概要
開発の元となったのは1972年9月5日に発生したミュンヘンオリンピック事件である。この事件ではボルトアクション方式の狙撃銃を使用していたことによる次弾装填の遅れなどの欠点により人質となった9名のイスラエル選手全員及び警察官1名が死亡する惨事となってしまった。
この事件により西ドイツ政府は、銃器メーカー各社にセミオートの狙撃用ライフルの設計を依頼し、その結果、ヘッケラー&コッホ社のPSG1が採用された。また当時、ワルサー社がWA2000を開発したが、PSG1と同じく7000ドルと高価だった為採用には至らなかった(PSG1が採用され始めた理由は不明である)。
元々オートマチックライフルは、ボルトアクション方式のライフルに比べ、構造が複雑で、命中精度が低下するため、狙撃ライフルには不向きであった。しかし、PSG1はG3の中から特に命中精度の高いものを選び、これを基に、熟練した銃器職人が手作業で制作することで、セミオートマチックでの高い命中精度を実現した。これにはG3がガスポートを持たないローラーロッキング・ディレードブローバックだったため、バレルのフルフロー化をしやすかったという理由もある。
ストックは繊維強化プラスチック(FRP)で出来ており、射手の体格にあわせて、パッドなどのサイズ調節が可能になっている。
セミオート式はボルトアクション方式のライフルに比べて重量はあるが、複数の標的に対する対応が素早いという利点がある。
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