概要
「一ノ瀬家の大罪」の主人公で中学2年生。一ノ瀬家の長男だったらしいが、事故のショックで記憶を失っているので詳細は不明。
外見
黒髪に泣きぼくろが特徴的な少年で、退院後も頭に包帯を巻いている。
作中に登場する学生証では前髪が長く暗い印象だが、現在は快活な表情を見せることが多い。
性格
明るく楽観的な性格で、記憶を失ったことでほぼ初対面である家族ともすぐに打ち解けた。
作中では「架空の旅行の思い出話」をすることを思いついたり、記憶がないことを恐れていた妹の詩織に優しく接するなど、家族思いな一面も描かれている。
真実
以降、原作のネタバレが含まれています。ご注意下さい。
自室の壁にはおびただしい数の「死」の字があり、散らかり放題の部屋に全員の顔が塗り潰された家族写真など、本来の「一ノ瀬翼」は現在とは全く違う人物像だったことが窺える。
第2話では再登校した学校で『親友』だった中嶋とも再会し、元の楽しい学校生活を取り戻そうとするが……?
「一ノ瀬翼」の生活
実は中嶋を中心にクラスから残飯を浴びせられるなどの精神的にも肉体的にも辛いいじめを受けていたことが判明。中嶋の回想では親友だったのは本当だが、ある日を境に段々と性格が暗くなってきたこと・急にサッカーをやめたことが中嶋からいじめられる原因になったと考えられる。
演出なのかは不明だが、翼の中には自分の部屋と過去の一ノ瀬翼がおり、その瞳は失望と強い怒りで満ちていた。
記憶の奥底にあるこれまでとの強い怒り=過去の一ノ瀬翼を目の当たりにした今の翼が選んだ行動は……。
「でも、お前にとってはきっとそれだけじゃなかったんだな」
中嶋に反論し、逆にいじめられるようになった彼に沸き上がる覚えのない怒りをぶつける翼。しかし、残飯をサッカーユニフォームにかけようとする姿に思わず止めてしまう。
最低な奴、いじめの主犯、自業自得だと思っているが今の翼は自分の中にいる「一ノ瀬翼」に声を掛ける。
「友達だったんだろ、俺」
落ち込むように塞ぎ込む「翼」は、隣に座る翼の優しく投げられた質問に泣きながら頷いた。
それを理解した翼は調子の良いクラスメイトと、ついでに中嶋へ残飯を浴びせて今の分をチャラにし、後日中嶋と一緒に反省文を書かされることになった。
記憶も思い出せず、仲直りもしていないがそれでもほんの少しだけ二人は向かい合うことができた。
結果としてクラスから中嶋と一緒にハブられるようになるが、互いに悪口を言い合うような関係に落ち着いたため記憶を失う前よりは少なくともマシな状態になっている。
そして彼は、家族の秘密に足を踏み入れることになる。