デュエルターミナルに登場したテーマカード。
光属性で統一された侵略生物のサイクル。属するモンスターはすべて爬虫類族であり、アルファベット順に26種類存在する。
ワームとは本来、芋虫やミミズ、手足の無いドラゴンのような幻獣などを意味する単語だが、このサイクルに属するモンスターは何れも既存の生物種を逸したような、爬虫類族とは名ばかりの奇々怪々な姿をしたものばかりであり、それ故に嫌煙される事もしばしば。
OCGでの性能もそれなりに高く、世界大会入賞の実績も持ち合わせる。
A
「ワーム・アポカリプス」
細い身体に扁平かつ伸び縮みする手足と、コミカルな印象のある最下級ワーム。
黙示を意味する壮大な名前を持ちながらその効果は至ってシンプルで、かの有名なサイクロンを内包している。
後述する「ワーム・キング」や「ワーム・プリンス」の絵柄にも登場している事から、ワームの中ではかなり低い地位に属し、また数も多いことがうかがい知れる。
B
「ワーム・バルサス」
肥満体のようなどうもいまいちな体格のワーム。
召還成功に際してフィールド上の裏側守備表示モンスターを表側攻撃表示にする効果を持つ。
C
「ワーム・カルタロス」
毒蛾のような意匠のある下級ワーム。
リバース効果でデッキからレベル4以下の同胞(ワームと名が付く爬虫類族モンスター)をサーチ出来る効果を持つ。
D
「ワーム・ディミクレス」
四足歩行で何処か爬虫類らしさを見せているワーム。
リバース効果で自身の攻守を300ずつ上げる効果を持つものの、その効果が発動した所で精々2000/1700と、ステータスとしては余りにも頼りない。
E
「ワーム・イーロキン」
[pixivimage:20368606&]
イラストを手掛けた駄津氏曰く「どう見ても覆面レスラー」な外見のヒューマノイド型ワーム。
自分フィールド上に表側表示で存在する同胞を裏側守備表示にする効果を持つものの、「効果がターンに一度きり」「特殊召還が出来ない」というデメリット故に投入される事は希。
F
「ワーム・ファルコ」
名前の通り鳥のような外見を持つ飛行タイプであり、恐らく航空戦力という隠れ設定を持っているであろうワーム。
リバース効果で自身以外の同胞を裏側守備表示に出来るが、「皆既日食の書を使え」という意見が一般的。
G
「ワーム・グルス」
竜脚類に似た四足歩行型ワーム。
フィールド上に裏側守備表示で存在するモンスターがリバースする度にワーム・カウンターという専用のカウンターが乗り、このカウンター一つにつき攻撃力が300上昇する効果を持つ。
使いようによっては強いだろうが、一般的には後述する「ワーム・ルクイエ」を召還せよとの話が有力。
H
「ワーム・ホープ」
爽やかな外見をした小型ワーム。
イラストを手掛けた駄津氏曰く「この姿から察してイリダン(次項で紹介する種)の幼生と見て間違いない」との事。
リバース中の戦闘破壊で手札交換が可能であるが、破壊の絡まないリバースなら手札が増え、逆にリバースしない状態で破壊されてしまうと手札を失う羽目になる点に注意が必要である。
間違ってもどっかのエビが持つ黒枠モンスターではない。
I
「ワーム・イリダン」
青い甲殻に棘状の突起を持つワーム。
加筆者が思うにデザイン面は至高と言って良く、二種しか存在しない爬虫類族シンクロモンスターの一体「宇宙砦ゴルガー」を彷彿とさせる効果も強力。
その効果とは、自分フィールド上にカードがセットされる度に置かれるワームカウンターを二つ取り除いて相手フィールド上のカード一枚を破壊するというもので、上級モンスターである事を除けば秀逸の一言に尽きる。
尚、イラストでは爬虫類的な尾が生えているが、後の情報によりこれは誤りである事が判明。
本来は昆虫の腹部に似た尾が生えているらしい。
J
「ワーム・ジェートリクプス」
ワーム・サイクルの殆どに言える事だが、特に疋田高志の声が似合いそうなワーム。
裏側守備表示で破壊された場合守備表示状態で自己再生を行う効果を持ち、リリース要員として抜群の使い勝手を誇る。
K
「ワーム・キング」
その名の通りワーム種の王たる存在であり、三種存在する王族の一体。駄津氏のお気に入りでもある。
レベル8でありながら同胞に限りリリース一体で召還が可能。かつフィールド上のワームをリリースして相手フィールド上のカードを破壊する効果を持ち、更に攻撃力も高い為戦力としても申し分ない。
また、本来のイラストではワーム・アポカリプスを握り潰しており、効果を発動したのだと判る。
ただ、純然たる戦闘能力及び破壊性能についてはよりおぞましいものが存在するわけだが…。
L
「ワーム・リンクス」
ワインレッドの体色と双頭が特徴的な種で、イラストを手掛けた駄津氏曰く「最もワームらしいフォルムを持つ」との事。
リバース効果によりお互いのエンドフェイズ時にドローが可能になり、護り続ける事が出来ればドローエンジンとして活躍できる。
そう。護り続ける事が出来ればの話だが……。
M
「ワーム・ミリディス」
珍しくも節足動物的な意匠が濃いワームだが、イラストを手掛けた駄津氏曰く「最も陰が薄い」との事。
リバースした時相手モンスターの装備カードとなり、コントローラーへ定期的に400ポイントのダメージを与える効果を持つ。
こう聞くと精神寄生体のような優秀なカードに見えるかもしれないが、戦闘破壊されてしまえばあっさり死んでしまう上に、低ステータスモンスターに装備させようとも長持ちはしない為、結局は自発的に使うしか無いのが現実というものであろう。
N
「ワーム・ノーブル」
貴族の名に恥じぬ威圧的な空気を放つワームであり、イラストを手掛けた駄津氏も絶賛する程。
但しその効果は、「相手の攻撃によりリバースした場合その攻撃力の半分のダメージを与える」という多少残念なもの。
何故残念かというと、この種のレベルは6であり、召還するにしてもリリースが必要であり、更に発動は完全に相手依存となる為かなり使いづらいからである。
表側攻撃表示で出した上で攻撃対象になった瞬間月の書を使うという手立てもあるが……。
また地味に凄いのは、リバース効果モンスター中では第二位の守備力を誇るという点だろうか。
O
「ワーム・オペラ」
名前故か、歌劇を歌い上げているようにも見えるワーム。
リバースにより同族以外を弱体化させる効果を持ち、攻撃力を500低下させる事こそ出来るが、その後に出てくるモンスターには意味を成さない為採用するかどうかと言われると悩むところであろう。
P
「ワーム・プリンス」
三種存在する王族の内の一つであるが、実力が伴わないワーム。
相手モンスターを戦闘破壊する度同類を無差別にサーチする効果を持つが、基礎攻撃力が低く、自分フィールド上に同類が居なければ自壊してしまうというデメリットを回避出来なければ採用の価値は薄い。
本来のイラストでは背後にワーム・アポカリプスが三体居り、この個体を称えているように見える。しかしこの部分は海外で修正を受け、消されてしまっている(詳しい理由は不明)。
Q
「ワーム・クィーン」
女王というだけあって女性的な体つきをしたワーム。
キング同様の召還系効果と、ワーム一体をリリースし、コストとしたワームよりレベルが同等以下のワームをデッキから特殊召還する効果を持つ。
自身をリリースすれば数々の強豪を一瞬で手札に招ける為、実に頼り甲斐のあるワームと言って良い。
R
「ワーム・ルクイエ」
流体のような体つきをした紫色のワーム。
イラストでは地面の割れ目から飛び出しており、その設定を生かした効果を持つのだが、これがまたどことなく使いづらい。
その効果とは「リバースしたターンでなければ攻撃宣言をする事が出来ず、攻撃を行った場合バトルフェイズ終了に伴い裏側守備表示になる」というもの。
しかしレベル4にして下級モンスターとしてはトップクラスの2100という攻撃力は魅力的であり、直殴りなどせずともオネストなどその攻撃力を生かす場面は案外多い。
まぁ、採用するかどうかはプレイヤー次第なわけであるが。
S
「ワーム・ソリッド」
透き通った正四面体型の外皮内部に詰まった流体型の青いワーム。
壁ワームの代名詞とでも言うべき存在で、墓地に存在する「ワーム」の名を持つ爬虫類族モンスター一体につき守備力が100上昇するという効果を持つ。
更に相手がこのモンスターを攻撃し反射ダメージを受けた場合、相手フィールド上の魔法・罠一枚を破壊出来るという効果も持ち合わせている。
この効果は大抵の場合一回限りで終わってしまうがしかし、それでも尚このワームの存在が広く認知されることはワーム使いが出した裏側守備表示モンスターに攻撃する事を躊躇わせる事にも繋がるため、総じて優秀と言える。
T
「ワーム・テンタクルス」
黄色い頭足類のような姿をしたワームであり、サイクルの中では珍しく明確な動物モチーフを持つ種。
レベル4にして攻撃力1700とは平均的な数値であるが、墓地に存在する「ワーム」の名を持つ爬虫類族モンスター一体を除外すれば二度の攻撃が可能であるという、中々に強力な効果を持つ。
オネストとの併用で毎度毎度凄まじい攻撃力を発揮するが、納谷見所はコストが除外という点であろう。
ワームとは基本墓地依存型のサイクルであり、あらゆる爬虫類族に於いて採用可能なフィニッシャーである上級モンスターの毒蛇王ヴェノミノン及び毒蛇神ヴェノミナーガ、邪龍アナンタなどは墓地のモンスターによってその攻撃力(アナンタは守備力も含む)を増強させる。
その為あまりこのモンスターに依存していると、いざというときにそういったフィニッシャーを活用することが出来ない。
解決策としてはD・D・Rや異次元からの帰還といったカードがあり、どう動くかは結局の所プレイヤー次第である。
U
「ワーム・アグリィ」
「醜い」という名前の通り、肉塊とゴム系接着剤を練り固めたような風貌が特徴の低級小型ワーム。
しかしながらイラストを手掛けた駄津氏は「名の割には案外愛らしいので、将来はクィーンにも匹敵する美しさを得るのではないか」と語り、コメント欄にも「他のワーム共と比べれば幾分か愛嬌のある方なのに醜いとはこれ如何に」という旨の書き込みがある。
しかし効果については「何とも言えない」の一言で片付けられており、その効果は事実微妙なものである。
その効果は「自身をリリースしワーム・サイクルのモンスターを召喚する事に成功した時、墓地に存在するこのカードを相手フィールド上に表側攻撃表示で召喚出来る」というもの。
攻守は共に100と極端に低く、表側攻撃表示なので特殊召喚されたこの個体を殴れば大ダメージを与えられるであろうし、プリンスとの連携も確定的なものだろう。
しかしながらこのワーム、単体では間違いなく手札事故を起こす原因となるであろうし、シナジーの強いプリンス自体採用が敬遠されがちである。
更に光属性使いとの戦いで相手フィールド上のこのカードを攻撃したと思ったら相手がオネストや魔法の筒を使い大変な目に遭わされ、その挙げ句にシンクロやエクシーズの素材にされてしまっては元も子もない。
結果として、利用価値は薄い。
V
「ワーム・ヴィクトリー」
美しい深紅の外皮と強靭な六本腕、そして勝利というその名を表すが如くVサインを突き出すようなユーモア溢れる姿が特徴的な種であり、実質王族をも上回る性能を誇るサイクル最強候補と名高きワーム。
フィールド上に存在する「ワーム」の名を持たず爬虫類族でもないモンスター全てを破壊するリバース効果を持つが、そんな効果は所詮オマケであると加筆者は考える。
その本領は、墓地に存在する「ワーム」の名を持つ爬虫類族モンスター一体につき攻撃力が500上昇するという永続効果であり、この効果により元々の攻撃力こそサイクル中最下位の0という数値であるが、理論上はデュエリストの基礎ライフを遙かに超える攻撃力を発揮することが出来るともされる。
また同じレベルで対応範囲も広い毒蛇王ヴェノミノンとの違いは、モンスター効果での特殊召喚も可能という点であろう。
この為、オシャレオンなどの他、シャインエンジェル等と言った爬虫類族でないモンスターの効果を用いてもリクルート可能であるという点が大きな強みと言える。
またリバース効果モンスターとしては異例の守備力2500を誇り、攻撃力も相俟って並大抵の上級モンスターによっては戦闘破壊されないという点や、最上級モンスターで初めてリバース効果を持った種であるという点も、十分注目に値する。
結論として、ワームでのビートダウンデッキを構築する場合、ほぼ必須と考えて申し分ないモンスターであろうと、加筆者は考えている。
W
「ワーム・ウォーロード」
シュルレアリズムの絵画に於ける人間像のような、独特の骨格を持つワーム。
特殊召喚不可能というデメリットこそ在るが、戦闘破壊したモンスターの効果を無効とし、モンスターを戦闘破壊する度新しい攻撃権を一回分得るという効果の持ち主。
相打ちでも効果は無効化され、トークン相手でも攻撃権は獲得できる為利便性は高い。
サイクルに縛られない効果は強力の一言であり、オネストや光子化を使えば連続攻撃をより確固たるものに出来る。
この為高い汎用性を誇り、ワームにさして拘りのない人であっても、光属性デッキの使用を考えている方は採用してみる手もあるだろう。
X
「ワーム・ゼクス」
頭文字の形を取り、後述するヤガンと並び「革命的な存在」と称されるワーム。
召喚に成功したとき同類一枚をデッキから墓地へ落とす効果と、片割れであるヤガンが場に存在する限り戦闘破壊されないという効果を持つ。
召喚成功に際し墓地を肥やす効果は、スネーク・レインのような爆発力こそ無いがアドバンテージを失わないという長所があり、ヴィクトリーやソリッドのステータス上昇にも貢献できる。
片割れであるヤガンが場に存在する限り戦闘破壊されないという特徴を持つ上に、その攻撃力は下級ワームの中でもルクイエに次いで高い。
その上ルクイエのように厄介なデメリットも無いため、強化でもすれば上級に匹敵する凄まじいアタッカーとして機能する事は間違いない。
Y
「ワーム・ヤガン」
頭文字の形を取り、前述したゼクスと並び「革命的な存在」と称されるワーム。
自分の場に片割れであるゼクス以外モンスターが存在しない場合墓地から裏側守備表示でセット可能である効果と、リバース効果によって相手フィールド上のモンスターを手札に戻すバウンス効果に加え、自身の効果で墓地から釣り上げた場合場を離れると即刻除外されてしまうというデメリット効果を持つ。
トラップカード・W星雲隕石との愛称は抜群に良く、相手ターン中にバウンス効果を発動出来る上に、発動中は全てのモンスターがリバースするため裏側守備表示だったモンスターでもバウンス可能である。
更にターン終了時まで生き残れば裏側守備表示に戻るため、リバース効果の再発他、ゼクスによる特殊召喚での除外デメリットを回避できるという点も魅力的であろう。
攻守はゼクスと真反対なので、守備力が高く生き残りやすいのも良い。
墓地に存在する限りその効果は一ターンに何度でも使えるため天罰や王宮の弾圧にも効果があり、そもそもゼクスの効果ですぐにサーチ出来るためこの二匹はシナジーがとても良い。
こういった点により容姿も相俟って相手に不快感を残すに申し分ないと言えるだろう。
Z
「ワーム・ゼロ」
ワーム軍の最終兵器にして、「始まりのワーム」。「最凶のワーム」とも。
複数のワームによる融合モンスターであり、融合素材となったワームの数に応じて能力と攻撃力が変化する。
融合方法については特に指定がなく、「未来融合」による融合が手っ取り早くまた強力。また、同時に大幅な墓地肥やしが可能なため、ワーム一の雄、ワーム・ヴィクトリーの強化にもつながる。
容姿は、人型のものが寄り集まった灰色の球体に髑髏のようなシルエットという、他のワームとは異質な不気味さを放つものである。
「同胞でもあるワームをも喰らい、今までのどのワームよりも巨大で禍々しく、移動するだけで死を振りまく」という壮絶な設定を持ち、特に四種類のワームで融合した時の効果はその設定に恥じない強力さである。