コゴ族最強の戦士。
筋肉粒々でゴワゴワした髪を持つ。
ミュルリ共和国
- カリァ・ユク・アルティシア
「烈風隊」隊長。エル族。非常に優れた霊術士。
攻防戦で主人公に一度助けられる。四年後は連合軍に参戦。アレクサンドルの要請で黄金の機鎧兵に追い込まれた主人公の救援に駆けつけた。アーディウス要塞攻略戦では共闘し、二人目の黄金機鎧兵の討伐に成功する。
高慢な性格。霊術の研究が好き。
その他
- ?
ポピ族。芸術家。
ゲオルグの調教施設に滞在中、主人公に助けられて友人となる。
主人公を「サソリ君」と呼んでいた。別れ際、彼から鋏を贈られ姿を消す。
- ゲンバ・ハタケヤマ
神の末裔の一人。オルヴォと交流を持ち、彼から「じっちゃん」と呼ばれている。
武具職人。エンゾ大陸の東方にある小さな島国出身であり、大陸中を旅しながらあらゆる技法を学び続けている。オルヴォの依頼で主人公の武器を製造した。常に透明になる外套を身に着けている。
外見は老人だが実年齢は不明。
- ヤロ
レカ族。主人公の素材となった人物。
北国出身のチンピラで、意中の娼婦オリヴィアを身請けする為に金策に励んでいた。
主人公と同じ火と風と土の霊術適正だったが為にオルヴォに捕獲された。合成により意識も魂も消滅し、全て主人公に吸収された。
- ジュード
傭兵団「暁の牙」の団長。フル族。
帝国と契約していたが戦争中に友軍の魔人を殺し、マルケルスの指示で打ち切られた。
後に連合軍と契約して参戦。アーディウス要塞攻略戦では黄金の機鎧兵討伐のメンバーに選ばれるものの、戦闘中に気を失った。
元から魔人に偏見を持ち、帝国から契約を打ち切られた事を逆恨み、主人公を含む魔人部隊を侮蔑した態度をとり続けている。
「氷槍」の異名を持ち、氷の霊術の使い手。アレクサンドルが認める程の実力者。しかし短気で口が悪く、主人公からは部下達が苦労していると思われている。
魔獣
- カタバミ
種族は妖狐。性別は雌。
縄張りから出たとき、狩人に捕まり闘獣にされてしまう。主人公と密約し、わざと倒される形で生還する。
新人戦最後まで主人公をサポートし、恩返しの約束を交わして故郷へ帰った。
強い魔獣と交配する事で強い子孫を得るらしく、主人公の娘を産みたいと思っている。性格は強気。
ヒト種
エンゾ大陸
- フル族
エンゾ大陸の中で最も多い人種。異世界の人間と呼ばれる存在に似ている。
- レカ族
フル族に次いで多い人種。額に第三の目を持つのが特徴。
- ポピ族
ヒト種の中で最も小柄な人種。各大陸にも生息し、言語も異なる。
無機物を変形させる固有能力を持ち、優れた隠形術の使い手でもある。その有用性から狙われる事が多いが、好奇心旺盛で悪戯好きな性質。
シーシャ大陸にいたポピ族はカン族に囚われてしまい、エンゾ大陸に連行され強制労働を強いられていた。主人公によって解放されてからは一定の距離感を保ちながら傍にいる。
- エル族
ヒト種の中では数が少ない少数民族。耳が長いのが特徴で、霊力に優れた者が多い。
研究者気質が多く、高慢な性質。容姿はエルフと酷似している。
- コゴ族
ヒト種の中では筋肉粒々で恵まれた体格を持つ。勇士程正直者らしい。
容姿はドワーフと酷似している。
- 魔人族
オルヴォによって産み出されたヒト種と魔獣の合成獣。
オルヴォ式、ラルマーン式のみ人間、魔人の二つの形態を持つ。各能力が飛躍的に上昇し、魔獣の霊術も受け継ぐ。元ヒト種の魔人同士が交配すると子供は先天的な魔人になる。
贖罪兵、犯罪者、孤児といった素材で生産された事や倫理的な問題から世間では「混じり」と蔑称で呼ばれる。
オルヴォ式
ヒト種個人の能力と魔獣の相性を合わせて合成している。
ヒト種の理性と理性を失わず、合成された魔獣の能力を扱える。人間、魔人の二つの形態を持つ。
主人公のみ、メインが魔獣なのでヒト種の肌色に変化できるが基本的に魔人形態。
カレルヴォ式
ヒト種と魔獣の相性関係なく合成している。
闘争本能と残虐性を高め、性格は狂暴。闘気と霊術を魔獣の本能で使えるようになる。
ただし、素材のヒト種は一般人なので能力は個人差が激しい。
カン族のみ二種類以上の魔獣と合成されるが、知能は低下し温厚な気質となる。
外見は魔人。魔人の中では最も生産されており、帝国では消耗品と使われている。
ラルマーン式
カレルヴォ式を改良して合成している。
魔人はオルヴォ式に近い。
シーシャ大陸
- カン族
共和国の人種。濃い髪色と青い肌色を持つ。
神樹の呪いによりヒト種の中では最弱。先祖返りのみ強制徴兵され、機鎧兵となる。
神樹の呪いの対象外になるほど血が薄まった一族の先祖返りは黄金の機鎧兵となる。
高度な霊術回路の技術(科学兵器)を有する。