ラディカル・フェミニズム
らでぃかるふぇみにずむ
概要
急進的・先鋭的なフェミニズム。
略称が「ラディフェミ」であり、早い話がフェミニズムの過激派と呼べる。
男女を全く別の存在として捉え、女性の身体的・政治的主体性に重きをおいている。
「身体的有利者である男性が身体的不利者である女性を抑圧・支配するようにつくられた社会の仕組み」=「性の政治」と定義し、男性が経済的主軸として機能している家庭(いわゆる「家父長制」)や、男女間での恋愛・結婚についても「女性を抑圧する元凶」として強く反発している。
基本的に「男と女はその利害が競合・敵対するもの」と主張しており、「女性」という性を一つの大きな組織と捉えている(反対に、「男性」も一つの大きな組織として捉えている)。
また、性産業について買う側の男性と売る側の女性の関係は「人身売買」であるという見解を示し、反ポルノ・反売春を活動の軸の一つとしている。
たとえば男性向けに女性を性的客体化した創作物が広く普及していることを「女性を一般に性的なものとして落とし込むことであり、男性の利である」とし、「性的鑑賞物とされる女性にとって害だと定義する」などの主張がある。
個人主義を前提とした男女平等・ジェンダーフリー、女性の性の開放などを主張し、集団としての男性と戦う必要はないと考えるリベラル・フェミニズムとは深刻な対立関係にある。
ある程度派閥があるものの、特に反出生主義者と既婚者・子持ちとの間には大きな溝がある。あくまで「女性の権利を確保し、社会的地位を高めること」が本来のフェミニズムの目標であるため、過剰にミサンドリーに寄った存在は批判の対象となる。
政治的には左派に近い見解を示す者が多く、リベラル系メディアに称賛されることも少なくない。しかし、男性は勿論のこと、リベラル・フェミニストに対しても「名誉男性」「偽善者」だとして批判を浴びせることさえある。
アメリカで批判される宗教保守との協調は、日本語圏ではあまり見られない。反トランスジェンダーで一致するTERFの場合、保守派由来の海外の言説(PragerUなど)を持ち出す例は見られる。