概要
- 作詞:武島羽衣
- 作曲:瀧廉太郎
説明
1900年に組曲の「四季」の一曲のうちの「花盛り」として発表される。
2曲目が夏の「納涼」、3曲目が秋の「月」、4曲目が冬の「雪」であった。
3曲目と4曲目から「雪月花」に合わせるべく、「花」に改題した。
歌詞
※明治時代に書かれたので、原文は文語体(つまりより古めかしい表記)で書かれている。
1.春のうららの隅田川
のぼりくだりの船人が
櫂(かい)のしづくも 花と散る
ながめを何にたとふべき
2.見ずやあけぼの露(つゆ)浴びて
われにもの言ふ桜木(さくらぎ)を
見ずや夕ぐれ手をのべて
われさしまねく青柳(あおやぎ)を
3.錦おりなす長堤(ちょうてい)に
くるればのぼるおぼろ月
げに一刻も千金の
ながめを何にたとふべき
- 訳
1.春ののどかな日の隅田川
多くの花見船がしきりに行き交い
櫂にかかっているしずくも花びらのようだ
この眺めは何にも例えられない
2.見てごらん 明け方の露を浴びて何か語りかけてくる桜の木を
見てごらん夕暮れ時に風に揺れて
手招きしてくるような青柳を
3.美しい織物のように見える長堤に
日が暮れればほの薄い月が昇ってくる
本当に一時さえもとても価値がある
この眺めは何にも例えられない