イルミューイ
いるみゅーい
概要
アビスにいた先住民の少女、決死隊の案内役として彼らに付いて行った。
子供を産めない身体であるため、部族から役立たずと言われ半ば厄介払いされていたが、ヴエロエルコに母性を感じて懐くようになり、また彼女からも大切に思われるようになり擬似親子のような関係を築いていく。
決死隊と共に深界六層へ行き着くが、そこで水に擬態する原生生物に寄生されてしまい衰弱してしまう。ワズキャンの指示で《欲望の揺籃》をイルミューイへ使う事で後遺症を残したまま回復するという奇妙な状態に陥る。
彼女の体は徐々に変形して行き、そして数日が経過した後に“白い生物の様なモノ”を胸から産み続けるという奇行を行うようになる。
その「子供」は消化器官もないため翌日には皆死んでしまい、イルミューイはその度に涙を流しいて悲しみ続けるもどうすることもできなかった。
彼女を気遣っていたヴエコにも後遺症が出始めるがワズキャンの「症状を抑える料理を仲間に振る舞う」という処置で全員一命を取り留めた。
大丈夫!皆にも振る舞ったさ!
彼らに振る舞われたのはイルミューイの子供達であり、その肉を食べる事で症状の進行を抑える事が出来るようであった。
また生きた子供の方が効果が高いためワズキャンは産後すぐに子をイルミューイから取り上げるという行為を繰り返していた。
ヴエコが回復した時にはイルミューイは既に人の形を失って言葉も話せなくなっており、それでも感情がある程度残っていたのか、生まれたばかりの我が子を愛おしそうに抱きしめたり、ワズキャンに子を取り上げられた時は悲鳴のような声をあげたりしていた。
そんな彼女の子を救うどころか、自分も結果的に子を食べることに加担してしまい苦悩するヴエコに対しても、優しく抱きしめて慰めるようなそぶりをしていた。
生きる為に子供達を奪われ続ける日々が続く中、いつしか決死隊から信仰を受けるようになっていたが、イルミューイはいつしか悲鳴すらあげなくなっていた。
そして大きく形を変えた彼女は層の中心部へと向かって行った。
以下ネタバレ
成れ果て村『イルぶる』
村とはイルミューイの成れ果て、決死隊の願いによって生み出された黄金郷であった。
彼らがその身を食わせる事で彼女の一部として永遠の命を得ており、価値を与え続ける事で存続している。
そして彼女の最後の願いで欲望の揺籃から新たな命ファプタが誕生した。
食されたイルミューイの子供達は村人たちへの恨みを忘れてはおらず、満を辞してファプタが帰還した際には彼らを根絶やしにすると宣言。末の妹であるファプタに無念を託した。