※ここではスポーツ競技としての解説を中心とし、勝者(しょうしゃ)投票券(車券)制度の詳細や予想論などについては外部の公式や専門資料を参照して頂きたい。
概要
レースは地方自治体が主催し、オートレースと同じく公益財団法人JKAが運営を統括する。
1948年に現在の福岡県北九州市の小倉競輪場で初めて開催され、現在全国43か所の競輪場が存在する。
1回のレースに選手5人〜9人が出走。
競走路(バンク)はすり鉢状で、コンクリートまたはアスファルトで舗装されている。
競輪場ごとで異なるが1周400m、コーナー傾斜は30度程度が多い。
レースの距離は、S級の選手では基本的に2,000m程度(スタート地点から最初のフィニッシュラインまで数十m離れている競輪場が多いため2,025mなどになる)。
A級の選手によるレース及びガールズケイリンでは、S級の走る距離より1周少ない距離でのレースとなる。
競技に使われる自転車はトラックレーサー(ピスト)と呼ばれる。
ロードバイクに似ているが変速機がなく、またブレーキが付いてないので公道を走ると道路交通法に違反する。
神奈川県警察のサイトによると、ペダル操作により時速30kmから制動した場合の制動距離は平均値でおよそ27mになる模様。
競輪選手は街道練習をする際には、ブレーキを装着している。
選手は他の公営競技と同じく公正確保の為、決められた時刻までに集合し、レースで使用する自転車の検査を受けた後、各競輪場に併設されている宿舎に入る。
レース開催期間中はその宿舎で共同生活を送らなければならず、携帯電話等の通信機器は取り上げられる。
出走ルール
1レースに出走するのは、FIグレード以下は7車(一部例外あり)、G3以上は9車であるが落車による負傷欠場者や失格者が多い場合はこれより少なくなる事がある。
出走選手はそれぞれの自転車に合わせて対応する色のユニフォームと専用ヘルメット、その選手の格に応じたレーサーパンツを着用する。
プロテクターの着用は任意のため、あえて着用しない選手もいる。
なおユニフォームの色は、
車番 | 現行 | 旧 | 2代前 |
---|---|---|---|
1番車 | 白 | 白 | 白 |
2番車 | 黒 | 黒 | 黒 |
3番車 | 赤 | 赤 | 赤 |
4番車 | 青 | 青 | 青 |
5番車 | 黄色 | 青と白 | 黄色 |
6番車 | 緑 | 黄色 | 白と黒 |
7番車 | 橙 | 黄色と黒 | 白と赤 |
8番車 | 桃色 | 緑 | 白と青 |
9番車 | 紫 | 緑と赤 | 赤と青 |
となっている。
現行のユニフォームデザインは2002年4月に採用。
競技ルール
まず前レース終了後に競輪選手が競走路を数周走る。
これは「脚見せ」と呼ばれ、ガールズケイリンではそのまま1周で控室に戻るが、男子の場合は数人でグループを組んで走る。
これが後述のラインの意思表示をしているという事になる。
その後自分の試合が始まる際には敢闘門から入場し、スタート地点に自分の自転車を止める。
スターターの号砲で本レースがスタート。
初め選手達は師弟関係や、養成施設である競輪学校の同期、所属地区などの仲間同士でラインと呼ばれる隊列を組んで先頭誘導員の後を走る(ペースを守る為なので無線連絡をしている)。
これは空気抵抗によるスピード低下や体力の消耗を抑えるためであり、風除けの役割を持つ「先行」・「捲り」の選手と、後方から別のラインの接近を防ぐ「追込み」の選手に大きくわかれる。
先頭誘導員がいなくなるタイミングは、ガールズケイリンでの333~400mバンクでは残り1周半、500mバンクでは残り1周と決まっているが、男子競輪の場合は誘導員を抜いても良い周回というものがあり、それ以降に選手が抜きにかかった段階で退避する。
残り1周半になると打鐘(ジャン)が鳴らされてそれまでのチーム戦から完全な個人戦へと移行し、選手はスパートをかける。
この時の平均速度は時速約70km。
主なレース(●は単発競走、◆は女子競走)
格付けは上から順に、
GP(グランプリ)
G1
G2
G3(記念競輪)
F1(S級シリーズ)
F2(普通開催やミッドナイト競輪など)
とランクされている。
この内GPとG1は一部を除いて毎年持ち回りで行われる(競輪祭のみ開催地を小倉競輪場で固定。)。また、KEIRINグランプリとガールズグランプリとヤンググランプリは同時開催で実施される。
GP
- KEIRINグランプリ●
- ガールズグランプリ●◆
G1
- 読売新聞社杯全日本選抜競輪
- 日本選手権競輪
- オールガールズクラシック◆
- 高松宮記念杯競輪
- パールカップ◆
- オールスター競輪
- 寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント
- 朝日新聞社杯競輪祭
- 競輪祭女子王座戦◆
G2
- ウィナーズカップ
- サマーナイトフェスティバル
- 共同通信社杯競輪
- ヤンググランプリ●
国内の競輪場
施設名 | 地区 | 所在地 | 周長 | 備考 |
---|---|---|---|---|
函館競輪場 | 北日本 | 北海道函館市 | 400 | 競輪界初のナイター競走を開催。冬季はスケート場として使用。 |
青森競輪場 | 北日本 | 青森県青森市 | 400 | |
いわき平競輪場 | 北日本 | 福島県いわき市 | 400 | 屋外では日本で唯一、構造物上にバンクが設置されている。 |
弥彦競輪場 | 関東 | 新潟県西蒲原郡弥彦村 | 400 | 日本で唯一の村営公営競技場。 |
前橋競輪場 | 関東 | 群馬県前橋市 | 335 | 日本最大のカント(バンク傾斜)を持つ。グリーンドーム前橋と施設を共有。 |
取手競輪場 | 関東 | 茨城県取手市 | 400 | |
宇都宮競輪場 | 関東 | 栃木県宇都宮市 | 500 | |
大宮競輪場 | 関東 | 埼玉県さいたま市大宮区 | 500 | 東日本における競輪発祥の地。 |
西武園競輪場 | 関東 | 埼玉県所沢市 | 400 | |
京王閣競輪場 | 関東 | 東京都調布市 | 400 | |
立川競輪場 | 関東 | 東京都立川市 | 400 | |
松戸競輪場 | 南関東 | 千葉県松戸市 | 333 | |
川崎競輪場 | 南関東 | 神奈川県川崎市川崎区 | 400 | |
平塚競輪場 | 南関東 | 神奈川県平塚市 | 400 | |
小田原競輪場 | 南関東 | 神奈川県小田原市 | 333 | |
伊東温泉競輪場 | 南関東 | 静岡県伊東市 | 333 | |
静岡競輪場 | 南関東 | 静岡県静岡市駿河区 | 400 | |
豊橋競輪場 | 中部 | 愛知県豊橋市 | 400 | |
名古屋競輪場 | 中部 | 愛知県名古屋市中村区 | 400 | |
岐阜競輪場 | 中部 | 岐阜県岐阜市 | 400 | |
大垣競輪場 | 中部 | 岐阜県大垣市 | 400 | |
富山競輪場 | 中部 | 富山県富山市 | 333 | |
松阪競輪場 | 中部 | 三重県松阪市 | 400 | |
四日市競輪場 | 中部 | 三重県四日市市 | 400 | |
福井競輪場 | 近畿 | 福井県福井市 | 400 | |
奈良競輪場 | 近畿 | 奈良県奈良市 | 333 | ゴール前の直線が極端に短い。 |
京都向日町競輪場 | 近畿 | 京都府向日市 | 400 | |
和歌山競輪場 | 近畿 | 和歌山県和歌山市 | 400 | |
岸和田競輪場 | 近畿 | 大阪府岸和田市 | 400 | |
玉野競輪場 | 中国 | 岡山県玉野市 | 400 | |
広島競輪場 | 中国 | 広島県広島市南区 | 400 | |
防府競輪場 | 中国 | 山口県防府市 | 333 | |
高松競輪場 | 四国 | 香川県高松市 | 400 | |
小松島競輪場 | 四国 | 徳島県小松島市 | 400 | |
高知競輪場 | 四国 | 高知県高知市 | 500 | バンク内に陸上競技場がある。 |
松山競輪場 | 四国 | 愛媛県松山市 | 400 | |
小倉競輪場 | 九州 | 福岡県北九州市小倉北区 | 400 | 競輪発祥の地。G1朝日新聞社杯競輪祭を毎年開催している。北九州メディアドームと施設を共有。 |
久留米競輪場 | 九州 | 福岡県久留米市 | 400 | |
武雄競輪場 | 九州 | 佐賀県武雄市 | 400 | |
佐世保競輪場 | 九州 | 長崎県佐世保市 | 400 | |
別府競輪場 | 九州 | 大分県別府市 | 400 | 競輪場敷地内に温泉施設がある。 |
熊本競輪場 | 九州 | 熊本県熊本市中央区 | 500 | 熊本地震の影響で休止中(2024年度再開予定)。再開後は400mバンクとなる予定。 |
関連項目
競輪から派生した新しい国際的な自転車競技で、こちらはレース中は終始完全な個人戦となる。
かつて兵庫県西宮市にあったプロ野球チーム(阪急ブレーブス→オリックス・ブレーブス)のホーム球場。
グランド内に仮設バンクを置いて競輪場としても使用されていた。
競輪を題材にした作品