概要
1948年に、日本の北九州市の小倉競輪場で発祥したスポーツ。
全国43か所(2014年9月現在)の競輪場で行われる。1レースで5人から9人が走る。
競走路(バンク)はすり鉢状で、コンクリートかアスファルトで舗装されている。
1周は400メートルが多く、コーナーは30度位の傾斜になっている。これらは競輪場によって違う。
競技に使われる自転車はトラックレーサー(ピスト)と呼ぶ。ロードバイクに似ているが、ギアチェンジがない。元々ブレーキが付いてないので、公道は走れない走ると道路交通法第63条の9 第1項、及び、同法施行規則第9条の3に違反する犯罪行為となる。
神奈川県警察のサイトによると、ペダル操作により30km/hから制動した場合の制動距離は、平均値でおよそ27mとのこと。
競輪選手は街道練習をする際には道路交通法を守ってブレーキを装着している。
開催ルール
現在は全国42か所の競輪場で開催。
バンク1周の長さは基本的に400mだが、333m(松戸など)、335m(前橋)、500m(宇都宮、大宮、高知)の所もあり、施設によって異なる。
小倉、前橋のようにドーム施設の利用した競輪場もある。
1レースに出走するのはFIグレード以下は7車(一部例外あり)、G3以上は9車であるが落車による負傷欠場者や失格者が多い場合はこれより少なくなることがある。
出走する選手はそれぞれの自転車に合わせて対応する色のユニフォームと競輪用ヘルメット・それに選手の格に応じたレーサーパンツを着用する。プロテクターの着用は任意のため、スピード感を重視し敢えて着用しない選手もいる。なお、ユニフォームの色は、
車番 | 現行 | 旧 | 2代前 |
---|---|---|---|
1番車 | 白 | 白 | 白 |
2番車 | 黒 | 黒 | 黒 |
3番車 | 赤 | 赤 | 赤 |
4番車 | 青 | 青 | 青 |
5番車 | 黄色 | 青と白 | 黄色 |
6番車 | 緑 | 黄色 | 白と黒 |
7番車 | 橙 | 黄色と黒 | 白と赤 |
8番車 | 桃色 | 緑 | 白と青 |
9番車 | 紫 | 緑と赤 | 赤と青 |
となっている。
現行のユニフォームは2002年4月から、旧行のものは1984年11月から2002年3月まで、2代前のものは1964年から1984年11月までの間それぞれ使用されている。
競技ルール
まず前レース終了後に競輪選手が競走路を数周走る。これは脚見せと呼ばれ、ガールズケイリンではそのまま1周で控室に戻るが、男子の場合は数人でグループを組んで走る。これがラインの意思表示をしているということになる。
その後、自分の競走が始まる際には敢闘門から入場し、スタート地点に自分の自転車を止める。
スターターの号砲で本レースがスタートする。初め選手は師弟関係や所属地区などの仲間同士でラインを組んで先頭誘導員の後を走る(ペースを守る為なので無線連絡をしている)。
レースの距離は、基本的にS級の選手は2000mちょっと(スタート地点から最初のフィニッシュラインまで数十m離れている競輪場が多いため、2025mなどとなる)。A級の選手によるレース及びガールズケイリンでは、S級の走る距離より1周少ない距離でのレースとなる。
先頭誘導員がいなくなるタイミングは、ガールズケイリンでは333~400mバンクでは残り1周半、500mバンクでは残り1周と決まっているが、男子競輪の場合は誘導員を抜いてよくなる周回というのがあり、それ以降に選手が抜きにかかった段階で退避する。
残り1周半になると打鐘(ジャン)が鳴らされ、選手はスパートをかける。この時は時速70km/h位のスピードが出ている。
上述したラインの概念や競り合いなどのルールの相違点から日本の「競輪」と五輪競技の「ケイリン」は似て非なるものと言える。
選手は他の公営競技と同様、公正確保の為、選手は集合時刻までに集合し、レースで使用する自転車の検査を受けた後、各競輪場に併設されている宿舎に入り、レース開催期間中はその宿舎で共同生活を送らなければならない。当然、携帯電話等の通信機器は没収されるが、一部の競輪場の宿舎は天然温泉が出る浴場がある為、温泉好きの選手には大変好評である。
主なレース(●は単発競走、◆は女子競走)
格付けは上から順に、
GP(グランプリ)
G1
G2
G3(記念競輪)
F1(S級シリーズ)
F2(普通開催、ミッドナイト競輪など)
とランクされている。
この内GPとG1は一部を除いて毎年持ち回りで行われる(競輪祭のみ開催地を小倉競輪場で固定。)。また、KEIRINグランプリとガールズグランプリとヤンググランプリは同時開催で実施される。
GP
- KEIRINグランプリ●
- ガールズグランプリ●◆
G1
- 読売新聞社杯全日本選抜競輪
- 日本選手権競輪
- オールガールズクラシック◆
- 高松宮記念杯競輪
- パールカップ◆
- オールスター競輪
- 寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント
- 朝日新聞社杯競輪祭
- 競輪祭女子王座戦◆
G2
- ウィナーズカップ
- サマーナイトフェスティバル
- 共同通信社杯競輪
- ヤンググランプリ●
国内の競輪場
競輪場 | 地区 | 所在地 | 周長 | 備考 |
---|---|---|---|---|
函館 | 北日本 | 北海道函館市 | 400 | 競輪界初のナイター競走を開催。冬季はスケート場として利用。 |
青森 | 北日本 | 青森県青森市 | 400 | |
いわき平 | 北日本 | 福島県いわき市 | 400 | 屋外では日本で唯一、構造物上にバンクが設置されている。 |
弥彦 | 関東 | 新潟県西蒲原郡弥彦村 | 400 | 日本で唯一の村営公営競技場。 |
前橋 | 関東 | 群馬県前橋市 | 335 | 日本最大のカント(バンク傾斜)を持つ。グリーンドーム前橋と施設を共有。 |
取手 | 関東 | 茨城県取手市 | 400 | |
宇都宮 | 関東 | 栃木県宇都宮市 | 500 | |
大宮 | 関東 | 埼玉県さいたま市大宮区 | 500 | 東日本における競輪発祥の地。 |
西武園 | 関東 | 埼玉県所沢市 | 400 | |
京王閣 | 関東 | 東京都調布市 | 400 | |
立川 | 関東 | 東京都立川市 | 400 | |
松戸 | 南関東 | 千葉県松戸市 | 333 | |
川崎 | 南関東 | 神奈川県川崎市川崎区 | 400 | |
平塚 | 南関東 | 神奈川県平塚市 | 400 | |
小田原 | 南関東 | 神奈川県小田原市 | 333 | |
伊東温泉 | 南関東 | 静岡県伊東市 | 333 | |
静岡 | 南関東 | 静岡県静岡市駿河区 | 400 | |
名古屋 | 中部 | 愛知県名古屋市中村区 | 400 | |
岐阜 | 中部 | 岐阜県岐阜市 | 400 | |
大垣 | 中部 | 岐阜県大垣市 | 400 | |
豊橋 | 中部 | 愛知県豊橋市 | 400 | |
富山 | 中部 | 富山県富山市 | 333 | |
松阪 | 中部 | 三重県松阪市 | 400 | |
四日市 | 中部 | 三重県四日市市 | 400 | |
福井 | 近畿 | 福井県福井市 | 400 | |
奈良 | 近畿 | 奈良県奈良市 | 333 | ゴール前の直線が極端に短い。 |
京都向日町 | 近畿 | 京都府向日市 | 400 | |
和歌山 | 近畿 | 和歌山県和歌山市 | 400 | |
岸和田 | 近畿 | 大阪府岸和田市 | 400 | |
玉野 | 中国 | 岡山県玉野市 | 400 | |
広島 | 中国 | 広島県広島市南区 | 400 | |
防府 | 中国 | 山口県防府市 | 333 | |
高松 | 四国 | 香川県高松市 | 400 | |
小松島 | 四国 | 徳島県小松島市 | 400 | |
高知 | 四国 | 高知県高知市 | 500 | バンク内に陸上競技場がある。 |
松山 | 四国 | 愛媛県松山市 | 400 | |
小倉 | 九州 | 福岡県北九州市小倉北区 | 400 | 競輪発祥の地。G1朝日新聞社杯競輪祭を毎年開催している。北九州メディアドームと施設を共有。 |
久留米 | 九州 | 福岡県久留米市 | 400 | |
武雄 | 九州 | 佐賀県武雄市 | 400 | |
佐世保 | 九州 | 長崎県佐世保市 | 400 | |
別府 | 九州 | 大分県別府市 | 400 | 競輪場敷地内に温泉施設がある。 |
熊本 | 九州 | 熊本県熊本市中央区 | 500 | 熊本地震の影響で休止中(2024年度再開予定)。再開後は400mバンクとなる予定。 |
関連タグ
西宮球場:かつて競輪場として使用もされた。現在は跡地にショッピングモールが建つ。
競輪を題材にした作品
ケイリン:日本発祥の競輪を元に作られた競技で、日本の競輪がチーム戦なのに対し、ケイリンは個人の能力がそのまま試される違いがある。