特徴
キク科に属するアザミの仲間の多年生宿根草本。朝鮮半島ではなく、地中海近辺の地域が原産ではないかとされる。
生物名に「チョウセン」とつくものは多くが「外来の」という意味である。
日本には江戸時代に渡来したが、当初は紫色の花を観賞用にするのみであった。江戸時代の植物図鑑「本草図譜」にも図入りで紹介されている。
明治以降に西洋野菜ブームに乗って再度渡来したが、このときも食用としての利用は広がらず、やはり観賞用にするにとどまっている。
食用にするのは若い蕾で、葉のように見える肉厚の萼の下部と、萼に包まれた花芯(花托)の部分である。食用になるところは、総苞(萼)の基部にある少量のデンプン質と花托基部のやわらかいところであり、総体積に占める可食部の割合は少ない。味わいとしては、百合根に似ていて、もっとわかりやすく言えばイモ類やソラマメに似ており、ホクホクとした食感がある。
つぼみを塩ゆでにするのが一般的で、塩とレモン汁を加えた熱湯に入れて茹で上げる。花および果実の冠毛になる繊毛を取り除き、萼状の苞片(総苞片)を外から剥き、基部の肉質部分を歯でしごくようして、バターやオリーブオイル、ドレッシング、塩を好みでかけて食べる。
しかし、日本で育てたアーティチョークは欧米のものと比べると可食部がより少なく、面倒な調理過程に見合うほどの成果が得られない。また、可食部を得られたとしても、株によっては極端に苦いものもある。このため、日本では食用としては現在に至るまであまり普及しておらず、観賞用にすることが多いのである。
そうはいっても、我が国では近年はハーブティーとしての利用が広まりつつあるという。
近縁種のカルドン(学名:C. cardunculus)はとげが鋭いが、同様に食用になる。こちらはまた、軟白した茎も食用にする。花も観賞用になり、日本での利用法はほぼ観賞用であると言ってもよかろう。