「私は…見つけなくちゃいけないの」
「もう……何もわからない………」
概要
(旧)
明るくユーモアもあり、誰からも頼られる優等生。
サークルメンバーの中で、唯一学校にも通っている。
サークル活動の中でも、作詞を担当しながら様々な気遣いを見せる。
一見、完璧な優等生に見えるが...?
(公式サイト/CHARACTERより転載)
(新)
『25時、ナイトコードで。』の作詞担当。
母親に『いい子』であることを求められ続け自分を見失っていたが、
音楽活動を通してサークルを居場所だと認識するようになる。
しかしその居場所さえ奪われそうになり、ついに限界を感じ家を飛び出して奏に助けを求めた。
(公式X(旧Twitter)アカウントより転載)
プロフィール
性別 | 女性 |
---|---|
誕生日 | 1月27日 |
身長 | 162cm |
学校 | 宮益坂女子学園 |
学年 | (1-A)→2-B→3-B |
委員会 | 学級委員会 |
部活 | 弓道部 |
趣味 | アクアリウム |
特技 | 英会話 |
苦手なこと・もの | わからない |
好きな食べ物 | お母さんの手料理 |
嫌いな食べ物 | 特になし |
一人称 | 私 |
CV | 田辺留依 |
容姿
紫色の髪をポニーテールで纏めている美少女。
新旧のユニット衣装はどちらも黒を基調としたスカートスタイルで、新ユニット衣装はスカートの裾に花柄の装飾が施されている。
人物
25時、ナイトコードで。の中では作詞やMIXを担当。もともと自分で曲を作ってSNSに投稿していたのだが、それを見た宵崎奏に誘われてサークルに参加した。その経緯から、作曲を担当することもある。ハンドルネームは「雪」。由来は名前を決めたとき、雪が降っていたから。ちなみにあまり考えなかったらしい。
高校では、弓道部に所属しており、冬でもなかなか的を外さない。同じ部活ではあるが、アイドル活動で余り顔を出せない日野森雫に対しても様々な気遣いを見せている。それ以外でも運動神経抜群で、体育祭では学年対抗リレーのアンカーに選ばれ、1年生で非常に高い身体能力を持つ鳳えむとデッドヒートを繰り広げた。
成績もかなり良好で、友人に対してよく勉強を教えている。1年の頃からクラス委員をしており、初のクラス委員で緊張していた星乃一歌に対してもアドバイスをしている。
また、他人への配慮や気遣いもしっかりしていることに加え、人柄も明るく、冗談には冗談を返すユーモアさも持ち合わせている。まさに文武両道、才色兼備な「優等生」であり、様々な人から好印象を持たれ、頼られている。
趣味はアクアリウムだが、水草しか入っていない。本人曰く、「水草を入れただけで満足してしまった」とのこと。今の目標は「アクアリウムに何か生き物を入れること」だが、あまり真面目には考えていない。
余談
プロフィールには「メンバーの中で唯一学校にも通っている」とあるが、奏は通信制高校、絵名は神山高校の夜間定時制、瑞希は神山高校に在籍している。とはいっても奏の学校にはスクーリング(通信教育における対面授業)がないらしく、絵名は夜間制、瑞希はよくサボろうとしており、「ちゃんと学校に通っている」という意味ではまふゆだけである。
関連タグ
- 望月穂波:同じ学校に通うまふゆの後輩。文武両道でクラスメイトに頼りにされているところは共通しているが、その根本が異なっている。進級後(穂波や奏の服装を見る限り、時間軸は進級前)、ある出来事を機にまふゆの素の状態を知ることになり、彼女の物語に関わることになる。
ネタバレ
以下ユニットストーリー及びメモリアルストーリーのネタバレ注意
文武両道、才色兼備な「優等生」。その本性は、感情があるがそれを言語化することが困難な"失感情症"。感情だけでなく、極度のストレスから味覚も失っている。
元々は、テストで100点を取り、それを褒められて喜ぶようなごく普通な少女で、正真正銘の「優等生」だった。
しかし彼女の両親は、一見穏やかで普通に見えるものの暁山瑞希曰く「自分の価値観をナチュラルに押し付けるタイプ」であり、優しく他人の意見を受け入れるまふゆはその影響を受け、段々と抑圧されていく。
本当は看護師になりたかった。けれど両親は医者を勧めるし、実際に友人も「向いている」と言ってくれた。みんながそう言うならそっちの方がいいのだろう。
近くに新しく出来たゲームセンター。本当は行きたかったけれど、周りからは「優等生は部活や勉強で忙しくて遊ぶ時間なんて無い」と思われていた。そのイメージを崩したくなかった。
他人ばかりを考え、自分の本当の感情を押し殺し続けるまふゆ。やがて、まふゆは自分の心と体に違和感を覚えるようになる。
「私、何が好きだったんだっけ……」
「……わからない……」
「私は何が好きだった……?
何が、したかった……?」
「私は…………どこにいるの……?」
自分を押し殺し続けたまふゆは、やがて自分自身を失ってしまう。
そのまま時が経ち、高校生となっても普段は昔のような「優等生」として振る舞っているが、それは恐らく「昔からそうしていたからそうしている」状態であり、本当の彼女ではない。
失ってしまった自分を見つける為に、まふゆは曲を作り続ける。
なお、彼女は幼い頃に行った遊園地でとある体験をしており、それが彼女の現在における「いい子」を作り出している。イベントストーリーを参照。
「見つけられないなら、私は……」
メインストーリーでメンバーに『見つけてもらえた』まふゆは、ニーゴのメンバーの前では「優等生」の自分ではなく、ありのままの自分で過ごすようになる。
「優等生」の時と比べて少し子どもっぽくなったような気もするが、まふゆにとっては素っ気なくしている方が過ごしやすいのだろう。
進級後、下記の進級前最後のイベントストーリーでの結末によって、この秘密を知る人物が1人増えている。
またストーリーが進むにつれある部活仲間は何かを抱えていることをほんのりと認識した他、ある後輩は序盤より「本当の笑顔じゃない時がある」と直感的に察知するなど、事情は知らずとも気に掛けられることもしばしば。
進級以降も変わらず味は感じないが、「ファミレスで自発的に紅茶を注文する」「奏とお茶の時間を設ける」「クレープの食感やイカ焼きの原料に着目する」など、わずかながら嗜好が顕れている。
イベントストーリー
囚われのマリオネット
25時、ナイトコードで。の初イベントで主役を務め、セカイから帰還した後のストーリーが描かれる。
チケットを貰った奏に誘われてニーゴのメンバーと人形展に行くが、そこで展示されていたマリオネットを見て言い知れぬ嫌悪感を抱く。
その後、奏によって「(周囲の操り人形になっている)自分とマリオネットを重ねている」と看破され、「その時の感情を言葉にできないならば歌詞にしてほしい」と依頼される。
これを契機にまふゆも自分の考えを前よりは素直に吐き出すようにはなったが、言葉選びと容赦のないダメ出しが出るようになったため、それはそれで瑞希たちMV組の悩みの種になっている。
走れ!体育祭!~実行委員は大忙し~
上記のイベントから一つ間をあけて行われた宮益坂混合イベントで星3交換キャラになり、同じ学校の後輩である鳳えむと二人三脚でペアを組むことになる。その時、「笑顔だけど笑顔じゃない」、「とっても怖い」という印象を持たれている。また、学年対抗リレーではそれぞれの学年のアンカーとして激戦を繰り広げた。
この一件以来えむと関わることが増えたようで、エリア会話ではお互いの部活を見学しようと約束したり、同時期に追加されたであろう掛け合いでは彼女の独特な挨拶に戸惑いながらも「わ、わんだほい」と返している。
満たされないペイルカラー
東雲絵名 が主役を務めたニーゴの2回目のイベント、父親と揉め、「ニーゴのイラスト担当」としてしか見てもらえないこと、絵描きとして認めてもらえないことから自暴自棄になり絵を描くことをやめようとしていた絵名に他メンバーとともに会いに行くことになる。その際「認められないなら、認められるまで描けばいいじゃない」と認められないからこそ描き続けるべきと言い、結果絵名も心の整理が出来た模様(普段では言わないようなことだったため絵名を含め他メンバーも驚く素振りを見せた)。
またこのイベントにて新たにセカイに来た鏡音リンはミクほど(髪や衣装)色が薄くなっていないので少しずつものを感じることができるようになって来たのではとも言われているが正確なところは不明。
シークレット・ディスタンス
暁山瑞希が主役を務めたニーゴの3回目イベント。瑞希の提案で日帰りのミステリーツアーに参加し、奏や絵名が怖がる中1人平然としている様子が目立った。ただ、何か感じるものはあったようで、最後にたどり着いた廃校の巨大な桜の木を見て微笑みを零していた。なお、この時に幽霊と接触していることがサイドストーリーで明かされている。
また、このイベントにて新たにセカイに来たMEIKOによると、ニーゴのメンバーがまふゆの想いで出来たセカイに出入り出来るのは「あの子達がまふゆにとって、とても大切で欠かせない存在だから」と明言されている。(星4MEIKO『必要な距離』のサイストより)
カーネーション・リコレクション
宵崎奏が主役を務めたニーゴの4回目のイベント。奏の曲を聞いて、何か感じているような気がしていたが、何を感じているかまでは分からない状態だった。が、奏が自身の作曲方針について「まふゆに笑ってほしかった」と気づき、その思いを込めて作られた曲を聞いた時には「よかった、と思う」
「少し……あたたかかった」と感想を述べ、無意識ではあるが笑顔を浮かべた。
また、今までは味覚を失っていたが、自身を元気づけようと鳳えむがくれたキャラメル味のチョコを食べた時には、えむの顔を思い浮かべて「(味は)分からないけど、ほかのものを食べている時より嫌な感じはしない気がする」と言うなど、まふゆ自身が少しずつ良い方向に動いていることが示唆されている。
灯のミラージュ
まふゆが2回目のバナーを務めるニーゴの5回目のイベント。
「カーネーション・リコレクション」の際に作られた奏の曲だけが、なぜあたたかいと感じたのか、なぜ自分は笑ったのか、とまふゆは疑問を抱いていた。その答えをニーゴの面々と探そうとした矢先に、風邪をひいていた事が判明し、その日は一旦解散となる。
風邪がちゃんと治りきっていない状態で普通に学校に行っていたまふゆは、体調が悪化していき、放課後に公園のベンチに倒れ込んでしまう。そこに、たまたま通りかかった奏によって、宵崎家に運び込まれる。
奏に看病されるうち、いつの間にかまふゆは眠りにつき、幼い頃に母親が付きっきりで優しく看病してくれ、うさぎの形に剥いたりんごを食べさせてくれた思い出を夢に見た。
夢から目覚めた際、奏の曲を聴いた時のあたたかい気持ちが、自身が幼い頃に母親に、りんごを食べさせてもらった思い出の気持ちと、似ていた事に気づく。
その後、体調が良くなったまふゆは奏に、この前の曲をどんな気持ちで作ったのか、と質問を投げかける。
奏は、昔のお父さんとお母さんの思い出を語り、「あの時のわたし達みたいに、まふゆにも笑ってほしいって思ったの」と微笑んだ。
その話を聞いたことで、また胸があたたかくなったまふゆは帰宅後、その気持ちを自分の言葉で歌詞にしようと試みる。
数日後、新曲の歌詞を誰もいないセカイで、全員に披露した。まふゆの歌詞を聴いた奏はいつもの歌詞に比べ、「誰かを想うような、あたたかい感じがある気がする」と評価する。
翌朝、りんごが食卓に出てきたが相変わらず味はまだ分からないままだった。しかし、まふゆはまた1歩前に進めたかのような示唆がされている。
交わる旋律 灯るぬくもり
まふゆがバナーを務めるLeo/needと25時、ナイトコードで。の混合イベント。
まふゆがバナーを務めるのは3回目だが混合イベントではこれが初である。
好きなクリエイターのCDを買いたいという一歌のためにまふゆは学級委員の仕事を早く切り上げ、送り出した。
翌日、なぜか浮かない表情をしている一歌に話を聞くと最後の1枚だったCDを長い髪の少女に譲ってもらったと聞かされる。昨夜、奏から目当てのCDを譲ったことを聞いていたまふゆは最後の1枚を譲った長い髪の少女が奏だと気づく。
まふゆが知人だと言うことを話すと一歌にCDを渡してほしいとお願いされる。
その後、奏にCDを渡すと奏は嬉しそうに受け取った。奏は一歌が書いたであろう歌詞が書かれたルーズリーフが挟まっているのを見つける。粗削りだけどまっすぐな歌詞だと評価する奏、一方のまふゆは一歌には自分と違って伝えたいことが明確にあるんだと感じた。
後日、まふゆは誰もいないセカイで奏の笑顔に胸があたたかくなった理由を考えていると、セカイにやってきた奏は穂波と一歌と会う時、まふゆにも同席してほしいと言う。乗り気ではないまふゆだったが、ミクの言葉が後押しとなり付き添うことになった。
当日、4人は音楽の話で盛り上がる。話の流れでまふゆがニーゴの詞を書いていることを話すと穂波と一歌は言葉には出来ない朝比奈先輩の思いが伝わってくると言う。
(まだ、はっきりとはわからないけれど……私は、歌詞に何かをこめられているのかな)
2人と別れたあと、一歌と話すきっかけをくれたことの感謝を奏から伝えられ、まふゆはまた胸があたたかくなる。まふゆはこの感覚を(——悪い感覚ではない、かな)と思うのだった。
迷い子の手を引く、そのさきは
まふゆが4回目のバナーを務めるニーゴの9回目のイベント。
ある日、ナイトコードで瑞希から「一緒にフェニックスワンダーランドに行かないか」と誘われるも、大学別の模試と日程が被っていたため断る。
その後、学校に行っている間にまふゆの部屋を掃除した母によってまふゆが隠していたあるものが見つかってしまう。まふゆは音楽をやりたいと母に伝えるも、母の……後悔、しないようにね?の言葉が後押しとなり、音楽を辞めると宣言してしまい、母にシンセサイザーを没収されてしまう。
その夜、セカイに現れた鏡音レンと対面。ニーゴの面々に母親のことを話し、母の言葉は正しいと思ってると語るも、心情と行動の矛盾を絵名に指摘される。
模試の日。母親からのA判定への期待が重くのしかかり、体調を悪くしていくまふゆ。そこに、瑞希から「フェニックスワンダーランドに集合した」とメッセージが届く。母からの期待と、「……後悔、しないようにね?」の言葉。そしてニーゴの仲間たちが頭に思い浮かんだまふゆは無意識の内にフェニックスワンダーランドに足を運んでいた。
母を悲しませてしまうのになぜここに来たのか考えているといつのまにか奏達とはぐれてしまっていることに気付く。奏達を待っているとレンは今の状況がセカイに来たことを彷彿とさせて怖いと言う。そのレンの言葉をきっかけにまふゆは幼少期に感じた冷たい母の手を思い出す。
奏達と合流したまふゆは不意に人とぶつかるもとっさに奏がまふゆの手を握った。自分を心配する奏にまふゆはあたたかさを感じていた。
同じように自分を思ってくれているはずの母とニーゴの面々。
母と奏達は何が違うのか、なぜ母は冷たく感じるのかわからないまふゆは苦しさから逃げるようにニーゴがくれる温もりに浸るのだった。
その夜、体調不良で模試を受けられず、友人の家で休んでいることをまふゆから伝えられた母は、なぜか宮益坂女子学園に電話を掛けていた…
まふゆのトラウマ
このイベントにて、まふゆが無意識のうちに抱えていたトラウマが明かされる。
幼い頃、母に連れられて一度だけ訪れたフェニックスワンダーランド。まふゆは「お母さんの傍から離れないようにね」と言われていた。
園内を歩いていたフェニーくんと握手をしたかったまふゆ。しかし、母は父と電話しており、母の傍を離れなければフェニーくんと握手できなかったまふゆは、「ちょっとだけなら」と母の傍を離れて握手しに行った結果、迷子になってしまう。
遊園地で一人ぼっちになってしまったまふゆは、楽しかったはずのアトラクションにすら恐怖を覚える。幸い、母がすぐにまふゆを見つけてくれたおかげで事なきを得た。
母に「見つかって安心した」「まふゆの無事が一番」と言われ、安堵するまふゆ。しかし……
「どうして、お母さんの言うことを聞かなかったの?」
母はまふゆがお母さんを心配させるような悪い子になっちゃったと思ったと語り、泣き始めてしまう。
「……おかあさんが泣くの、やだ……っ」
「……まふゆは、優しい子ね……」
「まふゆが、お母さんの言うことをちゃんと聞く"いい子"だったらお母さんも悲しくないのに……」
そう言われたまふゆが「いい子にする」「ちゃんとお母さんの言うことを聞くから」と言うと、「まふゆがいい子になってくれたから、お母さんも悲しくなくなったわ」と母は泣き止んだ。
母に「今日はもう帰ろう」と言われ、まふゆは母と帰っていく。痛いくらいに手を引かれながら。
上記の遊園地での出来事をまふゆは忘れていたが、以後のイベントストーリーにこの場面が何回か出てくることを考えると、この出来事がきっかけで「いい子」に囚われてしまい、母に反抗できなくなってしまった可能性は高いと言えるだろう。
仮面の私にさよならを
まふゆがバナーを務める4回目のイベントにして、ニーゴの進級前最後のイベントストーリーとなる。
ついに学校のテストの成績が落ちてしまったまふゆは、母に伝えることが出来ずに、まだ採点が終わっていないと嘘をついてしまう。しかし嘘がバレてしまい、仕方なく成績が落ちたことを隠していたことを謝る。すると、母は優しく許した後、スマートフォンの没収を言い渡した。
シンセサイザーを捨てられ、パソコンも壊されたまふゆにとって、スマホはニーゴやセカイと唯一繋がれるものである。それを取り上げられかけたまふゆは、ついに「嫌……っ!」と声を上げ、母に反抗。揉み合いになった末、スマホはまふゆの部屋にあったアクアリウムの中に落ち、故障してしまう。
翌日の夕方、公園に居るまふゆの元に、壊れたスマホから強引にミクとKAITOが姿を現す。KAITOに「噛み付け」と言われ、ミクにも「支えるから」と言われたまふゆは、ついに自分の思いを母に伝えることを決意する。
その日の夜、母に自分の気持ちを伝えるまふゆ。音楽活動を認めて欲しいと訴えるも、まふゆが本当になりたいものになれなくなってしまうからと母に窘められる。
そこで、まふゆは「本当に医者になりたいかどうか分からないの」と自身の想いを語る。もっと患者に寄り添いたい気持ちがあること。幼い頃風邪をひいた時、母が看病してくれて嬉しかったこと。その時感じたあたたかさを誰かにあげたい、そのために自分に合った夢を考えていきたいこと。
まふゆの想いを聞いた母は、「分かったわ」と肯定し…………
どうして、こんなことになっちゃったのかしら?
あの子に影響を受けたんでしょう?とまふゆに言い放ち、私がもっとしっかりしていればこんなことには、と嘆き始める。
厳しくしていたのも全てはまふゆのため、まふゆの幸せがお母さんの幸せだと泣き始める母を見て、幼い頃のトラウマが蘇るまふゆ。涙を流す母を抱きしめながら、「駄目だな、私は」「お母さんはこんなにも私を想ってくれているのに」と思い始めた時、スマホが光った。
「―やめろ」
「甘い言葉に絆されるな」
「まふゆの想いを、守って」
約束通り傍で支えてくれたKAITOとミクの言葉が届き、まふゆは「私の気持ちも知ってほしいの」と母に再び想いを伝える。
期待に応えたくて頑張っていたけれどずっと苦しかったこと。自分のやりたいことは何なのか分からなくなってしまったこと。でも、ニーゴのみんなと出会って本当にやりたいことが少しずつわかってきたこと。母は悲しむかもしれないが、奏たちと一緒に居られなくなることは嫌なこと。
しかし、泣きながら訴えるまふゆの気持ちも、やはり母には届かなかった。
勉強にもっと力を入れ、母に認めて貰えるように頑張ると言うも、ついには「失敗だったわ」「こんなことになるなら、何も与えるんじゃなかった!」と言われてしまう。
その時思い浮かんだのは、「もう無理だと思ったら、逃げていい」という 瑞希の言葉だった。
母を置いて逃げる葛藤を抱えながら、もう一度一緒に頑張ろうと言う母をみて、まふゆはついに家を飛び出してしまう。
雨の中逃げ出した先は、奏の家だった。
「全部私が悪いのかな」「もう何もわからない」と泣くまふゆを、奏は「大丈夫」と言いながら抱きしめるのだった。
その後しばらく奏に保護され、後に訪問した父に「今は帰りたくない」と辛々に素の自分を吐露したところ、無事承諾を受けた。
進級後は荷物を送ってもらい、いつか帰るその日までは宵崎家で生活することとなった。