ティンパニ
てぃんぱに
概要
ティンパニとは打楽器の一種である。
最大の特徴は、太鼓の一種でありながら、音程の有る音が出せる事である。
そのため、古くからオーケストラに定席を持っており、打楽器パートの花形である。
吹奏楽においても使用されるが、それ以外のジャンルではあまり見かけない。
構造
簡単に言えば、直径1メートルほどの銅やFRPでできた底の丸い鍋に皮を張ったものである。
皮の材質はプラスチックや動物の皮など様々だが、色はおおむね白か茶色がかったアイボリーである。
近代のティンパニはペダルなどで皮の張り具合を変えて、音の高さを調整する機構がついている。
用法
皮の縁から中心との距離が1/3程度の場所を、マレットと呼ばれるバチで叩く(真ん中は叩かない)。
基本的には大小二個のティンパニを組み合わせて、「ド」と「ソ」、あるいは「ド」と「ファ」の音を出すように調節する(そもそも、ティンパニという言葉自体がイタリア語の複数形である。単数形の言葉もあるが、ティンパニを一個で使う事はまずない)。
ベートーベンやベルリオーズあたりから使い方に様々な工夫がされるようになり、現在では以下のように大きさの違う四個のティンパニを使うのが標準的である。
なお、日本やアメリカではピアノと同様に、低い音を出すティンパニ(大きい)を左側に置くが、ヨーロッパの一部では逆に右から順番に並べる事がある。
アメリカ流ではピアノと同様の配置になる。
ヨーロッパ流では叩くのにより大きい力を使う大きなティンパニが奏者の右側に来る。どちらも一長一短である。