人物
アッガ(Aga)とは、古代メソポタミア、シュメール初期王朝時代のキシュ第1王朝の伝説的な王であり、同王朝の最後の王。
彼は有名な英雄譚『ギルガメシュとアッガ(フランス語版)』に大英雄ギルガメシュの宿敵(ライバル)として描かれた。
彼はキシュの戦神ザババの化身説がある。
アッガは実在が確認されているキシュの王エンメバラゲシの息子であるとされているため、実在の可能性が高いと考えられている王である。
シュメール王名表によれば625年間在位したという。
『ギルガメシュとアッガ(フランス語版)』と呼ばれる説話によると、キシュ王アッガは、ウルク王ギルガメシュに対して降伏するように要求した。
ギルガメシュはウルク市の長老達に対応を協議したが、長老達は降伏すべきだと答え、この結論に反発したギルガメシュは若者達にも対応を尋ねた。
すると、若者達はキシュと戦うべきであると答え、これに満足したギルガメシュはアッガ王の降伏要求を拒否した。
アッガ王は優勢な兵力を持ってウルク市を包囲したが、ギルガメシュの友人(説話によっては家臣)エンキドゥの流した流言によってキシュ兵は動揺し、ギルガメシュとの戦闘が始まるやいなやキシュ兵は逃げ出してしまいアッガ王はギルガメシュに捕らえられた。
しかし、ギルガメシュはかつて流浪の最中にアッガに助けられた恩に免じてアッガを解放し、恩を返した。
この説話が、どの程度事実を含んでいるのかは議論のある所だが、キシュとウルクの関係を論じる際に必ず考えに入れられる話である。
また、この説話を元に原始民主制論など、シュメール研究史上重要な論も展開された。
シュメール王名表によれば、アッガ王の後の王権はキシュからウルクに移ったという。