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SAAの編集履歴

2012-03-05 13:48:06 バージョン

SAA

しんぐるあくしょんあーみー

19世紀にアメリカで製造されたリボルバー拳銃。

1872年に米国Colt's Manufacturing Companyより開発され、

翌年から米軍に採用された金属薬莢式ソリッドフレームリボルバーの呼称である

「シングル・アクション・アーミー」の略称。


別名として「ピースメーカー」や「シックスシューター」が有名で

「イコライザー」「シングルシックス」と言われることも有る。


開発ヒストリー及びデザイン

1871年にC・B・リチャードとW・メイスンがデザインした

ローディングゲート、エジェクター機構を中心とする

メタルケースコンヴァージョン関連パテントを基に、

Model1872という習作を経て、他社のパテント切れを待つ形で

1873年に米軍に採用されている。


強度面に於いてレミントンの後塵を拝し、

金属薬莢専用設計に於いてはS&Wの後塵を拝する形だった

パーカッション時代のオープントップ・前後分離型のフレームが

背骨となるフレームトップを有する銃身と機関部が一体の

ソリッドフレームとされ、機関部強度が大幅に向上している。


これにより、リムファイアでは不可能であった大威力のカートリッジを

使用することが出来、当時としては最も威力のある拳銃となった。


機関部の構造

撃発機構に関連した機関部のデザインはウォーカー・ドラグーン時代と

ほぼ同一のレイアウトであり、寸法の類似する1851NAVY以降のパーカッションリボルバーの場合

一部部品が流用できることもある。


ハンマースクリューを延長することでグリップにストックを取り付けるモデルや

バックストラップ自体をストックに置き換えたカービンモデルも少数存在する。


欠点、そして時代の終わり

前から見た銃身左下にはエジェクター・ロッドが備えられており、

ハンマーをハーフコック・ポジションにすることでローディングゲートより

エジェクター・ロッドで空薬莢を押し出して排莢する構造となっている。


この構造の為、一度撃ち尽くすと再装填に時間がかかるという欠点が有る。


無煙火薬が一般化しつつある1890年前期にシリンダーベースピンストップスクリューを

横配置にしたものが製造され、1896年以降の製造モデルではほぼ全てが此方に置き換えられた。


ワンタッチでベースピンを取り出してシリンダーを着脱できる為、

旧型よりも再装填速度を上げることに繋がったが、

1889年にW・メイスンのパテントを利用したModel1889.38口径

スウィングアウトリボルバーをCOLT社自身が実用化したため、構造的な面での時代遅れが顕在化するようになる。


米西戦争のフィリピン出兵時、薬物を使用した現住民族に対してSAAの大口径威力が重用されるという事例もあったが、

リボルバーの最終到達点といえるほど洗練された構造のS&W Model1899ハンドイジェクターの登場や

自動拳銃の軍事用途レベルでの信頼性獲得、米軍に於けるM1911の採用が決定打となって、

普通の拳銃弾を使用するリボルバーのデザインとしては「過去の物」となってしまった。


コルト社は回転式拳銃市場からはほぼ撤退している状態であり、SAAが唯一の商品となっている。


照準器

サイト(照準器)はフロントが背の高いブレード、リアが1st前中期でVノッチ、

それ以降がスクウェアノッチであるが、特注品や軍再生品等のイレギュラーも多数存在する為

明確に区切るのは不可能といわれている。


後年の照準期と比べると粗末な作りではあるが、オープントップ時代のリアサイトが

ハンマーに設けられたVノッチであることと比較するならば大きな進歩と言える。



銃身バリエーション

口径は主な物で45LCのほか、44-40、38と40種類近くのバリエーションが有る。

銃身長で様々な呼称があるが、当初製造(1873年)は7 1/2インチ軍用モデルのみであり

当時より現存しているSAAの大半も7 1/2インチや軍再生品の5 1/2インチが多い。

アーティラリー(5 1/2)と言った銃身バリエーションは民間での発売(1875年)以降作られた物であり、

有名なシビリアン(4 1/2) は1879年から製造されている。

因みにアーティラリー、キャバルリー、シビリアンと付けられた呼称は

後から付けられた便宜的な呼称であり、アメリカ本国では上手く伝わらないこともある。


創作におけるSAA

マカロニウエスタンやゲーム漫画アニメ等で引き合いに出されることが多く、

西部劇題材のものではほぼ必ず出てくるアイテムだが

考証に拘った作品以外では西部開拓終了以降製造2nd~4thモデルの

シビリアン(4 1/2)が使われることが多い。


2nd以降のSAAモデルガンが一般的な日本国内の作品では特にそれが顕著で

明確に時代背景を銘打った物でも20世紀以降生産のものが用いられていたりする。


実際のワイルドウエストに於いても、貧乏な一般市民や開拓者の間では高価なSAAよりも

広く出回った旧型のパーカッションを金属薬莢仕様にコンバージョンしたものや

パーカッションリボルバーをそのまま使用することも多かったとも言われている。


他社による現代派生型と大口径での復活

マカロニウエスタンが人気を博したことで、

本家よりも安価なSAAコピーが人気を集めている。

品質と低価格を両立したウベルティやUSファイアアームズ等が有名。


また、SAAのソリッドフレームは強力な拳銃弾薬に最適な

プラットホームである。


COLTのパテントが失効した現代に於いてはほぼ同じデザインの

大口径モデルが多く製造されて人気を博している。


現代モデルはPL法の手前、トランスファーハンマー等で安全性を高めた物が多い。

その中でも有名な物が以下となる。


Sturm,Ruger製品

ブラックホーク:

SAAの基本デザインを元に357マグナム仕様に改設計したソリッドフレームリボルバー。

SAAよりもフレームが肉厚であり、必要以上のエキストラ強度を持つ。


スーパーブラックホーク:

ブラックホークをスケールアップして44マグナム仕様にしたもの。

レトロなスクウェアトリガーガードが特徴となり、大きな人気を呼んだ。

ブラックホークと同じく大変頑丈では有るがユーザーの不注意に起因した暴発事故により

製造者責任裁判を起こされて敗訴、現代ソリッドフレームリボルバーの多くに

トランスファーハンマーが導入される契機にもなった。


バケロ:

上記のモデルを元祖SAAの形態にシェイプしたSAA復刻モデル。

英語読みでバッケェロやバッキャロ、バクエロなどと呼ばれることもある。


本家と同じくいずれも口径バリエーションが多く、記念モデルも多く作られている。


Freedom Arms製品

Model83:

454 Casullのリボルバーで一躍有名になったFreedom Armsの看板商品。


最大.500WE口径から最小.22LR迄の口径バリエーションが存在。

スーパーブラックホークよりも更に頑丈になるよう設計されている。

フレーム各部を極限まで肉厚にし.40以上の口径モデルではシリンダー弾数を

5発に減らすことでシリンダーの肉厚を稼いでいる為、

ブラックホーク以上の強靭さを持っている。


Model97:

.45LC~.17HMRまでの口径バリエーション上位機種モデル。




関連タグ

オセロットリボルバー・オセロット MGSシリーズより)

本銃を愛用するキャラクター。「世界で最も高貴な銃だ」

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