概要
ブドウ科ツタ属のつる性落葉樹。学名はParthenocissus tricuspidata。
夏の青葉と秋の紅葉が魅力的で、古風なレンガや石造りの洋館に絡まり、雰囲気を盛り上げる植物というイメージがあるが、本種は意外にも日本を含む東アジア原産であり、欧米に導入されたのは比較的新しい時代(19世紀後半)である。
ブドウ科に多い巻きひげを伸ばすつる性植物だが、本種は巻きひげの先端が吸盤になり、壁面や樹木などに密着することが特徴である。
名称
和名の由来は「つたう」。別名のナツヅタは、夏に葉を茂らせ冬には葉を落とすことから。一年を通じて葉をつけるウコギ科の常緑樹キヅタと対になる名称である。他の別名のアマヅラは樹液を甘味料に使用していたことに由来する。
英語では、ウコギ科のキヅタや、ブドウ科ツタ属のアメリカヅタと一緒に「アイビー」と呼ばれてしまうことが多いが、これらのつる性木本と区別する場合はボストン・アイビーと呼ばれ、日本から導入されたことからまたはジャパニーズ・アイビーの名がある。
建物とツタ
ツタを外壁に這わせるのはデメリットも多い。ツタが繁茂した状態では外壁の塗り替えなどのメンテナンスができず、剥がしても吸盤の跡が残ってしまうからである。よってツタを壁に直接這わせるのは石造や鉄筋コンクリートやレンガづくりの建物に限られ、さらに外壁が傷みにくいように、ネットやワイヤーを張ってそこにツタを絡ませることがある。
関連タグ
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